デスクワークにおいて、正しい姿勢をする為には、
作業環境に合わせて、デスク高さを調整しなければならず、
いくら正しい姿勢をしたところで、
同じ姿勢を続ければ、体には悪いということ。
結局の所、姿勢を変えられる昇降デスクが必須であり、
昇降デスクもカスタマイズできないか?
というわけで、DIYするに至りました。
昇降デスクって、座るだけのデスクとは、ちょっと違うわけで、
数枚ほどDIYしたことで、気づいたこともありますので、
ここにその記録を残しておきます。
FlexiSpotを選ぶ理由
昇降デスクを作る上で、最重要となるが脚の部分。
これは悩む余地なく「FlexiSpot」一択です。
まず、その理由から。
FlexiSpotは、エルゴノミクス製品で世界トップ企業であり、
特に、電動昇降デスクでは、圧倒的なシェアを誇ります。
電動昇降デスクを販売する企業は多々ありますが、
脚フレームだけ売っているメーカーは、FlexiSpot以外に無いのです。
いや、探せばあるけど、そういうことでもなく、
価格と品質のバランスで、敵うメーカーが無い。
FlexiSpotは、2016年にLoctek社から登場した、
人間工学に基づいた製品を販売するメーカー。
2016年に日本法人「楽歌株式会社」も設立し、FlexiSpotを発売開始しています。
Loctek Inc.は、1998年アメリカで創設したのが始まり、
2002年に中国でLoctek Ergonomic Technology Corp.(楽歌loctek)を設立、
現在は、中国の浙江省寧波に本社を置く企業です。
FlexiSpotブランドで販売しているのは、
アメリカ、カナダ、ヨーロッパ(イギリス、ドイツ、フランス)、日本。
Loctekのグローバル向けブランドがFlexiSpotというわけ。
中国では、Loctekでエルゴノミクス製品を販売しており、
販売している製品ラインナップも異なり、BtoBが多いです。
※モニターアームのLoctek(旧 FlexiMounts)も同じ企業の製品です。
Loctekは、Lecangsという物流専門の子会社も所持しており、
海外倉庫も多数保有している超グローバル企業。

物流倉庫は、世界に11カ所(米国8カ所、イギリス1カ所、ドイツ1カ所、日本1カ所)、
カスタマーサービスは、フィリピン、
工場は、中国とベトナムと、世界中で製造販売している企業。
Amazonで販売されている、怪しい中華ブランドとも格が違うのです。
中国メーカーということで、懸念する人も多いでしょうが、
「Anker」も「SwitchBot」も「TP-LINK」も中国企業ですからね。
中国は、IT先進国というのも認めるべき。
中国の家電メーカー
主な製品 | |
---|---|
Anker(アンカー) | モバイルバッテリー、充電器、スピーカー、イヤホン、ケーブル |
SwitchBot(スイッチボット) | スマートホームデバイス(IoT) |
TP-LINK(ティーピーリンク) | Wi-Fi機器、世界シェアNo.1のWi-Fi機器メーカー |
FlexiSpot(フレキシスポット) ※Loctek | エルゴノミクス関連製品、オフィス家具、デスクマウント |
Lenovo(レノボ) | パソコン、タブレット、ThinkPad |
Huawei(ファーウェイ) | スマートフォン、ノートPC、タブレット、アクセサリー、スマートホームデバイス |
Xiaomi(シャオミ) | 総合家電、スマートフォン |
OPPO(オッポ) | スマートフォン |
ZTE | スマートフォン |
TCL | テレビ、サウンドバー、冷蔵庫 |
Haier(ハイアール) | 冷蔵庫、洗濯機、キッチン家電 |
Hisense(ハイセンス) | テレビ、オーディオ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン |
台湾の家電メーカー
主な製品 | |
---|---|
Gigabyte(ギガバイト) | パソコン、PCパーツ |
ASUS(エイスース) | パソコン、PCパーツ、スマートフォン(Zenfone) |
Acer(エイサー) | パソコン、液晶モニター |
HTC Corporation(エイチ・ティー・シー) | スマートフォン、VRデバイス |
BenQ(ベンキュー) | 液晶モニター、プロジェクター、照明 |
Realtek(リアルテック) | IC設計販売、チップメーカー |
また、日本で高級多機能デスクを作る「PREDUCTS(プレダクツ)」でも、
FlexiSpotのデスクフレームを採用しています。
PREDUCTSが製造するのは、天板(BOARD)の「DESK MODULAR SYSTEM」。
実は「PREDUCTS DESK」の脚は、FlexiSpot製品なのです。
PREDUTSスタンディングデスク
商品名 | 脚フレーム | 販売価格(税込) |
---|---|---|
POLAR / Standing | FlexiSpot E7 | 120×70cm:140,800円 140×70cm:149,600円 160×75cm:169,400円 +送料7,000円 |
METRO / Standing | FlexiSpot E7 | 120×70cm:143,000円 140×70cm:151,800円 160×75cm:171,600円 +送料7,000円 |
FOREST / Standing | FlexiSpot E7 | 120×70cm:151,800円 140×70cm:158,400円 160×75cm:180,400円 +送料7,000円 |
GROVE / Standing | FlexiSpot E8 | 120×70cm:167,200円 140×70cm:173,800円 160×75cm:195,800円 +送料7,000円 |
昇降デスクは、保証期間5年と長いのも、耐久性に自信がある証拠。
私が最初に購入した「E3」というモデルは、既に5年以上経過しており、
毎日のように昇降していますが、未だ不具合も無く現役なのです。

組み立て系の昇降デスクなので、予期せぬトラブルに遭遇したりもするのですけど、
万が一故障やエラーが出た場合も、気軽に問い合わせできるのも良い。
日本にも拠点が有るし、サポートも日本語で対応も早い。
メール、問合せフォーム、ライブチャット、電話対応もしています。
ちなみに、モニター画面にエラー表示され動作しなくなった場合、
デスクを一番低い高さに下げ、下ボタンの長押しで初期化すれば直ります。
よく出るエラーコードは「ASR」「RST」「E03」「E04」「E09」あたり。

耐荷重オーバーでも、エラー出るから、
初期化の方法は覚えておいて損はないです。
昇降デスクフレームの選び方
FlexiSpotデスクフレーム種類と違い
FlexiSpotのデスクシリーズ製品は、非常に多いです。
販路限定の派生モデルも有り、把握するのが困難なほど種類が有ります。
※格安な「SANODESK」もFlexiSpotの商品です。
ただ、脚だけの「デスクフレーム」のモデルは限られるので、
天板用意して自作する場合は、それほど悩むこともない。
デスクセットで購入する場合も、
脚フレームの性能がベースとなっているので、
型番ごとの特徴を抑えておくと理解も早いかと。
FlexiSpot昇降デスクフレーム一覧
型番 | 販売価格 | 昇降幅 | 耐荷重 | モーター | 機能 | 天板対応サイズ |
---|---|---|---|---|---|---|
E7 | 57,200円 | 58~123cm | 125kg | 2つ | メモリ ロック 障害物検知 | 幅120~210cm 奥行60~80cm 厚み≥2cm |
E7 Pro (コの字型) | 61,600円 | 60~125cm | 100kg | 2つ | USB メモリ ロック 障害物検知 | 幅120~200cm 奥行60~80cm 厚み≥2cm |
E7H | 63,800円 | 63.5~128.5cm | 160kg | 2つ | USB メモリ ロック ケーブル収納 障害物検知 | 幅120~200cm 奥行60~80cm 厚み18-25mm |
E7L (左右L字型) | 77,000円 | 58~123cm | 125kg | 2つ | USB メモリ ロック 障害物検知 | 幅140~200cm 奥行60~80cm /90~110cm 厚み≥2cm |
E7Q (Odin) | 148,500円 | 60.5~125.5cm | 200kg | 4つ | メモリ 障害物検知 | 幅180~240cm 奥行80cm~100cm |
E8 (脚部楕円) ※静穏 | 66,000円 | 60~125cm | 125kg | 2つ | USB メモリ ロック 障害物検知 | 幅120~200cm 奥行60~80cm 厚み≥2cm |
EJ2 2.0 | 53,900円 | 69~118cm | 100kg | 2つ | メモリ ロック 障害物検知 | 幅120~210cm 奥行60~80cm 厚み≥2cm |
EF1 | 30,800円 | 71~121cm | 70kg | 1つ | メモリ 障害物検知 | 幅100~160cm 奥行50~80cm 厚み≥2cm |
EG1 | 28,380円 | 71~121cm | 70kg | 1つ | – | 幅100~160cm 奥行50~80cm 厚み≥2cm |
H1 | 19,800円 | 71~121cm | 70kg | 手回し | – | 幅100~160cm 奥行50~80cm 厚み≥2cm |
2020年にEJ2/E7、2021年にE8/E7 Pro、2022年にE7L、2023年にはE7Q、E7Hが発売。
※E1(EN1)→EF1へ、E1E→EG1、E3(E6)→E7へ改良されています。
FlexiSpotといえば「E7」であり、一番売れているのも「E7
」。
E7を元にE7 Pro、E7H、E7L、E7Q、E8と派生しているので、
悩むなら、この6つのモデル。
機能やデザインの違いもありますが、重要なのは耐荷重と昇降幅の違いです。
売れ筋デスクフレームの特徴
型番 | 販売価格 | 耐荷重 | 昇降幅 | USB | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
E7 | 57,200円 | 125kg | 58~123cm | × | ベーシックモデル 工の字脚 |
E7 Pro(コの字型) | 61,600円 | 100kg | 60~125cm | 〇 | スタイリッシュモデル コの字脚 |
E7H | 63,800円 | 160kg | 63.5~128.5cm | 〇 | ハイデスクモデル コの字脚、ケーブル収納 |
E7L(左右L字型) | 77,000円 | 125kg | 58~123cm | 〇 | L字デスクモデル 工の字脚 |
E7Q(Odin) | 148,500円 | 200kg | 60.5~125.5cm | × | 堅牢モデル ロの字脚 |
E8(脚部楕円) | 66,000円 | 125kg | 60~125cm | 〇 | 楕円脚モデル 工の字脚、静穏モーター |
EJ2、EF1、EG1といった廉価版モデルもありますが、
昇降幅が狭いので、小柄な日本人は辞めた方が良いです。※後述します
ちなみに、私が最初に購入したのは「E3」。
現行モデルでは「E7」相当になりますが、微妙にスペックが異なります。
型落ちや中古等で、安く手に入れる際には気を付けて。
耐荷重が低く、障害物検知機能がありません。

E7とE3の違い
E7 | E3 | |
---|---|---|
昇降幅 | 58~123cm | 60~123cm |
昇降速度 | 38mm/s | 38mm/s |
耐荷重 | 125kg | 100kg |
天板対応サイズ | 幅120~210cm 奥行60~80cm | 幅120cm~200cm 奥行60cm~80cm |
モーター | 2つ | 2つ |
障害物検知機能 | 〇 | × |
重量 | 35.6kg | 35.45kg |
耐荷重の重要性
電動昇降デスクの核となるのが、昇降する力。
昇降パワーを司る部分がモーターであり、
モーター数が多くなれば、耐荷重も大きくなります。
モーター数1つでは、耐荷重70㎏。
モーター数2つでは、耐荷重100kg~160kg。
モーター数4つでは、耐荷重200kg。
このモーター数を元に、グレードも分かれているのです。
E7シリーズを選ぶべき理由は、耐荷重125kgあるから。
ただし、「E7 Pro」だけ耐荷重100kgなので気を付けて。
型番 | 販売価格 | 耐荷重 | 昇降幅 |
---|---|---|---|
E7 | 57,200円 | 125kg | 58~123cm |
E7 Pro(コの字型) | 61,600円 | 100kg | 60~125cm |
E7H | 63,800円 | 160kg | 63.5~128.5cm |
E7L(左右L字型) | 77,000円 | 125kg | 58~123cm |
E7Q(Odin) | 148,500円 | 200kg | 60.5~125.5cm |
E8(脚部楕円) | 66,000円 | 125kg | 60~125cm |
耐荷重70kgあれば十分のように感じますが、
パソコン含めた周辺機器は、予想以上に重いです。
しかも、物を置くだけの棚とは違い、作業するデスクですからね。
耐荷重に余裕もなければ、ちょっとした動作でエラーも出るのです。
スタンディングデスクでは、座り姿勢とは違い、
卓上に腕を乗せたり、寄りかかったりもする。
尚更、耐荷重には余裕が欲しいのです。
天板の重さは20kg前後で、パソコン周辺機器の重さで30kg前後。
この時点で50kg、オーディオ機器とか、撮影機材も固定するなら、
耐荷重70kgでは厳しいのです。
特に、デスクトップPCでマルチディスプレイしてる人は気を付けて。
デスク周辺機器の重さ
- デスク天板:15~30kg
- ディスプレイ1枚:5~10kg
- デスクトップPC:10~15kg
- ノートPC:1~2kg
- タブレット:500g
- キーボード:1kg
- マウス:100g
- プリンター:5~10kg
- スキャナー:2~5kg
- ヘッドセット:500g
- モニターアーム:3~4kg
- カメラ:1~2kg
- 三脚:1~5kg
- 照明:1~5kg
私は、WindowsのミドルタワーとMac Studioを固定して、キーボード収納とか、
マイクとかスピーカーとか付けてたら、重量オーバーの警告が鳴りました。
旧モデル「E3」なので100kgオーバー。
ホントは、アンプとかも固定したかったんだけど・・・ね。

スタンディングデスクでは、昇降する都合、
PC本体や周辺機器も、全てデスク上に置くってのもある。
デスクと一緒に昇降しなければ、ケーブルが引っかかってしまうからね。
また、デスク高を上げるほど揺れやすくなるのですが、
耐荷重が低いモデルほど、造りが貧祖で揺れやすく、
耐荷重が高いモデルほど、フレームも頑強で揺れづらくなります。
廉価モデルは、2段ピラミッドの昇降脚で、フレームも細く重量も軽い。
耐荷重70kgの「EF1」は、耐荷重100kg「E7
」に比べて、明らかに揺れるから、
ノートパソコンで使う場合も、E7シリーズにした方が良いです。


モーター数4つで耐荷重200kgの「E7Q」は、
立ち姿勢で使っても全く揺れませんからね。
いずれにせよ、耐荷重は有るに越したことは無いってこと。
昇降幅の重要性
スタンディングデスクとしてだけでなく、
普通のデスクのような座り姿勢でも使うつもりなら、昇降幅も重要となります。
スタンディングデスクは、立ち続けることが目的では無く、
姿勢を変えることが目的であり、なんなら座る時間の方が長いということ。
→スタンディングデスクのメリット・デメリット。昇降デスクの正しい使い方、立ち姿勢のデスク高さ。
FlexiSpotの定番モデルE7の昇降幅は58~123cm。
廉価版モデルのEJ2は69~118cm、EF1とEG1は71~121cmです。
上記の昇降幅には、天板の厚みは含まれていないので、
天板厚3cm前後をプラスすると、デスク高70cm以下には設定できないのです。
そして、日本の推奨デスク高70〜72cm(JIS規格、JOIFA推奨)は、
読み書きを基準としており、現代のパソコンワークでは高すぎるということ。
パソコンワークにおけるデスク高さ≒キーボード高さ≒肘掛け高さ。
平均身長を元に算出するとデスク高60cm~66cm前後が適正値であり、
安い昇降デスクでは、適正な座姿勢は無理なのです。
→パソコン用オフィスデスクの選び方。仕事に最適な天板サイズとデスク高さ。引き出し、デスク棚の必要性。

デスクワークの正しい姿勢
推奨位置、角度 | |
---|---|
ディスプレイ距離 | 眼前50cm〜80cm前後 ※腕を伸ばした距離より長く |
ディスプレイ高さ | 目線の水平位置より下 ※モニター上部に目線位置を合わせる |
ディスプレイ角度 | ディスプレイ面を10度〜20度傾ける |
デスク高さ | 天板の高さ:60cm~70cm ※肘掛けの高さに合わせる |
椅子の高さ | 座面の高さ:43cm前後 股関節の角度:90度~100度 膝の角度:90度~100度 足首の角度:足裏全体が床に接する |
肘掛けの高さ | 腕の角度:90度~100度 |
昇降幅が広いE7シリーズでも、モデルにより昇降幅が微妙に異なります。
「E7H」だけ昇降幅63.5cm~と、小柄な人には厳しいサイズとなっており、
なんだかんだで「E7」の昇降幅58cm~が、万人に適応できるというわけです。
型番 | 販売価格 | 耐荷重 | 昇降幅 |
---|---|---|---|
E7 | 57,200円 | 125kg | 58~123cm |
E7 Pro(コの字型) | 61,600円 | 100kg | 60~125cm |
E7H | 63,800円 | 160kg | 63.5~128.5cm |
E7L(左右L字型) | 77,000円 | 125kg | 58~123cm |
E7Q(Odin) | 148,500円 | 200kg | 60.5~125.5cm |
E8(脚部楕円) | 66,000円 | 125kg | 60~125cm |
ちなみに、昇降デスクでは、メモリ機能は必須です。
電動といえど、イチイチ高さを調整するのは面倒であり微調整も大変。
E7シリーズは、デスク高を記憶するメモリ機能が付いていますが、
廉価版モデルは、メモリ機能も無いモデルも有るので気を付けて下さい。

昇降デスク天板の選び方
天板サイズ:横幅、奥行き
昇降デスクは、スタンディング姿勢でも使うことから、
通常のデスクとは、天板の選び方も違います。
FlexiSpot「E7」の対応デスクサイズは、
幅120~210cm、奥行60~80cm、
幅はそこほど要りませんが、奥行は多めにとっておいた方が良い。
天板サイズは、ディスプレイサイズを元に考えるのが基本、
大きいディスプレイを使う場合は、横幅も必要となり、
ディスプレイまでの距離→奥行も必要となります。
実際のところ、人間が快適に使えるディスプレイサイズには限界があるので、
デスク幅が必要となるのは、大型スピーカーを置く場合。
40インチのウルトラワイド実寸が幅100cmくらいなので、
スピーカーサイズを考えてもデスク幅120cm~150cmあれば十分です。
そして、昇降デスクで、余裕があった方が良いのが奥行。
私の経験上、スタンディングデスクは、
デスク上に腕を乗せる姿勢がラクだということ。


座る姿勢では、椅子の肘掛けを使うので、
頭の位置がデスク手前に来る→ディスプレイ距離は遠くなり、
キーボード位置も、デスク端の手前に置くことになる。
一方、立つ姿勢では、デスクに腕を乗せる都合、
キーボードがデスク中央に移動し、
ディスプレイ位置もそれに合わせて奥に移動する。
頭の位置もデスク端になり、
よって、デスク奥行≒ディスプレイ距離となるわけ。


32インチディスプレイの最適距離は、眼前70~80cm前後。
デスク奥行70~80cmは無いと困るのです。
パソコンデスクの作業領域≒ディスプレイ領域ですからね。
ディスプレイサイズや解像度、それに伴う位置も非常に重要なのでした。
→仕事に最適なモニターサイズと解像度。疲れづらいディスプレイ位置。
天板素材:強度、厚み、重量
頑強フレームに合わせて、天板素材も頑丈にしたいところですが、
強度が増せば重量は増え、厚みが増せば重量も増すわけで、
天板は、重すぎない方が良い。重いほどモーターに負荷がかかるのです。

天板の重さは、天板サイズと木材の比重が分かれば、
おおよその重量は計算できます。
重量(kg)=幅(m) ×奥行き(m)×厚み(m)×比重(g/cm3)×1000
わざわざ計算しなくとも、
形状、サイズ、比重を入力するだけで、重さは計算可能。
※参考→カンタン重量計算(金属、非鉄金属、樹脂、木材など)
木材の比重は、以下のサイトも参考に。
※参考→木材の比重リスト [一覧] | 木材博物館
FlexiSpotで売ってる天板厚は、2.5cm~3cm、
強度を考えても、天板の厚み4cmまでにしておくべき。
4cmを超えると、クランプ固定ができなくなるから、
デスクの使い勝手も悪くなる。もちろん重くなるというのも有る。

デスク天板で使われる木材は、一枚板、ハギ材、集成材、
合板、メラニン化粧板・・・と挙げればキリないほどにありますが、
基本的に天板としての機能は変わず、価格と強度は比例しません。
無垢天板は、「一枚板」より、継接ぎの「ハギ板」の方が安いし、
無垢材より、集成材、合板、メラニン化粧板の方が安い。
格安だからといって、強度が劣るわけでも無いし、
一枚板の強度だって、結局のところ木の種類次第。
木の強度は、比重に比例するわけで、
重いほど強度が高いと考えておけば良いし、
天板として販売されている板なら、強度も間違いないのです。
天板だけ安く手に入れるなら、
FlexiSpotの「天板」が激安であり、
Kanademonoでも「テーブル天板」だけ購入できる。
耳付きの天板が欲しいなら、
一枚板のように見える二枚接ぎ天板(ブックマッチ)や
Creemaで「天板のみ」を探しても良い。
そもそも、昇降デスクをいきなり使うって人は少ないハズ。
現在使っているデスクやテーブルの天板なら無料です。



私も最初は、ニトリのダイニングテーブルを再利用しました。
ダイニングテーブルは、オフィスデスクに最適であり、
サイズも丁度良く、造りも頑丈な商品が多いですからね。
→パソコン用オフィスデスクの選び方。仕事に最適な天板サイズとデスク高さ。引き出し、デスク棚の必要性。
FlexiSpotデスク作成の流れ
天板さえ用意してしまえば、昇降デスクを作るのは簡単です。
FlexiSpotの脚を組み立てて、それを天板にネジ固定するだけ。
ただ、非常に重いので、1人で組み立てるのは不可能。
誰かに手伝ってもらわないと作れません。
FlexiSpotのデスクフレームは、思ったよりコンパクトなサイズで届く。
サイズはそれほど大きくは無いのですが、腰が砕けるほどの重いです。
両手を広げたサイズくらいのダンボールですが、重量は35kg弱あります。
この時点で、一人では無理なことに気づくでしょう。



付属のレンチで足を組み立てる。
左右の脚をつなげて、天板固定用パーツを取り付ける。
パーツも少ないので、組み立ては数分で終了する。


デスク脚を組み立てたら、天板に固定していきます。
デスク脚は、左右に広がるので、天板サイズに合わせてギリギリまで広げる。



※この時、用意した天板サイズは、巾150×奥行85cm。
E7の天板対応サイズは、巾120cm~210cm、奥行60cm~80cm。
奥行き5cm超過してましたけど、今でも問題無く使えてます。
左右の長さを合わせたら、中央部分をレンチで固定する。
脚は天板にネジで直接固定するので、電動ドリルで下穴を開けるとラク。
木くずが出るので、ダイソンで吸ってネジ固定。電動ドライバーがあるとラク。



ここまでくればほぼ完成ですが、デスクを引っくり返すのが最難関。
天板20kg超+フレーム30kg超という合計50kg超えのデスクを反転させる。2人でもキツイ。


リモコンのケーブルを左右モーターに接続し、
電源オンして動作確認。スムーズです。


最後に、リモコンから出てるケーブル類を天板裏に固定して完成。
リモコンはネジ固定なので好きな場所できます。敢えての横向きスタイルにしました。



ちなみに、デスクにキャスターを付けたいなら、組み立てる前に取り付けておくべき。
FlexiSpotにキャスターを付けることで、よりカスタマイズしやすくなる。
パソコンデスクは周辺機器の入れ替えも激しく、デスクを移動することも多いし、
壁側に設置するなら尚更、動かせた方がラク。ちょっと動かせるだけで全然違う。
後から付けたいことに気づいたなら、
エアージャッキを使うことで、デスクをひっくり返さずに取り付けられる。
洗濯機とか重い家電も浮かせられるので、なんか感動します。
FlexiSpotデスクをカスタマイズ
昇降デスクを自作したのであれば、
既に天板を加工することに抵抗も無くなっているハズ。
デスク下に収納を増やしたり、色々と拡張したくもなる。
というわけで、私のFlexiSpotカスタマイズを置いておきます。
まず、絶対に取り付けた方が良いのがモニターアーム。
立ち姿勢と座り姿勢で使うなら、モニター位置の調整は避けられない。
モニターアームを使うなら、天板に穴を開けてた方が良い。
見た目もさることながら、圧倒的に使いやすくなる。
ディスプレイ動かしまくっても土台ズレないのよ。
→モニターアームを使って気づいたメリット・デメリット。モニターアームの選び方、正しい使い方。



そして、モニターアームは、ガス圧式一択。ヌルヌル動かせる。
見た目にこだわるなら「エルゴトロン」。定番のLXシリーズが利便性も高い。
格安に済ますなら「Amazonベーシック」。エルゴトロンとも互換性あります。
→エルゴトロンモニターアームLX、HX、MX、MXV、NX、OEMの比較。デュアルモニターモデルの違い。

アームで固定できるのは、ディスプレイだけでも無い。
アームを使えば、昇降デスク周辺のデッドスペースも有効活用できる。
昇降デスクと一緒に動く棚、撮影セットとかとか。
ケーブル距離も保ったまま、配線の心配も消える。


FlexiSpotのデスクフレームはスチール素材、マグネット固定も可能。
マグネットフックや磁石付きの電源タップも便利だし、
ケーブルをクリップで巻けば、ケーブルもフレームに這わせるのも簡単です。
→オフィス・PCデスクの配線整理術、便利な配線収納グッズとオシャレな使い方

デスク裏にスチール板(トタン板)を両面テープでくっつければ、
デスク下の磁石をくっつけられる範囲も広がる。ティッシュボックスも浮かせらます。


デスク下に穴を開けられれば配線も自由自在、
ネジフック固定しても良いし、電源タップもネジ固定もできる。


デスクに直接固定する商品も多々ありますからね。
引き出し、キーボード台、パソコンだって吊り下げられる。



スタンディングデスクを更に改造して、後傾デスクも作ってみたり。
後傾デスクは、リラックスした体勢で作業できるのが利点、
だけど、立ち姿勢と同じく、長く続けるものでは無いですね。

FlexiSpot昇降デスク自作まとめ
昇降デスクを自作できれば、
天板も選び放題、自分好みのオシャレなデスクも作れるわけで、
高額なオーダーデスクを発注する前に、ちょっと考えてみても良いかなと。
自分で作るなら費用も安いし、
デスクを作ることで、何が自分にとって良いデスクなのか?
色々と考えるきっかけにもなるし、DIYスキルも養われて一石二鳥。
デスクを造ると言っても、脚と天板を組み合わせるだけですからね。
脚も天板も再利用可能と思えば財産、
そのことに気づけたことが、なによりも財産みたいなことも言いたい。
どちらかというと、面倒なのは「選ぶこと」なんですけど、
昇降脚はFlexiSpotで選ぶしかないし、
FlexiSpotでは「E7シリーズ」を選んでおけば間違いないというのもある。
特に「E7」は、耐荷重125kgと昇降パワーも十分であり、
昇降範囲58~123cmと広く、価格は57,200円とコスパも高い。
天板セットでも70,400円~と格安であり、
天板サイズも、天板素材も選べますからね。
もっと安いモデルもあるけど、昇降するつもりならケチるな危険。
スタンディングデスクで、立ち続けてもダメだからね。
→スタンディングデスクのメリット・デメリット。昇降デスクの正しい使い方、立ち姿勢のデスク高さ。
デスクが昇降できれば、様々な姿勢に適応できるし、
正しい姿勢をする為には、オフィスチェア→デスクの順で微調整する必要も有る。
デスクを調整したら、ディスプレイ位置を調整するのも忘れずに。
デスクワークは、腰痛や肩こりだけじゃない。
眼精疲労も深刻な問題であり、見えなくなったらホント何もできない。
→仕事に最適なモニターサイズと解像度。疲れづらいディスプレイ位置。

ディスプレイ位置は、視力も関わるし、
人間は遠くを見る為に生まれてきてるから、そもそも向いていない。
調整力を補う為に、デスクワーク用メガネも作るべきですね。
→パソコン専用メガネを作るべき理由。デスクワークに中距離用の単焦点レンズ。

老眼は他人事でもなく、デスクワーカーなら劣化も早い。
私は、30代後半から目→目とおかしくなりました。
腰痛なんてとっくの昔、病院にも行けるうちに行きまっしょい。
コメント
コメント一覧 (4件)
初めまして。
電動昇降デスク天板の厚みで悩み、ネットで色々調べていたところ、
新谷さんのこちらのブログにたどり着きました。
元々は、パソコン本体を乗せても大丈夫な厚みの天板で悩んでいて
ベストな高さにも不安があったため、当初はIKEAの「脚をくるくる
手で捻って回して高さ調節」の脚を買って、天板もIKEAでいいや
と気楽な気持ちでいたのですが、水分に弱いとか内部がハニカム構
造などで頑丈さに不安が出てきてしまったこと、そして耐荷重は脚
だけではなく天板の厚みも大事だと思い始め、集成材を買って自分
で天板を作る方がいいと考えました。
しかし、DIYしたデスクを記事にされてるどこのサイトを見ても、
デスク上にパソコン本体を載せてる方がいらっしゃらず、困って
しまいました。
そんな矢先、サンワダイレクトの電動昇降デスクの脚のみセール
で激安で売っている楽天内のお店があり、試しに購入してみる
ことにしました。
脚だけの耐荷重を知りたくて問い合わせたところ、「脚だけなら
100kgは可能だが、天板が30kgまでなので耐荷重は30kgとしてい
る」という返事を頂きました。
(半年で天板が壊れたという口コミを見たので、天板は元々買う
予定はなかったのですが)
これでますます天板の厚みが重要になり、今度は電動昇降デスク
を自前の天板を乗せたという記事の検索を始めました。
最初に目にしたのは、集成材で作った天板厚さ3cmでしたが、
やはりその方もデスクの上には本体を乗せておられず、厚みは
いまいち不安でした。
新谷さんの記事では、本体は乗せておられないものの、厚みの
あるニトリの天板を使っていらしたので、これくらいあるなら
安心できるかもしれないと思った次第です。
厚みはどのくらいあるのか、教えていただけると嬉しいです。
前振りを長々と書いてしまいましたが、よろしくお願い致します。
私が使っているのはニトリテーブルの天板の厚みは約5cmです。
厚みがあるので重量もあり、その分頑丈です。
3テーブルほど購入して、かれこれ5年以上ハードに使ってますけど、いずれも問題無いです。
→パソコン用オフィスデスクの選び方。仕事に最適な天板サイズとデスク高さ。引き出し、デスク棚の必要性。
私もオフィスデスクは何度買い変えてますが、
ハニカム構造の軽い天板は1年足らずで歪んでるので辞めた方が良いですね。
耐荷重というメーカー表記の数値は、あまり参考になりません。
耐荷重って、あくまで面で耐えられる重さであり、
重さが一か所に集中するケースは想定していません。
アームとかでポール固定するなら、尚更歪むかと。
木材強度という点では、耐荷重より信用しているのが重量です。
質量と強度は比例しますからね。
いずれにせよい、最近は天板だけ販売しているメーカーも増えおり、
そのような商品は、ある程度の強度も保証されている(重量や比重も明記されている)ので、
強度にこだわるなら、天板だけで探した方が良いかなと。
お返事ありがとうございます!
5㎝ですか。それだけあると安心感が違いそうですね。
あれから「若干でも昇降するものにパソコン本体を乗せるのは
やめた方がいいのでは?」と思い直し、しかし床には置かない
方向性で考え始めました。
ホームセンターで5cm厚の天板になりそうなものを探してみる
ことにします。
ありがとうございました(*´∀`)
>>若干でも昇降するものにパソコン本体を乗せるのはやめた方がいいのでは?
PC本体は重いので、テーブル脇に置いた方が良いかもしれません。
ただ、配線まで考えると、テーブルと一緒に昇降させた方がスマートですね。
>>ホームセンターで5cm厚の天板になりそうなものを探してみることにします。
5cm厚の板は中々販売されておらず、
強度の有る木材なら、板の厚みは5cmも必要無いかなと。
私は、合板、集成材、ハギ材等で3cm~4cmの天板も使ってますが、
どれも劣化なく使えています。
歪みを心配するなら、天板下に補強材を1枚入れたり、
左右の脚近くに重量を置くといったことでも変わってくるかと。
参考までに。