電子書籍と自炊のデメリット。本のデジタル化で知っておくべきこと。

電子書籍と自炊のメリット・デメリット

電子書籍って、格安で便利なのですが、
安いなりのデメリットもあるわけで、
その仕組みは、理解しておいた方が良い。

手軽に買えるデジタルデータ、
簡単に安く買えるのは「権利」を買っているだけ。
権利の都合、色々と制限が有るのも事実であり、
その権利は、購入ストアに紐づくということ。

同じ電子書籍でも、自分でデータ化する「自炊」という方法も有りますが、
これはこれで一長一短あるわけで、
自炊との違いを理解できれば、上手く使い分けられるとも思っています。

目次

電子書籍ストアのメリット

既に、多くの人が電子書籍を使って居るハズ。
その利点はサックリと。

電子書籍のメリット

  • いつでもどこでも買える
  • 大量に持ち運べる
  • 紙の本よりも安い

電子書籍は、書籍のデータ販売ということで、
インターネットさえ有れば、どこからでも買えるし、
話題になっている書籍も、気になったらスグに読める。
いつでも読みたいときに、読めるわけ。

データ故に在庫切れになることは無いし、
本の保管に必要なのもデータ容量のみ。
スマホやタブレット1台で、
書籍を大量に持ち運べるし、家での保管場所も不要
本棚まるごと持ち運べるのです。

また、電子書籍は、紙の本よりも安く、
キャンペーンやセールで、大幅に安く買えることも多い
漫画本も1巻が無料だったり、途中まで1円だったり、50%還元だったり、
電子書籍ストアのキャンペーンも多々行っていますので。

今では、dマガジン、U-NEXT等、雑誌の読み放題サービスも多く、
Kindle Unlimitedとか、書籍のサブスクサービスまでも有る。
紙の本という物体を所有せず、いくらでも書籍を読める時代になっているのです。

電子書籍ストアのデメリット

ストアに依存する

電子書籍ストアで、電子書籍を購入するという事は、
「本(書籍データ)を買う」のではなく、
「本を読む権利を買う」という事。
手に入るのはコンテンツの使用権のみなのです。

Amazon Kindleストア利用規約にも明記されており、
これはAmazonに限らず同じルール。

Kindleコンテンツの使用。Kindleコンテンツのダウンロード又はアクセスおよび当該料金(適用される税金を含む)の支払いが完了すると、当該コンテンツプロバイダーからお客様に対して、Kindleアプリケーションまたはその他本サービスの一部として許可される形で、Kindleストアより指定された台数の対象デバイス上でのみ、お客様個人の非営利の使用のみのために、該当のKindleコンテンツを回数の制限なく閲覧、使用、および表示する非独占的な使用権が付与されます(定額購読コンテンツの場合は、お客様が定額購読プログラムの有効な会員である限り。)。Kindleコンテンツは、コンテンツプロバイダーからお客様にライセンスが提供されるものであり、販売されるものではありません。

Amazon.co.jp ヘルプ: AMAZON KINDLEストア利用規約

購入したストアの専用アプリでしか読めず、
対応端末、読み心地、本の管理方法・・・と、
その電子書籍サービスに依存する。

また、日本のストアサービスは、日本在住者向けのサービスであり、
海外からの利用、ダウンロードにも制限が有ります
規約外の使い方をすれば、アカウントが凍結のリスクも有り、
買った電子書籍が、全て読めなくなる可能性や、
出版社側の都合や法規制などにより、購入した本が読めなくなる可能性も有ります。

そもそもの話、電子書籍ストアのサービス自体が終了するリスクも有る。
現在では、電子書籍ストアも星の数ほど有り、
同じサービスが10年続く事は奇跡。
既に終了してしまったサービスも多く有るのです。

キャンペーンの激安価格に釣られて会員登録しがちですが、
利用するストアを増やせば増やすほどに、本の管理もできなくなります
使うなら分散しない、Kindleストアが良い。

私は、重複して買ってしまうこともしばしば。
どこで買ったっけ?ってなる時間が不毛であり、
「積読」以上に無駄なのよ。

書籍の貸し借り不可能

多くの電子書籍ストアでは、1つのアカウントで、複数端末に電子書籍がダウンロード可能。
マルチデバイス対応となっており、複数端末での同時閲覧が可能です。

同時利用台数

  • Amazon Kindle:6台まで
  • 楽天Kobo:無制限
  • DMMブックス:無制限
  • ebookjapan:5台まで
  • BOOK☆WALKER:7台まで
  • honto:5台まで
  • BookLive!:5台まで
  • Renta!:1台まで
  • コミックシーモア:5台まで
  • dブック:10台まで
  • U-NEXT:4台まで

ただ、あくまで1つのアカウントが複数端末で使えるだけ。
購入した電子書籍を、複数人で共有できるわけでは有りません

電子書籍は、著作権を守る為、本を他の人と共有できません。
家族内なら端末を貸すことにより、貸し借りはできなくも無いですが・・・これはグレー。

他人とアカウント共有するのは完全にアウト。
友人に本を貸すみたいに、アカウント共有すれば著作権侵害になるのです。

そうは言っても、生計を共にしているならアカウント共有することも有る。
ただ、家族に同じアカウントを使わせれば、電子書籍の購入履歴は見られてしまうし、
勝手に商品を購入されるリスクも生まれるのです。

電子書籍ストアに無い本が有る

電子書籍ストアで、購入できる書籍はまだまだ少ないです。
権利の都合も有るのでしょう。
あっちの電子書籍ストアでは購入できて、こっちの電子書籍ストアでは購入できなかったりもする。

しかも、店舗によって販売価格が違ったり、割引きが有ったり、
ポイントが貰えたり、同じ本で実売価格も異なるのです。
だからといって、サービスを使い分けたら苦労するのは上述したとおり。

現在では、電子書籍じゃないと買えない書籍も有るけれど、
それは一種の情報商材みたいな話であり、
本としての物体で出版されてない書籍は、電子書籍では無いとも思ってます。

書き込みが不可能、勉強に不向き

電子書籍ストアのアプリは、
基本的に読むことしかできず、書き込みができません
できたとしても線を引いたり、辞書を引いたりするだけ。
「Apple Pencil」「Surface Pen」という便利なツール。
電子書籍で購入した本には使えないのです。

スクリーンショットをしてから書き込むという裏技が有りますが、
スクリーンショットは、ページ単位の切り抜きであり、
イチイチスクショして書き込むの?って話。
連なった本に書き込むのとは、話も違うと思います。

かといって、スクショしまくれば、それはそれで問題。
電子書籍データのスクショは、著作権的にグレーであり、
スクショで警告が出るサービスも有りますので。

電子書籍ストアと自炊の違い

同じ電子書籍でも、自分で本を裁断→スキャンして、
データ化するという方法「自炊」も有ります。

自炊は「自炊の手間」が最大のデメリット。
ただ、電子書籍ストアのデメリットは、自炊でだいたい解決できますので。

自炊データは自分の物

電子書籍ストアは、本を読む権利を買うものでしたが、
自炊は、紙の本を買って、自分でデータ化するわけで、
本のデータが自分の物になるのです。

データは自分のPCやHDDに保存したり、複製してバックアップもできるわけで、
データ消失させない限りは、無くなることも有りません。

自然災害が怖いなら、クラウドストレージに保存もできるし、
クラウドストレージサービスとPDFアプリを連携も可能、どこからでも本も取り出せるのです。

無料クラウドストレージの特徴と違い。個人と仕事の使い分けを考える。

電子書籍ストアに縛られないということは、電子書籍ストアのラインナップも関係無い。
今までどおり本のコレクションもできるし、台数制限にも縛られず何台でも同時に本が読めるのです。

PDFデータにしてしまえば、本の管理も簡単になる。
端末も自由だし、読書アプリも自由。
本棚アプリで、実際の本棚のようにも並べたり、
端末や書籍に合わせた、使いやすいアプリも選べるのです。

自炊は書込み、印刷が可能

電子書籍では書き込みに難がありましたが、
自炊本なら書き込みし放題となります。
勉強用途の書籍。参考書、問題集、ビジネス書籍・・・自炊したほうが良い。

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PDFって編集がラクであり、PDFアプリさえあればマジで何でもできる。
iPad、Surface、専用ペンの書き心地も良いからね。

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原本ファイルはコピーできるし、書き込んでも元に戻せる。
デジタルが嫌なら、紙に印刷して鉛筆やペンで書き込みしたって良いのです。

もちろん法律の範囲内での用途に限られますが、
電子書籍ストアが家族共有OKなら、自炊だって問題無いハズだよね。

自炊は裁断→スキャンの手間が有る

自炊してしまえば便利なのですが、自炊するのが一苦労、
紙の本をデータ化するのが大変なのです。

自炊には、裁断とスキャンの手間があり、特に労力必要なのが裁断作業。

電子書籍化しまくって辿り着いた、効率の良い自炊方法まとめ。

裁断済み書籍

私は自炊作業の為、一気に裁断できる200DXを買いましたが、
そもそも自宅に裁断機が必要なのか?っていう話。

Dahle DURODEX 200DXレビュー。自炊裁断機の必要性とデメリット。

いや、これ以上無い裁断機なのですけども、
邪魔だし、メンテナンスも大変じゃない?

created by Rinker
DURODEX
¥42,606 (2024/04/25 18:09:38時点 Amazon調べ-詳細)

自炊用のスキャナーは、Scansnap一択。
自炊データは、スキャナー品質にも依存するし、ScanSnapは自炊に関わらず有った方が良い。

書類という書類、全てデジタル化も可能。
仕事の書類、子供のプリント、全部捨てられるから。

ScanSnapとEvernoteで、本も書類もクラウド化。S1300i と iX500を購入して比較してみた。

ちなみに、裁断済みの本は、
ヤフオク、メルカリ、ラクマといったフリマでも売ってます。
皆さん考える事は一緒、スキャンした後の本がそのまま販売されています。

人気の書籍は、裁断済みでも簡単に見つかりますので、
自炊予定のかたは中古本買うより、手間も省けて経済的。
ヤフオクで「自炊」とか「裁断済み」で検索してみて。

ヤフオクで「裁断済」を検索

ヤフオクで「自炊」を検索

書籍データを販売したら違法だけど、裁断済みの本なら問題無いという・・・ね。
スキャンしたあとも、そのまま売るだけでOKさ。

自炊はリフロー表示できない

販売されている電子書籍は、
端末に合わせて文字サイズを最適化(リフロー表示)してくれますが、
自炊データでは、リフロー表示は不可能です。

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固定レイアウトで表示されてしまうので、
文庫本とかスマホで見ると、文字小さすぎて読めたもんじゃない。

自炊でリフロー対応した、電子書籍リーダーアプリもありますけども、
まぁ、完璧とも言い難いし、だったらKindleが良い。

そもそも、漫画とかイラストメインの書籍は、リフロー表示は不可能。
マンガに限らず電子書籍は、iPad miniくらいのサイズは欲しいし、
やっぱ、8インチのアスペクト比4:3は見やすいのよ。
縦長のスマホだと、無駄なスペースもできるからね。

Fireタブレットはアスペクト比16:10で、
マンガに最適だけど、自炊閲覧には端末として難があるので、
結局のところ、私はiPad miniを愛用してます。

※参考→Amazon Fire HDレビュー。iPad、Androidタブレットと比較したデメリット。 | 俺の動画。

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デジタル本とアナログ本の分岐点

自炊に限らず、スマホ、タブレットで本を読むデメリットも感じてます。
本だと、見たい部分を探しやすい。
パラパラできるから、必要な部分だけ抽出できるし、
繰り返し読みもしやすい。この辺に有ったなって。

電子書籍だと、物体として部屋にも置いておけないので、
買ったことを忘れるし、ふとした時に見返す気にもならない。

また、本という形であることが、文字以外の情報として、
インプットに影響を与えてる感じも否めない。
文字のインク、紙をめくる感覚、めくる音や、紙の匂い、
同じ読むという作業で全然違うし、書き込んだ感じも、紙とタブレットではまた違うわけ。
デジタルは目も疲れるし、なんか頭にも入りづらいのです。

ただ、エンタメ要素の高い本、小説や漫画は電子書籍が良い。
特に漫画本は冊数も多くなりがち。
大量の巻数を置いとく場所も要らないし、イラストはデジタルの方が見やすいことも有る。

単行本以上のサイズ、大型タブレットで読んだり、
文字数多いマンガも、拡大すれば読みやすくなるし、
描写されている絵の迫力も出る。

文字メインの書籍は、なるべく本の形で購入し読んでから判断。
繰り返し読みたいものは、本として置いておく。

面白ければ自炊するけど、印象に残らなければ、そのまま処分する。
見返す時間、管理する手間ももったい無い。
必要無い情報は、必要無いと感じた時点で捨てる努力。
情報の断捨離ですね。

電子書籍と自炊まとめ

電子書籍の登場で、本を本として買う理由も薄れたわけで、
何の為に本を買うのか?問われている気もしました。

電子書籍なら、読みたい時に買って即読める。
なら買っておかなくても良いし、
安いから、後で読むから・・・で買う必要も無い。
本を読む「権利」をコレクションする意味、もっと無いです。

ただ、本のデジタル化は、本に縛られてる人には良い方法。
価値有る「本」と勘違いして、本の奴隷になっている人。
本に縛られて、身動きが取れない人。
捨てられない本は、自炊すれば諦めも付く。
本は読まなければ意味ない・・・けど、そう割り切れないのが人間。

電子書籍化しまくって辿り着いた、効率の良い自炊方法まとめ。

本は場所を取るだけでなく、重さも有りますからね。
地震とかでも危険だし、紙は燃えやすい。

本のままでは劣化する・・・そう言い聞かせて、本日も一冊自炊する。
できることなら本のまま、それは私も同じです。

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この記事を書いた人

KJ新谷のアバター KJ新谷 小さな会社の取締役

平成21年に輸入物販で起業して、既に起業15年目。
法人10期目。小さい会社の代表です。
雰囲気で商売しています。

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