- 映像出力が4系統あるので、ドックもグラボも要りません
- ゲームは内蔵GPU止まりですが、クラウドゲーミングで補えます
- Win11 Proのリモート機能で、モニターなしの母艦にできます
自作PCも、ゲーミングPCも、もう起動しなくなりました。
数十万円かけて組んだ大きなデスクトップの代わりに、いま毎日動いているのは手のひらサイズのミニPCです。
GEEKOM A9 MAX。
去年からGEEKOM A6というミニPCをメイン機として使っているのですが、このA9 MAXはそこからさらに進化しているんですよね。
大画面の作業デスクも、スーパーウルトラワイドモニターも、マルチディスプレイ環境も、ぜんぶこれ1台で作れてしまう。

ただ、勘違いしてはいけない点もあります。
高性能とはいえ、最新ゲームを最高スペックでガンガン動かすことはできない。
超高性能なAIをローカルで動かす使い方にも、正直あんまり向いていないと思っています。
「AI PC」とか「ゲーミングミニPC」とか、いかにもGPU性能が高そうなイメージで語られがちなんですけど、何でもかんでもできるかと言われれば、そんなこともないわけで。
2〜3ヶ月ふつうに仕事で回してみて分かったのは、この機種の価値は処理性能の側にないということでした。
※本記事は、GEEKOM様から製品提供をいただいて制作したPRレビュー動画の連動記事です。「ありのままにレビューする」というお約束のもと、良い点も気になる点も正直に書いています。
2台を並べたサイズ感や、実際のデスクセットアップの様子は、映像の方が早いので動画でどうぞ。
スペックとA6との違い
2台を並べて、まず目につくのはサイズでした。
A9 MAXの方が、ひと回り大きい。
小さいことが売りのジャンルで後継機が大きくなるのは、ふつうなら後退です。

ただ、これは中身を見れば逆でした。
大きくなった代わりに、ポート類がごっそり増えているのです。
| GEEKOM A6(前作) | GEEKOM A9 MAX | |
|---|---|---|
| CPU | Ryzen 7 6800H(8コア16スレッド) | Ryzen AI 9 HX 370/HX 470(12コア24スレッド) |
| GPU | Radeon 680M(内蔵) | Radeon 890M(内蔵) |
| NPU | なし | 最大50 TOPS |
| メモリ | DDR5 32GB | DDR5 32GB(最大128GB対応) |
| ストレージ | 1TB SSD | 2TB SSD(M.2×2スロット・最大計8TB) |
| OS | Windows 11 Pro | Windows 11 Pro |
| 映像出力 | 最大4画面 | 最大4画面(HDMI 2.1×2+USB4×2) |
| USB4 | 40Gbps×1 | 40Gbps×2(うち1つはPD給電入力対応) |
| USB-A | 4ポート | 5ポート(前面4・うち1つは電源オフ充電対応) |
| 有線LAN | 2.5GbE×1 | 2.5GbE×2 |
| 無線 | Wi-Fi 6E/Bluetooth 5.2 | Wi-Fi 7/Bluetooth 5.4 |
| SDカード | フルサイズSDカードリーダー | フルサイズSDカードリーダー4.0 |
| サイズ | 112.4×112.4×37mm | 135×132×46.9mm |
| 保証 | 3年 | 3年+24時間365日サポート |
※A9 MAXの仕様と販売構成は2026年8月1日にGEEKOM公式サイトで確認しました。標準構成はメモリ32GB+SSD 2TB。
去年レビューしたGEEKOM A6のときも「ミニPCなのにデスクトップ級のポート数だ」と感動していたんですけど、A9 MAXはそこからさらに一段上でした。
USB4が40Gbpsの爆速規格で2つ、HDMI 2.1が2つ。
これで映像は最大4画面まで出せます。
2.5Gbpsの有線LANも2つのデュアル構成で、NAS運用にはこれがありがたい。

前面のUSB-Aは4つ、しかも左端の1個は本体の電源が切れていても充電できる常時給電対応です。
そして地味に嬉しいフルサイズのSDカードスロット。
あんまり使わないけど、無いとすんげー困るやつ。

CPUは最新のRyzen AI 9 HXシリーズで、12コア24スレッド。
内蔵GPUのRadeon 890Mは、A6が積んでいたRadeon 680Mから世代が2つ分くらい進んでいます。
無線もWi-Fi 7とBluetooth 5.4という最新世代。
ただ、これ、処理スペックで殴り合うマシンじゃないんですよ。
本格的な動画編集や、最新のゲームを最高画質でというのは、正直ちょっと心もとない。
このA9 MAXの真骨頂は、豊富なインターフェースを活かした「つなぎ役」。
高性能ハブとして使えるWindowsデバイス、というところにあります。
サイズ感は、もうドッキングステーションと大差ありません。
これだけ高性能なポートを揃えたドックって、本体もそこそこでかいし、何よりあのめちゃくちゃでかいACアダプターまで一緒に付いてきますからね。
それがA9 MAXなら、ドック1個ぶんの箱の中にPCもハブも全部詰まっている。
電源もコンパクトで、しかもUSB Type-C給電に対応しています。

ドッキングステーションって、けっこう熱くなるものも多いんですよね。
その点このPCは排熱性能も優れていて、うるさくもないし熱くもなりづらい。
実際の使い心地
正直に言うと、A6からA9 MAXに乗り換えて「毎日の作業が劇的に速くなった」みたいな体感は、実はそこまでないんですよね。
ブラウザをたくさん開いて、スプレッドシートを開いて、Canvaでデザイン作業をして、テレビ会議をやって、その裏でAIに相談する。
そういう私の日常作業は、A6の時点ですでに十分快適だったのです。
ただ、同じ快適でも、そのレベルがワンランク上がった。
新しいiPhoneに買い替えたときみたいに、前のモデルに戻ると「あれ、こんなに遅かったっけ?」と感じる、あの感覚ですね。
そしてもうひとつ、しばらく使って分かったのがスペックに余裕があるという点でした。
A6も別に不自由なく使えてたんですけど、やっぱり格安ミニPCなので、本気でフルに回そう、ブラウザを開きまくって作業しようとすると、どこかで余裕がなくなる瞬間があった。
「ここはちょっとメモリ節約しとくか」とか「再起動しておくか」とか、無意識のうちにこっちが気を遣って、セーブしながら使ってたんですよね。
それがA9 MAXでは無い。
何も気にせず、ぜんぶ散らかしまくって、全力で回せる。
この気を遣わなくていいという安心感、ストレスの無さは、けっこうデカい。

で、私が自作PCを起動しなくなったのは、A9 MAXが速いからではないんですよ。
半導体もメモリもハードディスクも価格が上がりすぎて、自作そのものが割に合わなくなってきた。
相性の問題もあるし、規格もすぐ変わるし、パーツの管理も面倒。
私だってできることなら自作したいんですけど、すんごい高額になってしまいましたからね。
だったら重い処理は、ぜんぶクラウドに任せた方が安い。
ゲームもAIも、私はもうクラウドでやってもらっています。
そうなると手元のPCに、ゴリゴリの専用グラフィックボードはいらない。
必要なのは作業をさばくためのCPUとメモリー、そして豊富なインターフェース。
そうなんですよ、まさにA9 MAXが最適ってわけなのです。
A9 MAXのメリット3つ
作業用PCとして2〜3ヶ月回してみて、これは効いたと思えたポイントが3つありました。
1台で最大4画面出力
まず素晴らしいのが、このA9 MAX、1台で最大4画面まで出力できること。
HDMI 2.1が2ポート、USB4が2ポート、映像が映し出せるポートが合計4系統あります。
グラフィックボードを拡張する必要もなく、ドッキングステーションもいらない。
本体に直接ケーブルを挿すだけで、広大な作業領域が手に入るのです。

4Kモニターを3枚並べたり、5K2Kのウルトラワイドを縦に積んでみたり。
そういうマルチモニター環境がこれ1台で軽々と組めるし、家に余っているモニターを引っぱり出してきて使ったっていいでしょう。
背面のUSB4ポートのうち片方は、給電の入力にも対応しています。
つまり本体の電源をUSB-Cから取れる。
あの邪魔くさいACアダプターを、デスクから消すことができるわけです。
Windowsであること
もうひとつ感じたメリットが、やはりWindowsだということ。
時代の流れとともにMacを使うようになった人は多いと思うし、私もその一人です。
それでもなお、Windowsがどうしても必要な場面が今もあるんですよね。
・いまだにWindowsにしか対応していない業務ソフトが多い
・日本の企業や役所は、まだまだWindowsで動いている
・WindowsとMacで挙動の違うアプリも多い
Macでほぼすべての作業は完結します。
それでもごくごく一部、Macだとどうにもならない場面が出てきた時に困るわけです。

あとMacは、吊るしの状態ならコスパは高いんですけど、少しでもアップグレードするとどんどん高額になっていきますからね。
特にストレージ容量はコスパが悪い。
私はクラウドストレージも大容量を契約していて、なるべくローカル同期でサクサク管理したいので、内蔵SSDにはある程度の容量が欲しい。
A9 MAXは標準で2TB、あとから増設もできるので、データ管理マシンとしても安心でした。
リモートデスクトップ標準搭載
そしてこのA9 MAX、ただのWindowsじゃなくてWindows 11 Pro搭載なんですよ。
HomeじゃなくてPro。
これが素晴らしい。
Windows 11 Proには、リモートデスクトップのホスト機能が標準で付いてきます。
サードパーティー製のツールを入れなくても、OS標準の機能だけで、別のPCからA9 MAXに丸ごとアクセスできる。
Windows環境をそっくりそのままリモートで操作できるわけです。
TailscaleみたいなメッシュVPNと組み合わせれば、外出先からも呼び出せます。

Windowsの業務ツールも、AIエージェントも、大容量のデータも、ぜんぶ家に置いたままどこからでも触れるようになる。
しかも高性能で、どこにでも置ける。
この2つが重なったとき、私のパソコンの置き方そのものが変わりました。
A9 MAXのデメリット4つ
ここからは、気になったポイントについても率直に。
重い処理はほどほど
まずはゲーミング性能ですね。
軽くベンチマークを回してみましたけど、快適に遊べるのはフルHDくらいと思っておいた方がいいです。
最新のAAAタイトルを4K画質でプレイしたり、高リフレッシュレートでヌルヌルプレイしたりというのは、やっぱり難しいかなと。
ただ、本気でやるつもりならクラウドゲーミングという手段があります。
GeForce NOWを使えば本体性能にほぼ関係なく高画質で遊べますし、XboxクラウドゲーミングもフルHD解像度で結構快適にプレイできますからね。


で、勘違いしちゃいけないのが、このパソコン、ゲーミングスペックもそこそこ高いんですよ。
一昔前のゲーム機くらいのスペックなら十分にある。
だからクラウドゲーミングに対応していない一昔前のゲームやマイナータイトルは、ローカル起動でちゃんと動く。
むしろそういう軽いゲームをわざわざクラウドでやるのももったいないし、目の前のPCでサクッと起動できるのも最高なんですよね。
結局のところ、メジャータイトルはクラウドで、マイナータイトルは本体スペックで、ほぼできないゲームは無いわけです。
動画編集も事情は同じ。
フルHD解像度なら快適に編集できますけど、4Kにエフェクトをゴリゴリ重ねる本格的な編集となると正直厳しい。
とはいえ私の場合、動画編集はMacの方でやってしまうので、A9 MAXに編集パワーはそもそも求めていないのであしからず。
ローカルAIには向かない
「AI パソコン」という表現にも、気をつけた方がいいと思います。
A9 MAXはNPUというAI処理用のチップも積んでいて、AI PCとしてまったく使えないわけじゃない。
ただ正直なところ、いまの最先端のクラウドAIと比べると、巨大なLLMや重い画像生成を手元のミニPCで動かすのは厳しい。
クラウドAIと同じ感覚でローカルAIを全部回せるとは、思わない方がいいです。
というのも、いま皆さんが使っている、いや、使いたいと思っているAIって、ほぼ全部クラウドのAIなんですよね。
自前のPCで動かすローカルLLMじゃない。
じゃあ、わざわざローカルLLMを使う意味はどこにあるのか。
それはオフラインで動かせること、つまり秘匿性やプライバシーの話になってくるんじゃないかなと思っています。
クラウドに送りたくない機密データを手元だけで処理したい、そういうデータ整理がメインならこのパソコンでも十分できるでしょう。
少なくとも私は今のところ、ローカルLLMの必要性を感じていないですからね。
で、AIを活用するならAIエージェントを使った方が断然いい。
そしてAIエージェントを使ううえで効いてくるのが、大画面なんですよ。
エージェントと繰り返し対話して、なんなら複数同時に動かして、その動きを見ながら進めるには、画面は広ければ広いほどいい。
インターフェースが豊富なミニPCが活きてくる、というわけですね。

USB-C給電は100W必須
メリットの側で「USB-Cから給電できる」と書きましたが、ここにひとつ落とし穴がありました。
A9 MAXをUSB-C給電だけで動かすなら、100Wクラスのしっかりした電源が必要です。
パワーデリバリー給電の対応は最大100Wで、付属の純正アダプターも100W。
試しに手元のモニター2台からPD給電で繋いでみたんですけど、どちらも起動すらしませんでした。
モニターのUSB-C給電って、60Wや90W止まりのものが意外と多いんですよね。
それだと足りない。
給電アダプターも同じで、60Wのものではうんともすんとも言わず、120Wのアダプターに変えたらようやく起動しました。
ここがノートパソコンと違うところ。
ノートはバッテリーを積んでいるので、給電が多少足りなくてもとりあえず起動はする。
でもミニPCにバッテリーは無い。
ワット数が足りないと、一切立ち上がらないのです。

USB-C1本運用を狙うなら、お使いの電源が100Wクラスに対応しているか要チェック。
ゲームや動画レンダリングみたいにがっつり負荷をかけるつもりなら、付属の純正アダプターを使っておけば確実です。
価格は安くない
最後にネックとなるのが、やはり価格ですね。
国内での販売価格は約24万円くらい。
公式サイトでは2026年8月1日時点、セール価格209,900円(通常244,900円)となっています。
正直、安くはありません。
ただ、最近は半導体の価格が上がりまくってますし、SSDの価格もめちゃめちゃ上がっている。
つい最近では、Steamのゲーム機、Steamマシンも20万円前後で販売開始となりましたからね。
この状況を考えると、むしろそこまで高額とは思わないんですよ。
なにより、本体が高性能なうえに周辺機器への追加投資がいらない。
標準でストレージ容量がデカいし、ドックもグラボもハブも要らないから、その分のお金も浮く。
配線もスッキリして、設置の手間もなく、なにより省スペース。

作りも非常にしっかりしています。
筐体はフルメタルで、なんと200kgの荷重に耐える設計。
冷却も安いPCにありがちなアルミじゃなくて、全部銅なんですよ。
銅はアルミより熱を伝えやすい、つまり熱を素早く逃がせる。
しかもCPU本体だけじゃなく、電気を送る電源まわりにも専用の銅プレートを当てて別で冷やしている。
そのうえ出荷前には339項目ものテストをクリアしていて、3年保証に24時間365日のサポートまで付いてくる。
実際、前作のA6を私はもう1年以上使っていますが、特に不具合は感じていません。
この価格で3年保証も付いてくるのが、やっぱりすごいと思うのでした。
※価格・セールは変動します。最新価格は公式サイト・Amazonでご確認ください。
家のホストPCにする活用術
書斎の机の上に、このA9 MAXは置いてありません。
モニターも、キーボードも、繋いでいない。
そういう使い方に落ち着くまでには、いくつか段階がありました。
ディスプレイを自由に選べる
A9 MAXは、映像が出せる端子がUSB-CもHDMIも両方そろっています。
だからモニターはもちろん、テレビでも、プロジェクターでも、ARグラスでも、好きな映像デバイスにすんなり繋げられるんですよ。
たとえば大画面テレビ。
4Kの大画面が、PCモニターを買うよりずっと格安に手に入る。
最近のテレビはミニLEDで綺麗だし、eARC対応だからWindowsもMacもゲーム機も繋いで、音はサウンドバー1本で共有できる。

このあたりは55インチTVのモニター活用方法という動画で詳しく話しています。
プロジェクターなら、本体だけヒョイっと持っていって大画面でプレゼンも映画も。
XREALみたいなARグラスに繋げば、目の前に巨大な仮想スクリーンも出せる。
物理的なモニターがいらないのでものすごい省スペースで済むし、覗き見もされにくい。
これだけ小さいと、置き場所を自由に変えられるのもいいところ。
書斎でも、リビングでも、どこでもサッと動かして構成を組み替えられる。
自分に最適な作業環境を手軽に試して、イマイチだったらすぐ変更して、また試せる。
この気軽にやり直せるというのが、一番のメリットだとも感じております。

ノートPCか、ミニPCか
そもそも私には、家のどこにいてもデスクトップ並みのパソコンを使いたい、という願望がずっとあったんですよね。
決まった場所じゃなくて、リビングでも、書斎でも、寝室でも、好きな場所で快適に作業がしたい。
そのためにずっと、ノートパソコンを蓋を閉じたまま、外部モニターとキーボードに繋いで使っていました。
でもこれ、よく考えたら変な話で、液晶もキーボードも一切使っていない。
結局欲しかったのは、本体の中身、頭脳の部分だけなんですよね。
それがまさに、ミニPCだったという話です。

で、いま「家でも外でも同じ環境で」とノート1台に集約している人も一定数いると思うんですけど、これがけっこうリスクなんですよ。
私自身、超高額なノートを持ち歩いて、カバンに入れたまま水没させたこともあるし、壊したことは数知れず、紛失したこともありますからね。
盗まれるとか壊すとかは、自分でしっかり管理すればなんとかなる話だとは思います。
ただ、やっぱり人間ですからね。
結局のところ、人的リスクが一番高いわけです。
ミニPCは省スペースゆえに「壊れやすそう」と思われがちですけど、このGEEKOMのミニPCはノートに比べたら圧倒的に頑丈な作りだし、排熱性能も高い。
構造的にも、ノートPCより耐久性は高いんじゃないかなと。
パソコンなんて壊れるときは壊れる。
だったら壊れることを想定して、家で使うPCと外で使うPCは分ける方がいいです。
外で本気の作業はしないし、クラウド作業ならPCは高性能じゃなくていいんですから。
私は吊るしのMacBookと、ポケットに入るGPD MicroPC 2を愛用しております。
リモート専用の母艦にする
だったら、その「家の1台」は高性能であればあるほどいい。
それにまさにうってつけなのが、このA9 MAXなんですよ。
ストレージ容量だけでなく処理スペックにも余裕があるので、色々と気にせずガンガン何でも任せられる。
となると、いっそ全部の作業をこの1台に集約して、リモートで操作してしまってもいいわけです。
Windows 11 Proのリモートデスクトップは、本当によくできています。
手元のデスクトップPCを操作しているような感覚で、遠隔で動かせる。
VPSとかクラウドPCを1台契約して、手元から動かしているような、そんな感覚ですね。
便利なのが、クリップボードも共有できること。
手元のPCでコピーしたテキストを、そのまま向こうのPCに貼れる。
音やマイクも共有できるので音声入力もできるし、マルチモニターにも対応している。
片方のディスプレイには手元のPC、もう片方には家のA9 MAX。
ひとつの環境から2台のPCを同時に操作できて、処理するOSも別にしておけるわけです。

そして、いちばんシビれたのがここ。
Windowsのリモートデスクトップは、ホストPCにモニターを1枚も繋げる必要がないんですよね。
画面そのものを仮想的に作ってくれるので、ダミープラグもいらない。
つまりA9 MAX、電源だけ挿して部屋の片隅に転がしておけばいい。
モニターも、キーボードも、マウスも一切いらないってわけ。
あとは手元の好きなデバイスから、リモートで操作するだけ。
ミニPCだから消費電力も小さいし、24時間つけっぱなしの自宅サーバーみたいに運用しても全然アリなのです。

この常時稼働のホストPCにAIエージェント、私の場合はClaude CodeとかCodexを走らせておくと、これがまた便利で。
最近のAIエージェントってスマホからも指示が出せるんですよね。
だから外にいても、家のA9 MAXにスマホから指示を投げておけば、勝手に作業が進んでいく。
そのやり取りや成果物をしっかり確認したいとき、Windowsじゃないと開けないファイルを触りたいときに、リモートデスクトップが効いてくるわけです。
NASの窓口にもなる
当たり前にリモートデスクトップを使うようになって気づいたのが、このPC、NASサーバー的な役割も担ってくれるなと。
以前はNAS自体にWindowsを入れたり、NASの中でAIエージェントを動かしたり、といったことも試してみたんですけど、NASはデータのアーカイブと割り切った方がハードディスクは長持ちする。
そもそもデータ保存に特化したのがNASで、四六時中いじるものでもないんですよね。
少なくとも、データを預けているディスクと作業用のディスクは分けるべきであり、結局のところ、NASはNASのまま、パソコンはパソコンとして使う方が分かりやすい。


私はもともと、複数のNASをまとめて管理するために、データ管理専用のWindows PCを常時起動で置いていました。
SynologyとUGREEN、メーカーの違うNASを別々に開くのは面倒だけど、あいだにPCを1台挟めば、どれも外付けハードディスク感覚でただのフォルダとして一元管理できる。
2.5GbEの有線LANが2本あるからNAS間のデータ移動も速いし、このPC1台だけを窓口にできるので、リモートアクセスという点でも安心で便利なんですよね。
NASまわりの実測は別記事にまとめています。
NASの10Gbps化と実測値。UGREEN DXP6800 Proで検証
こんな人におすすめ
2〜3ヶ月使った実感として、GEEKOM A9 MAXが向いているのはこんな人です。
・ノートPCにドックやハブをあれこれ繋いで、実質据え置きで使っている人
・マルチモニターや大画面で作業したいが、大きなデスクトップは置きたくない人
・Windowsの業務ソフトが手放せない人、Macとの2台体制の人
・外から家のPCに繋ぐホストPCやAIエージェントの母艦が欲しい人
・複数のNASを使っていて、窓口になる常時稼働PCが欲しい人
共通しているのは、キーボードもモニターも自分で選びたい人だということ。
いっそミニPCにして、自分に合ったものを選んだ方が快適なんじゃないか、という話です。

逆に、最新AAAタイトルを4K画質の高リフレッシュレートで遊びたい人や、巨大なローカルLLMを回したい人には向きません。
そこはゲーミングPCなり、クラウドなりの領分です。
A9 MAXレビューまとめ
去年のA6の時点でもだいぶ感動していたんですけど、A9 MAXはそこからさらに、もう1ランク2ランク進化したかなという印象です。
この手のひらサイズの小ささにこれだけのインターフェースが詰まっていて、もう、一昔前のデスクトップPCをまるっと1台に詰め込んだ感じですね。

通信性能も高いので家のホストPCとしても難なく使えるし、リモートで操作する家のメインPCとして運用するのも便利だなと。
確かに、高性能な分それなりの値段はするのですけど、高性能なドッキングステーションやハイエンドスマホの値段を考えれば安くも感じます。
そもそも、これと同じ性能のパソコンを自分で組もうとしたら、この金額には収まらないし、サイズだってずっと大きくなってしまいますからね。
ただ、勘違いしてはいけないのは、これ、ゲーミングPCとしてAAAタイトルをバリバリ、みたいなことはできません。
でも、作業用マシンとして使うなら、こんなに便利に使えるものも無いですからね。
去年A6を触ったときにも感じたんですけど、パソコンの使い方そのものが、だいぶ変わってきているんですよね。
仕事の内容まで大幅に変わってしまっている。
そして、これだけ変わってもパソコン作業で一番大事なのは、結局のところ扱うデータ、情報なんですよ。
AIがどれだけ賢くなっても、そこに渡す自分のデータ次第。
どこからでもデータを取り出すために通信速度が必要で、そのデータを大量に保存しておくためにストレージ容量も必要で、それらを好きな画面に映し出すために豊富なインターフェースがあると助かる。
GEEKOM A9 MAXなら、そのどれも足りないってことは無い。
冒頭に書いた「自作PCもゲーミングPCも起動しなくなった」というのは、性能に負けたという話ではありません。
数十万円かけたデスクトップがやっていた仕事は、いまクラウドと、部屋の隅で電源だけ挿さった小さな箱に分かれて収まっている。
起動する理由の方が、無くなってしまったんじゃないかなとも思いました。
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