- 32インチ4K・240Hzの有機ELで約12〜13万円は間違いなく格安
- 焼き付きは不安だが、人感センサーなど気にする手間が減る設計と3年保証つき
- 27インチのG27P6Sは安いが機能差が大きく、マルチに使うなら32インチ
有機ELのモニターって、ずっと高嶺の花だったんですよね。
32インチ4Kクラスだと20万円前後が相場で、正直、モニターに出す金額じゃないなと。
その常識を壊しに来たのがKTCです。
「KTC G32P5」は、32インチ・4K・240Hzの有機EL(OLED)ゲーミングモニター。
機能てんこ盛りのハイエンドモデルなのに、13万円前後で買えてしまう価格破壊っぷり。
かくいう私も、OLEDはテレビでしか使ったことがなくて、
モニターとして使うのはどうかなー?と懐疑的でした。
焼き付き、文字のにじみ、明るさ不足と、不安を数えればきりがない。
ところが2ヶ月ほどガッツリ使ってみたら、私の知っているOLEDとは別物だった。
この記事では、実際に使って気づいたメリット・デメリットと、
27インチの兄弟モデル「G27P6S」との違いまで、この記事に全部書いています。
※本記事は、KTC様から製品提供を受けて制作したレビュー動画の連動記事です。とはいえ、そんなことはお構いなしに、良い点も気になる点も正直に書いています。そんな私を疑い深く見ながら読んでいただけると幸いです。
動画では、Mini LED液晶と並べた黒の比較や、ほぼ真横からの視野角チェックまで実映像で見られます。
OLEDの黒の深さは文字と写真では伝わりきらないので、そこは動画でどうぞ。
KTC G32P5のメリット6つ
2ヶ月ほど、ゲームにも仕事にもガッツリ使ってみました。
その上で「これは良かった」と感じたメリットは、大きく6つあります。

主なスペックは、次の通りです。
| パネル | 有機EL(白色OLED=WOLED)・ノングレア |
|---|---|
| サイズ | 32インチ |
| 解像度 | 4K(3840×2160) |
| リフレッシュレート | 4K 240Hz/デュアルモード時はフルHD 480Hz |
| 応答速度 | 0.03ms |
| コントラスト比 | 1,500,000:1 |
| HDR | DisplayHDR True Black 400認証 |
| VRR | Adaptive-Sync(AMD FreeSync Premium/NVIDIA G-Sync Compatible) |
| アスペクト比モード | 21/24.5/26/27インチ |
| 入力端子 | HDMI 2.1×2・DisplayPort 1.4×1・USB Type-C(DP Alt Mode・65W給電) |
| KVMスイッチ | あり(リモコンで手動切替/自動切替も対応) |
| リモコン | 付属(赤外線式) |
| 人感センサー | あり |
| スピーカー | 5W×2 |
| VESAマウント | 75×75mm(スペーサー付属) |
| 重量 | パネル単体で5kg未満 |
| 消費電力 | 最大240W(実測は普段40〜50W/USB-C給電時で約100W) |
| 保証 | 3年(有機ELの焼き付きも保証対象) |
| 価格 | 定価14万円台・セール時で12〜13万円ほど |
並べただけでも「盛りすぎでは?」という内容。
そして実際に使ってみると、この数値表以上に「これは良い」と感じる部分がありました。
有機ELの映像美。黒が本当に黒い
まず何はともあれ、映像の美しさ。
有機ELの何が凄いって、黒が本当に黒い。
このモデルが採用しているのは、白色有機EL、いわゆるWOLEDパネル。
液晶とは次元が違う映像表現を可能にしています。
そもそも、液晶パネルとは仕組みが全く違うんですよね。
液晶モニターは、バックライトの光をシャッターで遮って黒を表現する方式。
対して有機ELは、画素そのものが発光する方式です。
だから光漏れがないし、黒を表現するときは、その画素を完全に消灯できる。
結果、コントラスト比が1,500,000:1という、もはや無限みたいな数値になっているわけです。

実際、Mini LEDの液晶モニターと並べてみると、その違いはよく分かりました。
有機ELは、とにかく黒が黒く、黒浮きがない。
液晶はどうしてもバックライトの影響で、白っぽい黒になってしまうのですよね。
最新のMini LEDでも、ローカルディミングで黒表現を高めているとはいえ、
ゾーン間の光漏れ、いわゆるハロー現象は避けられない。
暗い部分の表現では、どう頑張っても有機ELには敵わないというのが正直なところ。
夜のシーンとか洞窟とか、黒いのに立体感があるし、明暗のコントラストもより際立っていると感じました。
| 有機EL(G32P5) | Mini LED液晶 | |
|---|---|---|
| 黒の表現 | 画素を完全消灯・黒浮きなし | バックライト由来の黒浮きが残る |
| ハロー現象 | 原理的に発生しない | ゾーン間の光漏れは避けられない |
| コントラスト比 | 1,500,000:1 | ローカルディミングで向上するも及ばず |
| 明るさ | DisplayHDR True Black 400 | HDR1000超えの製品もあり、明るさは上 |
| 視野角 | 斜めでも色変化がほとんどない | 斜めからは光漏れが見える |
じゃあ、明るい場面ではどうなのか?
有機ELって、明るさや鮮やかさに弱いイメージがあったんですけれども、
このディスプレイは想像していた以上に明るく、HDRコンテンツも非常に綺麗だと感じました。
この辺は「DisplayHDR True Black 400」認証も取得しており、
ひと昔前の薄暗い有機ELパネルとは別物なのも明らかです。
もちろん、HDR1000超えのMini LED液晶に比べたら、明るさは劣ります。
ただ、明るさに頼らなくても綺麗なのが有機EL。
HDRではない標準的なSDRコンテンツでも、しっかり綺麗なんですよね。
そもそもHDRって、コンテンツ自体がHDRに対応している必要があります。
作品によって質にばらつきもあるし、HDRをオンにすることで必要以上に眩しくなる場合もあると感じています。
その点このパネルは、明るさに頼らない表現力がある。
だから一般的なYouTube動画とか、HDR未対応のゲームでも非常に美しく見えるのです。
そして私が一番驚いたのが、ノングレアパネルの反射の少なさ。

有機ELって、黒が深いぶん映り込みが目立ちやすいイメージもあったんですけれども、
このモニターは反射が本当に少なく、電源を切った状態でも本当に真っ黒なんです。
ノングレア処理って、表面を凸凹にして光を錯乱させるやり方。
だから画面が白っぽくなりがちなんですけれども、
このパネルは何も映っていない状態で、とにかく真っ黒。
ノングレアパネルなのに、光の透明感にも優れているというわけです。
暗いシーンで自分の顔が映り込んだりしないし、撮影していても部屋のライトが反射しない。
机の上に黒が浮いている、不思議な感じ。
隣のモニターも後ろのモニターもノングレアパネルなんですけれども、
並べてみるとやっぱり全然違いますからね。
さらには有機ELなので、視野角も広い。
斜めから見ても美しく、色の変化がほとんどないのも凄いなと。
動画では、ほぼ真横というちょっとありえない角度から撮影しているんですが、
その状態でも綺麗に見えるのがびっくりでした。
まぁ、カメラ越しの映像なので正確には伝わらないかもしれませんが、
それでもMini LED液晶とは「なんか違う」というのは分かるはず。

これだけ綺麗だと、ゲーム映像を見ているだけでも楽しい。
黒の深さと映り込みの少なさが相まって、画面の中に吸い込まれるような没入感があるのです。
正直、これを使うまで私は、有機ELってテレビでしか使ったことがなくて、
モニターで使うのはどうかなー?って思っていたんですよね。
ところが実際に使ってみたら、私の知っている有機ELとはほんと別物になっていて、
自分自身の認識が大きく変わりました。
Mini LEDに比べて有機ELがどうだ、という話もあるんでしょうけど、
どちらかといえば有機EL自体の進化が凄い。
一昔前の有機ELに比べて、だいぶ進化していると感じました。
ゲーミング機能がてんこ盛り
続いてのメリットは、ゲーミング機能がてんこ盛りだということ。
ゲーミングモニターとしては、間違いなく高性能です。

まず、有機ELならではの0.03msという超高速な応答速度。
液晶パネルのFast IPSと比べても圧倒的に速いです。
この驚異的な応答速度により、画面の残像(モーションブラー)はほとんどなく、
動きの速い映像でも滑らかかつ鮮明に表示してくれます。
ちなみに応答速度って、リフレッシュレートと混同されがちなんですよね。
両者は、そもそも測っているものが違います。
・リフレッシュレート:1秒間に画面を何回書き換えるかを表す数値
・応答速度:画素の色が変わる速さを示す数値
どちらも速ければ速いほど、映像の視認性と追従性が向上する。
つまり、両方が速いことで、より快適な視聴体験が得られるということ。
例えば応答速度が遅い液晶では、リフレッシュレートを速くしても、
動きの速い映像で物体の輪郭がぼやけたり、尾を引くような残像が見えることがある。
その点この有機ELは、ピクセルがほぼ瞬時に切り替わるため、クリアでブレのない映像が視聴できる。
特に動きの速いゲームでは、その差も顕著に感じられました。
で、リフレッシュレート性能も高いのがこのディスプレイ。
4K解像度で240Hz。
さらにデュアルモード機能も搭載しており、フルHDなら480Hzで表示することも可能です。
| 解像度 | リフレッシュレート | |
|---|---|---|
| 通常 | 4K(3840×2160) | 240Hz |
| デュアルモード | フルHD | 480Hz |
普段は4K240Hzの高精細画面で楽しんで、
FPSゲームをやる時だけ、フルHDの480Hzでヌルヌルにゲームプレイしても良い。
しかも「21インチ」「24.5インチ」「26インチ」「27インチ」と、
画角を調整できる「アスペクト比モード」という機能もついているんです。
32インチではデカいという時に、24.5インチにして使うこともできる。
※ただし、このアスペクト比モードには解像度の落とし穴があります。ここは後半のデメリットで詳しく書きます。
もちろんVRR(可変リフレッシュレート)のAdaptive-Syncにも対応。
AMD FreeSync PremiumとNVIDIA G-Sync Compatibleをサポートしています。
描画フレームとパネルのリフレッシュを同期させることで、ティアリングやカクつきも防いでくれる。
まぁ、有機ELって美しさだけでなく応答速度も速いわけで、
そこにこのモニターの高リフレッシュレートとVRR対応が組み合わさる。
とにかく滑らかで、綺麗な映像でゲーム体験ができるってわけです。
そして、ゲーム機を接続するための端子の充実っぷりも素晴らしい。
| ポート数 | 備考 | |
|---|---|---|
| HDMI 2.1 | 2 | 48Gbpsの帯域幅。4K240Hzもフルで使える |
| DisplayPort 1.4 | 1 | — |
| USB Type-C | 1 | DP Alt Mode対応・65W給電 |
HDMI 2.1は48Gbpsの帯域幅があり、4K240Hzもフルで使えるんですよね。
DisplayPortじゃないと高リフレッシュレートが出せないモニターも多い中、
DisplayPort1台、HDMI2台、さらにUSB-Cも使って、
4つのポート全てで4K240Hzが出せるのです。
ゲーム機って、HDMIにしか対応していないデバイスも多いですからね。
PlayStation 5も、Nintendo Switch 2も、
どっちのHDMIに挿しても映像の美しさを最大限発揮できる。

あと、付属品のケーブルも豪華。
DisplayPortケーブル、USB-Cケーブルだけでなく、
HDMI 2.1に対応したウルトラハイスピードケーブルまで付いています。
これ、地味にありがたいんですよね。
ちなみに、KTCでおなじみのキャリブレーションレポートも同梱されていました。
出荷前に1台1台、個体ごとに色調整して、「この個体はこういう調査結果でした」と、
ちゃんとチェックした証明書が付いてくる。
この価格帯でここをやるのは素晴らしいと思いました。
リモコンが想像以上に便利
続いてのメリットは、リモコンが付いているということ。
これ、使ってみて気づいたんですけど、めちゃめちゃ便利です。

ゲーミングモニターって、設定をいじることが多いんですよね。
ゲームごとに画質調整したり、HDRのオンオフしたり、入力ソースを切り替えたりとか。
普通は本体裏にあるボタンを、手探りでポチポチと押さないといけない。
モニターの裏に手を回して必死に設定する、あのめんどくささ。
それがこのモニターなら、全部手元のリモコンで済んでしまうのが最高なのです。
リモコンで操作できるのは、次のような項目です。
・音量の上げ下げ
・入力ソースの切り替え
・ゲーミング設定用の専用ボタン
・HDR切替ボタン
・KVM切替ボタン
・電源のオンオフ
・ピクセルシフト・スクリーンセーバー・リフレッシュ機能などのパネル保護設定
有機ELモニターって、パネル保護の設定も多いんです。
ピクセルシフトとかスクリーンセーバーとかリフレッシュ機能とか、
焼き付き防止の設定が色々とあって、これらも全部リモコンから操作できるのが素晴らしい。
特に、定期的に表示される「ピクセルリフレッシュを実行しますか?」という警告。
これもリモコンでサッとキャンセルできるし、
そもそも警告を出さないようにリモコンからオフにもできるのです。
(ピクセルリフレッシュそのものの話は、後半のデメリットで詳しく書きます)
あと、モニターの電源を手元でオンオフできるのも便利。
席を離れる時とか、人が来た時に、パソコンをスリープせずに瞬時に画面をオフにできる。
まぁ、こういったゲーミングモニターって高性能で多機能すぎるゆえに、
設定を色々いじってみて初めてわかることも多いんですよね。
そういった意味でも、気兼ねなくリモコンで色々と試せるってのが素晴らしいのです。
ちなみにこのリモコン、赤外線センサーで動作するタイプ。
つまり、学習リモコンに登録することも可能です。
Nature RemoとかSwitchBotみたいなスマートリモコンと組み合わせれば、IoT機器としても使えるようになる。
スマホから操作したり、音声で操作したりもできるようになるわけです。
リモコンをデスクに置かなくても良くなるというのもあるし、
リモコン自体を増やせるので、あっちでもこっちでも操作ができるようになる。
何にせよ、遠くから操作できるというのが便利だと感じました。
32インチなのに薄くて軽い
続いてのメリットは、デザインの良さ。
ゲーミングモニターなのに、ゲーミングモニターっぽくないのです。

まず、ベゼルがめちゃめちゃ細い。
上も、横も、下側も、薄くてスリムでスマート。
フロント側にはKTCのロゴすらもなく、メーカー名が全くわからないというのも個人的には嬉しいポイント。
メーカーを主張しないデザインが良いんですよね。
メーカーロゴは背面にあって、ゲーミングモニターらしく光るんですけど、これも消灯できますからね。
スタンドの調整機能も優秀です。
| 高さ調整 | 対応 |
|---|---|
| チルト(上下角度) | 対応 |
| スイベル(左右回転) | 左右15度ずつ |
| ピボット(縦回転) | 非対応 |
| スタンド脱着 | ワンタッチ |
| VESAマウント | 75×75mm(スペーサー付属) |
ケーブル管理もよく考えられています。
スタンドにはケーブル固定用のホルダーが付いているし、
ケーブル差し込みが下向きなので、壁にベタ付けもできる。
それでいて差し込み位置の部分だけへこんでいるから、
前から見ても下から配線が見えない仕組みになっているのです。

そして、32インチなのに薄くて軽いのが最高。
横から見たらペラッペラの極薄であり、パネルだけだと5kg未満という軽さ。
この軽さと薄さは、ホントびっくりしました。
持つのに気を使うほどに薄いです。
私はスタンディングデスクとモニターアームを使っているので、とにかくモニターは軽いに越したことはない。
デスクへの負担も少なく、モニター位置の調整も楽々です。
ゴツゴツした、いかにもゲーミングってデザインじゃないから、作業用デスクに置いていても美しい。
ベゼルも薄いから、本当に映像だけが浮いているように見えるんですよね。
電源オフの時も反射せず、パネルが真っ黒でかっこいい。
真っ黒なパネルってだけで、より高級感のある見た目にもなるんだなと感じました。
仕事用モニターとしても優秀
続いてのメリットは、仕事用ディスプレイとしても優秀だということ。
ゲーミングモニターって聞くと、ゲーム専用みたいなイメージがありますけど、
このモニターは実は作業用モニターとしても、非常に便利に使えます。

まず便利なのがUSB Type-C接続。
DisplayPort Alt Modeだけでなく、65WのPower Delivery給電にも対応しています。
だからMacBookやミニPCなら、USB-Cケーブル1本挿すだけで作業環境が整う。
ノートパソコンへ充電ができて、USBハブとしても使える。
それでいて、このDisplayPort Alt ModeはDisplayPort 1.4規格。
例えばM4 MacならType-Cケーブル1本で、4K240Hz出力もできるのです。
そしてこのディスプレイには、KVMスイッチ機能までもついているんですよね。
ディスプレイにUSB接続したキーボードやマウスを、複数のコンピューターで共有して使える機能。
WindowsとMacを併用している私には最高でした。
以前はUSB接続タイプの切替器を使っていたんですけど、
これが置く場所にも困るし、やっぱり手を伸ばしてボタンを押す必要がありましたからね。
このモニターは手元のリモコンで手動切り替えもできるし、自動切り替えにも対応しています。
で、特に仕事に向いているなと感じたのが、無限ともいえるコントラストの高さ。
バックライト不要の有機ELは、目の負担が少ないと感じました。
有機ELって、文字のぼやけやテキストフリンジの問題があって、
正直、仕事用には懐疑的だったんですけれども、
このディスプレイは、文字もとても見やすいと感じたんですよね。
特に大きいのは、バックライトがないということ。
黒が完全に消灯するから眩しさも減り、眼精疲労も少なくなるんじゃないかなと。
中でもダークモードとの相性は抜群で、黒背景の作業でハロー現象が全く気にならなくなりました。
光の漏れがなく、ボヤけやにじみもないから、見やすさが結構違う。
モニターを暗くしてもハイコントラストで、しっかりと見えます。
さらにフリッカーフリーで、高リフレッシュレートで、低遅延。
有機ELは応答速度も速いから、スクロール時の残像も少ない。
ちらつきやカクつき、残像感が眼精疲労につながるのは、間違いないとも思っています。
あと、高品質なノングレアパネルの影響も大きいんじゃないかなと。
私は光の映り込みが苦手で、間接照明で作業することも多いのですが、
このモニターは明るい部屋でも反射しづらく、白っぽくならないのもすごい。
極薄パネルですけど、モニターライトもちゃんと取り付けられますからね。
また視野角も広いので、マルチディスプレイ環境でも見やすい。
Mini LED液晶と比べると、斜めから見た時の光の漏れ具合も全然違うのです。
なお、32インチ4Kの画素密度は約138ppi。
等倍表示だと文字が小さすぎるので、Windowsなら125〜150%スケーリングで使うのが前提になります。
32インチの適正視距離は眼前65〜85cmほどなので、デスクの奥行きもそれなりに必要です。
まぁ、もちろん目が疲れる原因って人によって違うし、
綺麗に見えることによるプラセボ効果かもしれないのですけど、
少なくとも一般的なオフィスワークでも十分使えるというのは、間違いないと思いました。
この性能で13万円・3年保証
最後のメリットは、何と言っても価格の安さ。
同等スペックのライバル製品と比べると、圧倒的に安いです。
同じクラスの有機ELモニターって、20万円前後しちゃうのですよね。
それがKTCなら定価で14万円台。
セール時なら12〜13万円ほどで購入できてしまう。
| KTC G32P5 | 同クラスの有機ELモニター | |
|---|---|---|
| 価格 | 定価14万円台/セール12〜13万円 | 20万円前後 |
| 保証 | 3年(焼き付きも保証対象) | 製品による |
この辺は、さすが「価格破壊のKTC」といったところでしょう。
それでいて、他社にはない機能も多いんです。
・フルHD 480Hzのデュアルモード
・アスペクト比変更モード(21/24.5/26/27インチ)
・65W Power Delivery対応のUSB Type-C
・KVMスイッチ機能
・人感センサー
・リモコン
これだけ付いて、この価格。
で、さらには3年保証までついており、有機ELの焼き付きまで保証対象となっています。
Mini LEDで安いモニターは他社メーカーからも多く登場していますけど、
有機ELでこの価格、この性能って、他にないんじゃないかなと。
ゲーミングモニターとして優秀であり、作業用モニターとしても使える。
仕事でも遊びでも使えて、約13万円という価格なら全然ありだと思いました。
※価格はセールで大きく変動します。最新の価格・在庫はAmazon・公式サイトでご確認ください。
KTC G32P5のデメリット3つ
ここまで良いことばかり書いてきましたが、気になった点もあります。
提供品だろうが何だろうが、気になった点は気になった点。
2ヶ月使って「ここは正直どうなの?」と感じた部分は、大きく3つありました。
有機ELの焼き付きリスク
まず一つ目は、OLEDの宿命である焼き付きリスクです。
有機ELは、同じ画面を表示し続けると、その痕が残ってしまう可能性がある。
いくら以前より焼き付きにくくなっているとはいえ、これはOLEDの宿命であり、
「気にせず使えるか」と言われれば、正直なところ難しいでしょう。
この辺のところは、長期間使ってみないと何とも言えない部分ではあります。
ただ、そもそもこういうことを気にしながら使わないといけない、ということ自体がデメリットなんですよね。
今まで通り、何も気にせず使いたい。
そういう人は、やはりミニLEDという選択肢になるのかなと。
OLEDは明るさという点においてはミニLEDに劣りますし、
明るくしようとすれば発熱もするので、より焼き付きやすくなるというリスクもある。
明るいリビングで使うとか、HDRの明るさや鮮やかさを重視するなら、ミニLEDの方が向いているのかもしれません。
ここは製品の優劣ではなく、パネル方式の性格の違い。
「黒の深さを取るか、気楽さと明るさを取るか」の二択だと思っています。
とはいえ、このモニターは焼き付き防止機能が非常に充実しています。
定番のピクセルシフトやスクリーンセーバーは当たり前のように付いていて、
なんと人感センサーまでも搭載されているんですよね。
ディスプレイの下にセンサーがあって、席を離れると自動で画面をオフにしてくれる。
これが地味に見えて、実は結構革命的に便利な機能でした。
電源操作のストレスから解放されるし、省エネにもなるし、当然、焼き付きリスクも減る。
「焼き付き対策のために機能をオンにしている」というより、
便利だから使っていたら、勝手に焼き付き対策にもなっていた、という感覚に近いです。
感度は2段階あって、反応する距離が違います。
・スタンダード:ちょっとデスクから遠ざかるだけで電源オフ
・遠い:ディスプレイから見えない位置、約2〜3mくらい離れると電源オフ
どちらも、席を離れて約30秒くらいで自動的に消えます。
そして戻ってくると、約1〜2秒で復帰。
席についてから一息つく間もなく画面が点くので、思っていたよりずっと早いです。

そして、もう一つの保護機能がピクセルリフレッシュ。
画素の不均一やノイズを補正してくれる、画面のクリーニングみたいな機能です。
連続使用3〜4時間くらいで「ピクセルリフレッシュを実行しますか?」という警告が出る。
これ、OLEDあるあるなんですよね。
しかもこの警告、20秒放置しちゃうと自動的に開始されて、画面も真っ暗になってしまう。
ゲームの途中だろうが、作業の途中だろうが、お構いなし。
ところがこのモニターは、手元にリモコンがあるから即キャンセルできる。
なんなら、この警告自体を出ないようにリモコンからオフにもできるのです。

OLEDモニターを使う以上、ピクセルリフレッシュの問題はついて回るわけで、
OLEDを使うならリモコンは必須だな、とも感じました。
ちなみに保証は3年で、OLEDの焼き付きも保証対象。
焼き付きリスクを「ゼロにはできないけど、機能と保証の両方で受け止めている」というのが、このモニターのスタンスなんだと思います。
アスペクト比変更と解像度の低下
続いてのデメリットは、FPSゲームで32インチはデカい、ということ。
FPSって24インチが主流なんですよね。
画面全体を視界に収めながら、近距離でガン見する。
あのスタイルは、32インチではさすがに難しい。
そのためこのディスプレイには、画角を調整できる「アスペクト比変更モード」が用意されています。
21インチ、24.5インチ、26インチ、27インチの4段階でサイズを変更できる。
ここだけ聞くと万能に思えるんですが、これがちょっと注意が必要でして。
画面を小さくするほどに、解像度も下がってしまうのです。

例えば21インチモードにすると、2560×1440のWQHD解像度になります。
そこにデュアルモードを重ねると、解像度はさらに半減して1280×720のHD解像度。
| 通常時の解像度 | デュアルモード時(480Hz)の解像度 | |
|---|---|---|
| 32インチ(通常) | 4K(3840×2160) | フルHD(1920×1080) |
| 27インチモード | 約3288×1850 | 約1648×928 |
| 24.5・26インチモード | 上下の中間の解像度 | 同じく半減 |
| 21インチモード | WQHD(2560×1440) | HD(1280×720) |
つまり、21インチでフルHD 480Hzプレイはできないってこと。
せっかくのデュアルモードも、32インチのフルHDだと画質が荒すぎる。
かといって画面サイズを下げれば解像度も下がり、そこからデュアルモードでさらに半減するから、
結局ドットが潰れてディティールが悪化する、という。
21インチで720pの480Hzが使えることに魅力を感じるなら良いんですけれども、
私はちょっと勘違いしていましたし、正直、ここまでして32インチでFPSをやるのか?というのはある。
あと、デュアルモードの切り替えがホットキーに割り当てられないのも、操作性としては惜しいところ。
リモコンがある分マシとはいえ、ワンボタンで切り替えたい機能ではあります。
あくまで32インチをベースに使うディスプレイだということ。
「24インチでも、使おうと思えば使えるよ」くらいに考えておくのが、ちょうど良いんじゃないかなと。
競技FPSが目的なら、最初から24インチなり27インチなりで、
高リフレッシュレートのモニターを選んだ方が、幸せなんじゃないかな?とも思いました。
逆に言えば、仕事で広い作業領域が欲しい、映画も観たい、RPGやアクションも遊びたい。
そういう「1台で何役もこなしたい」人にとっては、32インチの汎用性は大きなメリットになります。
アスペクト比変更モードは、メイン機能ではなく拡張機能。
そう捉えておくと、期待値を裏切られずに済みます。
その他、細かな注意点
デメリットとまではいかないものの、細かい部分で気になった点もいくつかありました。
メニューの日本語がちょっと怪しい
中華モニターあるあるなんですけれども、一部の機能名や説明文の日本語が不自然です。
例えば、スナイパーモードが「ナイトビジョン」と表記されていたり、ゲームアシストの説明が分かりにくかったり。
機能自体は問題なく動作するんですが、何のことなのか理解するのに時間がかかりました。
最終的にはリモコンで片っ端から試して覚えた、というのが正直なところ。
VESAマウントが75mm
一般的な100mmではなく、75mm規格です。
しかも取り付け部分がへこんでいるので、付属のスペーサーをねじ込む手間がありました。
初回設置のときだけの話とはいえ、モニターアームを使う人は事前に確認しておいた方が良いです。
スピーカーは5W×2
モニター内蔵としては悪くないんですけれども、低音は弱い。
というか、この画質を見てしまったら、スピーカーも別で欲しくなると思います。
ACアダプタがデカい
240Wと消費電力が大きいため、アダプタも巨大です。
一応、実際の消費電力も計測してみました。
| 使用状況 | 実測消費電力 |
|---|---|
| 通常使用時 | 約40〜50W |
| USB-C給電を併用 | 一気に約100Wまで上昇 |
まぁ、ハイスペックモニターなので、電力云々の話は仕方ないですね。

そして重要なのは、これらの細かい点を全部ひっくるめても、13万円という価格が効いてくるということ。
同等性能の他社製品なら20万円以上します。
完璧を求めるなら倍の値段を払う必要があるわけで、そう考えれば十分に許容範囲かなと。
27インチモデルとの比較
KTCのOLEDモニターには、27インチの有機ELモニター「G27P6S」というモデルもあります。
32インチと悩む人も多いと思いますので、両者の主なスペックの違いを見ておきましょう。
| G32P5(32インチ) | G27P6S(27インチ) | |
|---|---|---|
| パネル | 有機EL | 有機EL |
| 画面サイズ | 32インチ | 27インチ |
| 解像度 | 4K(3840×2160) | WQHD(2560×1440) |
| リフレッシュレート | 240Hz | 240Hz |
| デュアルモード(480Hz) | あり | なし |
| HDR認証 | DisplayHDR TrueBlack 400 | DisplayHDR TrueBlack 400 |
| アスペクト比変更モード | あり(21〜27インチ) | なし |
| リモコン | あり | なし |
| 人感センサー | あり | なし |
| ピボット(縦置き) | なし | あり |
| 保証 | 3年 | 3年 |
| 価格(収録時点) | 約14万円台/セール12〜13万円 | 約10万円/セール約8万円 |

どちらも有機ELパネルで、240Hzの高リフレッシュレートというのは変わらず。
主な違いは、ディスプレイサイズと解像度です。
32インチが4Kに対し、27インチはWQHD。
27インチもDisplayHDR TrueBlack 400認証を取得しており、私がパッと見る限り、映像の綺麗さはほぼ同じ。
パネルも、おそらく同じなんじゃないかなと。
ただ機能面では結構違う部分が多くて、27インチモデルは480Hzのデュアルモードには未対応。
リモコンも付いてなくて、人感センサーもありません。
価格は約10万円ほど。セール価格なら約8万円といったところ。
3年保証付きで、27インチもコスパは悪くないとは思う。
ただ正直、32インチモデルに比べると、そこまで魅力的だとは感じませんでした。
確かに3〜5万円ほど安いんで悪くはないんですけれども、32インチモデルが全部入りすぎるというのがある。
画面サイズと解像度が上がるだけでなく、より多機能になってますからね。
32インチで27インチモードにすることもできますし、やっぱりリモコンがないのが痛い。
リモコンの便利さに慣れてしまうと、ちょっとリモコンがないのは嫌ですね。
OLEDを使うなら、間違いなくリモコンはあった方が良いですから。
もちろん、少しでも安く済ませたい人はいるはずだし、
物理的なサイズの問題で27インチの方が良い人もいるでしょう。
27インチのスタンドはピボット対応で、縦置きも可能です。
デスクシェルフを使っている人なら、物理的にも32インチはデカすぎるし、少なからず圧迫感もありますからね。
ただ、画面サイズに関してはデスクの奥行きとの兼ね合いもある。
私の友人は32インチでゴリゴリFPSゲームもやってますし、視聴距離が適正ならサイズはある程度融通も効くわけで、
デスクエクステンダーなどで視聴距離を調整するという手もあると思っています。
私はディスプレイとキーボードでデスクを分けたりもしてますし、
そもそもデスクの上にPCを置く必要がない、というのは以前の動画でも申し上げた通りです。
結局のところ、FPSをメインで考えるかどうか。
色々なゲームをやったり、動画を観たり、仕事で使ったり。
マルチに使いたいなら32インチの方が汎用性が高いし、
機能面でのコスパを考えても、32インチに軍配が上がるとも思いました。
KTC G32P5まとめ
OLEDモニターって、あんまり良いイメージがなかったんですが、
今回KTCのモニターを使ってみて、私の知っているOLEDとは別物に進化していると感じました。
一口にOLEDと言っても、数年前のものとは全然違う。
応答速度もさることながら、明るさも改善されているし、焼き付き対策も充実。
ノングレアパネルの質も向上しており、反射を抑えながらこれだけクリアな映像を表現できるのはすごいなと。
少なくともKTCに関しては、安かろう悪かろうでもないですからね。
むしろ機能がてんこ盛りで、480Hzのデュアルモード、21インチや24インチへのサイズ変更モード、
65W Power Delivery対応のUSB Type-C、KVMスイッチ機能に、人感センサー、リモコンまで付いている。
それでいてパネルは極薄でベゼルレス。
デザインも洗練されていて、いわゆる中華モニター的な安っぽさがないのがとても良い。
これだけのハイスペックなモニターが約12〜13万円ほどで、しかも3年保証。
OLEDモニターとしては間違いなく格安であり、他社では真似もできないんじゃないかなと。

で、買うかどうかの判断ですが、決め手は結局、自分の使い方だと思います。
まず引っかかるのは、やはり焼き付きです。
保護機能も保証も充実していますが、リスクがゼロになるわけではない。
焼き付きと付き合うこと自体が嫌で、何も考えずに使い倒したいなら、素直にミニLEDです。
競技FPSがメインの人も、最初から24〜27インチの高リフレッシュレート機を買った方が幸せです。
アスペクト比変更モードは「使おうと思えば使える」拡張機能であって、FPS専用機の代わりにはなりません。
逆に、ゲームも動画も仕事も1台でこなしたい人ほど、32インチの4Kが効いてきます。
用途がFPS一本なら、この汎用性にお金を払う意味は薄い。
27インチとの間で最後に効いてくるのは、リモコンと人感センサーに価値を感じるかです。
OLEDは設定をいじる機会も、警告をキャンセルする機会も多い。
その手間を毎日どう感じるかで、3〜5万円の価格差の見え方が変わります。
本格的なゲーミングモニターとしてだけでなく、
仕事用ディスプレイとしても悪くないんじゃないかなと思いました。
P.S.
ミニLEDモニターが安くなったと思ったら、OLEDモニターも安くなってきましたね。
最近はスマホでもOLEDが増えており、やはりOLEDの方が綺麗に見えるイメージもある。
どちらか選べといえば、今はOLEDかなと。
今まで綺麗だと思っていたミニLEDのモニターなんですけれども、
ちょっとOLEDで揃えたくなってしまっている自分もいますからね。
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