小規模法人におすすめクラウド会計ソフト。freee、マネーフォワードクラウド会計、弥生会計オンラインの比較。

法人クラウド会計の比較

個人事業主から法人化する上で、一番悩んだのが会計ソフト。
法人になると、個人用の会計ソフトは使えなくなるので、
法人向けの会計ソフトを契約しなければならない。

クラウド会計で自動仕訳、自動電子データ保存が当たり前の時代、
小規模法人なら尚更、敢えて高額なインストール版を選ぶ理由も無い。
というわけで、今回は法人向けのクラウド会計ソフトについて。

クラウド会計は大手3社がシェアを占めるというのは、個人も法人も一緒。
ただ、法人と個人では、料金も内容も全く異なります。

個人事業主におすすめクラウド会計ソフト。freee、マネーフォワードクラウド確定申告、やよいの青色申告オンラインの比較。

会計ソフトの料金は、法人の方が高額ってこともあるのですが、
根本的な部分で、個人の会計ソフトとは選び方が違いますので。

目次

法人クラウド会計3社の比較

freee(法人)

クラウド会計の先駆けといえば「freee」。
2017年1月には、法人税申告書を作成できるようになり、
決算申告書の作成、電子申告もfreeeで処理できるようになりました。

一瞬で定款作成できる「freee会社設立」や、
給与計算ソフト「freee人事労務」も有り、士業泣かせのサービスに発展しつつあります。

freee法人プラン

スクロールできます
ミニマムベーシックプロフェッショナル
月額料金税込2,948円
税抜2,680円
税込5,808円
税抜5,280円
税込52,536円
税抜47,760円
年額料金税込26,136円
税抜23,760円
税込52,536円
税抜47,760円
税込525,360円
税抜477,600円
機能記帳機能
決算書作成
見積・請求・納品書作成
入金・支払管理
電子帳簿保存法対応
ミニマムプランの全機能
請求書の定期・一括請求機能
従業員の経費精算機能
ワンクリックで振込
ベーシックプランの全機能
予実管理機能
稟議/ワークフロー
部門別の配賦
セグメントタグ
salesforce/kintone連携
サポートチャット
メール
チャット
メール
電話
チャット
メール
電話
利用人数3人まで無料
※上限3人まで
3人まで無料
※上限なし
※1人につき330円/月
10人まで無料
※上限なし
※1人につき550円/月
消費税申告
消費税集計
達人シリーズ連携
ファイル保存
※電子帳簿保存
月10GBまで月10GBまで月10GBまで
請求書作成
※一部制限有り
給与計算別料金
※人事労務freee
別料金
※人事労務freee
別料金
※人事労務freee
勤怠管理別料金
※人事労務freee
別料金
※人事労務freee
別料金
※人事労務freee
マイナンバー管理別料金
※人事労務freee
別料金
※人事労務freee
別料金
※人事労務freee

ミニマムプランとベーシックプランの違いは、専門ツールの違い。
上位プランになるほど、より複雑な機能が使えるようになり、
電話サポートも上位プランのみ使えます
ただ、主たる会計機能は変わらず、ミニマムプランで消費税申告が可能。
そもそも申告は税理士任せでのハズあり、主たる機能には違いも無いので、
小規模法人であれば、年間26,136円(税込)のミニマムプランで良いかなと。

freeeが何故こんなにも有名なのか?といえば、
クラウド会計のパイオニアであり、クラウド会計シェアでも圧倒的なシェアを誇るから。
クラウド会計≒freeeというイメージの人も多いハズ。
シェアを占めるという事は、freee対応税理士も圧倒的に多いということ。

わかりやすいUI(入力画面)で、
経理に自信のない法人代表者にも使いやすいってのもあるけど、
2019年には、ライバルのマネーフォワードクラウド会計が大幅値上げをしたので、
法人のクラウド会計ソフト単体なら、freee法人向け会計ソフトでダントツ安い

結局のところ、背に腹は代えられないわけで、
私もマネーフォワードクラウド会計から乗り換えてます。

マネーフォワードクラウド会計

複式簿記の知識があるなら「マネーフォワードクラウド会計」。
freeeとは異なり、会計ソフト従来の入力方法を踏襲しているので、
会計ソフトに慣れている人は、恐らく税理士さんも、こちらの方が使いやすい。

freeeとマネーフォワードクラウドを徹底比較。両方使って気付いた大きな違い。

2019年の料金プラン変更で、経理以外の機能もセットとなり、
請求書作成、経費精算、給与計算、社会保険、勤怠管理、マイナンバー管理・・・と、
会計ソフトの料金だけで、全ての機能が使えるようになりました。

ただ、その代わり料金は2倍に上がってしまったので、
会計ソフトだけ求めている人には割高です。
2022年6月1日には、料金プランも再び改定。
4名以上で利用する法人では、実質の値上げとなっています。

※参考→料金体系の一部改定について(改定日:2022年6月1日) |マネーフォワード クラウド料金プラン・管理

マネーフォワードクラウド会計プラン

スモールビジネスビジネス
月額料金税込4,378円
税抜2,980円
税込6,578円
税抜4,980円
年額料金税込39,336円
税抜35,760円
税込65,736円
税抜59,760円
サポートメール
チャット
電話
メール
チャット
電話
電子証明書連携ソフト×
部門数2部門まで無制限
利用人数3人まで無料
※上限3人まで
3人まで無料
※1人につき330円/月
達人シリーズ連携
消費税集計機能
消費税申告×
クラウドBox
※電子帳簿保存
1000件まで
※2024年6月以降
制限なし
請求書作成メンバー3人まで無料
※上限3人まで
3人まで無料
※1人につき330円/月
仕訳入力制限設定不可設定可能
取引No.振り直し不可可能
ストレージ容量100MB10GB
総合振込明細単位取得不可可能

プランでの主な違いは、取引No.振り直し、仕訳入力制限、登録部門数、請求業務・・・
料金プランでサポート対応に違いは無く、できる業務に大きな違いも有りません。
給与計算、経費精算、社会保険事務、勤怠管理機能も、全てのプランで使えます

マネーフォワードクラウド会計の「スモールビジネスプラン」では、
法人の決算申告書は作成できませんが、消費税集計機能や達人シリーズへの連携は可能
申告書は別のソフトでも作成できますので、この辺は問題無い。

ただ、スモールビジネスプラン(年間39,336円)は、電子帳簿保存のファイル数に制限がある。
電子帳簿の保存先の「マネーフォワードクラウドBox」は、
2024年6月より、ファイル数1,000件までの制限が登場します。
電子帳簿保存法が施行したことによる改悪も登場しているわけですね。

※参考→料金体系の一部改定について(改定日:2023年12月1日および2024年6月1日) | マネーフォワード クラウドの料金・プラン管理サポート

決算書やバックアップファイルを保存する「ストレージ」容量も100MBと少なく、
法人の「スモールビジネス」は、個人事業主向けプランの「パーソナルミニ」と同等の扱い。

正直、小規模法人でも「スモールビジネス」では制限的に厳しく感じましたし、
かといって「ビジネス」では、年間65,736円と一気に高額になるから無理。

個人ではマネーフォワードクラウドを使っていた人も、
値段という点で、法人ではfreeeにするって人が多いかと。私もその一人。
サービスの改悪頻度も、freeeに比べて多い気がします。

弥生会計オンライン

会計ソフトのシェアNo.1の弥生シリーズですが、
弥生会計オンラインは、法人クラウド会計のシェアは3番手となります。

弥生会計オンラインは、サポートの有無で料金が変わり、
一番安いセルフプラン(年間30,580円)で、主たる会計機能は変わりません

また、弥生会計には会計ソフト以外の機能は含まれていません
給与計算は「やよいの給与明細」、請求書は「Misoca」、販売管理は「弥生販売」、
顧客管理は「やよいの顧客管理」・・・と、
全て会計ソフトとは、別料金のサービスとなってます。

法人で税理士雇用していると考えると、
操作サポートや税務相談って、税理士に頼る事ができるわけで、
弥生会計オンラインは、一番安い「セルフプラン」で良い。
弥生だけ無料期間が長く、1年間も無料で使えるキャンペーン実施中

弥生会計オンライン 初年度無償キャンペーン

弥生会計オンラインのプラン

セルフプランベーシックプラン
月額料金
年額料金税込30,580円
税抜27,800円
初年度無料
税込41,360円
税抜37,600円
初年度無料
サポート初期最大2か月
・電話
・メール
・画面共有サポート
・仕訳相談
・経理業務相談
通年サポート
・電話
・メール
・チャット
・画面共有サポート
・仕訳相談
・経理業務相談
業務相談×仕訳相談
経理業務相談
消費税改正業務相談
マイナンバー相談
利用人数3人まで無料
4人目以降
1人につき2,100円/月
3人まで無料
4人目以降
1人につき2,900円/月
決算書の作成
取引・残高
損益、貸借レポート
部門設定××
請求書作成別料金
※Misoca
別料金
※Misoca
給与計算別料金
※やよいの給与明細
別料金
※やよいの給与明細

弥生会計の年間料金で比較すると、freeeと大差ないのですが、
弥生会計オンラインの難点は、肝心のクラウド連携の部分が弱いこと。
YAYOI SMART CONNECTという別アプリで、金融機関データ取り組みという仕組み。
データ連携という点で、freeeやマネーフォワードクラウドに劣ります

YAYOI SMART CONNECTを使うのは、「やよいの青色申告オンライン」と一緒。
クラウド会計としてんお機能に期待するなら、個人も法人も「弥生」は選ばないかなと。

個人事業主におすすめクラウド会計ソフト。freee、マネーフォワードクラウド確定申告、やよいの青色申告オンラインの比較。 

弥生会計を選ぶなら、歴史あるインストール版が間違いない。
インストール版は、従来の会計ソフトのような複雑な入力が可能であり、
一方、オンライン版の取引入力では、出納帳入力と伝票入力も不可能ですからね。

機能比較表から探す_製品をご検討中の方|会計ソフトの弥生株式会社【公式】

結局のところ「弥生会計オンライン」は、簡単入力がメインであり、
従来の会計ソフトのような仕訳を使いたいなら、パッケージ版を選ぶしかない。
「弥生会計」と「弥生会計オンライン」の中身は別物であり、できることは全く異なるのです。

これも個人事業主が使う「やよいの青色申告」と同じ、
従来の「弥生」の会計ソフトの良さは、クラウド版では皆無となっています。

デスクトップ版「やよいの青色申告24+クラウド」とクラウド版「やよいの青色申告オンライン」の違い。

ちなみに、インストール版「弥生会計」は、個人の確定申告にも対応していますが、
クラウド版「弥生会計クラウド」は、法人決算にのみ対応。法人専用の会計ソフトとなってます。

KS003813

値段はあんまり変わらないのに「弥生会計オンライン」の機能は、だいぶ省略されている。
最新の弥生会計は「+クラウド」機能に対応、「スマート取引取込」「スマート証憑管理」機能も使えるので、
クラウド会計とデスクトップ会計のハイブリッド版ですね。
いや最初からこれだけで良かったんじゃないかなと。

法人向け会計ソフトの選び方

法人会計ソフトは税理士次第

会計ソフトの法人プランは、個人事業主プランよりも高額になっており、
使える機能やサービスも異なりますが、
この会計ソフトの機能は、経営者にとっては、ほぼ関係の無い話。

法人化している時点で顧問税理士が居るハズであり、
結局のところ、経営者側では、会計ソフトを選択する余地は無く、
顧問税理士が使う会計ソフトを、法人では使う事になる
一番複雑なのが決算申告、法人は税理士に任せる他に無いのです。

節税目的で法人化するメリット・デメリット。個人事業主と法人の大きな違い。

法人の会計ソフトで多いのが、
TKC、JDL、ミロク・・・といった、税理士御用達の会計ソフト。
古臭いUIで、使い勝手の悪い会計ソフト。
税理士が顧客に合わせて、会計ソフトを使い分けて対応してくれるわけでも無い。

特に、クラウド会計は、クラウド上で自動データ同期する仕組みもあるので、
同じクラウド会計ソフトを使わないと意味も無い。

会計ソフトって、経営者よりも会計事務所を優先したサービスが多く、
法人企業には税理士が必須な事から、
税理士事務所を囲い込む商売なんだとも感じています。

会計ソフトと税理士の関係

法人の会計ソフトは、税理士事務所次第ということで、
どのように税理士事務所を囲い込んでいるのか?
税理士側の費用、税理士をどのように評価しているのか?って話。

クラウド上に会計データ保存する都合、クラウド会計サービスが潰れても困るし、
どうやって利益を出しているのか?囲い込みをしているのか?
知っておいた方が良いとも思ってる。

freeeとマネーフォワードでは、
「freee認定アドバイザー」「マネーフォワード クラウド公認メンバー制度」といった、
公式対応を明記している税理士で探すことになるのですが、
会計ソフトへの貢献度で、対応税理士を上位表示する仕組みです。

会員名称評価システム年会費評価方法認定資格
検定
freeefreee認定アドバイザーアドバイザースコア
星1~5の5段階評価
シンプル会費:税抜49,800円
プライム会費:税抜357,600円
※年払い
導入実績
事務所内の資格取得者数
freee会計 エキスパート
freee会計 上級エキスパート
freee人事労務 エキスパート
マネーフォワードクラウドマネーフォワード クラウド
公認メンバー制度
ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ
4段階評価
ブロンズ:無料
シルバー:税抜5万円
ゴールド:税抜24万円
プラチナ:税抜50万円
※入会金税抜5万円
導入実績
ゴールド:アクティベート事業者数10件以上
プラチナ:アクティベート事業者数30件以上
マネーフォワード クラウド検定
弥生会計パートナーシッププログラム(弥生PAP)メンバー、ゴールド
2段階評価
税抜96,000円より強い協力関係のパートナー
一定の基準を満たした会員を、
ゴールド会員として認定
弥生認定インストラクター制度

例えば、freeeでは、認定アドバイザーになると、
freeeの士業検索ページに掲載されるようになり、
アドバイザースコアが高ければ上位に表示される。
このスコアの算出方法はというと、freeeを使う顧客の数で税理士のポイントが増えるという仕組み。
税理士事務所のfreeeユーザー保有数で、freee認定アドバイザーを評価しているのです。

マネーフォワードクラウドでは、最上位プラチナ獲得のハードルも低い。
顧客10件以上でゴールド顧客30件以上でプラチナですからね。
上位メンバーになるほど年会費も高額になり、プラチナ会員は年額55万円
要はどれくらい会計ソフトにに貢献しているか?お金を払っているか?って話。

会計事務所様向け公認メンバー制度のご紹介

弥生は、従来のインストール型「弥生会計」をメインとした評価システム。
弥生の提供する「パートナーシッププログラム(弥生PAP)」での会員評価を重要視しており、
GOLD会員の条件は「より強い協力関係のパートナー」と明言。
GOLD会員になれば「税理士紹介ナビ by 弥生」での表示順位が変わる仕組み。

従来の会計ソフトが、大規模な税理士事務所をメインだったのに対し、
クラウド会計は、小規模経営者をメインに考えたサービスだったハズ。

結局のところ、儲からないとサービスは継続できないから、
税理士事務所を囲い込むという歴史を繰り返しているようにも感じました。

法人クラウド会計ソフトのシェア

上記の囲い込みに関わってくるのが、会計ソフトのシェア。
法人向けクラウド会計で圧倒的なシェアを誇るのがfreeeです。

中小企業のクラウド会計シェア調査では、freeeが32.3%、マネーフォワードが19.2%、弥生オンラインが15.4%
2017年8月時点の法人クラウド会計ソフトの調査ですけど、現在もそこまで大差も無いと思ってます。

クラウド会計ソフトを利用する従業員300人以下の中小企業等において、「クラウド会計ソフト freee」(freee)の利用率が32.3%と最も高く、2位は「MFクラウド会計」(マネーフォワード)で19.2%。「弥生会計オンライン」(弥生)が15.4%、「ネットde会計」(パイプドビッツ)が13.8%と続く。

クラウド会計ソフトの法人導入実態調査 ≪ プレスリリース | 株式会社MM総研
クラウド会計ソフトの法人導入実態調査 ≪ プレスリリース | 株式会社MM総研

2022年6月時点のSimilarwebのトラフィック調査では、
トラフィックシェアで、freeeが約50%のシェアを占めています
サイトへのアクセス数なので、法人と個人事業主の両方、全ユーザーの比率です。

2019年6月2022年6月
freee
freee.co.jp
44.32%47.9%
マネーフォワードクラウド
biz.moneyforward.com
29.85%31.32%
弥生会計
yayoi-kk.co.jp
14.6%12.86%

2022年6月の時点では、freee(freee.co.jp)が48.35%でトップ、それにマネーフォワードクラウド会計(biz.moneyforward.com)の31.32%、弥生会計(yayoi-kk.co.jp)の12.86%が続き、この 上位3サイトで合計92.53%のトラフィックシェアを獲得しています。クラウド会計業界は上位3強とその他という構図であることがわかりますが、中でも freeeはほぼ50%のシェアを獲得して、他社を大きく引き離しています。

検索キーワードから紐解く業界分析:クラウド会計ソフト編 | リードプラス株式会社

過去には、マネーフォワードクラウドが優勢だった時期もあるのですが、
2019年5月に、マネーフォワードクラウドが料金プランの変更→実質の値上げで、
マネーフォワードのシェアが大幅に減少。
この影響を受けて、2020年6月にマネーフォワードクラウドは、
料金プランを再改定→個人事業主プランの料金を元に戻しています。
※2023年12月に、個人事業主プランは再度値上げしています。

2022年2月には、freeeが楽天銀行との連携ができなくなったので、
freeeからマネーフォワードに流れた人も多いハズ。
※2023年12月に再び楽天銀行と連携可能となっています。

他にも料金プラン改悪の歴史として、
2019年5月に、マネーフォワードクラウドが全サービスセットへ(実質の値上げ)
2020年5月に、freeeが個人プラン値上げ(スターター・スタンダード)
2020年6月に、マネーフォワードクラウドが個人事業主パーソナルプラン値下げ
2022年10月に、やよいの青色申告オンライン・白色申告オンライン値上げ
2022年12月に、freeeが月額プランの値上げ(年額プラン変更無し)
2023年12月に、マネーフォワードクラウドの個人事業主プラン値上げ(法人向けプラン変更なし)
2024年2月に、弥生会計オンライン、Misoca、あんしん保守サポート値上げ
2024年6月に、マネーフォワード「クラウドBox」「AI-OCR」の有償化、「請求書」値上げ

直近では、マネーフォワードの改悪が続いているので、
今後、freeeとのシェア差は更に広がりそうな気がしています。

ただ、freeeもマネーフォワードも顧客獲得を優先するが故に大赤字ですからね。
ユーザー数が増えれば刈り取りに来るハズであり、遅かれ早かれ値上げもするでしょう。

法人会計ソフトの年間利用料金

法人向けの会計ソフトって星の数ほどあるし、
大規模起業と中小企業で価格も全然違うし、
小規模法人向けの会計ソフトでも、値段は非常に高額です。

従来のインストール型の会計ソフトの料金は、
数年前に比べ、値段は下がりましたが・・・まだまだ高額。
値下げしたのもクラウド会計が台頭してきたからだとも思っている。

法人会計ソフトの価格比較

メーカー製品名年額
弥生弥生会計(スタンダード)税込40,370円
税抜36,700円
※セルフプラン
弥生弥生会計(プロフェッショナル)税込55,880円
税抜50,800円
※セルフプラン
ソリマチ会計王税込44,000円
コラボわくわく財務会計税込27,500円
ミロクMJSかんたん!法人会計税込33,000円
OBC勘定奉行J税込44,000円
税抜40,000円
※年間利用ライセンス
EPSONWeplat 財務応援 R4
Lite
税込55,000円
税抜50,000円
※年間ライセンス料

一方、法人向けクラウド会計は、金融機関とのデータ連携機能も付いて、
従来の法人向け会計ソフトよりも格安。
上記の老舗会計ソフトもクラウド対応しはじめてますけど、
従来のシステムに組み込む形であり、やはり高額ですからね。

クラウド会計に限らず、圧倒的に安いのが「freee」。
法人会計ソフトの中で、年会費26,136円(税込)は破格です。

法人向けクラウド会計ソフト

料金プラン年額
弥生会計オンラインセルフプラン税込30,580円
税抜27,800円
弥生会計オンラインベーシックプラン税込41,360円
税抜37,600円
freeeミニマム税込26,136円
税抜23,760円
freeeベーシック税込52,536円
税抜47,760円
マネーフォワードクラウド会計スモールビジネス税込39,336円
税抜35,760円
マネーフォワードクラウド会計ビジネス税込65,736円
税抜59,760円

法人の経理は、個人と変わらない

法人成りする前は、法人の会計業務にビビッてたんですが、
日々の仕訳作業は、個人時代の仕訳と全く同じ。
複式簿記という基本的な仕組みも変わりません

私のような小規模企業の場合、ホント日々の記帳は一緒。
集計期間が、1月→12月から決算月ベースの期首→期末へ変わり、
事業主借が、役員借入に変わるぐらいの違いで、仕訳の方法も全く一緒。

じゃあ、法人では何で税理士が必要なのか?というと、
中間申告、決算申告といった、申請・届出業務が複雑なのです。
年末調整、法定調書、給与支払い報告書、償却資産税申告・・・私にはできません。

よって、会計ソフトに法人税申告書の作成機能は不要だし、
自社で会計作業するとしても、複式簿記での仕訳ができて、
税理士とデータ共有できれば良いのです。
というわけで、よくわからない機能が増える必要は無いってこと。

実際のところ、法人向けというだけで値段が上がっている感じ。
だったら、安いに越したことは無いのです。

参考までに、法人向けのfreee、マネーフォワードクラウド会計、弥生会計オンラインを試してみましたが、
個人向けのfreee、マネーフォワードクラウド確定申告、やよいの青色申告と入力方法も同じ。
管理画面から操作画面(UI)、基本的な操作方法まで、全く一緒でした。

マネーフォワードクラウド確定申告(個人)

KS003796

マネーフォワードクラウド会計(法人)

KS003797

freee(個人)

KS003799

freee(法人)

KS003800

やよいの青色申告オンライン(個人)

KS003812

弥生会計オンライン(法人)

KS003814

というわけで、個人でクラウド会計使っていたなら、
法人でも同じようにクラウド会計も使えます。
わざわざ古いインストール型の会計ソフトで、操作を覚える手間も無いわけさ。

法人クラウド会計まとめ

法人の会計ソフトは、経営者に選択肢は無いとはいえ、
クラウド会計ソフト自体が、もの凄い勢いでシェアも伸ばしているので、
税理士もクラウド会計に対応せざるを得ない状況になっています

手入力することで手間は増えるし、電子データも会計ソフトで連携する流れ。
会計ソフト側でデータ取り込み、自動的に電子データ保存してくれれれば、
電子帳簿保存に対応する手間までも省けてしまう。
頭の良い税理士様なら分かっているハズ、時代はクラウド会計だってね。

というわけで、経営者も効率化するなら、
クラウド対応の税理士雇用も避けられない。
日本の税理士は、平均年齢は60歳以上と高齢化しており、
アナログ対応も多く、ITならずとも税改正の理解も危ういのです。

税理士都合で、時代遅れな会計ソフトを使わなければならないなら、
税理士変更を検討すべきではないかと真剣に思う。
ITを活用することで、固定費は安くなるし、
時代に合わせて経理を効率化すれば、
浮いた時間で経営者は更に稼ぐこともできる。
少なくとも仕訳の手間は絶対にない方が良いし、
電子帳簿保存対応も、人力で対応したら凄い面倒ですからね。

クラウド会計のメリットとデメリット。インストール型会計ソフトとの違い。

法人会計ソフトで選ぶとすれば、小規模企業向けプラン≒一番安いプラン。
一番安いプランで比較すると「freee」が安さも際立ちます。
クラウド会計シェアNo.1ってのも間違いないと思う。

法人クラウド会計の比較

スクロールできます
freee
ミニマム
マネーフォワードクラウド
スモールビジネス
弥生会計オンライン
セルフプラン
年額税込26,136円
税抜23,760円
税込39,336円
税抜35,760円
税込30,580円
税抜27,800円
初年度無料
消費税申告×
電子帳簿保存容量月間10GBまで1,000件まで
※2024年6月以降
無制限
請求書
※一部制限有り
別料金
※Misoca
(月間10枚無料)
人事労務
給与管理
別料金
※人事労務freee
別料金
※やよいの給与明細
サポートメール
チャット
メール
チャット
電話
WebFAQ
利用人数3人まで無料
※上限3人まで
3人まで無料
※上限3人まで
3人まで無料
4人目以降
2,100円/1人

マネーフォワードクラウド会計」は、従来の会計ソフトを踏襲しており、
税務を理解している人、特に税理士さんは使いやすいと思うのですけど、
小規模法人には負担が大きく、料金も上がりまくり。
そして、ほとんどの小規模法人は会計機能だけで良いということを考えると、
マネーフォワードクラウドは、間違いなく割高なのです。

弥生会計オンライン」は、クラウド会計として肝心な連携システムが微妙であり、
デスクトップ版の「弥生会計」に比べると使える機能もイマイチ過ぎる。
弥生は会計ソフトでNo.1。歴史ある「弥生会計」の方が完成されているし、
クラウド会計に比べて対応税理士も多いです。
まぁ、1年間は無料で使えるので、その使い勝手の微妙さ試してみたら良いとも思う。

いずれにせよ、クラウド会計は、まだまだ発展途上のサービス。
私が感じた情報が、既に古い可能性もありますし、
誰が何と言おうと、実際に使ってみた方が早い。
使えないなら、無料のウチに辞めれば良いだけ。

そして、クラウド会計ソフトを使う上で、避けられないのがネットバンキング。
大手の都市銀行では、ネットバンキングシステムに難があるので、
データ連携するなら、ネット銀行をメインで使った方が良い。
ネットバンキングが無料で使えて、各種手数料も圧倒的に安いですから。

法人口座の維持費と振込手数料の比較。ネット銀行がおすすめな理由。

支出はクレジットカードだけにしてしまえば、仕訳の手間は完全に無くなります。
法人カードを使うことで現金よりも圧倒的に得をする。時間もマイルも貯まりまくる。

個人事業主、中小企業の経営者におすすめ法人カード(ビジネスカード)

何事も面倒なのは最初だけ、早く取り入れたもん勝ち。
生き残るのは最も力の強い者では無く、
最も頭の良い者でもない。変化に対応できる者。
移り変わりの早い現代、ホント痛感しているのでした。

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この記事を書いた人

KJ新谷のアバター KJ新谷 小さな会社の取締役

平成21年に輸入物販で起業して、既に起業15年目。
法人10期目。小さい会社の代表です。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • こちらの記事を読ませていただきました。
    現在、事業を法人化してMFクラウドに応対していただける、税理士さんを現在探しております。個人の際はMFクラウドを利用しておりました。
    記帳は自分で行い、その他のアドバイスなどを行っていただける税理士さんで報酬はいくらぐらいでしょうか?
    もしよろしかったら、どこの事務所なのか教えていただけないでしょうか?
    よろしくお願いいたします。

    • 私の顧問税理士は、今となっては身近な存在となっていまったので、
      ちょっと誰でも紹介ってわけにはいかないです。すいません。

      税理士費用は事業規模にも依るので、参考までに。
      弊社の場合は、自己記帳で月額1万円ベースですが、
      諸々の費用(決算申告、中間申告、年末調整 等)を含めると、年額40万円前後になります。

      税理士探しは、税理士紹介サービスでも絞り込めますし、
      直接税理士のホームページを見るだけでも、料金、雰囲気はわかるかなと。
      クラウド会計に対応しているなら、ITにも力を入れているハズですので。

      私は税理士相談も何回かしていますし、税理士変更もしていますので、
      まぁ、一発で自分に合った税理士を見つけるってのは、中々難しいですよね。

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