マネーフォワードクラウド、freee、弥生会計オンラインと、
日本で浸透しつつあるクラウド会計。
→個人事業主におすすめクラウド会計ソフト。freee、マネーフォワードクラウド確定申告、やよいの青色申告オンラインの比較。
私にとっては、既に手放せないクラウド会計なのですが、
万人に勧められるものでも無いとも感じています。
従来の会計ソフトとは何が違い、何が便利なのか?
クラウド会計各社、年々サービス内容も料金も変わっており、
クラウド会計が間違いないってわけでも無くなってますから。
クラウド会計のメリット
銀行の取引明細から自動仕訳
クラウド会計で最大のメリットは、クラウドでは有りません。
会計ソフトへ金融機関のデータを自動連携。コレに尽きる。
クラウド会計にアクセスするだけで、
銀行、クレジットカード、電子マネー・・・と、
仕訳入力すべきデータが全て取り込めるわけで、
書類を用意する手間、入力する手間、確認する手間が無くなるのさ。
税理士の記帳代行サービスも必要もない。
経理で一番時間がかかるのが、数値(金額)のズレを探す確認作業。
クラウド会計は、数値を手入力しないので金額も間違えようが無い、
間違えないから入力ミスを探す時間も無いのです。
私のようなネット物販、小売業者は、
仕入れ決済、売上入金と、仕訳数も非常に多いので、
金額誤差が有ると、間違えた部分を探すのも大変だった。
これが無くなるだけで、ホント一瞬で仕訳作業が終わるってわけ。
対応端末が多く、どこからでも使える
クラウド会計って対応端末が豊富なので、OS選ばず使えます。
Windows、Macだけでなく、
スマホやタブレットのiOS、iPadOS、Androidでも使える。
データはアカウント単位で管理されているので、
いつでもどこでも端末選ばず使えるし、利用台数の制限も有りません。
ブラウザからログインするだけで、会計業務をスタートできる。
インストール型の会計ソフトって、
インストール&ライセンス認証したPCでしか使えないから、
仕事場のパソコン、家のパソコンと、
複数のパソコン使ってると、もの凄い不便なんですよね。
最近は、Macユーザーも増えてるわけで、Macを使わないわけにも行かないし、
WindowsとMacを併用している人も多いハズ。
→WindowsからMacへ移行して気づいた違い。Macのメリット・デメリット。
スマホやタブレットの台頭で、パソコンすらも要らない時代。
iPadだけで仕事できちゃったりもするから、パソコンすら持ってない人も多いハズ。
→iPad ProとMacbookのできることの違い。iPadのメリット・デメリット。
クラウド会計では、会計ソフトはオンライン上で稼働する。
インストールする手間すら無いわけで、
税改正によるアップデートや、ソフトウェア更新する必要も無い。
常に最新版が使えるってメリットも有るのでした。
データの管理、共有がラク
会計データはオンライン上に保存されているので、
パソコンの故障や盗難で、会計データが無くなる心配が有りません。
会計ソフトの為に、パソコンを乗り換えられないという事も無いし、
パソコン買い換えても新しいPCから、ログインするだけ。
データ管理やデータ移行という手間も必要無いのです。
また、複数人での会計業務もラクになる。
同時に閲覧したり、権限付与して編集してもらったり。
税理士、家族、従業員、同じ会計データに様々な場所からアクセスできるわけ。
必要なデータを印刷したり、出力して持ってったり、
会計データをメールでやり取りする・・・
そんなアナログな手間が無いのです。
電子帳簿保存法に自動対応
2024年1月から電子帳簿保存法により、電子データ保存も義務化へ。
領収書等の紙書類をスキャナ保存でデジタル化するのが必須の流れとなり、
電子帳簿保存法のルールに則って保存する必要がある。
電子領収書は、電子データのまま・・・というわけで、
ここで真価を発揮するのが、クラウド会計の「freee」と「マネーフォワードクラウド」です。
以前より、ECショップの購入データの取り込んで自動仕訳してくれる機能が有りましたが、
購入履歴から、領収書の電子データ(電子領収書)まで取り込んで、
電子帳簿保存法のルールに則って、自動的に保管してくれるようになりました。
※マネーフォワードでは「証憑自動取得機能」という名称を使ってます。
「証憑自動取得機能」について
「証憑自動取得機能」は、ECサイト等のサービスと『マネーフォワード クラウド会計』を連携することにより、取引明細データに加えて、電子領収書や電子請求書等の証憑データを自動で取り込む機能です。本機能により、『マネーフォワード クラウド会計』上で仕訳登録を行う際に、取引明細データと同時に取得した証憑データが自動添付されます。自動取得した証憑データは、電帳法対応ストレージサービス『マネーフォワード クラウドBox』上に保存されるため、タイムスタンプ付与等の電帳法(電子取引区分)の保存要件に則って保管されます。
『マネーフォワード クラウド』、インボイス制度対応の第一弾「証憑自動取得機能」を提供開始|株式会社マネーフォワード
なお、本機能について、当社は特許の出願手続きを済ませております。
例えば、ECサイトの代表格「Amazon」と連携することにより、
Amazon購入履歴→仕訳入力→電子帳簿に対応の証憑書類の添付まで、
自動で行ってくれるようになっています。
領収書のデータを自動的に、電子帳簿保存法に対応した状態で、
会計ソフトに保管してくれるなら、
今までのような領収書を印刷して、別途保管する手間も無くなるので、
むしろ、電子帳簿保存法の方がありがたいって話にもなるわけ。
クラウド会計を使わない人が、どんどん手間が増える流れですね。
ちなみに、紙の領収書を電子データ化するならScanSnapで一瞬です。
レシートを電子化することで、レシート情報を読み取り、自動仕訳もできたりもする。
freeeやマネーフォワードクラウドは、従来の会計ソフトに比べ、ソフトウェア全般で優れていますので。
→ScanSnapのメリット・デメリット。便利な使い方とデジタル化の弊害。
クラウド会計のデメリット
ネット銀行やクレジットカードが前提
クラウド会計のデータ連携機能は、
あくまでWEB上にあるデータを自動で取り込むということ。
そもそも金融機関(銀行)のネットバンキングや、
クレジットカードのWEB明細を使ってないなら意味が無いです。
クラウド会計は、キャッシュレス前提のサービスだということ。
現金決済は、レシートスキャンで対応できたりするけど、
スキャンする手間は、手打ちする手間と変わらないとも思ってる。
まぁ、ネットバンキングって、とにかく便利なので絶対使うべきサービス。
特に、ネット銀行の手数料は破格。窓口やATMの手数料よりも圧倒的に安いので、
商売やっているなら、率先して使って行くべきです。
→個人事業主におすすめのネット銀行。他行宛て振込手数料の比較。
同様に決済もキャッシュレスにすべき、支出はなるべくクレジットカード。
キャッシュレス化の流れで、どこでもクレジットカードは当たり前に使えます。
事業費決済に使うなら、ビジネスカード(法人カード)となります。
→ビジネスカード(法人カード)を使うべき理由。個人向けクレジットカードとの違い。
現金決済や銀行振込よりも安全ってだけでなく、様々な特典や補償も付いている。
法人カードで貯めるならポイント還元よりもマイル還元。
これで飛行機も乗りまくれるようになります。
→個人事業主、中小企業の経営者におすすめ法人カード(ビジネスカード)
インターネット環境に依存する
クラウド会計は、オンラインで会計ソフトを操作するので、
インターネット環境が必須であり、オフライン環境では使えません。
データ処理速度もインターネット環境が関わってくるわけで、
インストール型の会計ソフトに比べて、レスポンスが遅くなります。
我が家は、高速インターネット回線を利用していますが・・・
インストール型の会計ソフトに比べると、モッサリ感は否めません。
高速LANを構築するなら、WiFi6対応ルーターも必須なり。
→NETGEAR Orbi WiFi6(RBK852)レビュー。Google Nest WiFiから買い替えた理由。
その差を感じるのが、主に手入力での仕訳をする時。
そもそも、クラウド会計は、データ取連携に特化しているサービス。
データ連携ではない現金取引が多い場合は、インストール型ソフトを使うべき。
また、クラウド会計の都合、提供する側のサーバーにも左右されます。
確定申告シーズンは、アクセス集中でサーバー負荷も増加、
結果、経理処理が遅くなる・・・ってことも実際に有りました。
システムトラブルや、サーバーメンテで使えなくなることも有るのです。
いずれにせよ、大事な会計データをクラウド保存するわけで、
あまりマイナーなクラウド会計サービスは、セキュリティ的に使うべきでは無い。
情報流出のリスクも完全に無いといったら、それは誰にも分からないでしょう。
発展途上の継続課金サービス
クラウド会計は普及して来ているとはいえ、
まだまだ発展途上のサービス。
freeeもマネーフォワードクラウドも、料金は年々上がっており、
料金プランも、サービス内容も、サービス開始時とは大きく異なります。
クラウド会計が安かったのは過去の話であり、
買い切りパッケージではない、継続課金(サブスクリプション)ですからね。
料金が上がれば解約すれば良いとも思ってましたが、
クラウド会計は、今までの会計ソフトとは違い、仕訳入力も特殊。
乗り換えられない仕組みが有るわけです。
解約する場合も、ローカルPCにデータ保存できないし、
最安プランでは、他会計ソフトへデータ移行制限が有ったりと、
なんだかんだで囲い込みも有るのは否めない。
簿記の知識が無い人向けに設計とは、耳障りが良いですが、
要は今までの会計ソフトとは違う独自のシステム。
帳簿形式も異なるので、乗り換えるのが非常に大変なのでした。
特に、freeeは、独自のインターフェースを採用しているので、
freeeに慣れるほどに、他会計ソフトには移行できなくもなるっていう。
企業にとって最重要な会計データが人質とは、よく考えたものです。
料金だけでなく、サービス内容も年々変わっているので、
今ある機能が、今後使えなくなることも有る。
2022年2月では、freeeで楽天銀行のデータ取り込みが不可能になったのも衝撃でした。
この時ばかりは、私もクラウド会計のデメリットを痛感。
freeeからマネーフォワードに乗り換えた人も多いハズ。
※2023年12月に、freeeの楽天銀行データ連携機能は復活しています。
→freeeとマネーフォワードクラウドを徹底比較。両方使って気付いた大きな違い。
また、税理士雇用している場合は、税理士もクラウド会計に対応していないと困るわけ。
クラウド会計のシェア率もまだまだ低く、対応していない税理士の方が多い。
法人になると、税理士雇用も必須となるわけで・・・
税理士が対応しているか?で、会計ソフトも選ぶ事になるわけさ。
→小規模法人におすすめクラウド会計ソフト。freee、マネーフォワードクラウド会計、弥生会計オンラインの比較。
法人化でネックとなるのも、税理士雇用だと思ってる。
会計知識だけでなく、お金の話を共有できる税理士を探し出せるか?って、
私には、非常に難しいことでした。
→節税目的で法人化するメリット・デメリット。個人事業主と法人の大きな違い。
クラウド会計まとめ
クラウド会計は、今までの会計ソフトの常識を覆すサービス。
故に、従来の会計ソフトに慣れている人ほど、抵抗が有るような気がしました。
ただ、明細データから数値を自動的に入力してくれるのは、
手入力するのとは比べ物にならないほど便利であり、
今後は、クラウド会計が主流となるのも間違い無い。
電子帳簿保存法により、電子データ連携も避けられず、
クラウド会計なら、電子証憑書類までも勝手に取り込んで連動するよう保存くれる。
移行できる脳みそが有るうちに移行した方が良い。
データ連携からの半自動仕訳で、仕訳入力も非常に簡単。
多少の不便さも、コレで全て吹っ飛ぶ。面倒なのは最初だけ。
クラウド会計を使えば、確定申告前の憂鬱も無くなるわけで、
日々の仕訳作業は、経営者の仕事でも無いからね。
個人事業主なら「freee」か「マネーフォワードクラウド確定申告」の二択。
後発で最大手の「やよいの青色申告オンライン」は、
料金は安くとも、金融機関とのデータ連携が弱いのです。
→個人事業主におすすめクラウド会計ソフト。freee、マネーフォワードクラウド確定申告、やよいの青色申告オンラインの比較。
クラウド会計を重要視しないなら、正直、インストール版でも良いと思う。
私が最初に使ったのもインストール型の「やよいの青色申告」。
歴史ある会計ソフトの使い方も学べるし、私はコレで複式簿記を理解できるようになりました。
→デスクトップ版「やよいの青色申告24+クラウド」とクラウド版「やよいの青色申告オンライン」の違い。
クラウド会計は、資産の視覚化もしてくれる。
銀行残高は利益でもなく、利益が把握できなければ、適切な節税策もできません。
→個人事業主の節税策と優先順位。小規模企業共済、経営セーフティ共済、iDeCo、国民年金基金の比較と違い。
期末に焦ったところで時既に遅し、確定申告で気づいても手遅れ。
同じ儲けでも、税金の仕組みを知っているだけで、残るお金は変わってくるのでした。
コメント
コメント一覧 (2件)
とってもきれいに細かくまとめられた情報いつも参考にしております。
私もMFクラウド会計の導入してみました。
とっても便利な会計ソフトですね。
一通り仕訳をしたのですが、
どうも未払金、売掛金が溜まっていってしまいアマゾンの仕訳がうまくいっていないのに気が付きました。
チャットで問い合わせしたのですが、いまいち解決できづに頭を悩ませています。
こちらでお聞きするのも申し訳ないので、何とか自分で解決しようと頑張っていたのですが何日も苦戦をしてしまい、コメントをしてみました。
アマゾンで売上があり相殺されるときのパターンてどのように仕訳をしているでしょうか?
現在このように仕訳をしております。
①アマゾンでの売り上げ 5000円の商品が売れる
支払手数料 500 /売上高 5,000
荷造運賃 400
支払手数料 100
売掛金 4,000
②アマゾンマルチチャンネルなどの費用
荷造運賃 400 / 未払金 (カード会社) 500
支払手数料 100
③Amazon月額使用料
支払手数料 (Amazon) 4,900 / 未払金 (カード会社)4,900
④ペイメント で売上金と 経費部分が相殺され請求
①売上金 4000円
①手数料 -1000円
②マルチチャンネル -500円
③月額使用料 -4,900円
カードで請求 -1400円
ココの部分がうまく仕訳ができていなくてどんどん売掛金と、未払い金が溜まってしまいます。
ペイメントの部分のは商品代金(売上高)で表示されるので
売掛金とAmazon手数料がごっちゃになってしまいうまく仕訳ができない状態です。
そもそも①の仕訳の仕方が間違っているのでしょうか?
⑤Amazonで売上金と差し引いた金額がカードで請求される。
支払手数料(アマゾン) 1,400 /未払金 (カード会社)1400
ご教授していただけたら幸いです。
会計処理の方法は、人それぞれであり、
私は専門家では無い・・・という事を前提に回答させて頂きます。
アマゾン用の売掛帳を作って仕訳をしているようですが、
1の時点で仕訳の方法が間違っているかと思います。
また、私の場合、年末以外はペイメント確定毎に処理をしており、
アマゾンの手数料は全て販売手数料(支払手数料)としてまとめて処理しています。
よって、1~3もまとめて処理してます。
売掛金 5000 / 売上 5000
支払手数料 6400 / 売掛金 6400
上記の場合、クレジットカードへ請求(マイナス)となるので、未払金にて処理。
未払い金 1400/ 売掛金 1400
カード決済の支払い日にて、未払い金を精算。
普通預金 1400/ 未払金 1400
みたいな感じで、どーでしょう?
責任負えませんので、
ペイメント詳細画面を印刷して、専門家に判断して貰った方が確実です。