私が最初に使った会計ソフトは「やよいの青色申告」。
個人向けの会計ソフトシェアもNo.1であり、
個人事業主が、自分で記帳して確定申告するならド定番過ぎるやつ。
ただ、「やよいの青色申告」と言っても、
パッケージ販売のデスクトップ版は、毎年新しいバージョンが出ているし、
「あんしん保守サポート」という料金プランも有る。
クラウド会計の「やよいの青色申告オンライン」も有るわけで、
結局どれを選ぶべきなのか?
というわけで、今回は、その辺の違いについて。
弥生に限って言えば、クラウドである必要も無いと思ってますので。

デスクトップ版とクラウド版のスペック比較
デスクトップ版のインストール型「やよいの青色申告」、
クラウド版「やよいの青色申告オンライン」のスペック比較から。
クラウド版≒オンライン版であり、
デスクトップ版≒パッケージ版≒ダウンロード版≒インストール版という認識です。
店頭でパッケージコード版として販売されているのは、デスクトップ版となります。
オンライン版とパッケージ版の違い
やよいの青色申告 オンライン (クラウド版) | やよいの青色申告23 (デスクトップ版) ※あんしん保守サポート付き | |
---|---|---|
セルフプラン | 9,680円 初年度無料 | 本体価格:13,200円 更新料:9,680円 (あんしん保守サポート) |
ベーシックプラン | 15,180円 初年度は7,590円 | 本体価格:20,790円 更新料:15,180円 (あんしん保守サポート) |
トータルプラン | 26,400円 初年度は13,200円 | 本体価格: 26,400円 更新料:26,400円 (あんしん保守サポート) |
対応パソコン | Windows、Mac | Windows |
対応スマホ | iOS、Android | × |
利用端末数 | 制限なし | 2台のPCまで |
データ保存先 | クラウド | PC クラウド ※あんしん保守サポート加入 |
オフライン入力 | × | ○ |
消費税申告 不動産所得申告 | ○ | ○ |
農業申告 | × | × |
かんたん取引入力 仕訳帳入力 | ○ | ○ |
出納帳入力 伝票入力 | × | ○ |
スマート取引取込 口座自動連携ツール | ○ | 一部金融機関のみ ※あんしん保守サポート加入 |
初期費用の違いもありますが、
主な違いは、PCにインストールするのか?しないか?
金融機関の明細を連携→自動で記帳したいか?ということ。
インストールすれば、インストールした端末アプリでの操作となり、
インストールしないなら、オンライン経由のクラウド操作となる。
できる事も大きく変わってくるわけです。
デスクトップ版とクラウド版の違い
販売価格、料金プランの違い
デスクトップ版は、最初にパッケージ購入費用必要ですが、
この価格には、次年度の「あんしん保守サポート」の料金が含まれているのです。

パッケージ版とオンラインの料金比較
やよいの青色申告 オンライン (クラウド版) | やよいの青色申告 (デスクトップ版) | |
---|---|---|
セルフプラン | 年額9,680円 ※初年度無料 | 本体価格:13,200円 更新料:9,680円 ※次年度無料 |
ベーシックプラン | 年額15,180円 ※初年度は7,590円 | 本体価格:20,790円 更新料:15,180円 ※次年度無料 |
トータルプラン | 年額26,400円 ※初年度は13,200円 | 本体価格: 26,400円 更新料:26,400円 ※次年度無料 |
2年目以降は、「あんしん保守サポート」の無償アップグレードで最新版を使えるわけで、
あんしん保守サポートに加入し続ける限りは、最新版を使い続けられる。
実際のところ、デスクトップ版もクラウド版も発生する費用は全く同じになります。
やよいの青色申告オンラインの料金=デスクトップ版あんしん保守サポートの料金。
税法改正や申告書類の様式変更も頻繁に有るわけで・・・「あんしん保守サポート」は必須というわけ。
あと、サポート以外にも便利な機能も使えるようになりますので。
あんしん保守サポートで使える機能
- 各種サポート ※プランによる
- 次期バージョンアップ製品無償提供
- 最新年度の所得税確定申告版提供
- データバックアップサービス
- データ共有サービス
- スマート取引取り込み
対応OS、利用端末数の違い
デスクトップ版の「やよいの青色申告」は、
Windowsのパソコンでしか使えません。
パソコンにインストールできる台数も、
1ライセンスに付き2台までという制限が有ります。
※2台の同時使用は不可能
一方、クラウド版の「やよいの青色申告オンライン」は、
Windows、Mac、iOS、Androidと、対応端末が増えています。
クラウド故に、端末へのインストールも不要なので、
アップグレード操作もすることも無く、常に最新ソフトが使えます。
また、スマホに最適化された「弥生 申告」アプリも有ります。
レシート読み込みアプリ「弥生 レシート取込」は、デスクトップ版でも使えますが、
帳簿づけアプリは、クラウド版でしか使えません。

やよいの青色申告 オンライン (クラウド版) | やよいの青色申告 (デスクトップ版) | |
---|---|---|
対応アプリ | 「弥生 申告」 「弥生 レシート取込」 | 「弥生 レシート取込」 |
検索ブラウザ上で動作するので、オンラインにアクセスできれば、
どの端末からでも利用できるわけで、クラウド版には利用端末数の制限も無いのです。
データ保存先の違い
デスクトップ版は、インストールしたPCにデータが保存されますが、
クラウド版は、WEB上にデータが保存されます。
データがオンラインに有るということは、
PCが壊れてもデータは残る、という利点が有る反面、
サービスを解約するとデータが消えるというデメリットが有ります。
デスクトップ版は、あんしん保守サポートに加入することにより、
クラウドバックアップも可能となりますし、
あんしん保守サポートを解約しても、
PCのデータは消えず、会計ソフトも使い続けられるわけで、
データの融通が効くのは、デスクトップ版ですね。
データがローカル保存できない、
これはクラウド会計全般におけるデメリット。
→クラウド会計を使って気づいたメリット・デメリット。インストール型会計ソフトとの違い。
他社の会計ソフトに乗り換える場合には、エクスポート機能はあるけども、
スムーズに完全移行できるってわけでは無いのです。
入力方法の違い
デスクトップ版では、かんたん取引入力、仕訳帳入力、
伝票入力、出納帳入力ができましたが、
クラウド版では、かんたん取引入力、仕訳帳入力のみ。
伝票入力、出納帳入力ができません。

やよいの青色申告 オンライン (クラウド版) | やよいの青色申告 (デスクトップ版) | |
---|---|---|
入力方法 | かんたん取引入力 仕訳帳入力 | かんたん取引入力 仕訳帳入力 伝票入力 出納帳入力 |
クラウド版では、経理初心者でも使えるようにと、
機能も簡略化され、freeeに似たコンセプトで造られている。
→個人事業主におすすめのクラウド会計ソフト。マネーフォワードクラウド、freee、やよいの青色申告オンラインの比較。
従来の会計ソフトを使った事がある人、
特に、複式簿記での入力に慣れている人は戸惑うと思います。
簡単なのがクラウド、従来の経理ソフトベースなのがデスクトップ版。
振替伝票入力の機能は両方にあるので、慣れてしまえば・・・というところは有りますけど。
ただ、「やよいの青色申告」の帳簿入力って、会計ソフトの基本が詰まっており、
私は、やよいの青色申告で会計ソフトの使い方を覚えたので、
複式簿記が分かるなら、デスクトップ版の方が良いかなと。
また、クラウド版は、オフラインでは使えません。
WEBにアクセスして使うので、インストールするデスクトップ版に比べると、
一つ一つの動作、レスポンスが遅いです。
仕訳入力が多くなればなるほど、反映待ちする時間も増える。
確定申告シーズンや夜間とか、
皆が同時にアクセスすればサーバーも重くなるからね。
やよいの青色申告で勘違いしていた点
口座自動連携ツールの金融機関が異なる
クラウド会計の最大メリットといえば、金融機関とのデータ自動連携。
弥生の場合は「スマート取引取込(口座自動連携ツール)」という機能。
YAYOI SMART CONNECTとの連携で、自動仕訳が可能となる。
デスクトップ版の「やよいの青色申告」でも「あんしん保守サポート」に加入で使えるのですが、
連携できる金融機関は「やよいの青色申告オンライン」の方が圧倒的に多いのです。
クラウド版は3,300件以上有るのに対し、デスクトップ版は100件程度しか有りません。
ほぼクラウド版でしか対応していないのです。
対応金融機関が違うっていうトラップ。気を付けて。
クラウド版(Microsoft Windows、macOS対応)、インストール版(Microsoft Windows専用)で対応金融機関が違います。
スマート取引取込 対応金融機関一覧|経理・会計ソフトなら弥生
私が愛用するほとんどのネット銀行は、「やよいの青色申告オンライン」でのみ対応でした。
PayPay銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行・・・全てデスクトップ版は未対応。
WEB系の個人事業主なら、間違いなくネット銀行も使っているハズですからね。
→個人事業主にオススメのネット銀行。他行宛て振込手数料の比較。



これじゃクラウド会計としては、ほぼ使い物にならないわけで、
銀行の取引明細や、クレジットカードの利用明細を自動で取り込みたいなら、
「やよいの青色申告オンライン」一択なのです。
パッケージ版は、毎年購入する必要はないが・・・
パッケージ版の場合、「あんしん保守サポート」に加入すれば、
自動的に最新版へバージョンアップしてくれます。
「あんしん保守サポート」はへの加入は必須では無いし、
買い切り会計ソフトとして、旧バージョンのまま使い続けることは可能です。
税法改正といっても、複式帳簿という仕組みは変わらないので、
自分の商売に関係無ければ、毎年買い換える必要は無いのです。
複式簿記での記帳→賃貸対照表や損益計算書の出力さえできれば、
青色申告決算書や確定申告書Bは、e-TAXで簡単に作れるからね。
会計ソフトで最新の確定申告書作成に対応する必要も無い。
e-TAXも、ID・パスワード方式で簡単に使えるようになってますから。
→自宅e-TAXで株・FX損益・ふるさと納税の確定申告。医療費控除と寄付金控除と分離課税所得の入力方法。
ただ、あんしん保守サポートが不要かといえば、これは微妙。
年額8,800円って、パッケージ版よりも格安。加入し続けた方が結果的に安上がりになる。
私は、あんしん保守サポートに加入しないで使ったことも有りますけど、
結局、2年に1度はパッケージ版を買い換えてましたから。
だったら継続してあんしん保守サポートに加入した方が安かったなと。
初心者ほど税改正について関係あるかどうか?意味不明だと思うので、
最新版なら大丈夫っていう安心感を買う意味での「あんしん保守サポート」でも有るかなと。
セルフプランで全ての機能が使える
パッケージ版は、毎年買い換える必要は無いとはいえ、
あんしん保守サポートのセルフプランなら年額8,800円。
これは他社の会計ソフトに比べても格安です。

セルフプランで常に最新のソフトが使えるし、
クラウドバックアップは使えるから。
あんしん保守サポートで使える機能
- 各種サポート ※プランによる
- 次期バージョンアップ製品無償提供
- 最新年度の所得税確定申告版提供
- データバックアップサービス
- データ共有サービス
- スマート取引取込(一部金融機関のみ)
会員登録すると、ベーシックプランにしませんか?っていう営業はあるのだけども、
全てのプランにおいて使える機能は一緒であり、違うのはマジでサポートだけ。
ベーシックプランって入力サポート(操作質問)しか対応してくれないし、
マニュアル以上の解答も有りません。
1年目で使い方を理解して、あとはセルフプランで良いと思っている。
親切なマニュアルも有るし、
「やよいの青色申告」って利用者が多いので、WEB検索すれば解決もする。
トータルプランで業務相談できるとはいえ、
さすがに税務対応してくれるわけでは無いので勘違いしないように。
だったら青色申告会を利用するなり、
決算だけ税理士にお願いするなんてパターンも有りますので。
クラウド版とデータの互換性はない
デスクトップ版とクラウド版のデータには互換性が無いので、
デスクトップ版から「やよいの青色申告オンライン」へ簡単に切り替えはできません。
エクスポートできるのは、期首残高と取引データのみ。
あくまで別の会計ソフトとなるので、
今までの入力したデータが、
全く同じように使えるようになるわけでも有りません。
やよいの青色申告の違いまとめ
やよいの青色申告のデスクトップ版は、
振替伝票での入力もできるし、Windowsでサクサク動く。
あんしん保守サポート加入で、クラウド的な機能も使えるようになる。
ただ、ライトユーザー向けなのはクラウド版。
OS問わず複数端末で使えるし、取引データも自動取り込み、データもクラウド保存。
インストール不要で、UIも初心者に分かりやすい。
初年度無料キャンペーンで、導入コスト不要ってのも凄い。
また、弥生には白色申告向けの「やよいの白色申告オンライン」も有る。
こちらは完全無料で全機能が使えます。
デスクトップ版を選ぶべき人
- 仕訳入力が多い人
- 従来の複式簿記スタイルで入力したい人
- データをローカル保存したい人
- 継続課金が嫌な人
クラウド版を選ぶべき人
- Macユーザー
- データをクラウド保存したい人
- 複数端末で使いたい人
- 金融機関のデータを自動で取り込みたい人
- 初期コストを抑えたい人
- 白色申告の事業者
やよいの青色申告オンラインには、
伝票入力ができないというデメリットが有りますが、
伝票入力がしたいなら、マネーフォワードクラウドという選択肢も有りますので。
→個人事業主におすすめのクラウド会計ソフト。マネーフォワードクラウド、freee、やよいの青色申告オンラインの比較。
初心者向けなら「freee」も悪くないのですが、個人事業主プランは料金がちょっと割高。
楽天銀行との連携も不可能となりましたからね。
→freeeとマネーフォワードクラウドを徹底比較。両方使って気付いた大きな違い。
法人では、弥生会計オンラインもありますが、
法人クラウド会計では、freeeがシェア率No.1。
→法人のクラウド会計「freee」「マネーフォワードクラウド会計」「弥生会計」比較
freeeの法人プランは値段も格安なので、私はfreeeを使ってます。
楽天銀行は連携できないという改悪も、楽天銀行を使わない方向で対応することにしました。
楽天銀行の法人口座って別に安くもないから、使う理由・・・あまり無いのでした。
→法人口座の維持費と各種手数料の比較。法人にネット銀行をおすすめする理由。

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