法人化するにあたり、まず必要となるのが法人用の銀行口座。
法人口座の手数料は、個人の口座とは全く異なるので、
適当に口座開設すると結果的に高くつきます。
大手銀行の法人口座は、審査が非常に厳しく、各種手数料も非常に高い。
ネット専門の金融機関も、個人向けの口座とは手数料が違うわけで、
毎度、振込手数料を調べるのも面倒だから、まとめておきます。
信用が欲しいなら、大手の都市銀行・・・っていう時代でもないからね。
法人口座のネットバンキングは有料
法人口座も、口座開設費用は基本的に無料であり、口座維持手数料も無料。
ただ、法人口座の場合だと、ネットバンキングが有料となる金融機関が多いです。
ネットバンキングが無料で利用できるのは、
オンライン専門のネット銀行と、
ゆうちょ銀行の「ゆうちょダイレクト」のみ。
※ゆうちょBizダイレクトは有料、スタンダードプラン月額550円です。
法人口座のネットバンキング月額利用料
名称 | ネットバンキング月額料 | |
---|---|---|
ゆうちょ銀行 | ゆうちょダイレクト | 無料 |
PayPay銀行 | ビジネスアカウント | 無料 |
楽天銀行 | 法人ビジネス口座 | 無料 |
住信SBIネット銀行 | 住信SBIネット銀行(法人) | 無料 |
GMOあおぞらネット銀行 | GMOあおぞらネット銀行(法人) | 無料 |
イオン銀行 | ビジネスネットサービス | 無料 |
三菱UFJ銀行 | BizSTATION | 1,760円 BizSTATION Lightは無料 |
三井住友銀行 | パソコンバンクWeb21 (デビュータイプ) | 2,200円 ライトタイプは無料 |
みずほ銀行 | みずほビジネスWEB | 3,300円 |
りそな銀行 | りそなビジネスダイレクト | 7,700円 Miniは月額3300円 |
横浜銀行 | ビジネスサポートダイレクト | 2,200円 |
静岡銀行 | WEB-PCバンキングサービス | 1,650円 |
実店舗型の金融機関だと、
毎月2,000円~5,000円の固定費が発生するわけ。
年間2万~5万円って・・・非常に高額。
しかも、料金が高額≒優れているわけでもなく、
利用毎の手数料も全然違う。
使う頻度が高ければ高いほど、
ネット専門の銀行を利用した方が良いのです。
法人口座の振込手数料の違い
ネットバンキングを利用する最大のメリットは、
手数料を大幅に抑えられる事。
ただ、そのネットバンキング手数料も、
法人口座の場合は高く設定されており、
金融機関により、その手数料も大きく違います。
一番利用頻度が高く、一番料金が違うのも振込手数料です。
インターネットバンキング振込手数料の比較
他行宛 3万円以上 |
本支店 3万円以上 |
同一支店 3万円以上 |
他行宛 3万円未満 |
本支店 3万円未満 |
同一支店 3万円未満 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
GMOあおぞらネット銀行 (振込料金とくとく会員) |
135円 | 無料 | 無料 | 135円 | 無料 | 無料 |
GMOあおぞらネット銀行 | 145円 | 無料 | 無料 | 145円 | 無料 | 無料 |
住信SBIネット銀行 | 145円 | 無料 | 無料 | 145円 | 無料 | 無料 |
PayPay銀行 | 160円 | 55円 | 55円 | 160円 | 55円 | 55円 |
楽天銀行 | 229円 | 52円 | 52円 | 150円 | 52円 | 52円 |
イオン銀行 | 440円 ※5万円以上 |
無料 | 無料 | 220円 ※5万円未満 |
無料 | 無料 |
ゆうちょ銀行 (ゆうちょダイレクト) |
165円 | 月5回まで:無料 月6回目以降:100円 (電信振替) |
165円 | 月5回まで:無料 月6回目以降:100円 (電信振替) |
||
三菱UFJ銀行 | 660円 | 330円 | 無料 | 484円 | 110円 | 無料 |
三井住友銀行 | 660円 | 440円 | 220円 | 495円 | 220円 | 110円 |
みずほ銀行 | 660円 | 440円 | 無料 | 490円 | 220円 | 無料 |
りそな銀行 | 605円 | 330円 | 無料 | 605円 | 330円 | 無料 |
横浜銀行 | 550円 | 330円 | 無料 | 385円 | 110円 | 無料 |
法人口座を使ってビックリしたのが、同行間振込でも有料ってやつ。
法人口座となると、法人利用の料金となるので、
同行間だけでなく、他行宛て振込手数料も大幅に高くなります。
例えば、三菱UFJ銀行は、法人では「BizSTATION」となり、
個人向け「三菱UFJダイレクト」の料金より、金額も2倍くらい上がります。
ネット専門の金融機関でも、振込手数料は異なるところが有り、
特に違うのが「住信SBIネット銀行」と「GMOあおぞらネット銀行」。
「GMOあおぞらネット銀行」は、1回75円、
「住信SBIネット銀行」は、1回77円で振込できますが、
いずれも法人となると、1回145円となってしまいます。
→個人事業主にオススメの銀行口座。ネットバンクの振込手数料の比較と違い。
GMO銀行ネット銀行には、月額500円で、
振込料金が一律135円となる「振込料金とくとく会員」が有るわけで、
振込に特化するなら「GMO銀行ネット銀行」一択です。
個人口座では、振込手数料が無料となったりもしましたが、
法人口座では、毎月の他行宛て振込手数料無料特典も無いという。
というわけで、法人口座では振込手数料の違いでダイレクトに損します。
銀行に支払う手数料≒振込手数料なので、
なるべく安いところを使うに越したことは無い。
法人で手数料が安いのは「GMOあおぞらネット銀行」ってわけ。
ネットバンキング営業時間と性能の違い
ネットバンキングって24時間365日、
年中無休が当たり前では有りません。
大手金融機関のネットバンキングは、
WEB上でも営業時間が短いです。
ネットバンキング利用時間&Mac対応の比較
利用可能時間 | MacOS(Macintosh) | |
---|---|---|
PayPay銀行 (ビジネスアカウント) |
年中無休(24時間) | 利用可能 |
楽天銀行 (法人ビジネス口座) |
年中無休(24時間) | 利用可能 |
住信SBIネット銀行 (法人口座) |
年中無休(24時間) | 利用可能 |
GMOあおぞらネット銀行 (法人口座) |
年中無休(24時間) | 利用可能 |
イオン銀行 (ビジネスネットサービス) |
年中無休(24時間) | 利用可能 |
ゆうちょ銀行 (ゆうちょダイレクト) |
0:05~23:55 第3月曜日7:00~23:55 年始、GWは利用不可 |
利用可能 |
三菱UFJ銀行 (BizSTATION) |
8:00~23:55 祝日、1月1日~3日、 5月3日~5日は利用不可 ※24時間サービスは別途申込 |
制限有り ※電子証明書利用不可 |
三井住友銀行 (パソコンバンクWeb21) |
月曜日 8:00~24:00 火~土曜日・祝日 0:00~24:00 日曜日 0:00~19:00 ※火~土・日・祝日は2:00~4:00除く |
制限有り ※ValueDoor利用不可 |
みずほ銀行 (みずほビジネスWEB) |
平日の8:00~23:00 土曜日の8:00~22:00 日曜日の9:00~17:00 祝日、振替休日、 1月1日~1月3日は利用不可 |
利用可能 |
りそな銀行 (りそなビジネスダイレクト) |
平日7:00~23:55 土日祝:8:00~22:00 |
利用可能 |
横浜銀行 (ビジネスサポートダイレクト) |
24時間利用可能 毎月第1・3月曜日2:00~6:00、 1月1日~3日、 5月3日~5日は利用不可 |
利用可能 |
WEBなのに、24時間利用できないし、
Windowsのみで、Macに未対応の金融機関も有る。
明細の確認だけでなく、振込手続きをしておくことも不可能。
使いたいときに使えないんじゃ、
ネットバンキングの意味ないんじゃないかっていう。
みずほ銀行とか、システム障害続きですから・・・
既にお金入れておくのも怖いよね。
取引明細の照会可能期間の違い
インターネットバンキングで、
主に使う機能といえば、過去取引明細の確認。
オンラインで確認できる入出金明細も、
銀行により大きく異なります。
取引明細の照会可能期間
取引明細の照会可能期間 | |
---|---|
PayPay銀行 (ビジネスアカウント) | 照会日より5年間 |
楽天銀行 (法人ビジネス口座) | 過去24ヶ月分 最大3,000件分 |
住信SBIネット銀行 (法人口座) | 7年前の1月1日以降 |
GMOあおぞらネット銀行 (法人口座) | 特に制限なし |
イオン銀行 (ビジネスネットサービス) | 最大13ヶ月 (最大500明細) |
ゆうちょ銀行 (ゆうちょダイレクト) | 最大2か月(前月1日が照会起算日) 直近最大100明細 ゆうちょダイレクト+(無通帳型)は最大20年 |
三菱UFJ銀行 (BizSTATION) | 前月1日から当日まで |
三井住友銀行 (パソコンバンクWeb21) | 6ヵ月前の月初1日以降(デビュー) 12ヵ月前の月初1日以降(スタンダード・エキスパート) |
みずほ銀行 (みずほビジネスWEB) | 当日を含め、過去300日間 |
りそな銀行 (りそなビジネスダイレクト) | 最大2か月分 |
横浜銀行 (ビジネスサポートダイレクト) | 3か月前から当日まで (5,000明細まで) |
照会期間で困るのが会計業務。
ネットバンキングの照会可能期間は、
クラウド会計ソフトで自動取り込みにも影響してきます。
クラウド会計を利用しなくとも、データ出力が微妙。
CSVエクスポートや、PDF出力もできなかったりと難が有る。
結局のところ、大手金融機関は、店舗にてサービスを提供するのがメイン。
過去の入出金明細を請求すれば、発行手数料も取られますので気を付けて。
日々通帳印字して、クラウド会計にも日々同期しておきましょう。
→クラウド会計を使って気づいたメリット・デメリット。インストール型会計ソフトとの違い。
弊社の法人会計ソフトはfreee。
マネーフォワードクラウドから乗り換えました。
→小規模法人におすすめクラウド会計ソフト。freee会計、マネーフォワードクラウド会計、弥生会計の比較。

法人ならfreeeだけど、個人事業主ならマネーフォワードクラウドが良い。
いずれにせよ、クラウド会計は、freeeとマネーフォワードの2択です。
→freeeとマネーフォワードクラウドを徹底比較。両方使って気付いた大きな違い。
法人口座審査の違い
口座間で資金移動する事も多くなったので、
手数料関係をまとめてみましたが、だいぶ違いました。
事業で振込を多用するなら、
メインバンク変えてでも、ネット専門の銀行を使った方が良いなと。
法人でも使うべきはネットバンク。これは個人と変わりません。
→個人事業主にオススメのネットバンク。他行宛て振込手数料の比較。
ただ、法人口座は個人口座とは違い、簡単に口座開設ができません。
必要書類も非常に多く、審査期間も非常に長いです。
とりあえず、法人口座開設できないと意味無いんだけど、
金融機関により、手続きも大きく異なり、
大手の都市銀行は維持費高いだけでなく、審査も非常に厳しい。
そういった意味でも、大手金融機関は、
まず選択肢から外れるんじゃないかと。
ネットバンキングは、審査も大手金融機関よりも優しいのも魅力。
ジャパンネット銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行、GMOあおぞらネット銀行・・・
即日口座開設をするなら、地方銀行も悪く無い。
→法人口座の開設方法と必要書類。審査の流れと口座開設完了までの期間。

ネット銀行法人口座のデメリット
上述したように、法人でもネット銀行を使うべきなのですが、
結局のところ、私は地方銀行の法人口座も作るはめになりました。
その理由・・・ネット銀行の多くは、税金や保険料の振替納付に対応していないのです。
法人化で最初に困ったのが、厚生年金保険、健康保険の口座振替支払い。
法人となれば社会保険の加入も避けられませんからね。
→節税目的で法人化するメリット・デメリット。個人事業主と法人の大きな違い。
ネット銀行は、社会保険料、労働保険料の振替口座として指定できません。
Pay-easy(ペイジー)支払いで対応できるといえど、
ペイジー支払に対応しているネット銀行はPayPay銀行、楽天銀行のみ。
同様に税金の納付にも難が有ります。
振替納税、国税のダイレクト納付、地方税(eLTAX)の納付、ペイジー・・・
ネット銀行は、未対応だらけなのです。
ネット銀行税金、保険料の対応状況まとめておきます。
ネット銀行振替納付の対応状況
社会 保険 | 振替 納税 | 国税 納付 | 地方 納付 | 還付 口座 | ペイジー | |
---|---|---|---|---|---|---|
PayPay銀行 | × | × | × | IBのみ | 〇 | 〇 |
楽天銀行 | × | 〇 | × | IBのみ | 〇 | 〇 |
住信SBIネット銀行 | × | × | × | × | 〇 | × |
GMOあおぞらネット銀行 | × | × | × | × | 〇 | × |
経営セーフティ共済も、ネット銀行では加入できませんからね。
都市銀行、信託銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合・・・私は地方銀行経由で申し込みました。
→経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)の申込方法とデメリット
法人おすすめのネット銀行まとめ
私は、老舗のPayPay銀行を長く愛用してましたが・・・
今となっては各種手数料が高く、トークンアプリもイマイチ。
PayPayトークン、ゆうちょのトークン、凄い使いづらくなっちゃいましたからね。

なんだかんだで使うのは、手数料が一番安い「GMOあおぞらネット銀行」。
デビットカード決済で1%キャッシュバックされるのも凄い。
法人カードの還元率って高くて1%、しかもポイントバックですから。
※税金や公共料金等、一部キャッシュバック率が異なる利用先有り。

GMOあおぞらネット銀行のビジネスデビットカードなら、
カード限度額にも悩まされること無く利用できる。
※Mastercardブランドがが追加されました。
高額決済にも利用できるし、利用金額の1%が翌月現金で振り込まれる。
1%って数字、ホント馬鹿にならない。
銀行口座開設も大変でしたけども、法人カードはまた別の審査。
信用の無い新設法人は、発行できても初期限度額が低いのです。
→法人カードの審査と必要書類。カード発行までの日数と申込みの流れ。
かといって、クレジットカードも使わないと限度額が増えないので、
法人口座作った流れで、法人カードも作るべきですね。
法人カードで使うべきは、還元率と特典コスパ。
→個人事業主、経営者にオススメの法人カード(ビジネスカード)

コメント