- 32:9は作業に振り切ったモニターで、エンタメ兼用は失敗します
- 実際に使うのは中央だけで、3分割して左右は置き場が捗ります
- 乗り換え元がデュアル以上、幅120cm以上のデスクなら49C1R
モニターは横に長いほど、作業が捗りそうな気がしますよね。
デュアルよりトリプル、トリプルよりもっと横へ。
その先にあるのが、アスペクト比32:9のスーパーウルトラワイドディスプレイです。
横に長くなるほどに表示領域は増えるわけで、ゲームや映画の迫力が増すとか、作業効率が上がるとか、そういう評判はよく耳にします。
ただ、横に長いことが良いことばかりではないのは、ご想像の通り。
横長すぎる画面が向いていないゲームも多いし、使い方を誤れば作業効率だって落ちてしまう。
全ての用途に適しているかといえば、そんなことは無いのです。
かくいう私は、大画面ワイド、ウルトラワイド、スーパーウルトラワイドと使ってきたのですが、これら大画面のディスプレイって、従来のマルチディスプレイとも全くの別物なんですよね。
その中で私が現在メインで使っているのが、このスーパーウルトラワイドという気持ち悪いサイズ。
見た目からしてちょっと普通ではないし、癖があるのは間違いない。
ただこれは「使う人を選ぶディスプレイ」というよりも、どちらかというと「勘違いしやすいディスプレイ」なんじゃないかなと。
横に長いから便利だろう、という期待の持ち方を、まず捨てたほうがいい。
この記事では、スーパーウルトラワイドとは何なのかという整理から、49インチを長期使用してわかったメリットとデメリット、使い方と選び方までを書いています。
スーパーウルトラワイドとは
スーパーウルトラワイドディスプレイとは、そもそも何なのか。
なんとなく「大画面ディスプレイ」というくくりで、どれも似たようなものと混同しがちなんですけれども、ここをしっかり理解していないと、スーパーウルトラワイドでは高確率で失敗します。
比率が21:9か32:9かで分かれる
昔のディスプレイはアスペクト比4:3でしたが、現在は少し横長の、アスペクト比16:9のワイドモニターが主流となっているんですよね。
この16:9のワイドモニターをさらに横長にしたのが、アスペクト比21:9のウルトラワイド。
更に横長にしたのが、アスペクト比32:9のスーパーウルトラワイドです。
パソコンのモニターは、年々ワイド化が進んでいます。
スタンダード、ワイド、ウルトラワイドと、徐々に横長のディスプレイがシェアを占めるようになっているということ。
そして横に長くなれば端の方が見えづらくなるよね、ということで、ディスプレイが湾曲していることも当たり前。
「湾曲ディスプレイ=ウルトラワイド」と言っても、過言ではないでしょう。
ウルトラワイドとスーパーウルトラワイドは、アスペクト比が21:9か32:9かで区別されます。
ただ、解像度やサイズは一律ではない。
ここが非常に厄介なのです。
同じスーパーウルトラワイドでも、製品毎にサイズや解像度も異なっている。
ディスプレイ選びでは、このサイズと解像度のバランスが最も重要だということも、忘れてはいけません。
比率と解像度の関係を整理すると、次のようになります。
| ワイド(16:9) | ウルトラワイド(21:9) | スーパーウルトラワイド(32:9) | |
|---|---|---|---|
| 縦1080 | 1920×1080(フルHD) | 2560×1080(UltraWide FHD) | 3840×1080(デュアルFHD) |
| 縦1440 | 2560×1440(WQHD) | 3440×1440(UltraWide Quad HD) | 5120×1440(デュアルWQHD) |
| 縦2160 | 3840×2160(4K) | 5120×2160(5K2K) | 7680×2160(デュアル4K) |

横に伸ばしただけで縦は増えない
前提として知っておくべきなのが、ウルトラワイドやスーパーウルトラワイドは、従来のフルHD、WQHD、4Kディスプレイを、横方向に伸ばしただけのディスプレイだということ。
16:9のディスプレイの縦の解像度は変わらないまま、横方向の解像度を増やしているだけなのです。

例えばウルトラワイドには、フルHDを横に伸ばしたUltraWide FHDや、WQHDを横に伸ばしたUltraWide Quad HDもあります。
現在16:9で4Kディスプレイを使っている人が、これらのディスプレイに買い替えてしまうと、画面サイズは大きくなっているのに、作業領域は減少する。
つまり、大きくしたのに使い勝手が悪くなるのです。
そもそも、解像度が低いディスプレイを大画面で使う意味はないし、40インチを超えるサイズは、4K未満の解像度を選ぶべきでもありません。
よって、ウルトラワイドやスーパーウルトラワイドでは、4Kよりも高解像度のモニターを使うべきなのです。
となると、選べるものは一気に絞られます。
大画面のウルトラワイドでは、40インチの5K2K。
スーパーウルトラワイドでも、49インチの5K解像度一択。
現在販売されているディスプレイでは、ほぼこの2つのパターンに限られると思っています。
49インチはWQHD2枚分
この2つも、似ているようで全く別のディスプレイです。
21:9のウルトラワイド40インチ5K2Kは、16:9の32インチ4Kを横に約1.33倍伸ばしたディスプレイであり、実寸の高さも、従来の32インチ4Kとほとんど変わりません。
16:9の32インチの高さは約40センチであり、21:9の40インチの高さも約40センチですからね。
そしてスーパーウルトラワイドは、16:9の27インチWQHDを横に2倍伸ばしたものが、32:9の5K 49インチ。
16:9の27インチの高さは約34センチであり、32:9の49インチの高さも約34センチ。
つまり、ベースとなっているディスプレイが違うということ。
・40インチ 5K2K ウルトラワイド → 32インチ4K がベース
・49インチ 5K スーパーウルトラワイド → 27インチWQHD がベース
27インチのWQHDを、そのまま2枚並べていると理解しておくとイメージしやすいし、だからこそ、デュアルWQHDとも呼ばれているのです。
以降の内容は、すべてこの49インチ・解像度5120×1440が前提となります。
参考までに、私が使っているディスプレイは49インチで、リフレッシュレート120Hzまで対応している、INNOCNのコスパ最強ディスプレイ「49C1R」。
こちら提供品を使用しておりますが、控えめに言っても格安で、質も高いと感じておりますので、その使用感が少しでも伝われば良いかなと。

メリット3つ
長期で使ってわかった、スーパーウルトラワイドの良いところを3つ。
どれも「横に長いから凄い」という理由ではないのが、ポイントです。
ワイド1枚とスクエアを併用できる
この超横に長いディスプレイ最大のメリットは、超ワイドディスプレイとして使えることではありません。
一つの画面で、マルチディスプレイのように使えるということ。
デュアルディスプレイのようにも、トリプルディスプレイのようにも使えるし、好きなようにウィンドウを並べることもできるのです。
もちろん中央のスペースで済むなら、無理して並べることはない。
こういった選択ができることが素晴らしいということ。
この大画面を見たら、まず想像するのは、超ワイドに表示して使うことだと思います。
ひたすらに長く情報を並べられる、エクセルや動画編集のタイムラインとか。
これだけの情報量を、一発表示できるって圧巻ですよね。

ただ、勘違いしてはいけないのは、横長に表示できるからといって、端から端まで見て作業するわけではないということ。
全画面で表示したり、横長に2枚並べて使ったり。
これらの使い方を真に受けて使っていたら、首や目を破壊しますので気をつけて。
一発表示したい時に表示できるのは、確かに便利です。
ただそれは、使いたい時に使えれば嬉しい、という程度の便利さ。
実際のところ、この超横に長いディスプレイを超ワイドで使うのは、たまのたまにの、たまにくらい。
私が日常的に使うのは中央部分だけであり、中央で作業する時に、左右に情報を広げておけるのが便利なのです。
私は、この49インチのデュアルWQHDというサイズは、3分割して使うことが最も有効的な使い方だと思っています。
WQHDが2枚分の解像度と言いましたが、3分割する場合は、1700×1440が3枚分の解像度となるのですよね。
1枚あたり20.57インチほど。
実寸にすると横が約40センチ、縦が約34センチというサイズ。
これは、4:3の21インチディスプレイを上にちょっと引っ張って、より正方形に近づけたような解像度。
昔のスクエアモニター、5:4のSXGAや4:3のUltra XGAを使っていた人なら、この解像度の使いやすさは分かっていただけるんじゃないかなと。
なぜこれがちょうど良いのか。
現代のパソコン向けのWEBサイトって、横幅1200ピクセル前後が一般的であり、最大でも1400ピクセルくらいで設計されることが多いのですよね。
昔のスクエアモニターにも適用しつつ、16:9のワイドでも余白を入れて、これがちょうど良いサイズ。
1700×1440という解像度で表示できることにより、ほとんどのWEBサイトで表示が崩れず、しかも3つも同時に表示できるわけです。
こんなにピッタリ、かつ無駄なスペースもなく、表示効率よく使えるディスプレイは、他にないのです。
現在ではウェブブラウザだけで完結する作業も非常に多いですからね。
アプリケーションも、クラウドベースで処理するものばかり。
Notion、Canva、Googleスプレッドシート、ChatGPTとかとか。
WEBブラウザに最適化することで、作業も捗りまくるわけです。
エンタメ含め万能に使うなら16:9のワイドですが、作業で使うなら、スクエアの方が使いやすい場面は多い。
16:9のコンテンツを作るためには、16:9を表示しながら作業する場所が必要だし。
文章も、WEBブラウザも下に続いていくもの。
スマホも縦長。
私の、もう一方のデスクはスクエアトリプルですからね。
こちらはLGのSDQHD 27.6インチ。
縦にWQHDを積み上げた解像度であり、まさにスーパーウルトラワイドとは対極のディスプレイ。
ドキュメントワークでは最高だと思ってるんですけど、やっぱり横長の作業には向いてないですからね。

スーパーウルトラワイドがこういったトリプルモニターと違うのは、ディスプレイ単位の区切りがないということ。
三分割ではなく、中央にワイドを置いて左右を縦長で使っても良いですし、ベゼルがないから、視点の移動も少なくて済む。
やりたい作業に合わせて、ディスプレイ比率を変えられるのが、素晴らしいのです。
ウルトラワイドも使ってたんですけど、中央を使ってると左右が足りないと感じることが多かったんですよね。
かといって、左右に2画面を追加しても、使いづらいのはご想像の通り。
実際にディスプレイを並べたものとは、別物だということ。
物理デスクで考えると分かりやすい。
小さいデスクを複数用意するよりも、大きなデスク1枚の方が使いやすい。
凸凹した場所では作業できないし、凸凹してる場所には物も置けないですからね。
ちなみに、大画面のディスプレイを使うなら、画面分割アプリは必須となります。
Windowsには無料のツールセット、PowerToysの中に、ウィンドウマネージャーのFancyZonesがありますし、Macにも、Magnetという優れた画面分割アプリがある。
Magnetは有料だけど、大した金額でもないし、1回買ってしまえば永遠に使えます。
ウィンドウを自由自在にカスタマイズできるようになり、一発で配置できるって、ものすごい便利。
日々の余計な手間も省いてくれるから、大画面でなくても使った方が良いと思うのでした。

配線の手間なく省スペース
スーパーウルトラワイドは、マルチディスプレイに比べて、だいぶ省スペースであり、デスクもスッキリするようになります。
スーパーウルトラワイドディスプレイって、USB-CのDisplayPort Alt ModeやPower Deliveryに対応したUSBを搭載したモデルが多く、ディスプレイにUSBハブ機能が備わってるものも多いのですよね。
これにより、ディスプレイだけでなく、周辺機器のケーブルやアダプタも、大幅に少なくできるのです。
例えば、MacBookにケーブルを1本挿すだけで、とても広い作業領域が手に入るし、しかも、Macに充電もできて、USBポートも増やせてしまう。
ディスプレイ設置をして、ケーブル1本挿すだけで、作業PCとしての環境が過不足なく仕上がるのが素晴らしいのです。
ディスプレイ1枚なので、設置場所も省スペースになり、必要なケーブルも出力ケーブルと電源コードのみ。
ケーブルが減るだけで、勝手に見た目も美しくなるし、電源も1本ならコンセントも少なくて良い。
電源タップも減らせるわけです。
ディスプレイの電源や、ドッキングステーションのアダプタって、異常なほどデカいものが多いので、これが減らせるというのは、ケーブルを減らせる以上の価値もあるのですよね。
私が使ってるINNOCNのディスプレイ「49C1R」は、電源アダプタも内蔵しているのが素晴らしい。
電源アダプタを置く場所も、考えなくて良いのです。
あと、従来のマルチディスプレイだと、どうしてもモニターアームが必要となってくるのですけど、ディスプレイが1枚なら、アームなしでも調整しやすいし、アームをつけるにせよ、アーム1本用意すれば良いのです。
スーパーウルトラワイドを検討する時点で、もう間違いなく普通の人ではないと思っていますし、そういった方は間違いなく、配線の苦労もしてきているはず。
ケーブルが減るだけで、ディスプレイ周りのコストが抑えられるというのは、もう言うまでもないでしょう。
さらに、複数のPCを使いたいっていう変態の人ですと、接続するケーブルは、倍々に増えていきますからね。
私は、WindowsとMacを併用している都合上、マルチディスプレイにすると、配線が鬼のように大変なんです。
・トリプルディスプレイ:映像3本+電源3本=合計6本
・これをPC2台で使う:映像ケーブルがさらに3本増えて=合計9本
・スーパーウルトラワイド1枚:映像2本+電源1本=合計3本
そして、5画面以上のディスプレイってなると、そもそも出力端子の限界があり、なかなかハードルが上がってしまうんですけど、スーパーウルトラワイド2枚なら、難なく出力できてしまいますからね。
3画面では物足りない人、6画面ディスプレイ並みの作業領域が欲しい人にも、うってつけ。
モニターアームも上下2本の2つで済むというのも、良いのです。
作業領域を増やすとなると、どうしてもディスプレイ単価だけで比較しがちなのですが、ディスプレイが増えるほどに、設置する手間、設置するコストも増えるということ。
スーパーウルトラワイドにすることで、ディスプレイを並べるコストも、だいぶ抑えられるなと感じました。


画素密度がちょうど良い
49インチで、デュアルWQHDという解像度は、等倍表示で細かすぎず、大きすぎず、使い勝手が非常に良いです。
画素密度は、27インチのWQHDと大差ないわけで、この解像感が非常に使いやすいのです。
人間が認識できる解像度には限界があるので、高精細すぎても意味がないのですよね。
先ほど、ディスプレイ選びで最重要なのが、ディスプレイサイズと解像度のバランスと言いましたが、このバランスを把握する上で、指標となるのが画素密度「PPI」という数値。
PPIは、Pixels per inchの略。
1インチあたりに、表示されるピクセル数を表す単位です。
この数値が大きくなるほど高精細となり、文字も細かくなっていきます。
私は24インチのフルHD、27インチのWQHDあたりが、100%スケーリングで最も文字が見やすいと感じているのですけど、このちょうど良いバランスが、画素密度では100PPI前後となるのですよね。
49インチの5120×1440は約108.5PPIですから、まさにこのゾーンにすっぽり収まるわけです。
例えば、4K 32インチというディスプレイを使ってる人は多いと思うのですけど、これを、ドットバイドットの4K等倍表示で使えるかといえば、スケーリングで拡大表示している人が多いはず。
この4K 32インチを125%スケーリングで使うと、3072×1728という解像度となり、これがPPI110くらい。
このPPI110という数値が、27インチのWQHDと同じくらいなのです。
40インチの5K2Kウルトラワイドは、4K 32インチとほぼ同じPPI。
ウルトラワイドでは倍率を上げて使う必要があり、125%で使えば、解像度は4096×1728で、PPIは112くらい。
これを3分割すると、解像度は1365×1728となってしまうので、1700×1440が3枚分のスーパーウルトラワイドに比べて、作業領域も狭くなってしまうのです。
特に横幅が、1365ピクセルというのも痛い。
5K2Kウルトラワイドの5120×2160って、3分割で1700×2160となるので、一見すると使いやすそうだなって思うんですけれども、等倍表示で使えるかといえば、そんなことはなく、少なくとも目が老化しつつある私には、難しいのです。
拡大しなくても、ちょうどよく使えるのが、この49インチ スーパーウルトラワイドだということ。
ちなみに「16:9でも大画面にすれば良いのでは?」と思うのですけれども、16:9のまま大画面にしても、縦が長くなりすぎて、これは使いづらいというよりも、体を壊してしまうのですよね。
例えば、一昔前に多かった、16:9で40インチや43インチのディスプレイ。
16:9の43インチって、PPIとしてはちょうど良いくらいなのですけど、視界に入れるためには、眼前距離も1m以上必要となるし、距離が遠くなれば、100PPI前後では見えづらくなってしまうのです。
人間の視野って、中央に行くほど解像度が高くなっており、はっきり認識できる中心の視野、有効視野は上下20度から30度。
左右で、30度から50度程度であり、上方向の視野は特に狭いということも、気をつけなければなりません。
そもそも、デスクにディスプレイを置く都合、16:9の40インチディスプレイは表示部だけで高さ約50センチ。
ベゼルやスタンドを含めれば、ゆうに50センチを超えてしまうわけで、ディスプレイワークで使うのは無理があるのです。
デスクに置くなら、ディスプレイは視線より高い位置に置かない方が良い。
視界は左右に広く、上を見ることには弱いんで、上を見続けたらぶっ壊れちゃうのです。
かくいう私は、16:9ディスプレイで40インチ、43インチ、50インチ、65インチと試してきたのですけど、デスクに置くという時点で、まぁ無理があるのもお分かりになるかなと。
だからこそ、ウルトラワイドや、スーパーウルトラワイドといった、横だけ長いディスプレイが登場したのだとも思っています。
デメリット3つ
もちろん、良いことばかりではありません。
このディスプレイのデメリットは「性能が悪い」という類のものではありません。
自分が想定していた使い方と、噛み合わないということ。
だからこそ、買う前に知っておかないと詰むのです。
大きく場所を取る

このディスプレイは、どう頑張ってもサイズが大きい。
つまり、大きいデスクが前提となってしまいます。
49インチのスーパーウルトラワイドは、横幅120センチほど。
これをデスクの上に置くなら、最低でも120センチ以上のデスクが必要。
付属のモニタースタンドも大きいので、デスクに奥行きもないと困るのです。
左右にスピーカーを置く場合は、さらに横幅も必要となります。
かくいう私が使っているのは、横幅150センチ、奥行き85センチのデスク、ではなくダイニングテーブル。
正確には、ダイニングテーブルの天板を再利用した、スタンディングデスクですね。
モニターアームがあれば多少のデスクサイズは融通が効くのですけど、ディスプレイだけデスクから飛び出ていると、よからぬものをぶつけるリスクもある。
まぁ、バカデカいモニターを支えるデスクが貧弱だと、見た目が悪いですからね。
そして、ここが一番の勘違いポイント。
先ほど「省スペース」だとも言っちゃいましたけれども、これはあくまでマルチディスプレイと比べての話です。
シングルモニターで使っていた人が、いきなりこのサイズに適応できるかと言ったら、難しいとも思っています。
デュアルディスプレイで物足りなくなった人や、トリプルディスプレイから乗り換えるのが現実的。
元々3画面で使っていた人なら、違和感もなく使えるんじゃないかなと。
あと、大画面ディスプレイって設置も大変ですからね。
ディスプレイが巨大なので、組み立て作業も2人でやった方が良いし、ディスプレイも湾曲しているので、「一旦置いておきたい」という時も神経を使います。
使わなくなって保管なり処分しようにも、湾曲ディスプレイって困る。
元々入ってた箱があった方が良いんだけど、箱もバカデカい。
そして箱なんて、私はすぐ捨てちゃいますからね。
そして、もう一つ勘違いしてはいけないこと。
マルチディスプレイや大画面ディスプレイって、作業領域は増えますけど、作業効率が上がるかと言えば、一概には言えません。
シングルでもデュアルでもトリプルでも、基本的には中央で作業するというのは変わりませんからね。
なるべく疲れないで作業したいなら、なるべく視点の動きも制限した方が良いのです。
ディスプレイ1枚で作業スペースを増やしたいだけなら、ミッションコントロールや、仮想デスクトップという機能もありますから。
人間の視野は狭く、思った以上に首も弱い。
そして眼球移動が多くなるほどに、目も疲れてしまうのでした。
ほとんどのゲームに向かない

32:9というアスペクト比は、ほとんどのゲームに向いていません。
スーパーウルトラワイドって、ゲーミングモニターとして販売されているから勘違いしがちなのですけど、世の中のゲームは、16:9に最適化されているものがほとんどなのです。
32:9という比率で楽しめるのは、レースゲームとか、フライトシミュレーターゲームといった、ごくごく一部。
できたら、ちょっと楽しい。
その程度のものなんですよね。
例えばFPS。
これはウルトラワイドの時点で、やりづらくなりますからね。
横長に全画面表示ができるからといって、それで楽しめるかは別問題。
視界が広くなっても、メニューが四方に散らばったら、逆にやりづらいのです。
ネイティブで32:9に対応しているゲームも少なく、対応しているのは21:9のウルトラワイドまで、というゲームも多い。
クラウドゲーミングのGeForce NOWも、21:9までの対応ですからね。
32:9のスーパーウルトラワイドディスプレイでは、黒い幕がついちゃうことの方が多いのです。
※各サービスの対応比率は動画収録時点のもの。最新の対応状況はご確認を。
ウルトラワイドならアクションゲームとか、RPGとか、画面に出る情報が少ないゲームで楽しめるかな、という程度のものです。
そもそも、臨場感や没入感という点において、横長であることは重要ではありません。
65インチテレビや、ARグラスやVRゴーグルといった、従来の16:9の比率のまま大画面表示できた方が、迫力は増しますからね。
Xbox Cloud GamingやGeForce NOWも、Meta Questで楽しめる時代。
ゲームプレイに臨場感を求めるなら、16:9のまま大画面にした方が良いのです。
そして、向いていないのはゲームだけではありません。
スーパーウルトラワイドは、ドラマ視聴や映画鑑賞にも向いていない。
映画作品のシネマスコープ、いわゆるシネスコは2.39:1で、21:9のウルトラワイドに限りなく近い。
海外ドラマも、バラエティ番組も、YouTubeも、16:9の配信が多く、最新のIMAX Enhancedも、16:9に近い1.9:1ですからね。
しかも、5120×1440という解像度は、縦の解像度も足りていない。
3840×2160の4K動画を、等倍で楽しむことはできないのです。
ゲームを含め、世の中のコンテンツは16:9が基準だということ。
特にエンタメを重視するなら、スーパーウルトラワイドは避けた方が良いです。
縦の作業領域が狭い


スーパーウルトラワイドディスプレイは、縦の解像度が低いため、縦方向の作業に限界があります。
縦の作業って何なのかと言えば、主にテキストワークとか、プログラミングとか。
ウェブもスクロール表示が当たり前だし、スマホも縦長。
ウェブデザインにおいても、縦長モニターの方が扱いやすいと感じています。
縦方向に情報が多い作業だと、縦が1440という解像度は、ちょっと物足りないことがあるのです。
しかも、いくら頑張っても、縦の解像度は増やすことができない。
ワイドすぎるディスプレイゆえに、縦設置という逃げ道も取ることができません。
まぁ縦設置って、縦が長すぎて横が足りなくなるから、だったらスクエアを使いたくなるんですよね。
私は、スーパーウルトラワイドも3分割して、スクエアで使ってばかりですからね。
そして、よくある勘違いがこれ。
「動画編集では横長が作業しやすい」というイメージ、ありませんか?
実は、縦長の方が作業しやすいパターンもあるのです。
動画編集ソフトでは、タイムライン、ビューアー、メディアブラウザという3つのエリアを表示して作業するのが一般的。
この中で横長なのは、タイムラインだけ。
これらを同時に表示して作業する場合は、横長はむしろ使いづらいのです。
3つ表示すると、ビューアーの縦が足りなくなるので、映像が小さくなる。
そして、ビューアーの脇に無駄なスペースも生まれがち。
私はビューアーとタイムラインだけで作業することもあるので、こうなってくると、スクエアの方が無駄なく表示できるのですよね。
メディアブラウザも一緒に開くなら、別のディスプレイで表示を分けた方が、広くも作業できたりもする。
やっぱり作業することに特化するなら、昔も今もスクエアが使いやすい。
横長のディスプレイを使い込んだ結果、そう感じているのでした。
私の使用例

じゃあ、お前は実際どのように使ってるんだ?
私の場合、ウィンドウを考えずに散らかすことも多いので、区切りのない大画面が何にせよ便利。
適当に散らかしても、ミッションコントロールで何とでもなるというのは、先ほど申し上げた通り。
マルチディスプレイとは違って、シームレスに作業できますからね。
下手なディスプレイを2、3枚用意して並べるよりは、快適に作業できるというのは間違いないと思っています。
ただ、ゲームや映画といったエンタメ用途では、16:9の4K表示に対応できない。
エンタメがメインなら、5K2Kのウルトラワイドにするか、素直に16:9の4Kワイドディスプレイにした方が、良いんじゃないかなと。
なんだかんだで万能なのが、16:9のディスプレイだとも思っています。
上に1枚足してエンタメ用
私のデスクでは、エンタメ用に上にウルトラワイドも乗っけちゃってます。

GeForce NOWがあれば、高性能ゲームもミニPCやMacで起動できちゃうし、ディスプレイ2枚なので、見た目ほどディスプレイの総重量も重くない。
スタンディングデスクで、全然問題なく昇降できるのです。
もちろん、上を向いて見続けたら首をやられますので、リクライニングしてゲームプレイしたり、モニター位置を下げたり。
こういった試行錯誤も、ディスプレイが少ないからできることかなと。
ディスプレイが多くなると、微調整も面倒になりますからね。
上のディスプレイで、がっつり作業するってことはないのですが、いざという時に、情報や素材を置いておけるのも便利なのです。
作業途中のものとか、使ってるフォルダとか。
広げて情報表示しておけるだけでなく、一旦退避しておける場所があることで、作業もはかどるという。
作業してる途中で、何やってたか忘れることも多くなった昨今。
ウィンドウがどこに行ったか、広げたまま探す手間がないのも良いのです。
あと、Macでは、iPhoneが表示できるようになったのも大きい。
iOSの作業までMacの中で完結できてしまうから、MacでiPadをわざわざ操作する必要もなくなり、iPadを並べておくこともなくなりました。
Macを2台使うことで、隣のマルチディスプレイを使うことも可能。
ユニバーサルコントロールって、ほんとすごいんですよね。
それと、スーパーウルトラワイドって縦が短いから、小さいモニターを上下に追加できるのも良い。
縦の解像度が足らないなら、ディスプレイを追加すれば良いのです。
例えば動画編集では、横長のタイムラインをスーパーウルトラワイドで表示して、ビューアーを下のモニターで確認したり。
iPadを拡張ディスプレイとして使っても良いし、ポータブルモニターでも良いでしょう。
磁力で固定できるようにすれば、脱着も簡単、角度も自由自在。
私のiPadはマグシールで、なんちゃってMagSafe化してるので、MagSafeアイテムで固定できる。
専用のスマホスタンドもあるし、ミニ三脚を活用しても良いですね。
UGREENやLeofotoあたりが定番ですけど、余ってる三脚で適当にカスタマイズしても、面白いかなと。
AIを並べておくための領域
先ほど「作業領域が増えれば、作業効率が上がるわけではない」と言いました。
ただ、ここ数年で、時代がまた大きく変わっているのですよね。
作業内容も変わってるし、作業するのは私だけでもない。
また別の理由で、表示領域が必要になっているとも感じています。
まず、近年のコンテンツは動画がメイン。
そして動画制作は、作業領域が多く必要だということ。
タイムライン全体が表示できることで、気づくことも多いのです。
目の前のことに囚われていると、見えないもの。
俯瞰することで分かることもあるでしょう。
そして、テレビ電話のミーティングも増えており、相手の顔が映ることで、表示領域も足らなくなってしまう。
話をしながら資料を見て、自分の顔をチェックしながらデータを探して、リアルタイムでデータを送ったりも、できた方が良いのです。
何より、今はAIの時代ですからね。
私が作業している脇で、AIに作業してもらう。
誰かに相談しながらAIに相談したり、AIに相談しながら、また別のAIに相談したり。
AIって処理するのに時間もかかるので、こっちで考えてもらっている時に、こっちでも考えてもらったり。
2人の友達に作業してもらいながら、私が中央で処理する。
そんなこともできるのです。

つまり、自分がマルチタスクするというより、タスクをやってもらうために、表示するスペースが必要だということ。
ここ、大事なところです。
対話型の生成AIって、音声入力も使えるようになっているから、本当、人と話をする感覚で、作業が進んだりもする。
文字を入力する手間がなくなれば、文字を追う必要もなくなるし、口と耳で情報も取得できれば、目の負担も減る。
表情筋も鍛えられて、一石二鳥。
モヤモヤとある、何とも処理できない問題。
話しているだけで解決することもあるのです。
まぁ、気を使わず、おしゃべりできるっていうのは楽しいし、適当な言葉で質問したところで、それもAIが修正して解釈してくれるのも、すごいんですよね。
私は人に言えるほど、AIを活用しているわけではありませんが、ChatGPT、Claude、Grok、Gemini、Copilotに、Perplexity、あとはDeepSeekとか。
どれも無料で使えちゃう。
しかも、これらAIの処理って、私のパソコンではなく、クラウドで全て処理してくれますからね。
AIやゲームの処理のために、高性能なパソコンは必要なくなっており、処理したものを表示できる、ディスプレイがあれば良い。
ディスプレイにお金をかける価値も、十分にあるとも思うのでした。
選び方とINNOCN 49C1R
選択肢はほぼ無い
このニッチなサイズのディスプレイを作っているメーカーは、ご想像の通り、多くありません。
というか、そんなに選択肢もありません。
定番メーカーは、Samsung、LG、Dellあたり。
私が使ってるのは、新鋭ブランドのInnocnですね。
最近では、ゲーミングメーカーのGIGABYTE、MSI、ASUSも、スーパーウルトラワイドに参入しており、これらのメーカーでは有機ELパネルを採用しています。
もちろん、有機ELパネルなんで高額。
値段は20万円を超えてしまう。
32:9の比率で、どうしてもゲームをやりたいという人以外は、不要だと思っています。
有機ELは色域が広く、色鮮やかに表示でき、応答速度も速いという利点があるのですが、作業で使うなら有機ELじゃなくて良いし、少なくとも私なら、定番の液晶モデルから選びたい。
では、これらメーカーによる違いは何かというと、いずれもゲーミングディスプレイとして販売されているため、高リフレッシュレートというのは前提。
主な違いは、パネルの違いに尽きるかなと思っています。
IPSかVAパネルかの違いは、視野角やコントラスト、色味の正確性が異なると言われたりもしてますが、違いという違いは、なくなってきているというのが、私の感想です。
少なくとも、作業に支障が出るような違いは無いと思ってるし、どちらも十分、綺麗に見える時代。
使用感に差が出るとすれば、接続端子のバリエーションになるんじゃないかなと。
正直、どれも大差ないし、どれでも良いのですけど、圧倒的に安いのは間違いなく、Innocn。
49C1Rの正直な難点


私が現在使ってるのも、Innocn 49C1Rというモデルです。
提供品を使わせていただいているので話半分くらいに聞いてほしいのですが、話半分だとしても、コストパフォーマンスが高いと感じています。
・HDR400で120Hz対応
・USB-C 1本で映像を出力しつつ、Power Deliveryにも対応
・49インチで5K解像度(5120×1440)
・電源アダプタ内蔵で、アダプタの置き場所を考えなくて良い
これが価格10万円ほどで手に入るなら悪くない。
これだけで、トリプルディスプレイ並みの作業領域が作れるって、ロマンでしょう。
※価格は変動します。購入前に最新の価格をご確認ください。
ただ、難点も正直に書いておきます。
まず、Innocnの難点は、アームの足がデカくて場所を取ること。
あとは、入出力端子が少なく、HDMI端子は1つ。
USBもUSB 2.0であり、USB Type-Cによる給電も、90Wではなく65Wとなっています。
スピーカーもついてるけど、音質はお世辞にも良いとは言えないですからね。
Innocnというメーカーは、ディスプレイパネルのコスパが高いことに尽きるわけで、それ以外の部分を求めてはダメかなと。
逆を言えば、モニターアームやスピーカー、あとはドッキングステーションとかも、別で用意できれば最高でしょう。
VESAマウント用のスペーサーも付属してるし、ディスプレイだけならギリ10キロぐらいなので、モニターアームでも固定できてしまいます。
私は、よく動かす都合、エルゴトロンのHXモデルを使ってますけど、これより重い、LGの5K2Kディスプレイは、エルゴトロンのLXモデルで固定してますからね。
何にせよ、これ以上格安なモニターを探すのは難しいわけで、現在、最も手軽に買える49インチの5Kモニターとして、試してみる価値は十分にあると思います。
スーパーウルトラワイドまとめ

スーパーウルトラワイドディスプレイって、横に長いから横に長く使いたくなるのだけど、横長に使ったら、使いづらくなっちゃうことも多い。
だから、買う・買わないの判断は「横長が欲しいかどうか」では決まらないのです。
まず、エンタメを1台に兼ねさせたい時点で、32:9は候補から外れます。
使う画面が横に長くなっても、16:9という世の中の基準は変わりません。
4Kのエンタメコンテンツを楽しむなら、4K解像度がすっぽり入る、5K2Kウルトラワイドの方が良いし、なんだかんだで万能なのは、やはり一番普及している、16:9の4Kディスプレイでしょう。
需要があるからバリエーションも豊富だし、まぁ、このサイズのディスプレイなんて、何個あっても良いですからね。
そのうえで、今何枚のディスプレイを使っているか。
デュアルで物足りなくなった人、トリプルから乗り換える人には、素直にハマります。
逆に、シングルモニターからいきなりというのは無理がある。
幅120センチ以上のデスクが用意できるかも、ここで決着をつけておくべき話です。
そして最後は、中央で作業する使い方を受け入れられるかどうか。
従来のディスプレイサイズと同じように使うのが、基本なのです。
中央メインで使うのも変わらず、これが一番、疲れません。
三分割すれば縦長のドキュメントも広げておけるし、ドキュメントワークに最適な解像度にもなる。
三分割で狭いと思うなら、今まで通りワイドに使って、左右を補助的に使っても良いのです。
シームレスなトリプルディスプレイが手に入ると考えれば、その使い勝手の良さは想像しやすいんじゃないかなと。
まぁ、クリエイティブな仕事をするなら、やはり横長の方が、使いやすいこともありますからね。
自分のやりたい作業に合わせて、柔軟に対応できるということも、スーパーウルトラワイドのメリットでしょう。
もう一つ足しておくと、昨今では、AIを活用するのも避けられなくなってきています。
自分がマルチタスクするためだけでなく、AIのタスクを処理させておくためにも、作業領域はあるに越したことがないと思っています。
とまぁ、判断の材料を並べておいて何なのですが。
個人的には、ディスプレイってインテリアみたいなもの。
私は、この異様な見た目に惹かれて、欲しくなっちゃうんですよね。
人とは違う、アホみたいに長いディスプレイ。
設置したいのだから、あとは自分が適応するしかない。
何事も、使いづらいのは最初だけ。
27インチのWQHD解像度があれば、できない作業なんて、ないとも思うのでした。
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P.S.
作業領域が広くなると、ついつい端の方にウィンドウを広げて、端のまま作業しがちです。
端まで「見える」ことと、端を「見続けて良い」ことは別問題。
ディスプレイワークの負担はチリツモで、ある日突然、首や目にドカンときます。
私のように首をピキッとやってからでは遅いので、なるべく中央で作業することを、どうか忘れずに。


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