最高峰スマホコントローラー「Backbone Pro」レビュー。旧モデルからの進化点、メリットデメリット。

Backbone Proレビュー

スマホ向けコントローラーといえば、Backbone。
PlayStationとの公式コラボで一気に知名度を上げ、
「スマホでも据え置き機並みの操作感」という新しい体験を多くのゲーマーに届けてきたブランド。

そんなBackboneから、新たにBackbone Proが登場。
最高峰スマホコントローラーの上位モデルはどんなものか?

従来のモデルから何が変わって、何が凄いのか?
数ヶ月ほど使用して気付いたこともありましたので、レビューしたいと思います。

目次

Backbone Proのメリット

プレミアムな質感と究極の握り心地

まず開封して思ったのが質感の良さ。
Backbone Proの開発チームがこだわりまくったとのことで、
とにかく見た目と手触りがよい。

表面には、手の油分に強い耐性を持つ特殊コーティングもされており、
持っても指紋がついたり、油で色が変わったりってのもない。

単体でも美しいのですが、装着した時の見た目も良い。
iPhone、Google Pixel、Galaxy Ultraと、装着してみましたが、
どのスマホにセットしても「一体型デバイス」のような統一感のあるデザインになる。

この見た目の良さ、所有欲を満たす高級感は、他社製品にはなく、
見た目だけではないのがBackbone。

定評がある操作性も健在。
このコンパクトなサイズで、フルサイズのアナログスティックを備えた唯一のモバイルコントローラー。
これがBackbone Proの最大の特徴でもあります。

PlayStationやXboxの標準コントローラーと同様のALPS製フルサイズスティックを採用。
ゴム素材で滑りにくく、中央の凹みも親指にフィットする。
ボタン配置もXbox系のレイアウトなのも良い。

旧モデルと比較して明確に進化したのは静音性。
外でプレイする時の「カチャカチャ音」が大幅に軽減されています。
それでいて、ボタンの押し心地はしっかり残っているのです。

フェイスボタン(ABXY)と方向パッドは高光沢仕上げで、
本体のマットな質感と視覚的に明確に区別。
白色だったロゴやアイコンも落ち着いたグレー色に変更され、
この配色が、高級感あり、プロフェッショナルな雰囲気も醸し出している…気がする。

グリップ部分のサイズは大きくなり、手にしっかりとフィットする滑らかな形状へ。
厚みのある丸っこいグリップは、手にしっかりとフィットするようになっており、
それでいて軽い。本体重量は約203g。

ゲーム専用UMPCと比べると圧倒的に軽く、
スマホ型コントローラーとしても非常に持ちやすく、
装着時の重量バランスも良いのか?実際の重量以上に軽く感じました。

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中央部分は、スマホサイズのまま、スマホ持ちして運べるのも良い。

そして、背面にはカスタマイズ可能なM1・M2ボタンまでも搭載し、
さらに左グリップには専用のスクリーンショットボタンも配置。
専用アプリ「Backbone」との組み合わせで、
ボタンのカスタマイズやジョイスティックの反応速度の変更までも可能です。

ちなみに、BackBone Pro には持ち運びに便利なキャリングケース(別売り)も用意されており、
これのデザインもなかなか良かったです。

キャリングケースとしては、珍しいフェルト素材で、
ガジェットケースっていう、いかにもなデザインじゃないのも素晴らしい。
持ち歩くとなるとケースも必須ですからね。この辺もよく考えられているなと。

FlowStateが実現する究極のマルチデバイス体験

Backbone Proで特に便利だと感じたのが、マルチデバイスへの対応。
これまでのスマホコントローラーは「スマホ専用」でしたが、Backbone Proは違います。
新たにワイヤレス対応することにより、
あらゆるデバイスで便利に使える、新しいコントローラーへと進化していました。

最も革新的なのが「FlowState」テクノロジー。
オレンジのBackboneボタンと、背面のM2ボタンを同時押しするだけで、
コントロールセンターが開き、以前ペアリングしたデバイスへ瞬時に切り替えられるになっています。

最大5台までのデバイスを登録可能で、ボタン操作ひとつで切り替え可能。
新しいデバイスを追加すると、最も古いペアリング情報が自動削除される仕組み。
もちろん、Bluetooth接続なので、スマホをコントローラーから外しても使えます。

iPhone、iPad、Mac、Windows PC、Meta Quest…
私も長年ゲーマーとして様々なデバイスを使ってきましたが、
デバイスが増えるほどに、Bluetooth切り替えって面倒なんですよね。

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コントローラーも多くなるほどに、
「どのデバイスにどのコントローラーが接続されてたっけ?」って混乱することも多い。
設定画面を開いて、ペアリング解除して、
新しいデバイスで再ペアリング…で、上手くいかなかったり。

この接続の手間や管理の手間が、
Backbone Proなら一台で解決するし、現在どのデバイスに繋がっているのか?
接続先も、ちゃんと目視で確認できるってのも最高なのですね。

スマホだけでなく、モニターに接続したPCでも快適にプレイができる。
無線で接続できるなら、スマホのType-C端子も使えるわけで、XRグラスとも併用したりも可能。
スマホコントローラーでありながら、普通のコントローラーとしてもちゃんと使えるのです。

もちろん、今まで通り直接スマホに挿し込んで使うこともできるし、
地味に嬉しいのが、スマホケースを付けたまま使えること。
アジャスターパーツを交換することで、ケースサイズに合わせて装着もできる。

また、コントローラーには、3.5mmイヤホンジャックも搭載されているので、
ワイヤレスイヤホンの遅延が気になる音ゲーやFPSでも、有線イヤホンで対応できるのも良い。

パソコンで使うなら、パソコン用にコントローラーを用意すれば良いと思われるかもしれないけど、
複数デバイスで日常的にゲームしてる場合に、コントローラーが1台で済むってのが良いのですよね。


朝の通勤電車ではiPhoneでプレイし、
休憩時間にはiPadでプレイ、帰宅後はPCモニターでしっかりとプレイ。
たまには、Meta Questで没入感あるVRゲーミング、週末はFire TV Stickで…とかとか、
これら全てが、1つのコントローラーで済むってだけじゃなく、簡単に切り替えられるのです。

従来のスマホコントローラーのような「スマホ専用」というものではなく、
コンシューマー機のコントローラーとも、また違う。
マルチに切り替えられる新しいコントローラー。これが便利なのです。

40時間駆動とパススルー充電

ゲームプレイで一番困るのが「バッテリー切れ」。
特にオンライン対戦や、ボス戦の真っ最中に充電が切れる絶望感もあるし、
ゲームする時にバッテリーないだけで、やる気も起きませんからね。

その点、このBackbone Proは、最大40時間という驚異的なバッテリー持続時間を実現しています。
フル充電しておけば、平日の通勤プレイくらいは余裕でカバーできる計算。
実際、充電頻度は少なくて済むと感じています。

専用アプリから、Backbone Pro本体とスマホ、
両方のバッテリー残量を一目で確認もできるようになっており、
残量が少なくなってきたら通知も来るので、突然のバッテリー切れに慌てることもありません。

また、パススルー充電にも対応しており、
右グリップ下部のUSB-Cポートにケーブルを接続すれば、
コントローラーを充電しながら、同時に接続したiPhoneやAndroidスマホも充電できる。
つまり、電源さえあれば永遠にプレイし続けられるというわけです。

3.5mmヘッドフォンジャックで、
ワイヤレスイヤホンのバッテリー切れにも対応できるのも地味に嬉しいところですね。

Xbox Game Pass&GeForce NOWに完全対応

Backbone Proの真の強みは、専用アプリによる統合体験。
Xbox Game Pass、GeForce NOW、PS Remote Play、Steam Link、Apple Arcade、Netflix…
これらすべてのサービスを一つのアプリから直接起動できるようになっています。

サービスを切り替えるたびにアプリを探す必要がない。
Backboneアプリを開けば、複数のプラットフォームにまたがるゲームライブラリが一覧表示され、
タップひとつで即座にプレイ開始。

私はSteam Deckも愛用しているのですが、
約680gという重量は長時間のごろ寝プレイには厳しい。

その点、Backbone Pro+大画面スマホなら約400g前後。
しかも画面サイズはSteam Deckの7インチを超える場合も多い。
クラウドゲーミングなら、こっちの方が良い。

Xbox Cloud Gamingとの組み合わせは、もはや「据え置き機不要」と言えるレベル。
USB-C直接接続による超低遅延、Backboneアプリからの直接起動、そして40時間のバッテリー持続時間。
コンソール機並みに起動の手間もなく、プレイするまでも早い。

この小ささと軽さで、プレイしたい時にすぐプレイできるということ。
この当たり前のようで難しい体験を、スマホで実現できちゃうのが凄い。

クラウドゲーミングでは、GeForce NOWとの相性も抜群。
Steam、Epic Games Store、Ubisoft…
Xboxにも対応しているので、Game Pass対応タイトルもプレイできちゃうし、
Game Passに無いタイトルも、ほぼ網羅的にプレイできてしまう。

自宅のPCからのSteam Linkからのストリーミングプレイも便利なんですけど、
GeForce Nowを契約しちゃってる今となっては、
PC起動するのも面倒で、Backboneでスマホからのクラウドゲーミングが最高なのです。

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あと、個人的に、めちゃくちゃハマっているのがApple Arcade。
Apple Arcadeは、サービス開始当初にやり尽くした感があったんですけど、
久しぶりにプレイしてみたら、めちゃめちゃできるゲームも増えててびっくり。

特にインディーズゲームをローカルでサクサクっと楽しめるのが良いですね。
「Dead Cells+」「NBA 2K25」「Slay the Spire+」「Vampire Survivers+」とか、
コンソール品質のタイトルも増えてて、思った以上に快適にプレイできちゃってビックり。

スマホでインディーンズゲームとか、やろうとも思わなかったけど、
Backbone Proあるならやっても良いかなって思ったし、実際に普通にできちゃうことに驚きます。

Backbone Proのデメリット

タブレットは挟めない

Backbone Proはマルチデバイスってことで勘違いしがちなのですが、タブレットは挟めません。
iPadだけでなく、8.3インチのiPad miniも挟むことは不可能。
横幅は通常時で約17cm、最大で約24cmくらいまで。
ワイヤレス接続ならタブレットも使えるとはいえ、
せっかくのグリップ一体型の利点が活かせないのは残念ですね。

まぁ、確かにiPadを挟んだら重くなるからやりづらくはなるんだけど、
それでも手軽に挿し込んで使いたかった。iPad Miniは特にね。

あと、差し込み時にUSB-Cコネクタ部分が動かないのもちょっと気になりました。
動かないから、着脱時には慎重な操作が必要になる。
特に厚めのケースを装着したスマホだと、
無理に引き抜こうとするとUSB-Cポートを痛める可能性があるんじゃないかなと。

対応デバイスもカメラレンズが大きく突出した機種では、
物理的に装着できないケースもあり、
私のXiaomi Ultraは、レンズ部分がギリギリ入らない。
ケースを外しても無理でした。

スマホケースは、付属のマグネット式スペーサーで調整できるとはいえ、
これの脱着もちょっとコツが入りました。。
ほとんど隙間なくピタッと強力にくっつくため、取り外しが難しい。
爪を使って無理に剥がそうとすると、スマホを傷つける恐れがある。
薄いカードを隙間に差し込んで外すとラクに外せるらしいけど、これを毎回やるってのも面倒かなと。

細かい部分では、ボタンレイアウトにも違和感を感じました。
Xboxコントローラーと比較すると、レイアウトが微妙に異なり、慣れるまで違和感がある。

特にAボタンを押す際に、右スティックと干渉しやすい位置にあります。
省スペース設計の宿命とはいえ、アクションゲームで頻繁にAボタンを使う際にはストレスを感じるし、
指が大きい人は特に注意が必要かなと。

トリガーボタンも「ふかふか」とした柔らかい感触で、
カチッとしたボタンの押し心地にはできない。この感触は好みが分かれそう。
トリガーストップも搭載されていないので、トリガーの押し込み量の調整もできません。

Dパッド(十字キー)も柔らかめの設計。
わかりやすく押した感じもないため、斜め入力の精度にも、ちょっと不安な気がしました。

29,700円という価格

いくら高性能で高品質でも、結局のところは価格ですよね。
Backbone Proは、29,700円と、
モバイルコントローラー市場において最高値クラスとなっています。
GameSir X2 Proなら12,300円、Kishi V3 Proでも24,980円ですからね。

確かに高級感はあり、質感も高い。
ただ、その為に、1.5倍〜2倍の価格を出せるのか?といえば、難しい人も多いかなと。
単純にゲームをプレイする為の道具として考えるなら、間違いなく高いです。

まぁ、高額でも良いのですけど、個人的に気になるのが耐久性。
せっかく高い金額出しても、壊れちゃったら意味ないですからね。
Backboneの前モデルは、耐久性が残念というイメージ。
いくらBackbone Proで、スティックの耐久性が大幅に向上したとはいえ、
採用されているのは従来のALPS製ポテンショメーター方式。
長期使用によるスティックドリフトのリスクは避けられないのではないかなと。

Kishi V3 Proは、24,980円で、TMRスティックを採用。
Backbone ProでもHall Effectスティックだと良かったですね。

1年間の標準保証はあるものの、この価格なら、最低でも2年は使えないと困る。
まぁ、この辺は他社コントローラーも1年保証なので、仕方ないかもしれませんけどね。

あと、ちょっと気になったのが、サブスクリプションサービス「Backbone+」。
年額3,980円で、ゲームプレイ動画の録画・編集機能やエミュレータ利用などが解放されるという。
様々な特典もあるものの、全機能を使うにはサブスクが必要ってのは、ちょっと残念だと感じました。

まぁ、クラウド保存機能とかもあるので、サブスクになるのは仕方ないとは思うのですけど、
サブスク契約しなくてもコントローラーとしての機能は十分満足に使えるわけで、
よくわからないまま、勘違いして加入しないように気をつけて下さい。

Backbone Proまとめ

Backbone Proは、スマホ専用機だったBackbone Oneから大きく進化し、
様々なデバイスで使えるコントローラーになったということ。

頻繁に使うデバイスを切り替えたり、
ゲームサブスクやクラウドゲーミングを多用するに人には悪くないデバイスです。

スマホだけでなく、iPad、Windows PC、Mac、なんならMeta Questでも使うって場合に、
FlowStateによる瞬間切り替えは、他コントローラーにはない便利さがあります。
接続するって手間がないだけで、プレイする気にもなるので、
プレイしたい時に即切り替えて、即プレイできるってのが最高なのです。

Xbox Cloud Gaming、GeForce NOW、PS Remote Play、Steam Link…
これらクラウドゲーミングやリモートプレイは、
デバイス問わず使えるの利点であり、
コントローラーにも、デバイス間で簡単に切り替えられた方が良いのは言うまでもなく。

その点、Backbone Proは、これ1台で済むというラクさもあるし、
どのデバイスでも変わらない、高品質な操作性も素晴らしいなと。

逆をいえば、スマホ専用コントローラーとして、29,700円という価格は高額。
デバイス切り替えに価値を感じない人や、
スマホでしか使わない人は、他社のコントローラーも検討すべきかなと。

結局のところ見た目。
見た目の為に、ゲームコントローラーもカスタムしたりするわけで、
Backbone Proは、プレミアムな質感とデザインで、所有する満足感もあると思いました。

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この記事を書いた人

KJ新谷のアバター KJ新谷 小さな会社の取締役

平成21年に輸入物販で起業して、既に起業16年目。
法人11期目。小さい会社の代表です。

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