商売に直接紐付かないくせに、面倒な会計業務。
年に一回の確定申告は非常に憂鬱であり、
中でも一番時間がかかる作業が、経理に必要な証憑書類を集める事。
クラウド会計で、日々の仕訳の手間は無くなっても、
アナログな書類整理の手間は無くなりませんからね。
私も年末にぐちゃぐちゃの書類を整理して・・・
ってのを数年繰り返すうちに、
ある程度、自分の中での管理ルールもできつつ有る。
日頃からルールを決めてやっておけば、難も無いんですが、
人間、そんなに上手い具合にできてませんからね。
帳簿書類の保管方法も人それぞれ。
あくまで私の場合のルールなんで。くれぐれも参考までに。
領収書を管理する意味
まず、書類を整理する前に、
なんの為に整理するのか?ってのを理解しておかないと、
無駄に領収書を保管したり、ペタペタ貼り付けることになります。
ほとんどの人が、確定申告の仕分け入力の為だけに、
書類を整理や管理しているのかと。
帳簿入力して、あとはまとめて箱や封筒に入れて保管しておけばOK。
たしかに、ルール上はこれで何も問題有りません。
領収書の保管義務はあれども、保管方法にルールはありませんから。
ただ、確定申告って自己申告であり、いくらでも誤魔化せるので、
その為に証拠書類(証憑書類)を保管する必要があるわけで、
確認する為の税務調査も有るわけ。
確定申告が終わりでは無いし、書類も原則7年間は保管義務も有る。
税務調査の通知であたふたするくらいなら、
事前に税務調査に向けて整理しておく。
あとでやるか、先にやっておくか、ただそれだけの事。
そもそも、売上の少ない個人事業主なんかは、
税務調査に入られる可能性も低いので、
月ごとにまとめて箱に入れて保管しておくくらいでも良いとは思う。
規模が少ないなら、書類も多くないハズですからね。
私の場合は、それなりに売上の有る法人。
帳簿から、すぐに紐付けられないと不味いわけです。
私は、過去の経費や仕入れ伝票を見返したりもするので、
自分の情報を取り出しやすくしておくことで、
日々のストレスも軽減されるってのも有るけど。
まぁ、自分が分かりづらいものは、他人が理解できるわけも無く、
整理されている方が相手の印象も良くなるわけで、
そういった事を突き詰めて行くことで、
自分の商売にも繋がるとも思ってますので。
領収書の保管方法
領収書やレシートが出た時点で、全て用途別に分けて保管しています。
勘定科目や補助科目に併せて分けて置くと、
帳簿入力もしやすいし、後にファイリングもしやすくなるかと。
最初は、ジャンルごとにボックスを分けて保管していましたが、
現在は細かい引き出しで、書類を分けて保存してます。
領収書だけでなく、クレジットカード明細や売上明細、
税務書類や水道光熱費、個人で使ったレシートなんかも区別して入れてます。
最初に自分でルール分けしておくの大事。スッゲー経理がラクになりました。
アバンテの多段引き出しが最強です。
支出ファイルの整理方法
現金レシート、振込明細
経費の証拠書類と言えば、領収書&レシート。
私の場合、現金支出と振込支出は限られているので。
まぁ、ありがちな貼り付ける方法で落ち着いてます。
コピー用紙に穴開けて、貼り付けまくる。
最初はノートでやってたんだけど、
抜き差ししやすい穴開けファイルの方が、後に追加&挿入も楽。
コピー用紙は大量にあるし、なにより安いからね。
日付順になる様に貼り付け。基本は糊づけ。
厚みのあるレシートとかはホチキス留にしてます。
数量も少ないので、月毎にまとめて封筒に入れるとか、
月別にホチキスで留めてるとかでも良いとは思いますが・・・
レシートってサイズもバラバラだし、
ぐちゃぐちゃになるから、適当なのは嫌なんだよね。
領収書が無い支出も、忘れないうちに出金伝票。
自動販売機、切符、割り勘の交際費・・・無くした領収書。
現金でレシートが出ない場合は、即スマホアプリにメモして記録しています。
支出の用途が具体的に分かれば、最悪メモでも良いらしいけど、
出金伝票なんて、100均で売ってるからね。
クレジットカード利用明細
私の支出は、ほぼクレジットカード決済。
クレジットカード支払いは、クラウド会計で仕訳の手間は一切無し。
→個人事業主におすすめクラウド会計ソフト。freee、マネーフォワードクラウド確定申告、やよいの青色申告オンラインの比較。
ただ、クレジットカード明細のままでは、何の出費か意味不明。
件数も多すぎて、日頃から紐づけてないとパニックとなります。
Amazonアマゾンアマゾーンだらけ。
何買ってんのか?全然、分からないから、
Amazon、楽天、Yahoo!あたりは、まとめて購入履歴を印字しています。
あと最近多いののが、クレジットカード利用明細が証憑書類として認められてるから、
領収書発行しないっていう店舗。
明細発行すんの面倒だからって、地球環境保全の取組みとか、
自分を正当化するの辞めろよってやーつ。
そういう場合も、購入履歴を印刷するか、
受注メールを印刷するかして、領収書の代用してます。
順番に並べて保管するだけでも、意味分からないから、
結局、クレジットカード明細1個1個に番号振って、
領収書に1個1個番号を記載しています。
オンライン店舗での利用明細だけでなく、
リアル店舗でのクレジットカード払いレシートも番号振ってます。
現金レシート同様に、月毎に糊付けしてファイリングしてます。
ファイリングは、クレジットカード毎にインデックスを付けて整理。
予めページが決まったインデックスシートを購入するよりも、
貼り付けるインデックスラベルの方が断然便利。
あとから調整できる、はがせるインデックスラベルが便利です。
ポストイットが間違いない。
仕入れ伝票
小売業で一番厄介なのが、仕入れ伝票の保管方法。
同じく経費となる支出なのですが、消耗品じゃないし、
仕入伝票(インボイス)や、納品書は膨大な数に及ぶので別ファイルに保存してます。
ブ厚めのファイルに、まとめてズっこん。
ジャンル別にも分けたり、一カ月単位で区切ってファイリングしたりと、
色々と試行錯誤してますが・・・
まぁ、自分で分かりやすくなってれば良いんじゃね?
最終的に、仕入れ用のクレジットカード、
電子送金口座も区別して使うに至り、
明細もそれに合わせて、分けて保管しています。
私は、海外だけでなく、
国内決済も多いので、仕入なのか?消耗品なのか?
適当にカード決済しまくると、ホントわけわからなくなります。
できるなら利用目的別にクレジットカードは分けた方が良い。
仕入れのカード決済は、カード規約にも抵触するので、
ビジネスカードを利用しないとマズイ事にもなります。
→ビジネスカード(法人カード)を使うべき理由。個人向けクレジットカードとの違い。
ビジネスカードならではの利点もありますので。
→個人事業主、経営者にオススメの法人カード(ビジネスカード)
給与明細、出張旅費精算書
従業員を雇っている場合は、給与支払明細もしっかり作って、
支払った金額が分かる賃金台帳等も保管しておきましょう。
給与計算に必要な書類が無いと、そもそも支払ができないハズなので・・・ね。
労働者名簿や賃金台帳は、
税務調査っていうよりは、社会保険調査で必要となりますから。
また、法人の場合は、出張旅費精算書の管理も忘れずに。
出張旅費は法人でメジャーの節税方法ですが、
しっかり出張内容もまとめておかないと、間違いなく突っ込まれますので。
→出張旅費で節税する際の注意点。出張手当(日当)の相場と適正額の考え方。
他にも節税といわれるポイントは、しっかりと書類を揃えておきましょう。
役員社宅の給与天引きとか。
→賃貸住宅を法人契約で節税。役員社宅で家賃を経費にする際の注意点。
4年落ちの中古車を購入したりとかとか。
→法人で中古車購入して気づいた注意点。自動車の減価償却と耐用年数。
法人化で節税手段は増えますが、
その分、用意すべき証憑書類も増えるんだな。
売上ファイルの整理方法
入金=売上になる場合は問題ないけど、
プラットフォーム販売していると、なかなかそうはいかない。
資金回収を代行して貰ってますからね。
アマゾン、バイマ、ヤフーショッピングストア・・・
入金額が、そのまま売上ではありません。
入金の内訳が分かる明細を印刷しておく必要があります。
売上日にタイムラグあるし、
手数料(販売手数料、支払手数料)も多く取られてるから、
売掛帳を作る必要も有る。以下、私の場合の証拠書類。
アマゾンの売上
ペイメント画面印刷。
FBAとか販売数が多すぎるので、個々の売上はイチイチ追ってませんが、
年末や、増税前後は、決済期間がまたぐので、トランザクションも印刷。
発生主義なら、FBAでもいつ発送したのか?ってのは大事だと思うんだ。
Amazonは手数料関係も複雑なので、仕訳の判断が難しいのですが・・・
消費税も絡むところなので、税理士さんとご相談下さい。
バイマの売上
Buymaでは、入金リスト画面を印刷してます。から入金画面印刷。
締日ごとに、手数料内訳が表示されているので、入金IDをクリックして明細も印刷。
CSVでまとめてダウンロードできるようになったので、それでも良いかと。
Buymaの場合、到着通知されたら入金画面に表示されるので、売上計上日に注意。
ヤフーショッピングストアの売上
精算明細で、月別の明細が印刷できる。
更に受取金額と請求金額の詳細も表示できるので印刷。
ポイント利用分、決済手数料、ポイント原資、
アフィリエイト手数料、アフィリエイトパートナー報酬原資・・・
仕訳は各自でご判断下さい。
ヤフオクの売上
ヤフオクの売上は、別途エクセルにて管理してますので、
エクセルの管理表を印字しています。
売上日≒入金日が多いので、売掛帳は作らず、
基本的に預金口座の入金で仕訳してますけど。
「かんたん決済」も、売掛処理した方が正確だけど・・・無理。
まぁ、消費税率切替のタイミングと、年末だけ気を付ければ問題無いかと。
かんたん決済の入金はズレますが、
年末だけ気を付けて、集計すれば良いかと。
弊社では発生主義で計上してますので、
年度をまたぐ場合は、敢えて発送を遅らしたり。
・・・年末は早めにお休み頂いております。
ネットショップの売上
ネットショップの場合、各自導入している決済サービスにより、
売上データの集計方法は異なるかと。
私が愛用しているカラーミーショップの店舗でも、
Paypal決済、銀行振込、代引き、Amazon Pay・・・と複数導入しているので、
入金日=売上ってのも難しいかと。
売上、入金、発送日は、別途エクセルで管理しています。
ヤフオクと一緒。年末は気を付けてます。
アフィリエイト報酬の売上
アフィリエイト報酬なんかも、
確定から振込まで1~2か月のタイムラグがあるので、
ASP毎に報酬確定画面を印刷。ASP毎に売掛帳作ってます。
配送伝票類の保管方法
売上管理で顧客管理もしているので、配送日とも紐づけられますので、
配送伝票まで見る事は無いとは思いますが・・・一応全部保管しています。
ここは面倒なんで、まとめて束ねてダンボールに突っ込んでるだけ。
配送料金は郵便局後納が主なので、現金で払った領収書だけ、
現金レシートと一緒に保管してます。着払い伝票とかも現金と一緒。
後納払いの明細は、未払金なのでクレジットカード明細と一緒に保管してます。
配送毎に追わないので、月単位でまとめて仕訳しているだけだけど。
レターパックの追跡番号控えとかも、コピー用紙に貼り付けて保管してます。
棚卸資産評価&実地棚卸データ
棚卸資産評価額次第で、利益が変わるので、
小売業者にとっては超重要な部分。
仕入原価って、仕入れ価格だけでなく、
仕入れに伴う費用も含めて計算しないとマズイので、
関税、国際送料、為替レートも含めて計算します。
海外から仕入れる際って、送料を浮かすために、超大量に仕入れるから、
具体的な1点あたりの配送コストを算出するのって面倒なんだけど、
なるべく頑張って算出してますよっていう証拠は必要だと思ってる。
超面倒なことを仕入の際にやっておくと年末も楽だし、
日々の利益も正確に把握できます。
年末に実地棚卸やってますよっていうのをアピールする為に、
実地棚卸データも残しておく。点数チェック表とかでも良いかと。
キッチリやってるつもりの私でも、棚卸差異は毎年出てますので、
在庫差異が出るのも、正常だと思ってます。ホント何処いったんだろ?ってやつ。
まぁ、その辺のルールも責任負えませんので、税理士さんと相談してください。
アンダーバリューとか、適当にやってるところも多いとも思いますけど。
金融機関の取引明細
クラウド会計で、金融機関の取引明細も自動入力できますが、
その証拠となる取引履歴の書類は、用意しておきましょう。
金融機関なら通帳。印字されてない期間が無い様に。
一般的な金融機関なら、1年分くらいまとめて記帳できますが、ゆうちょ銀行は注意。
未記入で放置が続くと、「お取引履歴(通帳末記帳分)のご案内」ってのが届いて、
通帳側に記載されなくなる。
どうやら、30行で合算されてしまうらしい。
物販の入金口座に使ってるなら、30行って結構一瞬。
ネットサービスで、ご確認頂けるって言っても100明細のみだからね。
・・・まぁ窓口に言えば、まとめて再印刷してくれますので。
通帳の無いネットバンクは、取引明細を全て印刷しておく。
PayPay銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行・・・1年分まとめて印刷で終了。
→個人事業主におすすめのネット銀行。他行宛て振込手数料の比較。
Paypal口座の取引明細っていろいろあるけど、
最終的に印刷して使ってるのが「月次販売レポート」ってやつ。
月始めの金額と、月末の金額、日ごとの入金と件数、決済手数料も表示されて分かり易い。
最初は「取引履歴のダウンロード」ってのを使ってたけど、
意味不明な情報多いし、PDF文字化けするし、私には使いこなせなかった。
実際、税務調査の時は、
税務署側も予め預金データチェックしてくるらしいけど、
用意しておくに越した事はないと思われます。
クレジットカード利用明細の印刷
クレジットカード明細も、クラウド会計の登場で印刷を忘れがち。
特にWEB明細を利用していると、利用明細は送られて来ない場合が多いです。
また、半年までしか遡って閲覧できないカードが多く、
印刷できない状態に陥る。
WEB明細の確認期限
- ジャックスカード(インターコムクラブ):過去6カ月
- JCBカード(MyJCB):過去6カ月
- オリコカード(e-Orico):過去15カ月
- LIFEカード(LIFE-WEB Desk):過去6カ月
- 楽天カード(楽天e-NAVI):過去12カ月
- MUFGカード(NEWS+PLUS):過去2カ月
なるべく、クレカ明細は毎月送って貰う様にしています。
入力漏れも無くなるし、不正請求にも気づけます。
後からまとめて請求するのも、時間がかかり面倒ですから。
会計処理としては、クレジットカード毎に未払金帳を作って、
クラウド会計で半自動入力するだけです。
帳簿データも印刷して保管
確定申告が終わったら、会計ソフトで入力した帳簿データも全て出力。
総勘定元帳、仕訳帳、現預金出納帳、売掛帳、未払金帳・・・
パソコンに経理データ入ってるからって、出力しないのはダメ。
パソコンに経理関連のデータ入れたままになってて、
マズイところまで、見られてしまわないように。
必要そうなものは、事前に全て出力して印字しておきましょう。
コピー用紙は大量に必要だし、
プリンターのインクも非純正品しか使わなりました。
証憑書類の管理・保管方法まとめ
伝票管理と侮るなかれ。
帳簿書類ってホント面倒であり、場所もとります。
7年も保存してたら小さな部屋くらい埋まってしまうわけで、
ファイリング方法だけじゃなく、収納方法も考える必要があるという。
→賃貸住宅の収納を最大限増やす方法。ネットショップ経営で培った収納テクニックとストック整理術。
売上が増えるほどに、よくわからない作業も増えるわけで、
顧客対応、在庫管理、発送業務に会計業務・・・
伝票管理もその一つ。
日々の積み重ねで効率化すれば、膨大なタスクも軽減できます。
面倒な経理作業、記帳くらいは会計ソフトに自動でやってもらいましょう。
→個人事業主におすすめクラウド会計ソフト。freee、マネーフォワードクラウド確定申告、やよいの青色申告オンラインの比較。
クラウド会計の登場で仕訳の手間も無くなってますから。
コメント
コメント一覧 (1件)
初めての確定申告を控え、このブログに辿りつきました。とても参考になる情報がわかりやすく書かれており感謝するばかりです。私は物販者でないので書類はしれていますが、それでも帳簿のクラウド化は共通の望みです笑。現行制度は時代に即していませんから。