- 有孔ボードは25mmピッチ・穴径5mmを選べば金具選びに困らない
- 賃貸の壁への固定は石膏ボード用の止め具か突っ張り柱の二択
- 壁一面に敷き詰めても費用は約6万円。小さく始めるなら2万円弱
穴の開いた板を壁に固定するだけで、収納が作れる魔法の板。有孔ボード、またの名をパンチングボードは、賃貸の壁面収納では避けて通れない定番アイテムです。軽くて取り回しがしやすく、見た目も良い。しかも収納のレイアウトを、後から自由にカスタマイズできるのですよね。
ただ、有孔ボードは万能ではありません。この穴の開いた板に何でも固定できるわけでもない。私は7〜8年前に初めて有孔ボードラックを作ってから、いくつも作ってきましたが、作ったからこそ分かった弱点や、向き不向きもあるのです。
この記事では、有孔ボードのメリット・デメリットから、25mmピッチという選び方の基準、賃貸の壁を傷つけない固定方法、フックの選び方まで。壁一面をパンチングボードラックにした実例をもとに、具体的にまとめておきたいと思います。
有孔ボードを使うメリット
収納レイアウトが自由自在
有孔ボード最大の魅力は、自由自在な収納レイアウトにあります。板に等間隔で穴が開いており、そこに専用のフックや棚板を差し込んでカスタマイズできる。パンチングボード用フックのバリエーションも多く、引っ掛けたり、乗せたり、棚を作ったりもできます。

収納するアイテムが変わっても、いつでも簡単に配置を変更できる。つまり、収納するものは後で考えれば良いわけです。後から融通が効くというのは、DIY初心者にはありがたいポイントです。
見せる収納になる
パンチングボードは見た目が良く、単なる収納ではなく「見せる収納」としてインテリア性が高いです。木材の有孔ボードなら壁紙とは違った柔らかい風合いになるし、塗装すれば部屋の雰囲気も自由に変えられる。収納兼ディスプレイ板となる、インテリアラックとしても優秀なのです。

ガジェット、キッチンツール、アクセサリーといったこだわりのアイテムを飾ることで、収納と言いつつ、さりげない自慢もできる。もちろん無理して飾らなくても良いし、フックを外してしまえば省スペースな、ただの壁になります。収納の柔軟性だけでなく、壁としての柔軟性もあるのが有孔ボードなのです。
壁掛けは取り出しが早い
壁掛け収納にすることで視認性が良くなり、使い勝手も上がります。これはパンチングボードに限った話ではないのですが、壁面の陳列収納は本当に便利なのですよね。よく使う道具をすぐ手の届く場所に掛けておけば、引き出しや箱から出す手間がなくなり、取り出しが圧倒的に早くなる。

どこに収納したかを悩むこともなくなります。私は最近、引き出しに物をしまうと「どこに入れたか」を探しているうちに別のことを始めてしまう始末なので、物忘れが増えてきた人にもおすすめしたい収納方法です。
有孔ボードのデメリット
耐荷重が低い
一番の問題は、耐荷重が低いことです。パンチングボードは薄い板に穴が開いている構造のため、どうしても強度が弱くなります。一般的に使われるのはベニヤ板のような薄い合板で、そこに穴が大量に開いているのだから、普通の板より弱くなるのは仕方ない。
重い工具を掛けると有孔ボードがたわんだり、最悪の場合は割れる可能性もあります。板に直接ネジを打ち込むのもやめた方が良いでしょう。
引っ掛ける手間とガタつき
薄い板の穴に引っ掛けて使う構造なので、掛けていた物を取り出すときに板がたわんだり、フックが浮いたり、ガタついたりします。使用頻度が高いアイテムだと、この不安定さは結構ストレスです。

有孔ボード用のフックはセット売りも多いのですが、アイテムを綺麗に並べることと、使いやすいことは別の話。穴を通して引っ掛ける動作は意外と面倒で、フックがガタつくストレスと相まって、使い勝手はあまり良くないと思っています。できることなら頻繁に使うものは有孔ボードに掛けたくない。というのが、長く使ってきた私の正直な気持ちです。
ちなみに有孔ボードには、スチール素材の「アイアンパンチングボード」もあります。強度が高くマグネット収納も可能になるのですが、重量があり、カットや穴あけといった加工が難しくなる。大きなサイズの製品も売っていないし、値段も高額です。少なくとも「壁一面をパンチングボードにする」といった用途には向いていません。木材のパンチングボードは、強度が低いからこそ軽量で加工しやすい。この取り回しの良さも、有孔ボードを使う理由の一つなのです。
有孔ボードに向く収納
軽くて見せたいものを飾る
有孔ボードの強度はそれほど高くないので、収納するものは軽いものが前提です。引っ掛けて使うことが多いので「頻繁に取り出す必要のない物」を飾るのに適しており、使うことよりも、見せる目的の比重が高いアイテムが向いています。見える位置に置かないと使い勝手も悪くなるから、どっちみち見えてしまうし、見えることを意識した方が良いのは間違いありません。
私がパンチングボードに陳列しているのは、頻繁には出し入れしない、ちょっと見せたいガジェット類です。ゲームコントローラー、キーボード、左手デバイス、ヘッドフォン。使うときには使うけど、毎日は触らないものですね。

あとは、ケーブルの管理や配線ステーションにも向いています。ONUやルーター、電話機は比較的軽いし、配線難易度が高いものを試行錯誤しながら並び替えられる。ワイヤーラックのように使えて、ワイヤーラックより見た目が良いのです。
重いものは向かない
一方で、有孔ボードに向いていないのは重いものです。一箇所に負荷がかかれば割れたりたわんだりするのは、先ほどの通り。棚を作るパーツもありますが、本のような重いものを乗せるには向いていません。置くとしても表紙を見せる正面置き、「本の表紙を飾る」といった使い方が適切でしょう。
重い工具も掛けられるとはいえ、だったら強度のある棚や柱にガッチリ固定した方が使いやすい。特に電動工具は重いので、フック掛けでは心配です。私はベッドフレームを解体して突っ張りのラダーラックを作り、そちらに掛けています。似たようなものはラブリコでも作れますからね。
よく使うものはマグネット固定
有孔ボードには「引っ掛ける」という手間が必ずついて回ります。フックが固定されていないので、フックにぶつけないよう穴をうまく通しながら取り出すという作業。クレーマーみたいで恐縮なのですが、これが本当に手間なのです。
よって私は、頻繁に使うアイテムは全てマグネット固定に移行しました。よく使うものは引っ掛けるのではなく、くっつける収納。磁力による固定なら位置も柔軟に変えられるので、吊り下げより綺麗に陳列できるし、フックがない分、見た目も良い。スチール素材の工具なら整然と並べられて、取り外しも簡単です。

スチールアイテムはマグネットバーでくっつけられます。マグネットバーはキッチン用として売られている商品が多いのですが、スチール素材なら何でもくっつくから、工具や文房具にも使えるのですよね。山崎実業の包丁ホルダーは両面がマグネットになっているので、バー自体をスチールボードに固定することもできます。
私は木材の有孔ボードだけでなく、スチールボードにもマグネットバーを使いまくっています。リビングの文房具、デスク周りの仕事道具、作業デスクの工具、撮影デスクの撮影機材。ホワイトボードもスチールボードとして使っている。スチールボードならマグネットフックも使えて位置も自由自在なので、なんだかんだでスチールボードが最強だとも思っているのでした。

有孔ボードの選び方
ピッチは25mmを選ぶ
有孔ボードは、その名の通り小さな穴が等間隔に開けられた板材のことです。日本では「パンチングボード」とも呼ばれますが、これは和製英語で、世界的には「ペグボード」という名称が一般的です。
そして有孔ボードには、穴の間隔(ピッチ)が「25mm」と「30mm」の2種類が存在します。
| 25mmピッチ | 30mmピッチ | |
|---|---|---|
| 穴径 | 約5mm | 約8mm |
| 由来 | アメリカ発祥の1インチピッチ | 日本独自の規格 |
| 流通 | 世界的に主流。日本でも普及 | 日本国内の一部 |
| 金具の入手性 | ホームセンターや100均に多い | 選択肢が少ない |

世界的に規格が統一されているわけではありませんが、アメリカ発祥のペグボードに由来する約25mmの1インチピッチが主流で、穴径はおよそ5mmが一般的。日本では30mmピッチ、穴径約8mmのタイプも流通していますが、国内でも25mmピッチの方が広く普及しています。
悩むなら、25mmピッチを選んでおけば間違いありません。ホームセンターや100円ショップで販売されている有孔ボード用の金具も25mmピッチのものが多く、汎用性が高いのです。我が家の有孔ボードも全て25mmピッチで統一しており、あっちで使わなくなったフックをこっちで使う、という運用ができています。
IKEAスコーディスの注意点
有孔ボードというとIKEAの「SKÅDIS(スコーディス)」がメジャーかと思うのですが、スコーディスはボードのサイズや穴のピッチが独自仕様のため、一般的な有孔ボード用のパーツやフックが流用できません。専用の拡張パーツを揃えていく必要があり、今後もIKEAで購入し続けることになる。サイズやパーツのラインナップにも限界がありますからね。
丸みを帯びたデザインが好きなら良いのでしょうけども、汎用性を考えるなら、私は一般的な25mmピッチの有孔ボードを選びたいところです。
アイアンパンチングボードという選択肢
スチール製が欲しいなら、私が使っているのは株式会社SANKAの「スチールパンチングボード」です。日本の老舗メーカーの商品で、汎用性の高い25mmピッチ。マグネットボードとしても使えるし、スチール製のため強度と耐荷重が高い。何より質感が良く、インダストリアルな見た目もカッコ良いのです。

頑丈なアイアンプレートに25mmピッチで5mmの穴が開いている。このルールを理解しておくと、自分好みのカスタマイズもできます。穴の直径が5mmならM4ネジが通るので、M4ネジとナットで何でも固定できるわけです。
たとえばモニターを固定するVESA規格のネジ間隔は100mmが多いので、25mmピッチなら穴4つ分でVESA幅にぴったり合います。アイアンパンチングボードを吊り下げれば、表だけでなく裏側にも25mmピッチのフックが使える。

カメラで使う1/4インチネジは約6.35mmなので5mmの穴には入りませんが、M4から1/4インチネジへの変換アダプターを使っても良いし、なんならドリルで穴を広げるという力技もあります。穴を広げるだけなら難しい話ではなく、電動ドリルでグリグリやるだけ。私はVESA100は使うけどVESA75はもう使わないので、不要な穴はバシバシ広げて、サンコーのロングポールにエルゴトロンのアームを組み合わせた、ドリーみたいな一脚棚も作っています。便利かどうかは置いといて、こういう改造ができるのもスチールボードの面白さです。

賃貸の壁に固定する方法
吊り下げ固定はやめた方が良い
有孔ボードは穴が開いているので、フックで吊り下げることもできなくはありません。ただ、固定する場所が上だけになるので板がプラプラして使いづらくなります。有孔ボードの強度が低いことは何度も述べた通りで、上の穴に全ての荷重がかかるのは精神衛生上よくない。何にせよ、吊り下げて使うのはやめた方が良いでしょう。
賃貸住宅の壁を傷つけずに有孔ボードを壁面固定するなら、実質的に2つの方法に絞られます。石膏ボード用ピンで留め具を打ち付ける方法と、2×4アジャスターで突っ張った柱に固定する方法です。
石膏ボード用の止め具
石膏ボードに対応した専用の止め具を使えば、壁に小さなピン穴を開けるだけで有孔ボードをしっかり固定できます。私が使っているのは株式会社光の「壁面用パンチングボード止め具」。壁に直接固定するのに限りなく近いので、より省スペースで、見た目もすっきり仕上がります。

ただし難点は、石膏ボードの壁にしか使えないことです。硬い壁やコンクリート壁には使えません。壁に直接固定する都合、位置の修正も困難なので、事前に正確な位置を決めておく必要があります。
2×4材の突っ張り柱
もう一つが、2×4アジャスターで柱を突っ張り、その柱に有孔ボードをネジ固定する方法です。柱を突っ張るだけなので設置が簡単で、突っ張った木材にはどこでもネジ打ちができる。有孔ボードだけでなく棚受けも固定できるので、有孔ボードと強度のある棚を組み合わせることもできます。
柱を突っ張る都合、垂直な柱がベースになるので、有孔ボードの水平も取りやすい。ネジ打ちの位置に融通が利くから、後から棚を増設したり、打ち直したりもできます。実際、私は何度も打ち直しています。難易度が低いのは突っ張り方式だと感じています。
2×4アジャスターの代表的な製品にはラブリコとディアウォールがあり、ラブリコはジャッキ式、ディアウォールはバネ式と突っ張り方法が異なります。どちらが使いやすいかといえば、私はラブリコを選びたい。ラブリコとディアウォールの違いや突っ張りDIYの注意点は、別記事で詳しくまとめています。
→ 関連記事:ラブリコとディアウォールで作る壁面収納DIY
壁一面ラックの作り方
ここからは、私が突っ張りDIYで作った黒い壁一面パンチングボードラックの製作方法です。
作った場所は、Windowsデスクの裏にある謎に凹んだデッドスペース。賃貸ならではの白い壁紙を何とかしたい、音声録音用に音の反響を抑えたい、デスク裏のスペースに意味を持たせたい。この3つの目的から、壁一面を黒い有孔ボードで敷き詰めて、ウォークインできる収納スペースを作ることにしました。

設計プランと寸法の計測
最初にやるのは設計プランの作成です。作業前に具体的に考えておくことで、行き当たりばったりにならず、スムーズに作業を進められます。設計図を書いて、できれば作業工程も考えておく。面倒なのですけど、これをやるかやらないかで、かかる時間は3倍くらい変わってくると思っています。
設計プランといっても難しいものではなく、設置する場所のイラストを書いて、寸法をもとに逆算していくだけです。私はコピー用紙の裏紙に適当なイメージ図を書いて寸法を記載し、別の紙に作業工程と使うものを思いつくまま書き出しました。適当に書くのでゴチャゴチャになっていくのですが、書くことが重要。作るもののイメージを具体化することで必要なものが明確になり、作業の流れを考えることで複数の作業を同時進行できるようになります。

ここで最重要なのが、寸法をなるべく正確に計測することです。賃貸住宅の天井高はズレているのが当たり前。我が家も左右で天井高が異なるし、壁の横幅も上と下で全然違いましたからね。できれば、何を収納するのかまで考えておきたいところです。収納は闇雲に増やしても、その収納ツール自体が邪魔になりますから。
材料の調達と費用
設計プランができたら、作業工程を見ながら必要なものをリストアップしていきます。材料の中で一番厄介であり重要なのが木材です。木材はカットしてもらった方が圧倒的に楽だし、わざわざホームセンターに行くなら、オンラインで買った方が安いことの方が多い。カットして運ぶ手間を考えたら、十分納得できる価格でしょう。今回使ったツーバイ材と有孔ボードも、全部カットしてもらって自宅まで配送してもらっています。
木材をカットしてもらう上で重要なのが、カットの指示です。「寸法からの設計プランが大事」というのも、この木材カットのため。カット寸法だけは何度も確認して、間違えないように注文してください。
ちなみにホームセンターに行くつもりなら、先に100円ショップを見た方が良いと思います。ネジや工具類は100均で大抵揃うし、そもそもDIYで必要なのは、正確にネジ打ちするための道具くらい。今回の作業で使う本格的な工具も電動ドライバーくらいですからね。簡単にできるのがDIYの醍醐味であり、むやみに作業を増やさない。ラクをすることで費用も安く済み、ミスも不要なストレスも減らせます。
参考までに、今回用意したものをまとめました。
| 単品価格 | 数量 | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 【柱】ラブリコ 2×4アジャスター アイアン | 約1,300円 | 4 | 約5,200円 |
| 【柱&棚板】2×4材 2440mm | 990円 | 5 | 4,950円 |
| 【棚板】1×4材 2440mm | 3,880円 | 2 | 7,760円 |
| 【棚板】1×6材 1830mm | 1,510円 | 1 | 1,510円 |
| 【塗料】ターナー アイアンペイント ブラック 200ml | 約1,000円 | 1 | 約1,000円 |
| 【塗料】アイアンペイント プライマー 200ml | 約700円 | 1 | 約700円 |
| 【塗料】アサヒペン ラッカースプレー 艶消し黒 | 約800円 | 1 | 約800円 |
| 【壁】有孔ボード 25mmピッチ 1800×900mm | 4,050円 | 3 | 12,150円 |
| 光 壁面用パンチングボード止め具 4個入り | 約250円 | 5 | 約1,250円 |
| 有孔ボード シェルフスルー 黒 | 590円 | 6 | 3,540円 |
| 有孔ボード Wバーフック 50mm | 390円 | 11 | 4,290円 |
| 有孔ボード Wバーフック 90mm | 430円 | 2 | 860円 |
| 有孔ボード Jフック 5個入り | 540円 | 1 | 540円 |
| 有孔ボードフック ダイソー 4個入り | 110円 | 10 | 1,100円 |
| 有孔ボードフック 100mm 50本入り 黒 | 約2,500円 | 1 | 約2,500円 |
| フック先端キャップ 10個入り | 約100円 | 1 | 約100円 |
| L字金具 セリア | 110円 | 6 | 660円 |
| 配線モール ダイソー | 110円 | 4 | 440円 |
| Philips Hue ライトリボンプラス 2m | 約14,000円 | 1 | 約14,000円 |
| 合計 | 約63,350円 |
円安で物価が上がっているので2025年3月時点で再計算していますが、棚も照明も含めてトータル6万円くらいはかかっているかなと。今後また上がる可能性もあるので、費用はくれぐれも参考までにお願いします。
柱を突っ張る
必要なものが揃ったら、あとは組み立てるだけです。まずはツーバイ材を壁に固定していきます。
今回は上から下まで有孔ボードで埋め尽くすのが理想で、ラブリコ部分もこの板で覆いたいので、ラブリコの出っ張りはない方が良い。というわけで、ラブリコの中でもスリムな形状の「ラブリコ アイアン」を使いました。定価は1,793円ですが、市場価格は1つ1,300円ほどです。

この凹んだ場所の天井高は187cmほど。ラブリコ アイアンの取り付け寸法は天井高マイナス7.5cmなので、必要な板は179.5cmが4本です。左右で微妙に高さが違うとはいえ、数ミリくらいなら微調整が効くのがジャッキ式のラブリコの良いところ。
有孔ボードの端が柱の中央あたりに重なるように柱の間隔を調整し、有孔ボードの幅に合わせて垂直に並べていきます。ラブリコは下側に両面テープのクッションを貼り、上側のジャッキを回して固定する仕組み。私は墨出し器を使っていますが、両サイドは壁面に合わせて固定すれば垂直になるでしょうし、左右の柱から上下同じ寸法で設置すれば、中央の板も平行かつ垂直になると思います。柱の位置が決まったら、ジャッキをドライバーで回せば固定完了です。

有孔ボードを固定する
続いて、固定したツーバイ材に有孔ボードを固定していきます。設置する壁のサイズは横199cm、縦187cm。有孔ボードを6枚にするか3枚にするか、縦に並べるか横に並べるかで悩んだのですが、結果、縦向きの板を3枚並べることにしました。
小さい有孔ボードを選ぶと選択肢も増えて配送料も抑えられるのですが、大きい板を使った方がつなぎ目が少なくなって見た目が良いのですよね。板を固定する際も、枚数が少ない方が板を合わせる手間が減る。ズレるリスクを減らすために、なるべく少ない枚数で組み立てられるようにしたわけです。
探した中で一番大きな有孔ボードが180cm×90cmだったので、短い方の90cmを66cmにカットしてもらい、180cm×66cmを3枚用意。横に3枚並べて横幅198cmにしました。壁の横幅は約199cmですが、上下で5mmほど幅が異なり両サイドとも歪んでいるので、入らないことを恐れて1cmほど余裕を持たせた次第です。天井高187cmに対して板の縦は180cmなので、下が7cmほど足りなくなりますが、下の方は見えても良いかなと。実際にどう処理したかは、この後の工程で出てきます。

大判の板をそのままネジ固定すると、左右の穴が柱で塞がれて使える部分が減ってしまいます。そこで、パンチングボード用のスペーサーを間に挟みました。これも株式会社光の商品で、4個セット約250円。1枚につき6箇所固定するので、6×3で合計18個使っています。
天井に合わせて隙間なく固定したいところですが、天井も歪んでいるので、どちらかに合わせると片方に微妙に隙間が空きます。我が家は左側の歪みが大きく、左に向けて天井が高くなっていたので、天井も横も右側を基準に固定しました。多少の隙間は許容しつつ、柱に対して垂直かつ平行になることを優先しています。
私は一人で四苦八苦しながらネジ止めしましたけど、正直このサイズは誰かに手伝ってもらった方が良いですね。平行に固定するのも、間にスペーサーを入れるのも、誰かに支えてもらわないと難しいと思います。
ラブリコの足を隠す
床と天井で支えるラブリコは、そのままだと下側のパーツが見えてしまいます。設計段階では有孔ボードの端材をカットして被せようと思っていたのですが、うまくカットできる自信もなく、固定するのも面倒だなと思い始めた矢先、散らかったツーバイ材の端材がそのままカバーになることに気づきました。
2×4材の幅は約89mmで、ちょうど足らない部分が隠れる。壁幅ぴったりにカットして、ハメ込むだけです。ぴったりのサイズならズレないし、カバーを外せば掃除もしやすい。ただ、有孔ボードを固定しているネジが干渉したので、ネジを穴1個分上へ移動しています。

ツーバイ材そのままだと「もろ木材を置いてるな」という見た目だったので、ブラック塗装もしました。使ったのはターナー色彩のアイアンペイント。スポンジで叩きながら塗装することで、ゴツゴツした質感になって重厚感が出ます。有孔ボードと色味が揃い、一体感のある見た目になりました。いや、これホント、置いてるだけですからね。

間接照明の取り付け
棚と目隠し板で光源を隠す
なるべく隙間なく設置したつもりでも、賃貸の歪んだ天井のせいで、上部に微妙な隙間が開きます。この隙間をうまくごまかせないかと考えたのが、間接照明の取り付けです。上部に棚を設置すれば隙間は見えなくなるし、その棚に照明を仕込めば光源も隠せる。インテリアラックとしての見栄えも良くなるのではないかと。
棚に使ったのは、2×4の半分の厚みの1×4材です。目隠しするだけなので軽い方が良い。下段の2×4カバーと同じく壁幅に合わせてカットし、私は家にあった2枚の1×4端材を繋げて使いました。棚受けはセリアのL字金具で、ネジ付きで1つ110円。4か所の予定でしたが棚板が微妙に歪んでいたので、最終的に6か所で固定しました。うち3か所は裏にツーバイ材がある位置なので、ガッチリ固定できています。
この板の上にPhilips HueのLEDテープライトを取り付けます。カットも拡張もできて、光量も1800ルーメンと十分明るく、色味も自由自在。我が家の照明は全てPhilips Hueで統一しているので、リモコンもそのまま使えるのです。テープライトを裏面のテープで天板に貼り、その天板を棚に置くだけ。

ところが、置いてみると棚の位置が少し低くて、光源が見えてしまうのですよね。というわけで一旦棚を外し、垂直方向に伸びる目隠し板を取り付けました。後述する棚材の端材(高さ4cm・幅50cm×4本)がちょうど良さそうだったので、木工用ボンドで固定。ネジは使っていません。すると今度は、くっつけた木材の隙間から光が漏れる。これまた上からボンドをベタ塗りして、塗装剤を叩きまくって、今度こそ完成です。

ディスプレイの裏を明るくする理由
間接照明を追加したことで見栄えは良くなりましたし、ディスプレイの裏側が明るくなることで、ディスプレイワークの目の疲れも軽減できると感じています。私は全てのモニターにPhilips Hueの間接照明を導入しており、デスク下やデスク裏だけでなく、テレビ裏にも必ず設置しています。
目の疲労に関わるのは、主に明暗差です。部屋が明るければ良いというわけではなく、できる限りコントラストを減らすことが重要。明るく光るディスプレイの裏側を明るくすることで明暗の差が少なくなり、目が疲れづらくなるということです。ディスプレイワークで明るくすべきなのは、デスクの上の手元ではなく、後ろ側なのです。
それに間接照明は、ディスプレイに光が直接当たらないのも良いところです。シーリングライトのような直接照明は、ノングレアのディスプレイでも光が当たれば反射します。光源が近いほど反射して見えづらくなるので、スタンディングデスクで天井の照明が近くなる人は特に注意が必要です。デスクライトやモニターライトも「モニターに反射しない」と謳う製品が多いのですが、あれは「引っ掛けているディスプレイに反射しづらい」という話。縦のディスプレイ、手元に置いたディスプレイ、マルチモニターでは気をつけた方が良いと思っています。そもそもデスクの上という限られたスペースを明るくするための補助ライトですからね。
下手に部屋を明るくするより、間接照明だけの薄明るいぐらいの部屋で作業した方が目も痛くなりづらい、というのが私の個人的な感想です。歳をとるほどに瞳孔の調整機能は衰えていきますから、余裕があるうちに照明も考えた方が良いんじゃないかなと。モニターの配置と目の疲れの関係は、こちらの記事でも詳しく解説しています。
→ 関連記事:スーパーウルトラワイドのメリット・デメリット。49インチ長期レビュー
配線を隠す
棚に照明をつけると困るのが、配線の処理です。右側から出た電源ケーブルを、壁沿いに這わせて隠すことにしました。棚の右側は配線用にカットしたわけではなく、実は板が足りなくて隙間が空いているだけなのですけど、これを敢えて開けたみたいに仕上げている私も褒めていただきたい。
配線隠しに使ったのは、ダイソーのケーブルモールです。大量に買ったのに使わず余っていたやつですね。私はケーブルモールが凄く嫌いです。固定もしづらいし、配線の位置も変更できなくなる。それでも捨てるのはもったいないし、見てくれる人のために、見た目優先で頑張ることにしました。面倒ならピンで引っ掛けたり、幅広のマスキングテープでごまかしても良いと思います。

ケーブルモールは賃貸では使いどころが難しいアイテムです。裏側の両面テープは粘着力が高くて壁紙が剥がれるし、下地にマスキングテープを貼れば粘着力が弱くてそのうち落ちてくる。今回私はどうしたかというと、粘着テープを一旦皮膚にペタペタして粘着力を落としてから貼り付け、その上から石膏ボードピンで一部を固定しました。ピン固定しなくても、時間が経った今も落ちてくる気配はありません。壁紙が多少剥がれるくらいは許容範囲です。国土交通省のガイドラインを見る限り原状回復の義務ではないとも思っていますが、この辺は自己責任で。
あと、角に這わせる都合、ケーブルモールをカットして取り付けています。モールの上側だけ斜めにカットして、上側だけずらして固定すると、角に沿ってピッタリ這わせることができるのです。ズラした分、下側は長くなるので、気になるならこちらもカット。角用のパーツを買わなくて良いし、様々な方向に対応できるので、このやり方を発見したのは私だとも思いたい。ただ、切れ味の良い専用カッターは必要ですけどね。

配線処理の考え方やアイテムは、配線整理の記事でも詳しくまとめています。
→ 関連記事:PCデスクとテレビ裏の配線整理
フックの選び方
バーフックとJフックの違い
ここまで来たら、あとはフックで並べたいものを並べるだけです。ただ、この「並べるものに対する最適なフック」に私は非常に悩みましたので、フックの選び方についても詳しく書いておきます。
大前提として、有孔ボード用のフックは孔ピッチ25mm・孔径5mm対応を選びましょう。その上で、用途に合わせて様々な種類があります。定番かつ汎用性が高いのは、J型の「Jフック」とT型の「バーフック」です。

Jフックは先端がJの字に曲がっており、物を引っ掛けるのに適した「これぞフック」という形状。一方バーフックはT字型で、物を掛ける部分が水平になっています。これにより、ただ引っ掛けるだけでなく、物を置いたり立て掛けたりできるわけです。物を陳列して飾るなら、このバーフックから選ぶことになります。
フックの長さの決め方
バーフックには5cm、10cm、15cmといった長さのバリエーションがあります。どの長さが適切なのか。立て掛けて置く場合は角度によって見え方が変わるので、置くものによって適切な長さが異なるのです。
フックを長くすると安定して置けるのだけど、置いたものが上を向いてしまい見た目がイマイチになる。逆にフックが短いと角度が立って倒れやすく、重心も先端近くになるので落下しやすくなる。陳列するものに合わせて、安定性と見栄えのちょうど良いところを探る必要があります。
この傾斜角度に関わってくるのが、フックの長さと陳列するものの長さです。インテリアラックとしての見た目を考えると、45度よりちょっとキツいくらいの傾斜にしたいというのが私の気持ち。仮に45度にする場合、壁とフックが同じ長さの直角二等辺三角形になるので、3辺の比率は1対1対√2。たとえば斜辺となるキーボードの縦の長さが15cmなら、フックの長さは10.6cmになる計算です。

ただ、T字型バーフックは先端の1〜2cmほどが上向きに曲がっていることが多く、10cmフックなら実際の支点(ストッパー)は壁側から約8cmの位置になります。そのため傾斜は45度よりやや立ち上がる感じになり、この10cmくらいのフックがキーボードをちょうど良く飾れる長さなんじゃないかなと思っています。
陳列の実例
実際に私が陳列しているものと、使っているフックの組み合わせです。
| 使うフック | 目安 | |
|---|---|---|
| キーボード(縦13〜17cm) | バーフック10cm×3〜4本 | 45度弱の傾斜で飾れる |
| ゲームコントローラー | バーフック5cm、ダブルバーフック5cm | 厚みがあるので正面向き縦置き |
| ヘッドホン | ダブルバーフック5cm | ヘッドバンドの厚みに合う。2点で安定 |
| マウス(幅8cm前後) | バーフック10cm | ちょうど良く置ける |
| 左手デバイス、トラックパッド | バーフック5cm | 小物は短めで |
キーボードはキーボードの横幅に合わせて、フックを3〜4本使って支えています。これで重いキーボードもしっかり支えられる。コントローラーは中央の長さが約8cmと特殊な形状で、10cmフックだと完全に上を向いてしまうので5cmを使用。5cmバーフックなら支点までが約4cmで、コントローラーの厚みともぴったりです。斜めというより正面を向く縦置きですが、厚みがあるので安定します。


Switchのコントローラーのように丸みを帯びた形状は少し不安定になるのは仕方ないところで、私は専用スタンドに置いたりもしています。コントローラーは八幡ネジのダブルバーフックとも相性が良かったです。長さ5cmで先端が直角なのでストッパー位置も5cm。一通りのコントローラーがちょうど良く収まりますし、Xboxコントローラーも十字キーが少し干渉するくらいで置けなくはない。ヘッドホンも、この5cmダブルバーフックで引っ掛けています。

ダブルバーフックには9cmもあり、キーボードも置けなくはないのですが、先端が直角なので、キーボードによっては先端がキーキャップに干渉します。
フックを安く揃える
私はホームセンターのフック、100均のフック、ノーブランドのフックと色々使ってきましたが、質が良いのは国産メーカー「八幡ネジ」のフックです。25mmピッチのバーフックが7cm・10cm・15cmで1本200〜250円前後、ダブルバーフックが5cm・9cm・14cmで1本400円前後。日本製だけあって形にばらつきがなく質感も良いのですが、正直、大量に揃えると値段が痛い。
安く揃えるなら、ダイソーやノーブランド品でも良いと思います。Amazonのノーブランド品は長さ10cmのバーフックが50本入りで2,500円前後。多少歪みがあったりもしますが、選別すれば十分使えるし、1本あたり50円と考えれば多少の不良品は納得できる価格かなと。この価格で先端の滑り止めゴムが付いているのも良い。ゴムなしタイプだと先端キャップを別途購入することになります(10個入り約100円・株式会社光)。
ちなみに私が使っている5cmフックは、ダイソーのフック(4個入り110円)を黒く塗装したものです。黒色が売っていなかったので自分で塗装しました。穴を開けた段ボールに糸を通してフックを吊り下げ、ラッカースプレーで塗装する、ミニマムな簡易塗装ボックス。糸は割り箸で固定しているだけです。私はシリコンオフしてプライマーで下処理もしましたけど、家にあったからやっただけで、適当にスプレーするだけでも良いのではないかなと。そもそも、この手間を考えるなら、最初から安くて黒いバーフックを買った方が良いでしょう。

一つ注意点として、安物のJフックはすぐ落ちる形状なので、あまり使わない方が良いです。Jフックを使うなら八幡ネジ、光、アイテックといった日本メーカーの製品ですね。ただ、高額なJフックを買うなら、短いバーフックを大量買いした方が色々使える気もしています。
有孔ボードに棚を作る
最後に、フックで陳列できないもののために、有孔ボード用の棚も作りました。フック固定では置けるものが限られますが、棚板なら接触面積が増えて安定感も増します。
使ったのは有孔ボード用の「シェルフスルー」。これも八幡ネジの製品です。1個590円で1段あたり2個必要なので約1,200円、3段で約3,600円。このシェルフスルーは奥行き10cmの棚板が必要なので、1×6材を幅14cmから10cmに、長さも50cmにカットしてもらいました。ここで出た4cmの端材を、先ほどの間接照明の目隠し板に使っていたわけですね。

当初はただ棚を作るだけの予定だったんですけど、マガジンラックみたいにスマホやタブレットを飾れないかと考えまして、棚板にストッパーを取り付けました。ストッパーのために木材を切るのも面倒だったので、余っていた配線モールを両面テープで固定。スマホやタブレットのサイズに合わせて角度を調整できるよう、ストッパーを2列にして、ネジでも固定しています。どっちみち塗装してしまえば質感の違いは分からなくなるし、実際、見分けがつかないくらいよくできている。アイアンペイントが素晴らしい。

ちなみにこのストッパーには有孔ボードの端材も立てかけられるようにしたので、エルゴトロンモニターアーム付属のVESAネジを固定して、マウスを立てかけたりもできます。棚幅にカットして側面を塗装しただけなんですけど、こういった試行錯誤ができるのも有孔ボードならではの利点だと思うのでした。
有孔ボードDIYまとめ
完成した姿がこちらです。左側にスマホやタブレットを立てかけ、中央にコントローラーと左手デバイス、右側にキーボードという配置で陳列しています。

デスクの裏側へもアクセスできるようにしており、デスク脇にスペースを作って有孔ボードへウォークイン。必要に応じて掃除したり、ディスプレイをカスタマイズしたりできるようにしています。有孔ボードに引っ掛けたくない三脚や雲台などの重い撮影機材は、デスク脇の棚に置いています。

有孔ボードラックは強度が微妙だからこそ加工がしやすく、棚も作りやすい。見た目も悪くないし、使い勝手もそこそこ良い。賃貸住宅のインテリアラックとして、色々とちょうど良い存在だと思います。
今回はちょっと頑張っちゃったので約6万円かかっていますが、作る範囲を狭くすればもっと安く、もっと簡単に作れます。私も最初はキッチンラックくらいのサイズから始めて、そのくらいなら15,000〜20,000円ほどでした。大型ラックを購入すると考えれば格安であり、壁にピッタリフィットした壁面収納は、そもそも買おうと思っても買えませんからね。
黒い壁紙があるだけで賃貸っぽさもなくなる。何より、これを作ったのは私ですからね。愛着が湧いてしまうのも仕方ない。壁に愛着がある人なんて珍しいと思うし、そんな壁を見ながら生活できるなら、作ってみる価値は十分あるのではないかなとも思いました。
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