社員や従業員が増えるほどに、増える経費処理の手間。
接待、交通費、交際費、備品購入・・・
全てクレジットカード決済にできれば、
会計業務の手間、領収書の管理の手間もなくなり、
クレジットカードのポイントも貯まります。
事業用のビジネスカード(法人カード)なら、
追加のクレジットカードも発行できる。
部下を監視する為だけでなく、裁量権を与える為にも、
従業員用カードの導入をオススメします。
法人カードによる追加カード年会費と発行枚数の違い。
個人向けのクレジットカードと違うのは、
ビジネスカードのほとんどが、追加カードを発行可能という事。
その年会費や、発行枚数はカード毎に異なります。
例えば、一般ビジネスカードは、代表カードの年会費も安く、
追加カードの年会費も無料だったり、格安なカードが多いです。
ビジネスカード 追加カード年会費&発行枚数
ビジネスカード名称 | 年会費 | 追加カード | 発行枚数 |
---|---|---|---|
ライフカードビジネスライト | 年会費無料 | 年会費無料 | 最大3枚 |
三井住友ビジネスカード for Owners |
1250円+税 ※初年度無料 |
400円+税 ※初年度無料 |
複数枚 |
三井住友ビジネスカード ※法人専用 |
1250円+税 | 400円+税 | 最大20枚 |
JCB法人カード | 1250円+税 ※初年度無料 |
1250円+税 ※初年度無料 |
制限無し |
UC法人カード | 1250円+税 | 1250円+税 | 最大99枚 |
一方、上位カードのビジネスゴールドカードとなると、
基本となるカード年会費も上がるので、
追加カードの年会費も高くなる傾向にあります。
ビジネスゴールドカード 追加カード年会費&発行枚数
ビジネスゴールドカード名称 | 年会費 | 追加カード | 発行枚数 |
---|---|---|---|
EX Gold for Biz S (個人事業主) |
2,000円+税 ※初年度無料 |
不可 | 不可 |
EX Gold for Biz M(法人) | 2,000円+税 ※初年度無料 |
年会費無料 | 最大3枚 |
オリコビジネスカードGold ※法人専用 |
2,000円+税 ※初年度無料 |
2,000円+税 ※初年度無料 |
最大20枚 |
ライフカードゴールド ビジネスライト |
2,000円+税 ※初年度無料 |
2000円+税 | 最大3枚 |
P-one Business MasterCard | 2,000円+税 ※初年度無料 ※年1回利用で無料 |
年会費無料 | 最大5枚 |
三井住友ビジネスゴールド for Owners |
10000円+税 ※初年度無料 |
2,000円+税 ※初年度無料 |
複数枚 |
三井住友ビジネスゴールド ※法人専用 |
10000円+税 | 2000円+税 | 最大20枚 |
JCB法人ゴールドカード | 10000円+税 ※初年度無料 |
3000円+税 ※初年度無料 |
制限無し |
UC法人ゴールドカード | 10000円+税 | 2000円+税 | 最大99枚 |
楽天ビジネスカード ※楽天プレミアムカード必須 |
12000円+税 | 不可 | 不可 |
ダイナースクラブビジネスカード | 27000円+税 | 年会費無料 | 制限無し |
アメックスビジネスゴールド | 31000円+税 | 12000円+税 | 制限無し |
ゴールドカードは、年会費が高くなりますが、
その分、追加カードの付帯保険や付帯特典の内容も良くなります。
また、追加カード発行枚数について、
一律の制限が設けられていないカードが多いですが、
実際、闇雲に追加カードを発行できるわけでも無いので勘違いしないように。
追加カードにも審査はあり、年会費無料のビジネスカードで、
何十枚、何百枚も追加カードが発行できる可能性は低いです。
年会費無料のビジネスカードは、個人事業主や中小企業向けであり、
従業員が多い大企業向けカード(コーポレートカード)とも異なります。
そもそも、カード自体の限度額も有り、
年会費が低いカードは、限度額も低く設定されているという事。
利用額が少ないのに、カード枚数だけ増やしても意味もありませんから。
従業員カードを発行する為にオススメの法人カード
追加カードの為にビジネスカードなら、
代表者個人だけが使うビジネスカードとは、目的が異なり、
結果的に選ぶポイントも異なります。
中小企業が従業員カードを目的としてカードを選ぶなら。
JCB法人カード
ビジネスカードでメジャーなカードといえば、JCB法人カード。
法人カードという名称ですが、個人事業主も発行可能です。
JCB法人カードのメリット
- カード一枚につきETCカードが複数枚発行可能。
- 追加カードの発行枚数に制限無し。
- ポイント付与される(還元率0.5%)。
- 国内・海外の旅行傷害保険が付帯する。
JCB法人カードのデメリット
- 年会費1,250円+税 ※初年度無料
- メンバーズカードの年会費1250円+税 ※初年度無料
- 法人での審査がやや厳しい。
追加カード毎にETCカード1枚という法人カードが多い中、
JCB法人カードは、一枚のクレジットカードに対し、
複数枚のETCカードを発行できます。
追加カードよりも、ETCカードが欲しいなら、
JCB法人カードという選択。
年会費は1枚あたり1,250円と、一般ビジネスカード水準。
ポイント付与、傷害保険とカードスペックも万人受けする内容です。
→JCB法人カードのメリット・デメリット。JCB法人カードの種類と違い。
オリコビジネスカードGold ※法人限定
格安な年会費ながら、ビジネスゴールドカードのオリコビジネスカードGold。
個人事業主の方は、残念ながら申込み不可能です。
オリコビジネスカードGoldのメリット
- 限度額最大1,000万円まで可能
- メンバーズカードが最大20枚まで発行可能。
- ETCカード年会費無料、最大20枚。
- 海外旅行保険・国内旅行保険が付帯。
- 空港ラウンジ利用可能。
- Master Card T&E Savingsが利用可能。
オリコビジネスカードGoldのデメリット
- 法人のみ個人事業主は発行不可能。
- 年会費2,000円+税 ※初年度無料
- メンバーズカードの年会費2,000円+税 ※初年度無料
- ポイント付与されない。
- 新設法人でもOK。
追加カード最大20枚ということで中規模法人まで対応可能。
従業員にカードを持たせる為に重要なのが、
カード発行枚数よりもカード利用限度額という事。
オリコビジネスカードGoldは、
法人カードとしても希少な、限度額最大1,000万円にも及ぶ法人カード。
最大1000万円とはいえど、
追加カード毎にそれぞれ利用可能枠を設定可能なので、
従業員が使い過ぎるリスクも防ぐ事が可能です。
また、ビジネスゴールドカードという事で、
付帯保険や付帯特典の内容も優れており、
特に素晴らしいのがプラチナ級の特典「招待日和」が付帯する事。
→ダイニングサービスが付帯するクレジットカードの比較。グルメ優待特典「招待日和」の違い。
この「 招待日和」もメンバーズカードで利用可能となってしまいます。
従業員が接待に高級レストランを使う事も多いですからね。
審査書類も少なく、他のビジネスカードよりも審査が優しいという点も魅力的。
私も新設法人で申込みましたが、難なく発行できました。
→私が「オリコビジネスカードGold(ゴールド)」を申し込んだ理由。
社員が3名以下の小規模法人なら、オリコEX Gold for Bizのがオススメ。
こちらは追加カードの年会費が無料で、ポイント還元率も高いです。
→オリコのビジネスカード「EX Gold for Biz」のメリット・デメリット。
従業員カードを想定した法人カードの選び方
法人カードの活用で、経理の透明化なんて言いますが、
実際のところ、従業員がクレジットカードを使わないなら意味も無いです。
何の為に従業員カードを発行するのか?
必要なクレジットカードの枚数を明確に。
本会員カード(代表カード)の年会費と同様、
メンバーカード(追加カード)の年会費も有料なカードが多いです。
発行枚数が多いからといって、無闇に追加カードを発行していたら、
その年会費だけで、数千円、数万円。
固定費も馬鹿にならなくなります。
そもそも、全ての従業員にクレジットカードを所持させる必要も無く、
実際にカード利用してもらうのは、
経費利用の頻度が多い従業員や役員に限られます。
カードに利用限度額は有るにしろ、自由に使えるクレジットカード。
平社員に持たせるのはリスクも大きいですからね。
社用車を使うなら、ETCカードが重要。
社用車や営業車を利用する企業なら、
クレジットカードの発行枚数よりも重要なのが、ETCカード発行枚数。
クレジットカード決済はしないけど、有料道路は使う。
従業員毎にETCカードが必要になる。
多くの法人カードは、
追加カード毎に1枚のETCカードというものが多く、
結果的に、追加カードの発行枚数も影響してくるという。
ビジネスカード ETCカード年会費&発行枚数
ビジネスカード名称 | ETC年会費 | ETC発行枚数 |
---|---|---|
ライフカードビジネスライト | 年会費無料 | 1枚のみ |
三井住友ビジネスカード for Owners |
年会費500円+税 ※初年度無料 ※年1回利用で無料 |
カード毎に1枚 (複数枚程度) |
三井住友ビジネスカード ※法人専用 |
年会費500円+税 ※初年度無料 ※年1回利用で無料 |
カード毎に複数枚 |
JCB法人カード | 年会費無料 | カード毎に複数枚 (実質無制限) |
UC法人カード | 年会費無料 | 最大99枚 |
ビジネスゴールドカード ETCカード年会費&発行枚数
ビジネスゴールドカード名称 | ETC年会費 | ETC発行枚数 |
---|---|---|
EX Gold for Biz S (個人事業主) |
年会費無料 | 1枚のみ |
EX Gold for Biz M (法人) |
年会費無料 | カード毎に1枚 (最大4枚) |
オリコビジネスカードGold ※法人専用 |
年会費無料 | 最大20枚 |
ライフカードゴールド ビジネスライト |
年会費無料 | 1枚のみ |
P-one Business MasterCard | 年会費無料 ※新規発行1000円 |
代表カード1枚のみ |
三井住友ビジネスゴールド for Owners |
年会費500円+税 ※初年度無料 ※年1回利用で無料 |
カード毎に1枚 (複数枚程度) |
三井住友ビジネスゴールド ※法人専用 |
年会費500円+税 ※初年度無料 ※年1回利用で無料 |
カード毎に複数枚 |
JCB法人ゴールドカード | 年会費無料 | カード毎に複数枚 (実質無制限) |
UC法人ゴールドカード | 年会費無料 | 最大99枚 |
楽天ビジネスカード ※楽天プレミアムカード必須 |
1枚目無料 2枚目以降500円+税 |
制限無し |
ダイナースクラブビジネスカード | 年会費無料 | カード毎に1枚 (実質無制限) |
アメックスビジネスゴールド | 年会費500円+税 | 代表カード会員5枚 追加カード会員1枚 |
追加カードの年会費とは別に、
ETCカードの年会費が発生するカードも有り、
ETCカードの枚数制限も有りますので、併せて気を付けましょう。
年間利用額を考える。ポイント還元率と年会費。
クレジットカードというと、ポイント還元率で考えがちですが、
貯まるポイントは所詮0.5%程度です。
一方、追加カードの年会費は、代表カードと変わらないカードも多い。
例えば、追加カードの年会費1250円の元を獲るには、
年間25万円以上の利用が必要だという事。
追加カードで年会費を払うなら、ポイント還元率は無くとも、
年会費無料のカードを使った方が、得する可能性も高い。
支出を増やしてポイント還元するよりも、固定費リスクを抑える。
経理の効率化が目的なら、
ポイント還元よりも、年会費を抑えた方が良い。
カード限度額は追加カードも共通。
社員や従業員用の追加カードは、
代表カードと限度額(ショッピング利用枠)も共通となります。
追加カードを発行すれば、限度額が上がるというワケでも無く、
個人クレジットカードでいう家族カード的な扱いです。
年会費が格安なビジネスカードの場合、
限度額も低い場合が多いので、従業員が使う事により、
肝心な経費決済でカード決済が不可能となってしまうパターン。
限度額が低いまま、追加カードを発行しても、
結果的に固定費が上がるだけ。
ポイント還元率の元を獲るほど使えません。
法人カードの審査は、基本的に個人とは別なので、
新設法人や赤字法人の場合、限度額もより低くなる可能性は高い。
法人カードで限度額に悩むなら、
代表者個人で審査してくれる法人カードを使うのも手。
個人でクレジットカードを使っているなら、
最初から限度額も高めに設定されているハズです。
付帯保険と付帯特典の内容を考える。
多くのビジネスカードの追加カードでは、
基本的に代表カードと同じ保険や特典が付与されます。
例えば、従業員の出張が多い場合は、
付帯保険や空港ラウンジ特典の有るカードを選んだ方が、
結果的にコストパフォーマンスは高くなるかと。
旅行保険は別途加入すれば高額だし、
空港ラウンジサービスも同伴者料金は高く設定されています。
ビジネスゴールドは、一般的なゴールドカードよりも、
格安なカードも多いので、年会費+2000円くらいで、
様々なビジネスゴールド特典が付与されるなら、
従業員の福利厚生としても有りなんじゃないかと。
→法人ゴールドカードを比較する。オススメのビジネスゴールドカード。
社員・従業員にクレジットカードを所持させる利点。
従業員に社用クレジットカードを所持させるのは、
金銭面でのリスクも有り、個人的にも抵抗が有りましたが、
業務効率化を求めるなら、避けては通れない道だと思っております。
年会費がかかる以上のメリットについて。
裁量権を与えて業務スピードの効率化を計る。
物販なら細かい仕入れの判断を任せる。
WEB広告の運用を任せる。
代表者の判断するポイントが少なくなるだけで、
業務スピードは改善されます。
なるべく上の人間が仕事をしない為に、
なるべく責任の有る仕事を任せる。
クレジットカードには限度額があるので、
現金や法人口座を管理させるよりは、断然リスクも少ないです。
事細かに明細も出てしまうので、横領や悪用もしづらい。
明朗会計にも繋がり、会計ソフトへ自動仕分けにも繋がるので、
事務作業の軽減にも役に立ちます。
クラウド会計は超便利ですから。
→個人事業主のクラウド会計「マネーフォワードクラウド」「freee」「やよいの青色申告オンライン」比較
立替精算(領収書)の手間や金銭トラブルが減る。
従業員の数だけ、領収書が増え、その管理は煩雑となります。
会計業務を自社でやっているなら尚更、
経理作業の手間が増えれば、管理コストも増えます。
現金の領収書の場合、都度確認するのも面倒ですし、
後から確認するにも、紙っぺら一枚では情報が少なすぎます。
領収書の貰い忘れや紛失したら、
損金計上も難しいし、立替精算でトラブルも起こり得ます。
なるべく経費精算はクレジットカードにしておく。
これは代表者だけでなく、従業員の為。
いつどこで誰が何に利用したか?
利用者も利用先も日付も、しっかりと載る以上、
従業員も下手な事には使えませんから。
交通費精算の手間も無くなり、ETCカード割引も効く。
交通費の精算という面で、法人ETCカードは便利ですが、
ETCカードを使う事で、更に通行料金が割引となります。
平日朝夕割引、深夜割引、休日割引とETC割引、最大50%オフ。
支払いの手間、経理の手間だけでなく、料金面でも導入しないと損です。
ETCカードには、ETCの利用照会サービスも有るので、
ETCカード毎に履歴も細かく確認できるという。
履歴が残るよっていう、圧力として有効なんじゃないかな。
決済でポイントが貯まり、各種手数料も抑えられる。
現金よりもクレジットカード決済した方が、
手間だけでなく、手数料も抑えられます。
銀行の振込手数料も馬鹿になりませんからね。
個人的な都合で、海外決済が多いのですが、
海外でも現金決済しようとすると、
外貨両替の手間も発生し、両替手数料もボッタくられる。
また為替レートが発生する都合、経理上も色々とややこしくなってしまいます。
海外店舗で決済するなら、従業員カードで直接決済してもらう方が助かるって事。
決済レートもよく、経理上も決済毎に円換算で明朗会計。
更には、ポイントも貯まってしまうという。
ただ、ポイント還元については、追加カードの固定費も有りますので、
ポイント還元率で得するって考えよりは、
経理の手間の削減の方が大きいとは思いますけど。
ポイントも所得として課税対象の傾向にありますからね。
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