- 超短焦点は壁に直接投影すると歪むのでスクリーン必須
- 明るい部屋ではゲイン0.6のALRが1.3のマットに勝つ
- 賃貸の120インチは6畳間の長辺でギリギリのサイズです
超短焦点プロジェクターは、投影する場所で映像が別物になります。
以前、AWOL Visionの超短焦点プロジェクター「Aetherion Max」をレビューして、
テレビと錯覚するほど綺麗に投影できると紹介しました。
ただ、あれからいろいろな場所で投影するようになって気づいたのが、
投影する場所によって映る映像が大きく変わってくるということ。
もちろん従来のプロジェクターでも、スクリーンによって映像は違ってきます。
ただ、超短焦点プロジェクターはスクリーンの影響がもっと大きい上に、
専用スクリーンの種類もめちゃめちゃ豊富なのです。
マットスクリーンとALRスクリーンでは、映像がどう変わるのか。
気になり始めたらもう止められないわけで、ここ数ヶ月ほど、スクリーンを取っ替え引っ替えしながら試行錯誤してきました。

今回試したのは、吊り下げ・自立式(ポップアップ)・壁掛け(固定フレーム)の各タイプ。
マットスクリーンとALRスクリーンの両方を、100インチと、賃貸住宅における限界サイズの120インチで使い比べています。
| ゲイン | 視野角 | 特徴 | |
|---|---|---|---|
| マット(固定フレーム) | 1.3 | 170度 | 全プロジェクター対応。暗い部屋向き |
| レンチキュラーALR(固定フレーム) | 0.6 | 170度 | 天井光を95%カット。明るい部屋OK |
| マット(ポップアップ100型) | 1.3 | 170度 | 電動昇降。重量約24kg |
| レンチキュラーALR(ポップアップ120型) | 0.8 | 170度 | 電動昇降。重量約28kg |
| フレネルALR | 1.5 | 90度 | 横からの光もカット(環境光85%カット)。正面視聴向き |
なお、長焦点プロジェクター用のスクリーン比較(格安マット・自立式・ALR)は別記事にまとめています。
この記事は超短焦点プロジェクターの話です。
→ 関連記事:長焦点プロジェクターのスクリーン選び
壁に直接投影した結果
プロジェクターって、壁に投影してもそこそこ綺麗に映るというイメージがあると思います。
私自身、我が家の壁は白いし、平らに見えるし、これで十分綺麗に投影できると思っていました。
ところが、Aetherion Maxで実際に投影してみると、思っていた以上に歪んでしまって、正直見るに堪えませんでした。
上の方も歪んでいるし、横のラインもまっすぐではない。
特に端の方に行くほど、歪みがハッキリ出てしまう。

賃貸に限らず、一般住宅の壁は思った以上に歪んでいるのです。
さらに壁紙の表面もデコボコしているので、映像に黒いボツボツが浮かんで、キメも粗くなります。
一般的なプロジェクター(長焦点プロジェクター)なら正面から光が当たるので、このデコボコはあまり気になりません。
ところが超短焦点プロジェクターは、壁の真下から急な角度で光を当てるので、わずかなデコボコも全部影になって浮かび上がってしまうのです。
明るい部屋ではさらに厳しくなります。
白い壁紙は部屋の明かりも全部反射してしまうので、映像が白く霞んでしまう。
せっかくの高性能プロジェクターなのに、これではもったいないですからね。

というわけで、超短焦点プロジェクターは「壁紙には投影できない」と思って使うべきです。
綺麗に映る壁紙も無いわけではないと思いますが、基本的には使えない前提で購入した方がいいし、専用スクリーンは絶対に用意した方がいい。
ちなみにスクリーンには吊り下げタイプという手軽なものもありますが、あれはスクリーン生地が重力に引っ張られて垂れているだけ。
超短焦点に必須の「平ら」が出ません。
そもそも長焦点プロジェクター専用で、短焦点・超短焦点には対応していないので使えません。
仮に使ったとしても波打ってしまって、見るに耐えないと思います。
超短焦点プロジェクターで使うなら、端から端まで生地をピンと張れる専用スクリーンが前提となります。
マットスクリーンの組み立てと設置
まずは定番のマットスクリーンから。
マットスクリーンというのは、表面が艶消し加工されていて、光を均一に拡散反射するスクリーンのこと。
どの角度から見てもほぼ同じ明るさで見える、いわゆる一般的なスクリーンです。
以前の動画では「マットスクリーンは格安品と高級品で、値段ほどの違いは無い」と結論づけたのですが、あれは長焦点プロジェクターでの話。
超短焦点プロジェクターでは話が変わってくるはずで、固定方式によって見え方がどう変わるのかも含めて確かめました。

使ったのは、AWOL Visionの固定フレームタイプの白いマットスクリーン。
Aetherion Maxのような超短焦点プロジェクターにも対応したモデルです。
固定フレームの組み立ては2人必須
固定フレームというのは、組み立てたフレームにスクリーン生地を裏側からバネで引っ張って固定する方式です。
生地の四隅にファイバーロッドという棒を通して、そこにバネを引っ掛けて、内側のフレームへ均等に張っていきます。
このフレームの組み立ては、やりながら確認しないと分からなくなる部分も多いので、AWOL Vision公式のチュートリアル動画をすぐ再生できる状態にして、マニュアルも手元に置いてから作業に移った方がいいです。
公式の動画はけっこう簡単そうにやっていますが、説明が足りていない部分もあると感じました。

組み立てではバネを引っ掛けていく順番も大事なのですが、それ以上に大事なのが、フレームに対してスクリーン生地を中央に置くこと。
生地を両端から均等に引っ張っていくわけですから、中央に置けていないとそもそも均等に引っ張れないのです。
実際にやってみると、この「均等に張る」のがなかなか難しい。
バネの引っ張りが偏ると、そこにシワが入ってしまいます。
かくいう私も勢いでやってしまってうまく張れず、一旦組み立てた後にフレームを外して、やり直すハメになりました。
これから組み立てる方は、マニュアルで仕組みを理解した上で、生地とフレームの中央合わせに気をつけてください。
あと、この組み立ては絶対に2人でやってください。
120インチともなると生地もフレームもとにかく大きいし、バネは左右から同時に、均等に張っていく必要があります。
一人ではどうにもなりません。

作業スペースにも余裕が無いと、色々とずれやすくなるし、身動きも取れなくなってストレスが溜まります。
結局のところ、一番のネックは120インチを広げられるスペースと作業スペースの確保。
仕組み自体はそれほど複雑ではないので、時間と場所に余裕を持って、焦らずやることをお勧めします。
賃貸の壁問題は柱で解決する
スクリーンが組み上がったら壁への取り付けですが、賃貸で問題になるのはやはり壁です。
横幅2.7mの「何も無い平らな壁」が、まず無いのです。
窓があったり、ドアがあったり、エアコンがあったり。
我が家もご多分に漏れず、ちょうど良い壁が無かったので、柱を立てて作りました。
やり方は、以前ValerionのALRスクリーンを壁掛けしたときと全く同じ。
2×4材の柱をディアウォールで立てて、そこにスクリーン用の金具を付けて引っ掛けます。
このスクリーンは左右2箇所を付属金具で吊るタイプなので、柱も左右の2本でOKです。

柱にかかった費用は、2×4材が1本約1,000円、突っ張りアジャスターのディアウォールが1個約1,000円。
柱2本分で全部で約4,000円ほどとなります。
ラブリコでも良いし、大きな壁面があるならSTAND BARといった石膏ボード壁対応製品で柱を作って取り付けても良いと思います。
柱の立て方のコツや各製品の違いは、以前のホームシアターDIYの記事で解説しています。

→ 関連記事:賃貸100インチホームシアターのDIY
ただし本来このスクリーンは壁面に固定するものなので、柱方式はくれぐれも参考までに。
金具の位置は先に計算する
固定フレームの設置には、超短焦点プロジェクターならではの注意点があります。
超短焦点プロジェクターは本体を置く位置でスクリーンの位置がほぼ決まってしまうので、スクリーンを掛けてから「映像が合わない」となると、壁掛け金具の穴を開け直すことになるのです。
これを避けるために、金具を固定する位置は予めしっかり計算しておく。
プロジェクターの仕様から映像位置を割り出しておいた方がいいです。
例えば、Aetherion Maxを床置きで120インチ投影する場合の位置関係を、仕様から計算しました。
・映像の下側:床から約44cm
・映像の縦幅:約149cm
・映像の上側:床から約193cm
・スクリーンのフレーム上端:映像の上に余白1.5cm+フレーム1cmが乗って約195.5cm
・壁掛け金具:フレーム上端から10.5cm下=床から約185cmの位置
私はこの計算で金具位置を決めて、最後はプロジェクター側の機能で微調整して合わせました。
取り付け手順の正式なやり方は、マニュアルか公式動画で確認してください。
下の図が、計算に使った投影距離の早見表です。
120インチの行にあるD=43.6cmが、上に書いた「映像の下側は床から約44cm」にあたります。

マットスクリーンの実力と限界
このマットスクリーンの公称スペックは、ゲイン1.3、視野角170度。
長焦点・短焦点・超短焦点と、全てのプロジェクターに対応と謳われている万能型です。
実際に投影してみると、マットスクリーンでも全然綺麗ですね。
適当な壁に直接投影するのとは別物。
固定フレームなので生地はピンと張れているし、波打ちや歪みも無い。
超短焦点プロジェクターでも端から端まで歪みが無く、しっかりピントも合っています。
専用スクリーンなので当然と言えば当然なのですが、壁面や吊り下げスクリーンとは雲泥の差。
超短焦点プロジェクターには「平らであることが必須」だと痛感しました。
マットスクリーンには、万能に使えるというメリットもあります。
ALRスクリーンのように光の来る方向を選ばず、当たった光をそのまま全方向に拡散するので、全タイプのプロジェクターに対応できる。
一般的なプロジェクターとも併用できるし、プロジェクターを買い替えても使い回せる。
しかもALRスクリーンよりだいぶ安いですからね。

ただ、そんなマットスクリーンにも弱点があります。
マットスクリーンは暗い部屋で使うのが前提のスクリーンで、部屋が明るくなると映像が白っぽく霞んでしまうのです。

理由は、光を全方向に拡散する構造そのもの。
真下から投影する超短焦点プロジェクターだと、光が天井方向にも逃げがちです。
いわゆるウォッシュアウトというやつで、映像全体が白っぽく、コントラストも低くなりがち。
この2つが相まって、昼間や明るい部屋ではちょっと使えないなという印象でした。
では、明るい部屋でも綺麗に見たい場合はどうすればいいのか。
ここでALRスクリーンの出番です。
ALRスクリーンで何が変わるか
ALRというのはAmbient Light Rejectionの略で、環境光を弾くスクリーンのこと。
天井の照明や窓からの光をカットして、プロジェクターの光だけを反射することで、明るい部屋でも綺麗に映るスクリーンです。
以前の動画ではValerionの長焦点用ALRスクリーンを紹介しましたが、今回は超短焦点専用のALRスクリーン。
同じALRという名前でも、光の来る方向が違うので中身は完全に別物です。
レンチキュラーの仕組み
今回の本命、レンチキュラー方式のALRスクリーンは、表面に水平方向の細かい溝が無数に刻まれています。
溝の下側は光を反射する面、上側は光を吸収する黒い面になっている。
そのため、真下から来るプロジェクターの光は見ている人の方へ反射して、上から来る天井照明の光だけを吸収するという仕組みです。
プロジェクターの光が真下から来る、超短焦点プロジェクターだからこそ成立する賢い構造なのです。
この黒い吸収面がスクリーン全体に並んでいるので、離れて見ると白い反射面と黒い吸収面が混ざって、スクリーン全体は少しグレーがかった色に見えます。
白いマットスクリーンと並べると、色の違いは一目瞭然。

そしてこのグレーには、もう一つ意味があります。
プロジェクターは黒を投影するときでも光を完全にゼロにはできないので、黒がわずかに明るく浮いてしまう「黒浮き」が発生します。
スクリーンの地の色を予め暗くしておくことで、この黒浮きを抑えて、黒をより黒く沈められるというわけです。
ちなみに組み立ては、白いマットスクリーンと全く同じ方式でした。
フレーム構造も共通で、生地の四隅にファイバーロッドを通してバネで張っていく。
「生地を中央に置くのが大事」というのも同じです。
レンチキュラーの生地は表面に溝が刻まれている分、マットスクリーンよりも剛性が強くて、防水シートのような質感。
分厚くて重量もしっかりあるので、置いた時点でシワが入りづらいし、置いた位置からもズレづらい。
バネを引っ掛けるのに力は要りますが、「均等に張る」という作業自体はマットスクリーンよりやりやすいと感じました(2回目の慣れもあるかもしれませんが)。

フレームの外側はマットスクリーンと同じなので、壁掛けパーツも完全に一緒。
柱はもう立ててありますから、スクリーンを掛け替えるだけです。
暗い部屋では、むしろマットの方が明るい
このレンチキュラースクリーンの公称スペックは、ゲイン0.6、視野角170度。
天井からの環境光を95%カットします。
面白いのがこのゲイン0.6という数字です。
白いマットスクリーンのゲインが1.3ですから、数字の上ではずいぶん暗いスクリーンということになります。
実際、暗い部屋で比較すると、このゲインの差が素直に出ました。
マットスクリーンの方が明るく見えるのです。
なお我が家の比較は、手前にポップアップのマット、奥に固定フレームのレンチキュラーという配置なので、距離まで揃えた厳密な比較ではないことは断っておきます。

とはいえレンチキュラーの方は色が濃く映っていて、どちらが綺麗かと言われれば正直好みの問題。
そもそも並べて比べたから分かった話で、どちらも単体で見れば十分に明るいし、めちゃめちゃ綺麗です。
明るい部屋で逆転する
ところが、明るい部屋で投影すると違いが顕著に出ます。
部屋が明るくなった途端、マットスクリーンは白っぽく霞んでしまうのに対して、レンチキュラーは明るさもコントラストもしっかり残っている。
これはALRスクリーン自身が明るく反射できるわけではなく、部屋の明かりを抑えているから。
環境光を抑えることで黒はより黒く見えるし、コントラストも際立つ。
結果として明るい部屋では、反射率の高いマットスクリーンよりも明るくクッキリ見えるのです。

ゲイン0.6という数字だけ見ると暗いはずのスクリーンが、明るい部屋ではマットを上回って見える。
スペックの数字と実際の見え方が逆転する、面白い体験でした。
視野角170度と目の疲れ
レンチキュラーのもう一つの強みが視野角です。
視野角は公称170度と、マットスクリーンと同じ数字。
ソファーに座って正面から見るだけでなく、ダイニングテーブルから斜めに見ても綺麗だし、床に寝転がって見上げても綺麗。
ALRスクリーンでありながら、どこから見ても綺麗に映ります。


リビングの日常使いには視野角は広いに越したことはなく、下手なminiLEDテレビよりも視野角は広いとも感じています。
結局のところ、暗い部屋で使うならマットスクリーンでも十分です。
ただ、暗い部屋で使うなら超短焦点プロジェクターじゃなくてもいいわけで。
超短焦点プロジェクターの便利さは、壁際に置けて、目の前を横切っても影にならず、配線も邪魔にならず、部屋の中を自由に動き回れること。
せっかく動き回れるプロジェクターなのに、部屋が真っ暗だとやっぱり動きづらいですからね。
部屋が明るいままなら、この便利さがもっと活きるのです。
特にAetherion Maxのような超高性能な超短焦点プロジェクターを使うなら、ALRスクリーンで使わないともったいないと思っています。
あと、これは私が使っていて体感した話ですが、明るい部屋のまま見られるのは目の疲れにも効いていると感じます。
真っ暗な部屋で明るい画面を見ると目が疲れるのは皆さんご存知の通り。
画面と周囲の明暗差が大きいほど目の負担も大きくなると言われていますし、仕事用モニターでも画面と周辺の明るさを近づけることが推奨されていたりします。
プロジェクターの映像は反射光なので、直接光源を見るテレビよりも目が疲れにくいと言われることがあります。
ALRスクリーンならさらに一歩進んで、部屋の照明をつけたまま、画面と部屋の明暗差が小さい状態で大画面の映画を見られる。
明るいリビングのままテレビのように使えるのが、超短焦点プロジェクターの最大のウリなのです。
固定フレームかポップアップか
マットスクリーンにもALRスクリーンにも、固定フレームタイプとは別に、電動タイプの床置きスクリーンが用意されています。
床に置いた本体からスクリーンが電動でせり上がってくる、ちょっとインパクトのあるポップアップスクリーンです。

我が家で使っているのは、100インチのマットスクリーンと120インチのレンチキュラーモデル。
電動なだけあって固定フレームとの価格差も結構あるのですが、では何が違うのか。
映像の差はほぼ無い
まず公称スペックを見ると、マットスクリーンはゲイン1.3・視野角170度と、壁掛け固定フレームと全く同じ数字。
レンチキュラーの方も視野角や環境光カットは壁掛けと同じで、ゲインだけ0.8と、壁掛けの0.6より少し明るい数字になっています。
実際に両方使ってきた感想としては、同じマット同士・同じレンチキュラー同士では、明確な差を感じるのは難しかったです。
ポップアップのレンチキュラーは、言われてみれば少し明るいような気がしないでもない程度。
比べれば分かるのですが、言われたから気づいたというのが正直なところです。
というのも、スクリーン生地の構造自体は同じですし、ポップアップスクリーンもアームで持ち上げながらワイヤーで突っ張る構造で、シワやたるみなくピンと張れるからです。
生地が同じで平らに張れているなら、映る映像に差が出ないのも道理です。
違いは利便性にある
実際のところ、大きく違うのは映像よりも利便性です。
ポップアップスクリーンは床に置くだけなので、壁掛けパーツを取り付ける手間が無いし、そもそも壁面である必要も無い。
設置は圧倒的にラクです。
固定フレームのようにスクリーンを組み立てる手間もなく、投影位置から金具の高さを計算する必要も無い。
ポンと置いてスイッチを入れれば、スクリーンがせり上がってきます。

スクリーンは上方向に余裕があって長くも出せるので、上下の位置合わせも投影サイズの調整もラク。
大は小を兼ねるということで、120インチのポップアップを100インチ投影に使うこともできます。
使わないときは収納できるし、後から動かすこともできる。
模様替えにも引っ越しにも対応しやすいのも利点です。
ただし本体はポップアップの方が圧倒的に重い。
100インチのマットスクリーンで約24kg、120インチのレンチキュラーで約28kg。
長さも2m以上あります。
そのままだと一人では動かせないので、私はキャスター台を作って乗せることで気軽に動かせるようにしています。
長い板にキャスターを付けるだけで簡単に動くようになるし、本体の裏に強力な両面テープで直接キャスターを貼り付けてしまってもいい。
この方法でかれこれ半年以上使っていますが、非公式な方法なのでくれぐれも参考までに。
毎日使うなら出しっぱなしが正解
使い分けとしては、プロジェクター自体も自由に動かせるものなので、スクリーンも一緒に動かしたいならポップアップは大いにありです。
見た目も重厚感があってかっこいいし、使わないときはスクリーンごと隠しておける。
リビングに常にデカい板が張り付いている圧迫感もありません。
床からスクリーンがせり上がってくるインパクトも、これ以上ないものがあります。
プロジェクターってエンタメ的な要素も大きくて、誰かに自慢したくなるものだと思うんですよね。
誰かが来たときに床からスクリーンが出てきたら、絶対面白いですからね。

ただ、実際に使ってみて思ったのは、日々使うつもりならスクリーンは出しっぱなしの方が便利だということ。
そこにテレビがあるのと同じ感覚で、電源を押せばすぐ見られる。
逆にスクリーンを収納してしまうと、出すまでのひと手間で「ちょっと使う」に気合いが必要になるのです。
そして常に出しておくのであれば、実は壁掛けの方が見た目が良かったりもします。
壁掛けの方が薄くてスリムだし、省スペース。
100インチオーバーの大画面なんて、家で見る場所も決まっているはずですからね。
つまり、テレビ代わりに毎日気軽に使うなら壁掛けの固定フレーム。
普段は収納しておいて、見るときだけ出す非日常感を求めるならポップアップ。
この使い分けです。
100インチと120インチの現実
私は吊り下げ・固定フレーム・ポップアップと、100インチ・120インチといろいろなスクリーンを使ってきましたが、固定フレームでもポップアップでも、120インチはとにかくデカいです。
映像部分だけでも横幅約266cm、縦幅約149cm。
フレームも加えると横幅2.7m近く。
ポップアップの120インチなら、スクリーンを収める本体の長さが約2.8mもあります。
120インチは6畳間の長い方に設置して本当にピッタリぐらいのサイズ。
6畳間の短い方だと、だいたい100インチがピッタリです。


そして快適に視聴するには距離も必要です。
120インチを設置するなら最低でも12畳ぐらいは無いと厳しいと思うし、現実的には20畳くらい無いと快適に視聴できないのではないか。
私はあんまり考えずに設置していますが、置けたとしても至近距離で大画面を見ると疲れちゃいますからね。
部屋に置けることと、快適に見られることは別の話。
個人的には100インチぐらいが限界だとも感じています。
ちなみに壁掛けタイプの重さは約12kgと軽いので、設置自体はそこまで難しくありません。
どちらかというと、組み立てる作業スペースと視聴距離を取れるのかの方が重要です。
100インチと120インチ、この20インチの差は思っている以上に大きいので、しっかり計算して、後先考えてサイズを選んだ方がいいと思いました。
フレネルスクリーンとの違い
最後に、もう一つのALRスクリーンであるフレネルスクリーンについても触れておきます。
ALRスクリーンには大きく分けて2つの方式があります。
1つが今回紹介したレンチキュラー、もう1つがこのフレネルというタイプです。
フレネルは、灯台のレンズなどに使われる「フレネルレンズ」と同じ発想のスクリーンで、表面にはプリズム状の細かい溝が同心円状に刻まれています。
レンチキュラーの溝が水平の直線なのに対して、フレネルは同心円の溝で入射光の角度を精密にコントロールして、プロジェクターの光を正面にいる人に集めて反射する構造です。

レンチキュラーとの違いは大きく2つ。
まず、環境光のカットが天井からの光だけでなく、横からの光にも効くこと。
公式では環境光を85%カットと公称されています。
そしてゲインが1.5と、レンチキュラーの0.6よりはるかに高いこと。
明るい部屋でレンチキュラーよりさらに明るく映るスクリーンなのは間違いありません。
ただ、その分視野角が犠牲になっています。
視野角90度と、レンチキュラーの170度に比べると半分近い数字です。
実際に見比べても、明るい場所ではさらに明るく見えるし、暗い場所でもより明るい。
その一方で、横から見ると急激に暗くなってしまう。
床に寝転がって下から見上げるような角度も、レンチキュラーに比べるとだいぶ劣ると感じました。

以前使ったValerionの長焦点用ALRスクリーンもフレネル構造で、横から見ると急激に暗くなるのはフレネルスクリーン共通のデメリットだと思っています。
つまりフレネルスクリーンは、真正面から距離を取って見るためのスクリーン。
視野角が狭いので、距離が取れないと画面の端を斜めから見る形になってしまいますからね。
向いているのは、正面にソファーを構えるシアタールームや距離の取れる縦長の部屋です。
ソファーからもダイニングからも、寝転がっても見たい日本の一般的なリビングには不向きだと感じます。
リビングでテレビ代わりに使いたいなら、視野角の広いレンチキュラーの方が向いています。
ちなみにこのフレネルスクリーン、AWOL Visionから新世代のモデルも登場していて、組み立て方法やスペックも結構変わっています。
ALRスクリーンまとめ
いろいろなスクリーンを試して改めて分かったのは、超短焦点プロジェクターはスクリーンの影響がモロに出るということです。
・投影面は平らであることが必須。壁紙投影は基本的に使えない
・スクリーンはピンと張れる固定フレームかポップアップの二択
・マットスクリーンも綺麗だが、それは暗い部屋での話
超短焦点プロジェクターが便利なのは、明るい部屋で見られることと、自由に動き回れること。
この2つを両立してこそなので、部屋を暗くして見るのはもったいないのです。
せっかく超短焦点プロジェクターを使うなら、明るい部屋で動き回りながら見られるようにすると、だいぶ幸せになれます。
リビングを映画館にするだけでなく、リビングのまま大画面テレビのように使える。
リビングをリビングのまま使うためには、ALRスクリーンが必要というわけです。

そんなALRスクリーンは結構高額なのですが、2026年8月18日から、日本でもMakuakeでAetherion Maxの先行販売が始まります。
キャンペーンの内容は開始後に確認できるようになるので、専用スクリーンも一緒に揃えたい方はチェックしてみてください。
超高性能プロジェクターの性能を引き出すなら専用スクリーンも必要になるので、揃えるにはちょうど良いタイミングです。
最後に一つだけ。
100インチ超えのテレビはめちゃめちゃ高額で、重量も60kgオーバーの世界です。
それに比べれば、壁掛けなら十数キロ、ポップアップでも30kg弱のスクリーンは圧倒的に軽くて手軽なのですけど、手軽に買えてしまうからこそ、サイズは慎重に選んだ方がいい。
テレビの65インチと75インチでもだいぶ違いましたが、スクリーンの100インチと120インチはそれ以上に違います。
キャンペーンでは大型スクリーンも安いので勢い余って大きいサイズが欲しくなるのですが、私のように勢いで選ばない方がいい。
現に我が家には120インチのスクリーンが何枚もあって、「これどうすんのよ」と頭を抱えていますからね。
自分の家にちゃんと設置できるかだけでなく、設置した後の生活スペースまでイメージした上で選んでください。

余談ですが、先日ちいかわの映画を見に行ったところ、「映画館の映像ってこんなんだったっけ?」とビックリしました。
作品自体は思った以上に楽しめたのですが、家のプロジェクターの方が綺麗じゃないか、と思ってしまったのです。
ホームプロジェクターの進化を改めて感じたのでした。
Aetherion Max本体のレビューは別記事にまとめています。
→ 関連記事:AWOL Vision Aetherion Maxレビュー

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