小規模法人におすすめクラウド会計ソフト。freee会計、マネーフォワードクラウド会計、弥生会計の比較。

法人クラウド会計の比較

個人事業主から法人化したので、
会計ソフトも、個人用から法人用へ変更しました。

会計ソフトは、一度決めたら変更するのも中々面倒だし、
囲い込まれても嫌だな・・・って事で悩みました。
個人の会計ソフトよりも値段も高くなるわけで、
やっぱり、選ぶならクラウド会計でした。

クラウド会計で、自動仕訳が当たり前の時代、
小規模法人なら尚更、敢えて高額なインストール版を選ぶ理由も無い。
というわけで、今回は法人向けのクラウド会計ソフトについて。

目次

法人クラウド会計3社の比較

クラウド会計は大手3社がシェアを占めますが、
個人と法人では、料金プランが全く異なります。

個人事業主におすすめのクラウド会計ソフト。マネーフォワードクラウド、freee、やよいの青色申告オンラインの比較。

法人プランは、個人プランよりも値段が高額になり、
使える機能やサービスも異なります。
基本的に企業の規模に比例しているので、
小規模法人の場合なら、一番安いプランで良いと感じました。

freee(法人)

クラウド会計の先駆けといえば「freee」。
2017年1月には、法人税申告書を作成できるようになり、
決算申告書の作成、電子申告もfreeeで処理できるようになりました。

一瞬で定款作成できる「freee会社設立」や、
給与計算ソフト「freee人事労務」も有り、士業泣かせのサービスに発展しつつあります。

freee法人プラン

スクロールできます
ミニマムベーシックプロフェッショナル
月額料金2,948円(税込)5,808円(税込)52,536円(税込)
年額料金26,136円(税込)52,536円(税込)525,360円(税込)
機能記帳機能
決算書作成
見積・請求・納品書作成
入金・支払管理
電子帳簿保存法対応
ミニマムプランの全機能
請求書の定期・一括請求機能
従業員の経費精算機能
ワンクリックで振込
ベーシックプランの全機能
予実管理機能
稟議/ワークフロー
部門別の配賦
セグメントタグ
salesforce/kintone連携
サポートチャット
メール
チャット
メール
電話
チャット
メール
電話
利用人数3人まで無料
※上限3人まで
3人まで無料
※上限なし
※1人につき330円/月
10人まで無料
※上限なし
※1人につき550円/月
消費税申告
消費税集計
達人シリーズ連携
請求書作成
※一部制限有り
給与計算別料金
※人事労務freee
別料金
※人事労務freee
別料金
※人事労務freee
勤怠管理別料金
※人事労務freee
別料金
※人事労務freee
別料金
※人事労務freee
マイナンバー管理別料金
※人事労務freee
別料金
※人事労務freee
別料金
※人事労務freee

ミニマムプランとベーシックプランの違いは、専門ツールの違い。
上位プランになるほど、より複雑な機能が使えるようになります。
電話サポートも上位プランのみ
ただ、主たる会計機能は変わらず、ミニマムプランで消費税申告も可能。
小規模法人であれば、年間26,136円(税込)のミニマムプランで全く問題有りません。

法人向けのクラウド会計ソフトで圧倒的なシェアを誇り、2017年8月の調査ではシェア32.3%
2022年6月時点のSimilarwebの調査では、トラフィックシェア47.9%
クラウド会計といえばfreeeが強いのも間違いないです。

※参考→検索キーワードから紐解く業界分析:クラウド会計ソフト編

シェアを占めるという事は、freee対応税理士も多いという事。
わかりやすいUI(入力画面)で、経理に自信のない法人代表者にも分かりやすい。

2019年には、ライバルのマネーフォワードクラウド会計が値上げをしたので、
法人のクラウド会計ソフト単体なら、freeeが一番コストパフォーマンスも高い。
私もマネーフォワードクラウド会計から乗り換えてます。

マネーフォワードクラウド会計

複式簿記の知識があるなら「マネーフォワードクラウド会計」。
freeeとは異なり、会計ソフト従来の入力方法を踏襲しているので、
会計ソフトに慣れている人は、こちらのほうが使いやすいかなと。

freeeとマネーフォワードクラウドを徹底比較。両方使って気付いた大きな違い。

2019年の料金プラン変更で、経理以外の機能もセットとなり、
請求書作成、経費精算、給与計算、社会保険、勤怠管理、マイナンバー管理・・・と、
会計ソフトの料金だけで、全ての機能が使えるようになりました。

ただ、その代わり料金は2倍に上がってしまったので、
会計ソフトだけ求めている人には割高になっています。

更には、2022年6月1日に料金プランも一部改定へ。
4名以上で利用する法人では、実質の値上げとなっています。

※参考→料金体系の一部改定について(改定日:2022年6月1日) |マネーフォワード クラウド料金プラン・管理

マネーフォワードクラウド会計プラン

スモールビジネスビジネス
月額料金4,378円(税込)6,578円(税込)
年額料金39,336円(税込)65,736円(税込)
サポートメール
チャット
電話
メール
チャット
電話
電子証明書連携ソフト不可可能
部門数2部門まで無制限
利用人数3人まで無料
※上限3人まで
3人まで無料
※1人につき330円/月
達人シリーズ連携
消費税集計機能
消費税申告×
請求書作成メンバー3人まで無料
※上限3人まで
3人まで無料
※1人につき330円/月
仕訳入力制限設定不可設定可能
取引No.振り直し不可可能
ストレージ容量100MB10GB
総合振込明細単位取得不可可能

プランでの主な違いは、取引No.振り直し、仕訳入力制限、登録部門数、請求業務・・・
料金プランでサポート対応の違いは無く、できる作業に大きな違いも有りません。
給与計算、経費精算、社会保険事務、勤怠管理機能も、全てのプランで使えます
こちらも小規模法人なら、安いスモールビジネスプラン(年間39,336円)で問題無いハズ。

マネーフォワードクラウド会計のスモールビジネスプランでは、
法人の決算申告書は作成できませんが、
消費税集計機能や達人シリーズへの連携は可能となっています。
申告書は別のソフトでも作成できますので、この辺は問題無いかと。

そもそも法人の時点で、決算申告も税理士にお願いしているとも思いますので。
申告書作成ソフトへの連携云々は、ユーザー側ではあんまり関係無いかなと。

弥生会計オンライン

会計ソフトのシェアNo.1の弥生シリーズですが、
弥生会計オンラインは、法人クラウドでのシェアは3番手となります。

弥生会計オンラインは、サポートの有無で料金が変わり、
セルフプラン(年間28,600円)でも主たる会計機能は変わりません

また、弥生会計には会計ソフト以外の機能は含まれていません
給与計算は「やよいの給与明細」、請求書は「Misoca」、販売管理は「弥生販売」、
顧客管理は「やよいの顧客管理」と、全て別料金のサービスとなってます。

法人はで税理士雇用していると考えると、
操作サポートや税務相談って、税理士に頼る事ができるわけで、
こちらも一番安い「セルフプラン」で良いハズ。
弥生だけ無料期間が長く、現在は1年間も無料で使えるキャンペーン実施中です。

弥生会計オンライン 初年度無償キャンペーン

弥生会計オンラインのプラン

セルフプランベーシックプラン
月額料金
年額料金28,600円(税込)
初年度無料
38,720円(税込)
初年度無料
サポート初期最大2か月
・電話
・メール
・画面共有サポート
・仕訳相談
・経理業務相談
通年サポート
・電話
・メール
・チャット
・画面共有サポート
・仕訳相談
・経理業務相談
業務相談×仕訳相談
経理業務相談
消費税改正業務相談
マイナンバー相談
決算書の作成
取引・残高
損益、貸借レポート
部門設定××
2台での運用××
請求書作成別料金
※Misoca
別料金
※Misoca

弥生会計の年間料金で比較すると、freeeと大差ないのですが、
弥生会計の難点は、肝心のクラウド部分が弱いこと。
外部ソフトで金融機関データ取り組みという仕組みなので、
データ連携という点で、freeeやマネーフォワードクラウドに劣ります

YAYOI SMART CONNECTを使う「やよいの青色申告オンライン」と一緒。
クラウド会計を使うなら、個人も法人も弥生は選ばないかなと。

個人事業主のクラウド会計「マネーフォワードクラウド」「freee」「やよいの青色申告オンライン」比較 

弥生会計を選ぶなら、パッケージ版でも良いわけで、
クラウド版の取引入力では、出納帳入力と伝票入力は不可能となっています。

機能比較表から探す_製品をご検討中の方|会計ソフトの弥生株式会社【公式】

結局のところ、弥生会計オンラインは、freee同様の簡単入力がメインであり、
弥生ならではの仕訳を使いたいなら、パッケージ版の方が良い。
弥生会計オンラインは、freeeに比べて料金も自動仕訳の機能も劣るからね。

これも個人事業主が使う「やよいの青色申告」と同じです。
名称は「オンライン」が付くだけですが、中身は全くの別物ですので。

デスクトップ版「やよいの青色申告」とクラウド版「やよいの青色申告オンライン」の違い

ちなみに、インストール版「弥生会計」は、個人の確定申告にも対応していますが、
クラウド版「弥生会計クラウド」は、法人決算にのみ対応。法人専用サービスとなってます。

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法人でクラウド会計を選ぶ理由

値段が格安

法人向けの会計ソフトで調べてみましたが、
星の数ほどあるし、大規模起業と中小企業で価格も全然違う。
小規模法人向けに絞って比較してみても、値段は高額です。

数年前に比べ、値段は下がりましたが・・・まだまだ高額。
値下げしたのもクラウド会計が台頭したからだよね。

法人会計ソフトの価格比較

メーカー製品名年額
弥生弥生会計(スタンダード)33,660円
※セルフプラン
弥生弥生会計(プロフェッショナル)45,650円
※セルフプラン
ソリマチ会計王33,000円
※バリューサポート
コラボわくわく財務会計24,200円
ミロクMJSかんたん!法人会計33,000円
OBC勘定奉行J44,000円
※年間利用ライセンス
EPSON財務応援 R4 Lite33,000円
※年間ライセンス料

一方、法人向けクラウド会計は、金融機関とのデータ連携機能も付いて、
従来の法人向け会計ソフトよりも格安。

法人向けクラウド会計ソフト

料金プラン年額
弥生会計オンラインセルフプラン28,600円
弥生会計オンラインベーシックプラン38,720円
freeeミニマム26,136円
freeeベーシック52,536円
マネーフォワードクラウド会計スモールビジネス39,336円
マネーフォワードクラウド会計ビジネス65,736円

クラウド会計なら、仕訳入力も半自動化できるわけだし、
経営者の経理作業も、仕訳入力くらいですからね。

法人の経理は、個人と変わらない

法人成りする前は、法人の会計業務にビビッてたんですが、
日々の仕訳作業は、個人時代の仕訳と全く同じ。
複式簿記という基本的な仕組みも変わりません

私のような小規模企業の場合、ホント日々の記帳は一緒。
集計期間が、1月→12月から決算月ベースの期首→期末へ変わり、
事業主借が、役員借入に変わるぐらいの違いで、仕訳の方法も全く一緒。

じゃあ、法人では何で税理士が必要なのか?というと、
中間申告、決算申告といった、申請・届出業務が複雑なのです。
年末調整、法定調書、給与支払い報告書、償却資産税申告・・・私はできません。

そもそも法人化する時点で、税理士雇用しているハズであり、
一番複雑な決算申告も、法人なら税理士に任せる他に無い。

節税目的で法人化するメリット・デメリット。個人事業主と法人の大きな違い。

会計ソフトに法人税申告書の作成機能も不要だし、
自社で会計作業するとしても、複式簿記で仕訳ができて、
税理士とデータ共有できれば良いのです。
というわけで、よくわからない機能が増える必要は無いってこと。

法人経営者にとっては、法人向けというだけで値段が上がっている感じ。
だったら、安いに越したことも無いのです。

入力方法は、個人版と一緒

法人向けのfreee、マネーフォワードクラウド会計、弥生会計オンラインを試してみましたが、
個人向けのfreee、マネーフォワードクラウド確定申告、やよいの青色申告と入力方法も同じ。
管理画面から操作画面(UI)、基本的な操作方法まで、全く一緒でした。

マネーフォワードクラウド確定申告(個人)

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マネーフォワードクラウド会計(法人)

KS003797

freee(個人)

KS003799

freee(法人)

KS003800

やよいの青色申告オンライン(個人)

KS003812

弥生会計オンライン(法人)

KS003814

というわけで、個人でクラウド会計使っていたなら、
同じような操作で、法人でもクラウド会計も使えます。
わざわざ古いインストール型の会計ソフトで、操作を覚える手間も無いわけさ。

法人会計ソフトは税理士次第

法人向けの会計ソフトって、
会計事務所向けのサービスが多く、
法人企業には税理士が必須な事から、
会計事務所を囲い込むビジネスなんだとも感じました。

法人の会計ソフトで多いのが、
TKC、JDL、ミロク・・・といった、税理士御用達の会計ソフト。
結局のところ、経営者側で選択の余地は無く
顧問税理士が会計ソフトに対応していないと意味が無いんですよね。

ただ、クラウド会計って凄い勢いでシェアを伸ばしているわけで、
税理士もクラウド会計に対応せざるを得ない状況になっているのです。
逆を言えば、税理士都合で、高額で不便な会計ソフトを使うハメになるなら、
税理士も変更してしまえば良いんじゃないかなと。

税理士をお探しなら『税理士探しの強い味方 税理士紹介エージェント』

固定費は安いに越した事は無いし、仕訳の手間なんて絶対に無い方が良い。
頭の良い税理士様なら分かっているハズ。時代はクラウドだってね。

クラウド会計のメリットとデメリット。インストール型会計ソフトとの違い。

法人のクラウド会計ソフトで選ぶならfreeeが格安だし、
シェアNo.1ってのも間違いないと思う。
従来の会計ソフトが、税理士メインだったのに対し、
freeeは、経営者をメインに考えたサービスってのも面白い。

ほとんどの小規模法人は会計機能だけで良いハズ。
そう考えると、マネーフォワードクラウド会計は割高だから。

弥生会計オンラインは、クラウド会計と考えると微妙ですが、
基本的な会計機能は変わらないわけで・・・
初年度無料で少しでも安く使いたいなら弥生会計オンラインですね。

いずれにせよ無料期間が有るので、気になっているなら試した方が早い。
クラウド会計も日々進化していますので。

freee 30日間無料

弥生会計オンライン初年度無料

クラウド会計ソフトを使う上で、避けられないのがネットバンキング。
大手の都市銀行ではデータ連携に難があるので、ネット銀行をメインで使った方が良い。
ネットバンキングが無料で使えて、手数料も圧倒的に安いですから。

法人口座の維持費と各種手数料の比較。法人にネット銀行をおすすめする理由。

支出はクレジットカードだけにしてしまえば、仕訳の手間も完全に無くなります。
法人カードを使うことで現金よりも圧倒的に得をする。時間もマイルも貯まりまくる。

個人事業主、中小企業の経営者におすすめ法人カード(ビジネスカード)

何事も面倒なのは最初だけ、早く取り入れたもん勝ち。
生き残るのは最も力の強い者では無く、
最も頭の良い者でもない。変化に対応できる者。
移り変わりの早い現代、ホント痛感しているのでした。

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この記事を書いた人

KJ新谷のアバター KJ新谷 小さな会社の取締役

輸入物販で起業して、既に起業15年目。
法人9期目。小さい会社の代表です。
雰囲気で商売しています。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • こちらの記事を読ませていただきました。
    現在、事業を法人化してMFクラウドに応対していただける、税理士さんを現在探しております。個人の際はMFクラウドを利用しておりました。
    記帳は自分で行い、その他のアドバイスなどを行っていただける税理士さんで報酬はいくらぐらいでしょうか?
    もしよろしかったら、どこの事務所なのか教えていただけないでしょうか?
    よろしくお願いいたします。

    • 私の顧問税理士は、今となっては身近な存在となっていまったので、
      ちょっと誰でも紹介ってわけにはいかないです。すいません。

      税理士費用は事業規模にも依るので、参考までに。
      弊社の場合は、自己記帳で月額1万円ベースですが、
      諸々の費用(決算申告、中間申告、年末調整 等)を含めると、年額40万円前後になります。

      税理士探しは、税理士紹介サービスでも絞り込めますし、
      直接税理士のホームページを見るだけでも、料金、雰囲気はわかるかなと。
      クラウド会計に対応しているなら、ITにも力を入れているハズですので。

      私は税理士相談も何回かしていますし、税理士変更もしていますので、
      まぁ、一発で自分に合った税理士を見つけるってのは、中々難しいですよね。

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