- サウンドバーは天板の反射と振動で直置きだと音がこもる
- デスクも賃貸の壁も、板を1枚かませて浮かせるのが解決策
- 空中設置の追加費用は鬼目ナット4個で約60円、音も劇的に改善する
テレビの音を手っ取り早く良くするなら、サウンドバー。
これはもう定番の答えです。
ただ、いざ買おうとすると意外と悩むのが設置場所なんですよね。
賃貸だと壁に穴が開けられないから壁掛けはできないし、テレビ台のスペースは限られている。
買ったはいいが置きたい場所には置けず、せっかくの良い音を活かしきれない、というのはよくある話。
かくいう私も、MarshallのサウンドバーHeston 60をテレビ前に置くつもりが、
あれやこれやと2ヶ月ほど試行錯誤する羽目になりました。
その結果たどり着いた結論は、サウンドバーは「浮かせる」と化けるということ。
この記事では、賃貸でできるサウンドバーの設置方法4パターン
(デスク直置き・モニターアームで空中設置・壁掛け・棚置き)を、
実際にやってみて気づいたことと一緒に、この記事に全部書いています。
※本記事は、製品提供を受けて制作したPR動画の連動記事です。動画と同じく「話半分くらいに疑い深く」読んでいただけると幸いです。とはいえ、良かった点もイマイチだった点も正直に書いています。
動画では、板のカットから鬼目ナットの打ち込み、壁掛けの取り付けまでのDIY工程と、
設置場所ごとの見た目の変化が実映像で見られます。
浮かせた時の浮遊感は文字では伝わらないので、そこは動画でどうぞ。
サウンドバーを使う理由
サウンドバー最大の魅力は、設置の手軽さにあります。
本格的なホームシアターのように、アンプを用意して、スピーカーを何台も配置して、部屋中を這うケーブルと格闘する必要がない。
スピーカーは1本で完結、テレビの前に置いてケーブル1本つなぐだけ。
デスクで使う場合も、左右のスピーカーをつなぐケーブルが消えるだけで、机の上は驚くほど片付きます。
ただ、従来のサウンドバーには不満もありました。
とにかく長い。黒いプラスチックの塊で、いかにも「サウンドバー」という見た目。
テレビの前に置く前提で作られているから横幅は1mクラスで、接続もHDMIくらいしかなく、テレビ以外では使いたくても使えなかったのです。
今回使うMarshallの「Heston 60」は、この不満をうまく消し込んでいます。
提供品なので話半分に聞いてほしいのですが、話半分だとしても、よくできた製品だと感じました。
まず、デザインと質感。
黒いプラスチックの塊ではなく、Marshallのアンプそのものの見た目なので、部屋のどこに置いても様になる。
むしろ「見せること」を前提としたスピーカーです。
スピーカーはどうしても黒一択になりがちですが、白系の部屋に合わせられるCreamカラーがあるのも嬉しいところ。

サイズも、サウンドバーとしては短い横幅73cm。
テレビ台はもちろんデスクにも無理なく収まり、小さい画面ともバランスよく並べられます。
実際、32インチモニターと組み合わせると、まさにシンデレラフィット。

そして、競合にない強みが接続性の広さです。
このサイズでDolby Atmosに対応し、HDMIに加えて3.5mmステレオミニジャックのアナログ入力(AUX)まで装備。
ワイヤレスもBluetoothだけでなく、AirPlay、Google Cast、Spotify Connect、TIDAL ConnectとWi-Fi系にフル対応しています。
テレビ用スピーカーとしてだけでなく、PCスピーカーとしても、単体のオーディオ機器としても機能する。
サウンドバーの手軽さと、コンポのような拡張性の両立です。

低音が弱いというサウンドバーの宿命も、後からサブウーファーの「Heston Sub 200」で拡張できます。
低音は人間の耳では方向が分かりにくいので、テレビの横に置く必要はありません。
ワイヤレス接続なので、デスクの足元でもソファーの横でも、邪魔にならない場所に置いておけばいい。
そこら辺に置いても様になるのが、Marshallの良いところだと感じました。

実践編。デスクへの設置
直置きで見えた問題
まずは一番シンプルな方法から。
モニターの下、デスクシェルフの空きスペースに、そのまま置いてみました。
左右にスピーカーを並べるスペースも、スピーカー同士をつなぐケーブルも要らないので、見た目は劇的にすっきりします。
ところが、この状態で音楽を流しながら作業してみると、何かがおかしい。
スピーカーが耳よりだいぶ低い位置にあるせいで、音が下から鳴っている違和感がどうしても拭えないのです。
スピーカーから出た音がすぐ目の前の天板に当たって跳ね返る「一次反射」の影響もあり、
反射音と直接音が混ざって、Marshall特有のキレのある音がこもって聞こえる。
音量を上げれば、今度はデスクが震え出します。
場所の問題もあります。
ディスプレイの下は、ディスプレイワークにおける一等地。
私はディスプレイを視線より下に置きたいので、そこにサウンドバーがあると画面の位置が上がってしまう。
見た目がすっきりするだけに惜しいのですが、直置きは「音」と「場所」の両方で引っかかりました。

モニターアームで浮かせる
音が下から聞こえるなら、上に上げればいい。
デスクが震えるなら、デスクから離せばいい。
というわけで、モニターアームを使ってサウンドバーを空中に浮かせます。
Heston 60は壁掛けに対応しているので、モニターアームでスピーカースタンドを自作するより話が簡単です。
アームは本来、ディスプレイという重い板を垂直に持ち上げるための道具。
棚型の自作スタンドと違ってバランス取りに悩まされることもなく、ぶつけてズレることもありません。
モニターの代わりに木の板をVESAマウントへネジ止めして、その板に壁掛けパーツごと固定する、という理屈です。
手順は4ステップ。
1. サウンドバーのサイズに合わせて板をカットする
2. 板にVESAサイズの穴を開けて、モニターアームの先に固定する
3. 板にサウンドバー付属の壁掛けパーツを取り付ける
4. サウンドバーを上からスッと差し込んで完成
壁掛けパーツは本体に付属していて、取り付け位置をそのまま測れる専用マニュアルまで同封されています。
板は、以前つっぱりDIYで使ったワンバイ材の端材。
寸法さえ指示すればホームセンターが無料でカットしてくれますし、この大きさならカット込みの通販でも安く済みます。

板を繰り返し脱着したいなら、鬼目ナットを仕込んでおくと楽です。
私が使ったのはM4の打ち込み式(Aタイプ・長さ10mm)で、1個15円ほど。4個でも100円しません。
下穴を6mmで開けてハンマーで打ち込むだけですが、初めて使うなら、ねじ込み式のつば付き(Dタイプ)の方が扱いやすいと思います。
解体したニトリのダイニングテーブルの端材で、コンクリート塗装版も作りました。
ベースの黒を活かした、あえての雑塗り。
最後に自作の証としてレーザー刻印を入れて完成です。

肝心の音は、同じスピーカーとは思えないほど変わりました。
天板の反射と振動から解放されて、Marshall本来のクリアな音がそのまま耳に届く。
スピーカーが顔の正面に来たことも大きく、音の輪郭がはっきりして、空間の広がりも感じられるようになりました。
アームの可動域がそのまま使えるので、耳の高さに合わせた微調整も自由自在。
Marshallはロゴも操作パネルも向きを変えられて、壁掛けパーツはマグネット固定なので脱着も簡単です。
浮かせた方がカッコいいまであります。
かかった費用は、板が端材なので鬼目ナット4個分の約60円。
サウンドバー本体は2.76kgと軽く、余っていたエルゴトロンのアームで問題なく支えられています。

実践編。サブウーファー設置
Heston Sub 200の置き場所は、サウンドバー以上に悩みました。
まず、何も考えずデスクの上に置いてみた結果は、ご想像の通りです。
さすがMarshallの低音で、デスクがまさに震源地になる。
マウスを握る手は痺れ、飲み物は揺れ、作業どころではありません。
何より、貴重な作業スペースが巨大な箱に占領されてしまいます。

ウーファーは床置きが一般的ですが、デスク周りの床には物を置きたくないし、我が家は賃貸。
このパワーを床に直置きするのもためらわれます。
たどり着いた答えが、デスク下のデッドスペースでした。
自作したデスクシェルフをデスクの下に入れて、デスク棚として使う方法です。
シェルフの脚をデスク脚と同じ幅で作っておいたおかげで、デスクの上にも下にも収まる。我ながら天才ですね。

低音には指向性がほとんどないので、正面に置く必要はありません。
ワイヤレス接続で電源さえあれば場所を選ばないため、サイドテーブルでも背面棚でも、
実際に音を聴き比べながら好きな位置を探せばよいと思います。
実践編。テレビへの壁掛け
リビングでは、壁掛けテレビに合わせてサウンドバーも壁掛けにしました。
最近のテレビは画質こそ素晴らしいものの、薄型化の代償でスピーカーの音はペラペラになりがちです。
大画面の迫力に、音が付いていかない。
このアンバランスを埋めるのが、またしてもMarshallというわけです。
スタンドバーで土台を作る
問題は、賃貸の壁に穴を開けられないこと。
そこで「STAND BAR(スタンドバー)」というDIYパーツを使います。
石膏ボードの壁なら、細いピンだけで木の板をがっちり固定できる優れもの。
壁に板さえ付けば、あとはモニターアームのときと同じ「板を介して固定する」理屈がそのまま通用します。

取り付けも4ステップです。
1. 板にスタンドバーのパーツを固定する
2. 印付け用パーツを付けて壁に押し当て、位置に印をつける
3. 印に合わせて土台を専用の細いピンで固定する
4. 板を上からガチャッとはめ込む
あとはこの板にMarshallの壁掛けパーツを取り付けて、サウンドバーを差し込むだけ。

壁掛けの仕上がりと使い勝手
仕上がりは、壁掛けテレビ単体のときより明らかに良くなりました。
ゴールドのロゴにレザー調の質感で、一般的なサウンドバーのような家電感がない。
オーディオ機器を掛けているというより、おしゃれな家具を掛けている感覚に近いです。

機能面も抜かりありません。
テレビとはeARC対応のHDMIで接続しているので、PlayStation 5やNintendo Switch、Blu-rayプレイヤーの音も劣化なしのデジタル伝送で出力できます。
電源も音量もテレビのリモコンに連動するため、家族が「音が出ない」とパニックになることもない。
実際に映画を観ると、画面のデカさと音の厚みが揃ったときの破壊力はすごいです。こうなるとサブウーファーも欲しくなる。
サウンドモードも実用的でした。
BGMばかり大きくてセリフが聞き取れないときは、Voiceモードで人の声だけが浮き上がります。
集合住宅にありがたいのがNightモードで、大きな音を抑えつつ小さな音を持ち上げてくれるので、深夜でも隣のお宅を気にせず映画に没入できます。
なお、スタンドバーでウォールシェルフ(壁面棚)を作って、その上に置く方法もあります。
棚置きなら観葉植物やリモコンの置き場も一緒に作れるので、部屋の雰囲気に合わせて選べばよいでしょう。
活用編。AirPlayとリビング
Heston 60の真骨頂は、ワイヤレス接続の豊富さにあります。
テレビやパソコンと有線でつないで終わりでは、正直もったいない。
特に効くのがAirPlay 2対応です。
HomePodやHomePod miniを持っているなら、それらとの同時出力ができます。
どれだけ良いスピーカーでも、距離が離れれば音は減衰します。
広いリビングでは、テレビ下のサウンドバー1本で部屋全体をカバーしきれないんですよね。
そこで、ソファーの後ろや部屋の四隅にHomePodを置いて、サウンドバーと同時に鳴らす。
AirPlay 2ならタイミングも完璧に同期するので、音のズレやエコーの心配もありません。
こうすると、どこから鳴っているのか分からないのに部屋全体が音で満たされる、不思議な空間になります。
あえて音を自分に向けないことで音圧の圧迫感が消え、音に意識を持っていかれない。
カフェやホテルのラウンジが落ち着くのと同じ原理で、会話や作業を邪魔しないBGM環境が作れるのです。
沈黙に耐えられずテレビをつけがちな私には、ちょうどいい塩梅でした。

頭上のダクトレールに吊るしたHomePod miniと、デスクのサウンドバーを同時に鳴らす遊びもしています。
正面から、頭上から、シャワーのように音に包まれる。
パワープレイのサラウンドですが、これがまた違った鳴り方で面白いんですよね。

注意点は、ワイヤレスの遅延です。
AirPlayは仕組み上バッファリング(データの先読み)を行うため、映像に対して音が遅れます。Bluetoothも同様。
PC作業やゲームでは有線接続にするか、私はゲームならイヤホンやヘッドホンを使ってしまいます。
用途に合わせて接続方法を切り替えられる、この選択肢の多さこそHeston 60最大のメリットだと感じました。
サウンドバーDIYまとめ
2ヶ月の試行錯誤の結論は、「リビングだけでなく、デスクにサウンドバー」は大いにアリ、です。
このコンパクトさでモニター内蔵スピーカーとは次元の違う音が出て、多機能なワイヤレススピーカーとしても優秀。
「テレビの音を良くしたい」というふんわりした動機で導入しても、満足度は高いはずです。
迫力が欲しくなればHeston Sub 200を足して本格的なシステムへ昇格できますし、HomePodと組み合わせたなんちゃってサラウンドも楽しい。

そして使い込むほどに効いてくるのが、この拡張性と懐の深さです。
テレビのスピーカーとして買ったつもりが、気づけばPCのスピーカーになり、リビングのオーディオになる。
どこでも使えるから、いつまでも使い続けられる。
我が家の押し入れには、出番を失ったスピーカーがいくつも眠っています。
結局のところ生き残るのは、環境の変化に最もよく適応できるスピーカーなんじゃないかなと思いました。
▶ 板のカットから壁掛けまでのDIY工程は動画で詳しく解説しています → YouTubeで見る
チャンネルではデスクセットアップ・ホームシアター・賃貸DIYのレビューを続けています。よろしければチャンネル登録もどうぞ。
P.S.
実はこのサウンドバー、当初はテレビの前に置いて使うつもりでした。
ところが、うちのテレビがデカすぎてなんだかアンバランス。
試しにデスクに置いてみたら、今度は音がイマイチ。
頑張ってモニターアームで浮かせたら、最高になりました。
置き場所に2ヶ月悩んだおかげで、動画1本と記事1本ができたわけです。
スピーカーは、置く場所次第で音が全く変わる。
何かの参考になれば幸いです。

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