GEEKOM A6レビュー。ミニPCはメインPCの代わりになるのか。

モニター背面のVESAプレートに固定したA6
この記事の結論
  • ゲーム性能は内蔵GPU止まりですが、クラウドゲーミングで補えます
  • 排熱と内部拡張の弱さは、コンパクトさとのトレードオフです
  • メインもサブもリビングも、1台で3役をこなせました

ミニPCといえば、「安いけど遅い」。
サブ機止まりの、間に合わせのパソコン。
私も、ずっとそう思っていた側の人間です。

その思い込みが崩れたのは、仕事でメインに使っていた自作パソコンを撤去して、手のひらほどのサイズしかない「GEEKOM A6」に入れ替えたときでした。
拍子抜けするくらい普通に動くし、むしろ以前より快適なのです。

GEEKOM A6は、コンパクトなボディにAMD Ryzen 7 6800Hを搭載したミニPC。
安くて小さいのに、クリエイティブ作業やゲームまでこなせるという、話題のデバイスです。

スペックを見れば、確かに高性能。
ただ、スペック表を眺めて分かることなんて、たかが知れているのですよね。

実際のところ、デスクトップPCの代わりになるのか。
作業用PCとして、十分な性能を持っているのか。
知りたいのは、そこだと思うんですよ。

数字は、見れば分かります。
けれど、実際に仕事が回るかどうかは、使ってみないと分からない。
というわけで、約1ヶ月ほどメインPCとして使い続けて感じたことを、この記事に全部書いています。
もちろん、気にならない点が無いわけでもないので、そのあたりも正直に。

※本記事は、GEEKOMさんから製品提供を受けてのレビューとなります。なるべく「ありのままにレビューする」ということをお約束のもと、商品も提供していただいておりますので、何卒ご了承いただけると幸いです。

まず、今回の検証機の構成です。

CPUAMD Ryzen 7 6800H(8コア16スレッド・最大4.7GHz)
GPURadeon 680M(内蔵・RDNA2アーキテクチャ)
メモリDDR5 32GB
ストレージ1TB SSD(M.2 NVMe・PCIe Gen4)
OSWindows 11 Pro(プリインストール)
本体サイズ112.4 × 112.4 × 37mm
USBポートType-C×2(USB4 40Gbps×1/USB3.2 Gen2 10Gbps×1)+USB-A×4=合計6ポート
映像出力HDMI×2+Type-C×2(DisplayPort Altモード)=最大4画面
ネットワークWi-Fi 6E/Bluetooth 5.2/2.5GbE有線LAN
その他SDカードリーダー内蔵/VESAマウントプレート付属
保証3年(日本法人「GEEKOM JAPAN」のサポートあり)
価格68,000円

※価格は収録時点のもの。セールや構成違いで変動しますので、最新の価格は公式サイト・Amazonでご確認ください。

数字の並びとしては、悪くない。
ただ、この構成が1ヶ月の実務で何をしてくれるのかまでは、表からは読めないのですよね。

目次

ミニPCに乗り換えた理由

なぜ自作のパソコンからミニPCに乗り換えたのか。
理由は、大きく分けて3つあります。

別に、自作PCが嫌いになったわけではないのです。
ただ、自分の使い方を並べ直してみたら、答えの方が変わっていた。
それだけのことなのですよね。

高性能ミニPCの登場

一つ目は、ここ数年でWindowsのミニPC市場が大きく変わったことです。

以前は「ミニPC=低スペックなサブ機」というイメージが強かったんですよね。
動作が遅かったり、発熱やノイズが大きかったり。
「安価だけど性能が低い」という印象が、どうしても付きまとっていたわけです。

その状況を変えたのが、AMD Ryzenシリーズの進化でした。
特にRyzen 6000シリーズ以降は、ノートPC向けのCPUにも高性能な内蔵GPUが載るようになった。
軽い動画編集やクリエイティブ作業なら、内蔵GPUだけで十分こなせるレベルになっているのです。

内蔵GPUといえば、「とりあえず画面が映るだけのオマケ」。
そんな時代が長かったですからね。
そこが変わったというのが、ミニPCという選択肢が現実的になった最大の理由かなと。

CPUに内蔵されたグラフィック機能だけで、クリエイティブ作業までこなせてしまう。
少し前なら、笑い話だったんじゃないでしょうか。

今回紹介するGEEKOM A6が積んでいるのも、そのRyzen 7 6800Hです。
8コア16スレッド、最大4.7GHzという、ノートPC向けとしては高性能な部類のチップ。
従来のミニPCとは比べ物にならないほど、実用的なパワーを持っているわけですね。

乗り換え前のデスク環境

書類仕事にGPUは不要

二つ目は、自分の用途ではグラフィック性能が要らないと気づいたことです。

以前は、自作PCを使っていました。
グラフィックボードも積んで、それなりに構成にはこだわっていたつもりです。

ただ、考えてみると、WindowsでGPUを使っているのって、主にゲーム用途なんですよね。

書類を作って、表計算をして、ブラウザを開いて、人と話す。
私の仕事の中身を並べてみると、そのどれもがグラフィックボードの出番のない作業なのですよね。

仕事用のパソコンでは、ゲームがやれる必要はない。
むしろ、やれない方が良い。
仕事中に遊べる環境があること自体が、余計なわけですからね。
だとすれば、高性能なグラフィックボードも不要なのです。

私の場合、Windowsでは動画編集もしません。
なので、GPUを活かす場面も限られる。
仮に動画編集をしたとしても、フルHDでの編集がメインですし、4K素材をゴリゴリ扱うような使い方はしないので、GEEKOM A6のスペックで十分こと足りてしまうのです。

自分の用途を並べてみると、いかに過剰な構成にお金を払っていたか、よく分かる。
ドキュメントワークのために、グラフィックボードを積んでいたわけですからね。

省スペースで済む

三つ目は、パソコンのサイズです。
これがミニPCの最大のメリットでもあります。

デスクトップパソコンを使っていると、本体が大きくて場所を取る。
そして、重量も重くなりがち。

特に、昇降デスクでは、この重量が効いてくるのです。
重いものを載せれば昇降スピードも変わってきますし、重量バランスも重要。
左右でなるべく均等にした方が良い、というのは言うまでもなく。

片側に重量が偏ると、天板の歪みの原因にもなりますからね。
昇降しているうちに斜めに傾いたり、エラーが出たりもするのです。

そもそも、このデカいデスクトップパソコンは、どこに置くのも困る。
デスクの上に置いたら邪魔だし、下に吊るしたら吊るしたで、足とも干渉するのです。

本体が小さくなると、置き場所を考えるという工程そのものが要らなくなる。
これが、思っていたより効きました。

デスクの脚元も、天板の下も、まるごと空く。
たかがパソコンのサイズ、されどパソコンのサイズなのです。

撤去前:デスク下を占領するタワーPC

ここまでの3点だけでも、コストパフォーマンスの高さは、なんとなくお分かりいただけるかと思います。
もちろん、万人にとって最適なPCってわけでもないでしょう。
興味のあるところから、読んでいただけると幸いです。

GEEKOM A6のメリット3つ

まずは良いところから。
1ヶ月使ってみて、はっきりメリットだと感じたのは、この3点です。

コストパフォーマンスが高い

一つ目のメリットは、価格に対する性能の高さです。

搭載されているチップは、AMD Ryzen 7 6800H。
内蔵GPUはRadeon 680M。

これがどれぐらいの実力かというと、エントリークラスのグラフィックボードに匹敵する性能です。
軽めの動画編集や画像処理、マルチタスクも問題なくこなせます。

メモリは32GBであり、ストレージ容量も1TB SSDと十分。
で、この性能で68,000円ですからね。
価格に対しての性能が凄い。まさにコスパが高いのです。

自作PCで増えていったパーツの箱

例えば、同等スペックのPCを自分で組もうとすると、どうなるか。

パーツ自分で組む場合の目安
CPU(Ryzen 7 6800Hクラス)約3万円
メモリ 32GB約1万円
SSD 1TB約1万円
マザーボード・電源・ケース・OSさらに3〜4万円
合計どう頑張っても10万円はくだらない

パーツ価格も高騰している昨今、この金額を下回るのは難しいんじゃないかなと。

しかも、Windows 11 Proがプリインストールされてるってのも凄い。
OSの費用を考えても格安であり、これらを組み立てて、使えるようにするまでの手間もないですからね。
パーツを選ぶ時間も、組み立てる時間も、動かなかったときの切り分けも、全部タダではないわけで。

まぁ、ここまで安いと、逆にちょっと不安になるのですが。

GEEKOMは20年以上の歴史を持つPCメーカーです。
過去には、IntelやASUSと提携して製品開発もしている企業。
しかも、このGEEKOM A6には3年保証もついていますし、日本法人「GEEKOM JAPAN」によるサポートもあるのです。

自作PC派だった私が考えを変えた理由は、値段だけでもありません。

私は、パソコンって組み立てた方がメンテナンスができるから、なんだかんだで安くなる、って思っていたのですよね。

ただ、自作PCのコストは、パーツ代だけではないのです。

パソコンを組み立て始めると、パーツがどんどん増えていく。
SSDにハードディスク、メモリ、CPUクーラー、グラボに電源。
箱を捨てたら、わけがわからなくなるし、保管スペースも取るし、管理も面倒。

パーツを残しておいても、規格が変わって使えなくなる。
で、買い替え始めるうちに、結局一式揃えたくなる。
気づいた頃には、数十万円が消えているのです。

まぁ、やっぱりパソコンを作るなら、グラフィックボードは積みたいんですけれども、そのグラフィックボードが、めっちゃ高くなっちゃってますからね。
同じ値段でパソコンが1台手に入るなら、そっちの方がいいんじゃないかな。とも思った次第です。

コンパクトで軽い

続いてのメリットは、やはり圧倒的にコンパクトだということ。

GEEKOM A6は、ミニPCの中でも小型であり、片手ほどのサイズしかありません。
限られたデスクスペースでも、設置が非常にラクなのです。

VESA固定用のマウントプレートも付属しています。
なので、モニターアームやモニターの背面に取り付けることも可能。
デスクの上からパソコン本体を完全に消すこともできるし、浮かせてしまえば、ホコリの吸い込みも気にならなくなりますからね。

モニター背面のVESAプレートに固定したA6

このプレート自体も、よく考えられています。

固定するのはプレート側だけ。
本体だけを取り外すってことも、簡単にできるのです。

あっちに置いたり、こっちに置いてみたり。
本体の位置が簡単に調整できるってことで、配線の難易度も下がる。
デスクの上もスッキリしやすく、作業スペースも広く取れるのです。

そして、地味に大事なのが電源アダプター。

ミニPCって、本体は小さいのに電源アダプターが異様にデカい製品も多いのですよね。
本体を隠せても、アダプターが隠せないなら意味がない。

その点、GEEKOMの電源は小さくて、設置場所も取りません。
ただ、これ3ピンタイプのコンセントのため、変換プラグは用意しておいた方が良いかなと。
私は、サンワサプライの変換アダプターを使っています。

見た目という点でも、GEEKOMはアルミ製で高級感があるので、見えたところでインテリアとして成り立つのも良いところ。

というのも、自作パソコンって、見た目の為に作ってる自分もいたのですよね。
見せるならファンも光らせて中も見せたいし、フレームも強化ガラスにしたい。
そんなことをやっているうちに、パソコンはとんでもなく重たくなって、動かすのも大変になるんですよね。

その点、軽ければ移動も簡単。
このサイズなら、必要に応じて持ち運ぶことも可能。

据え置き型のパソコンとはいえ、ノートパソコン並みに手軽に持ち運べるデスクトップ。
そう考えると、いろいろ柔軟に活用できるんじゃないかな?とも思いました。

デスクに縛られないデスクトップ。
小さいというのは、それだけで自由なのですよね。

豊富なインターフェース

続いてのメリット。
このGEEKOM A6というモデルは、コンパクトなミニパソコンでありながら、デスクトップ並みのインターフェースを備えています。

一般的なミニPCやノートパソコンって、ポートが少ないんですよね。
結果、USBハブやドッキングステーションが必要になる。
小さいPCを買ったのに、周辺機器が増えて結局デスクが散らかるという、あるあるです。

その点、GEEKOM A6なら、これ一台で完結できるんですよね。

背面ポート。HDMI×2・2.5GbE LAN・USB4 Type-C

まず、USBポートの数が多い。

速度
USB4(Type-C)1最大40Gbps
USB 3.2 Gen2(Type-C)1最大10Gbps
USB 3.2(Type-A)3最大10Gbps
USB 2.0(Type-A)1最大480Mbps

Type-Cが2つ、USB-Aが4つ。
つまり、合計6つのUSBポートがあるわけです。

外付けSSD、キーボード、マウス、オーディオインターフェース、Webカメラ。
これらを同時に接続しても、まだ余裕があるのです。

さらに、映像出力。

2つのType-Cは、映像出力のDisplayPort Altモードにも対応しており、2つのHDMIと合わせて、最大4画面の同時出力も可能となっている。
デュアルモニターはもちろん、トリプルやクアッドモニター構成も、この小さなボディ1台で実現できるんですよね。

この手のひらサイズで、モニター4枚。
ちょっと想像がつかないかもしれませんが、そういう構成が組めてしまうということ。

そして、ネットワーク性能も高く、ワイヤレスで拡張することもできる。

Wi-Fi 6EとBluetooth 5.2対応で、無線でも安定したデバイス接続やデータ転送が可能。
有線LANは、2.5GbEと超高速です。

NASサーバーや、高速回線でのデータ転送も、スムーズにできるのです。
このため、リモートPCや、クラウドゲーミングの用途としても最適。
最高峰のネットワーク環境も、フルに活用できるってのが良いのですよね。

小さいからといって、通信まわりが控えめということが無い。
ここ、意外と大事なポイントかなと。

あと、SDカードリーダーが内蔵されてるのも、地味に便利。
SDカードリーダーって、あんまり使わないけど、使うって時にないと困るんですよね。
やはり、インターフェースは充実しているに越したことはないのでした。

GEEKOM A6のデメリット3つ

ここまでは良いところばかり紹介してきましたが、もちろんGEEKOM A6にも弱点はあります。
約1ヶ月メインPCとして使い続けて、気になったのは3つ。
どれもコンパクトさと引き換えに諦めることになる部分なので、正直に書いておきます。

ゲーム性能には限界がある

AAAタイトルをプレイ中の画面

最大のデメリットは、内蔵GPUなのでゲーム性能に限界があること。
最新のゲームを高画質でプレイするのは、現実的ではありません。

例えば、サイバーパンクのようなAAAタイトル。
設定を落としたとしても、60fpsを安定して出すのは難しく、30fpsがやっと。
グラフィック設定を調整すればプレイすること自体は可能ですが、設定を落としてまでプレイしたいかといえば、私ならやりません。

APEX LegendsやFortnite、Minecraftのような、そこそこスペックを要するゲームであれば、まぁ、できないことはないんですけれども、手放しで快適とまでは言えないレベル。
少なくとも、WQHDや4K解像度でプレイするのは難しいのです。

ただ、これはあくまで「このPCでゲームを起動するなら」という話。

GEEKOM A6は通信性能が優れており、ストリーミングデータを処理するスペックなら十二分にあります。
つまり、クラウドゲーミングやリモートプレイを活用すれば、高スペックを要するゲームも、快適にプレイできてしまうのです。

例えば、GeForce NowやXbox Cloud Gamingを使えば、このPCのGPU性能に関係なく、高品質なゲームをストリーミングプレイできてしまう。
もちろん、ゲーミングPCやゲーム機を所持しているのであれば、PSリモートやSteam Linkのような、リモートプレイでも良いでしょう。

これらのクラウドゲーミングやリモートプレイで最重要なのは、本体スペックではなく通信品質。
その点、2.5GbEの有線LANはデータ通信速度も高速なわけで、AAAタイトルを最高スペックでゲームプレイできたりするのです。

実際に、これGEEKOM A6でプレイしているんですけれども、GeForce Now Ultimateでは、4K120Hzで快適にプレイができてますからね。

クラウドゲーミングでレースゲームを大画面表示

デスクトップのモニターサイズなら、GeForce NowのPerformanceプランでも十分綺麗で快適だし、Xbox Cloud Gamingという、コスパの高いサブスクもありますから。
300本以上のゲームが、PCでも、スマホでも、Fire TVでもできてしまうのです。

内蔵GPUの限界は、事実として受け入れるしかない。
ただ、その限界を外のサービスで埋められる時代でもある、ということです。

排熱性能には限界がある

高負荷時の消費電力をワットモニターで計測

GEEKOM A6はコンパクトで高性能ですが、そのコンパクトさゆえに、排熱性能には限界があります。
まぁ、これはGEEKOMに限らず、ミニPC全般に言えることなんですが。

負荷をかければ電力消費が増え、発熱もしちゃうからファンも回る。
ここは理解しておいた方が良いでしょう。

ブラウジングや表計算などの日常業務では、本体は静かであり、消費電力も20W前後と低い。
ところが、CPUやGPUに負荷をかけて作業を行うと、消費電力も60W〜80Wくらいまで上昇して、ファンの音も結構大きくなっていきます。
ゲームプレイやCinebenchなどのベンチマークソフトで本体性能を検証しまくっていると、やはり本体は熱くなっていきます。

まぁ、いくら高性能とはいえ、やるかどうか?ってのは、別の話なんですよね。
負荷をかければかけるほどに高熱となり、GPUは安定しなくなっていく。
この小さな筐体で無理させ続けるのか?といえば、私ならやりません。

どうしても熱効率ってのは考えてしまうわけで、ゲーミングノートPCとかも、私はあんまり信用してませんからね。

とはいえ正直、ビジネス用途では、本体が熱くなるってほどではないし、ファンの音も、耳障りなほどでは無いと思います。
個人的には、この程度であれば全く気にならないですね。

しかもノートPCとは違って、設置場所にも工夫ができる。
熱が気になるなら浮かせる。音が気になるなら、ちょっと遠くに設置する。
それで解決できてしまうのは、ミニPCならではだなと思いました。

内部の拡張性は低い

底面パネルを開けた内部。M.2 SSDとメモリ

3つ目は、拡張性が低いということ。
正確には、内部パーツの交換や増設に制約があるということです。
小さいが故に、物理的なスペースに限界があるのですよね。

GEEKOM A6では、メモリとストレージの拡張こそ可能ですが、2.5インチのSATAドライブには対応しておらず、増設用のM.2スロットも、Type 2242というマイナーサイズなのです。
グラフィックボードやサウンドカードといった拡張は、もちろんできず、購入時点で性能は、ほぼ固定となります。

つまり、この小さいPCは内部パーツではなく、外付けデバイスで拡張していく必要があるということ。
今までデスクトップPCを使っていた人だと、内部パーツの流用はできず、また別の費用が発生する可能性も高いのです。

とはいえ、こういった拡張性や排熱性のデメリットは、ノートPCとて同じこと。
この辺は、コンパクトさとのトレードオフでしょう。

まぁ、ちょっとデスクトップとも考え方は異なりますし、USB4や2.5GbEといった、高速通信を活用してこそ、真価も発揮できるとも思っています。

ストレージ容量が足らないなら、外付けSSDやNASで対応したり。
ゲームはクラウドゲーミングでカバーしたり。
外部サービスや外部デバイスで補うことで、これ以上ないデバイスにもなるんじゃないかなと。
まぁ、データは外部に保存した方が、万が一故障した場合も、被害を最小限に抑えられますからね。

→ 関連記事:UGREEN NASync DXP6800 Proで作った10Gbps環境と実測値

その故障の話でいえば、実際のところ、このパソコンも耐久性においては未知数です。
これから長く使ってみないと、わからないんですけれども、GEEKOMでは、様々な厳格なテストも実施しており、それゆえに3年保証もありますからね。
このスペックで3年も使えて、収録時点の68,000円という価格なら、文句も言えないと思うのでした。

私の使用例3パターン

私がこのGEEKOMというミニPCを、どのように使っているのか。
具体的な使用例は、次の3パターンです。

いろいろと試行錯誤する中で、私もベストな使い方を模索してきましたので、その記録ですね。
ミニPCのデスクセットアップ例として、誰かしらの参考になれば幸いです。

作業用メインPC

マウントプレートに載せたA6。前面ポートも見える

まずは、今回の私の目的。
デスクトップPCから、乗り換えるためのセットアップです。

従来のタワー型PCを撤去して、GEEKOM A6をモニター裏に固定してみました。
私は、長尾製作所のVESA増設プレートも併用しています。

これにより、大きなPCに足をぶつけることもなくなり、昇降デスクもスムーズに上がるようになりました。
電源ボタンも、PCのフロント側にあるので押しやすいし、消費電力も抑えられて一石二鳥。

実際の使用感も、思った以上に快適に動いております。
このPCが高性能なのか?以前のPCの処理が重くなっていたのか?
少なくとも、数年前に数十万円かけて作った自作PCよりは、確実にヌルヌルと動いています。

映像出力も、多画面のマルチディスプレイや、高精細のスーパーウルトラワイドディスプレイまで対応可能。
Type-Cでは、5K 120Hz出力もできたので、大画面モニターで使っても快適に作業ができるのです。

ウルトラワイドと上部モニターへの同時出力

途中でデスクそのものを変えたりもしているのですが、こういった試行錯誤も、ミニPCだと簡単にできて良いなと。

固定するVESAプレートはスチール素材なので、マグネットで固定してみたり。
本体は軽いんで、結構ガッチリ固定できてますけど、非公式な使い方なので、これは自己責任で。

USB-Cケーブルを2本挿すだけで、2つの大画面に出力が完了。
ディスプレイには、USBハブ機能付きも当たり前になってますからね。
PC本体とモニターをUSB-Cケーブルで繋ぐだけで、映像出力と同時にUSBデバイスもスッキリと繋げられるのです。

USB-Cケーブル2本で2画面に出力

私は、WindowsとMacでディスプレイを併用しているんですが、自作PCだと、Type-Cで映像出力する時点でハードルが高いですからね。
ディスプレイ側にUSB接続しておけば、切り替えも簡単だし、無線なら、入力デバイスのBluetoothボタンで切り替えても良いでしょう。

では、この広大な画面で何をしているのか。

・NotionやWordといったドキュメントワーク
・Excelやスプレッドシートの大量データでマクロを組んでみたり
・Canvaでデザインしてみたり
・メールやSNS、ビデオ通話でコミュニケーションを取ってみたり
・ChatGPTやGeminiに相談してみたり

この辺りが、日常的に開いているものですね。

私は、気づくとウィンドウもアホみたいに開いているんですけれども、CPUとメモリにも、まだまだ余裕がありますからね。
Chromeブラウザやビデオ通話って、メモリも結構消費するのですけど、3〜40個くらいのブラウザを開きながら、ビデオ通話しても余裕なのがびっくり。
8コアCPUで、グラフィック性能も高くって、メモリも32GBもありますから。
ホント、下手に自作PCを組むより快適なんじゃないかなと。

ストレージ容量も1TB SSDなので、Dropboxといったクラウドストレージをオフライン同期しまくっても、余裕があります。
通信速度も速いので同期も早いし、NASへのデータアクセスもスムーズにこなせますからね。

Windows 11 Proも搭載しているので、逆に、このPCを他のPCからアクセスしてみたり、サーバーみたいに使ったりもできたりするのです。

あと、Windowsなので、Androidの「スマートフォン連携」が使えるのも大きな利点だなと。
スマホのフォルダにも直接アクセスできるし、スマホアプリの操作もできたりする。
画面サイズを変更したり、複数アプリを同時に開いて並べたり。
iPhoneの「スクリーンミラーリング」ともまた違って、便利なのです。

まぁ、今の時代、ローカルのPCで処理するってことは少なくって、作業もほとんど、ブラウザアプリで完結してしまうんですよね。
Notion、スプレッドシート、Canva、ChatGPT、Google MeetやZoomといったビデオ会議もブラウザ起動。

クラウドで処理できる時代、PCのスペックが必須でもなくなっており、この小さいミニPCが無理せずとも、快適に作業もできるのです。

タスク処理も、AIにお任せできるようになっちゃってますからね。
自分のスペックもいらなくなっており、年々、脳の劣化も感じる昨今。
仕事をお願いするために、ディスプレイに投資した方が得策なんじゃないか。
最近は、そう思い始めています。

スーパーウルトラワイドディスプレイも、使ってみると意外と楽しかった。
これは、以前にも書いた通りですね。

サブ用2台目PC

モニターとキーボードだけの最小構成

メインPCの代わりとして使い始めたミニPCですが、2台目のパソコンとしても、なかなか悪くありません。

まぁ、なんにせよ本体が小さいので、適当なモニターと組み合わせて、ちょこっと置くだけで、ミニマルな作業環境が完成するってのが良い。
デスクトップとノートパソコンの中間のような使い方ですね。

必要なのは、モニターとキーボードとマウス。
本体から出るケーブルは、電源とモニターへの出力ケーブルのみ。
キーボードとマウスは、Bluetooth接続することで、よりミニマムな仕上がりにもなります。

臨時の作業デスクとして使うなら、モバイルモニターとかも面白いでしょう。
モバイルモニターなら消費電力も少なく、1日くらいはポータブル電源だけで作業もできる。

例えば、500Whのポータブル電源を使う場合、500Wが1時間使えるので、1時間あたり50Wなら10時間ほど動かせる計算になります。
ミニPCは、作業利用だと消費電力が20W〜30W前後。
モバイルモニターが7W〜10W程度で、合計で30W〜40W程度に収まる。
つまり、500Whのポータブル電源なら、10時間〜12時間くらい稼働できるわけです。
もちろん、あくまで理論値ですけどね。

ノートパソコンと比べると手間はあるのですが、セットアップしてしまえばノートPCよりも快適。
特に、2拠点で生活をしている人とか、家で端っこの方に追いやられてる私にも悪くないなと。

実際、私はノートパソコンを持ってきても、キーボードとマウスは好きなものを使いたくなっちゃうし、なんなら、ディスプレイも持ってきちゃいますからね。

ちなみに、ディスプレイを持ってくるのが面倒で、XRグラスも使ったりもしてたんですけど、これもなかなか悪くなかったです。
ディスプレイの電源はいらないし、プライバシーも守れるし、特に、不特定多数が出入りする場所では、なかなか使えるなとも思いました。

家族といえど、見られたくないものは多く、リビングとか人が来るってだけで、なんかソワソワするんですよね。
他の人から画面を見られず、個室感もあって集中もできるし、体勢も自由に使えるという利点もある。
マイクも内蔵しているので、音声入力とも相性が良かったりもするのです。

ただ、XRグラスは大画面とはいえ、解像度は低いので、作業領域は狭く目も疲れます。
あんまり長時間作業するものではなく、どちらかといえば、エンタメデバイスとして使うべきかなと。
VRゴーグルとも、全く別物だということにも気をつけてください。

リビングのエンタメPC

最後のパターン。
自宅のリビングで、エンタメパソコンとして使っても、なかなか面白かったです。

ミニPCというと、どうしてもデスクで使うもの、というイメージがあるのですが、皆が集まるリビングに置いておくことで、結構便利に使えるのですよね。

テレビにHDMIケーブル1本で繋げば、ストリーミングデバイスどころじゃなく、何でもできるようになる。
動画や音楽のサブスクだけでなく、ちょっとしたウェブ検索や写真とか、ホームビデオとか。
SDカードスロットもあるので、カメラの映像をさっと確認したりもできる。
大きなテレビ画面で、誰かと情報共有できるのが楽しいのです。

ゲーム機よりも、マルチな用途に使えるし、Nintendo Switchに比べたら高性能なのは言うまでもありません。
PCゲームのプラットフォームSteamには、SwitchやPlayStationで販売されているゲームも多く、家族や友達と楽しめるパーティーゲームも、非常に多いのです。
カジュアルゲームなら、このデバイスで十分快適にプレイできるし、Steamならゲームも安く買えちゃいますからね。

Bluetoothコントローラーをつなげば、SteamのBig Pictureモードで、ゲーム機のように遊べるし、リモコン代わりに、ワイヤレスのキーボードやマウスを使っても良いでしょう。
もちろん、GeForce Now Ultimateを使えば、リビングの大画面で超高画質ゲームを楽しんだりもできる。
Fire TVのAlexaホームシアターも活用すれば、臨場感のあるゲーミング環境も、簡単に作れてしまうのです。

以前は、パソコンゲームをするために、リビングにSteam Deckを置いてたんですよね。
Steam Deckに比べると、グラフィック性能もだいぶ上だし、テレビに繋げてしまうと持ち運ばなくなるし、Steam Deckは、テレビ出力にも難がある。

いやホント、もう一台追加でミニPC買っても良いんじゃないかな?と思っているのでした。

→ 関連記事:新型Steam Deck OLEDレビュー

GEEKOM A6まとめ

A6に置き換えた後のデスク。本体は見えない

GEEKOM A6は、こんなに小さいから、ちょっと舐めてはいたんですけれども、思っていた以上に、高性能なパソコンとなっていました。
とはいえ、万人に最適なPCというわけでもありません。

このPCを選べるかどうかは、「やれるか」ではなく「やるか」で決まると思っています。
動画編集やゲームが「やれる」スペックは、あります。
でも、この小さな筐体に高負荷をかけ続けるかといえば、私はやりません。
そこは、スペック表ではなく自分の使い方で決める話なんですよね。

逆に言えば、快適に作業するためのスペックは十分にある。
ドキュメントワークだけでなく、クリエイティブ作業にも対応できるし、豊富なインターフェースで、様々な周辺機器も拡張できる。
何より省スペースで、デスクもスッキリしますからね。

そして、足りない分は外に出せばいい。
ゲーム性能も、ストレージ容量も、内部の拡張性も、このPC単体では限界がある。
けれども、クラウドゲーミング、外付けSSD、NAS。
外付けデバイスやクラウドサービスを活用することで、物足りない部分は補えるのです。
最新のサービスと組み合わせることで、もっと便利に使えるようになるわけで、まさに次世代のデバイスだな。とも思いました。

裏を返せば、全部を1台の箱の中で完結させたい人には向きません。
そういう人は、素直にデスクトップを組んだ方が幸せでしょう。

結局のところ、決め手になるのは、小ささそのものに価値を感じるかどうかです。
ゲーミングパソコンほどのスペックはないとはいえ、インディーズゲームぐらいは余裕で遊べる。
このサイズでゲームを動かせるってのが凄いのです。

そして、メインPCにも、サブPCにも、リビングのエンタメPCにもなれた。
1台で3役をこなせたのは、性能ではなく小ささのおかげでした。
個人的には、この小ささで「全部入り」ってのに魅力を感じてしまうのですよね。
こんなに小さいのに、大画面で作業ができる未来感。
キューブ型のインテリアとしても、悪くはないんじゃないかなと思いました。

P.S.
ミニPCに限らず、スマホやタブレットでなんでもできる時代。
ホント、小さいからって侮ってはいけませんね。
かくいう私はMacも、Mac StudioからMac miniへ。
小さいというだけで買い替えたくなる自分も居るのでした。

▶ デスクセットアップの実際の様子は動画で詳しく解説しています → YouTubeで見る
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P.S.
ミニPCに限らず、スマホやタブレットでなんでもできる時代。
ホント、小さいからって侮ってはいけませんね。
かくいう私はMacも、Mac StudioからMac miniへ。
小さいというだけで買い替えたくなる自分も居るのでした。

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この記事を書いた人

KJ新谷のアバター KJ新谷 小さな会社の取締役

平成21年に輸入物販で起業して、既に起業17年目。
法人12期目。小さい会社の代表です。

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