個人事業主におすすめクラウド会計ソフト。freee、マネーフォワードクラウド確定申告、やよいの青色申告オンラインの比較。

個人事業主クラウド会計の比較

会計ソフトは、クラウド会計の時代。
確定申告も近くなり、期末に会計ソフトと格闘する。
自動記帳で、そんな事も無くなります。

クラウド会計のメリットとデメリット。インストール型会計ソフトとの違い。

クラウド会計の先駆けの「freee」、
資産管理の「マネーフォワードクラウド確定申告」、
会計ソフト大御所の「やよいの青色申告オンライン」。

クラウド会計の普及とともに、料金プランは変わりまくっている現状。
電子帳簿保存法やインボイス制度が開始となった今、
会計ソフトにおいて、重要視するポイントも変わっていると感じましたので、
今一度、クラウド会計ソフト大手3社の特徴と選び方について。

クラウド会計のデータ連携システムにより、
電子データ保存するという手間もなくなるのですけど・・・
電子データの仕訳連動は、会計ソフト次第ってこと。

目次

クラウド会計3社の料金プラン

会計ソフト各社が表示するサービス料金は、
年契約の月額料金であり、全て税抜き表示となっています。
国のルールで、税込表示は必須じゃないの?
って疑問は置いといて、まずは各社の料金プランについて。

freee(フリー)

フリー株式会社(旧CFO株式会社)は、
2013年3月に全自動のクラウド会計ソフト「freee(フリー)」をリリース。
元Google社員の佐々木大輔氏が立ち上げた、クラウド会計の先駆けです。

クラウド会計知名度はNo.1であり、クラウド会計シェアもNo.1
freee独自の入力方法で、簿記の知識が無くとも使えるってのが長所であり短所でも有る。

freeeの料金

スクロールできます
スタータースタンダードプレミアム
月額税込1,628円
税抜1,480円
税込2,948円
税抜2,680円
年額税込12,936円
税抜11,760円
税込26,136円
税抜23,760円
税込43,780円
税抜39,800円
サポートメール
チャット
メール(優先
チャット(優先
電話サポート
税務調査サポート補償

メール(優先
チャット(優先
乗換代行サービス
無料期間30日間30日間30日間
メンバー追加×3人まで無料3人まで無料
消費税申告×
2024年4月1日まで
消費税集計×
2024年4月1日まで
達人シリーズ連携×
レポート機能損益
現預金
損益
現預金
収益/費用
入金/支払管理
資金繰り
集計表/日次/月次
損益
現預金
収益/費用
入金/支払管理
資金繰り
集計表/日次/月次
ファイル保存
※電子帳簿保存
月5枚まで月10GBまで月10GBまで
請求書作成
給与作成別料金
※人事労務freee
別料金
※人事労務freee
別料金
※人事労務freee
勤怠管理別料金
※人事労務freee
別料金
※人事労務freee
別料金
※人事労務freee
労務管理別料金
※人事労務freee
別料金
※人事労務freee
別料金
※人事労務freee

料金プランは、3段階有りますが、
機能面での違いは、スターター(年額12,936円)では、
メンバー追加不可能で、電子データ保存は月5枚まで、消費税申告(消費税集計)も不可能です。
※2024年4月1日までは消費税申告可能ですが、来年度は無理なのです。

よって、消費税の課税事業者(インボイス事業者)なら、
スタンダードプラン(年額26,139円)を選ぶしかありません
インボイス制度が始まった今、課税事業者も必須の流れですからね

料金プランにより、サポート対応も異なり、
スターターよりも、スタンダードの方がメール&チャット返信が早くなり、
プレミアム(年額43,780円)になると、
導入サポート、電話サポート、税務調査サポート補償(最大50万円)が利用可能へ。

ただ、サポートの差で年額43,780円も払うなら、スタンダードの年額26,136円が良い。
税務の相談は、税理士が対応してくれるわけでは無いし、
税務調査サポート補償といったって、追徴課税時の補償では無いからね。
そもそも税務調査が来てしまうと心配するなら、
顧問税理士を雇用した方が良いわけで、会計ソフトの目的とも違うと感じています。

また、freeeは、会計だけでなく、請求書作成や経費精算の機能も含まれていますが、
給与計算やマイナンバー管理は「freee人事労務」で別料金となっています。
人事労務freeeは、一番格安なミニマムで月額2,200円(年払い)
従業員を雇っているなら、別途必要になる可能性が有るということです。

freee人事労務の料金

スクロールできます
月払い年払い6名以降/月額
ミニマム税込2,860円
税抜2,600円
税込26,400円
税抜24,000円
税込440円/1名ごと
税抜400円/1名ごと
スターター税込4,290円
税抜3,900円
税込39,600円
税抜36,000円
税込660円/1名ごと
税抜600円/1名ごと
スタンダード税込5,720円
税抜5,200円
税込52,800円
税抜48,000円
税込880円/1名ごと
税抜800円/1名ごと
アドバンス税込7,865円
税抜7,150円
税込72,600円
税抜66,000円
税込1,210円/1名ごと
税抜1,100円/1名ごと

ちなみに、freeeは2022年2月に楽天銀行のAPI連携サービスが終了となり、
楽天銀行の取引データが取り込めなくなっていましたが、
2023年12月1日より、freeeで楽天銀行の同期機能が再開されています

ただ、以前と違うのは、プレミアムプラン以外では任意のタイミングでは更新できず、
自動更新でのデータ連携となっています。
自動更新の頻度は謎ですけど、まぁ問題ないでしょう。

同期機能をONにすると、楽天銀行の入出金明細が定期的にfreeeに自動連携されます。自動連携(入出金明細のデータ更新)の頻度は、ご利用中のプランや同期の混雑状況に応じて異なります(※)。
※無料プランまたは自動更新のみのプランをご利用中の場合は、ホーム画面の[全口座を同期]ボタンを押しても、楽天銀行は同期の対象外となります。自動更新をお待ちいただくか、CSVアップロード機能をご利用ください。

楽天銀行の入出金明細をfreeeに取り込む – freee ヘルプセンター

マネーフォワードクラウド確定申告

株式会社マネーフォワードは、
2014年2月に「マネーフォワードクラウド(旧 MFクラウド)」をリリース。
資産管理・家計簿アプリでお馴染み「マネーフォワード ME」を運営する企業です。

freee直後にサービス開始しており、freeeのライバルである事も間違いない会計ソフト。
freeeとは違い、従来の会計ソフトの入力システムを踏襲しており、
振替伝票形式でも入力可能です。

マネーフォワードクラウドの料金

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パーソナルミニパーソナルパーソナルプラス
月額税込1,408円
税抜1,280円
税込1,848円
税抜1,680円
年額税込11,880円
税抜10,800円
税込16,896円
税抜15,360円
税込39,336円
税抜35,760円
サポートメール
チャット
メール
チャット
メール
チャット
電話
無料期間1ヶ月
メンバー追加×無制限無制限
消費税申告×
消費税集計×
達人連携×
レポート機能キャッシュフロー
レポートのみ
クラウドBox
※電子帳簿保存
1000件まで
※2024年6月以降
制限なし制限なし
請求書作成書類作成のみ
取引先上限15件
全て利用可能全て利用可能
給与計算
勤怠管理
マイナンバー
経費精算
年末調整
社会保険
電子契約

個人事業主向けの「マネーフォワードクラウド確定申告」は、
会計以外の給与計算、請求書作成、経費精算、勤怠管理、マイナンバー管理・・・と、
個人事業主に必要な機能が含まれたセットプランです。
freeeとは異なり、経理関連のオプション機能が全て含まれたセット料金というわけ。

マネーフォワードクラウドのサービス

主な機能
クラウド会計・確定申告会計ソフト(青色申告ソフト)
クラウド経費経費精算システム
クラウド請求書請求書の作成ソフト
クラウド給与給与計算ソフト
クラウド勤怠勤怠管理システム
クラウドマイナンバーマイナンバー管理システム
クラウド社会保険社会保険手続きソフト
クラウド年末調整年末調整ソフト
クラウド契約電子契約ソフト

料金プランは、パーソナルミニ、パーソナル、パーソナルプラスの3種類。
ただ、一番安いパーソナルミニ(年額11,880円)では、
消費税申告(消費税集計)機能が無く、請求書機能にも制限があるので、
消費税の課税事業者は、パーソナルプラン(年額16,896円)が必要となる。
電子帳簿保存に対応する電子データ保存件数も、パーソナルミニは1,000件までとなります。

パーソナルミニ(年額11,880円)とパーソナル(年額16,896円)の差額が少なく、
パーソナルで、全ての機能が使えることを考えると、
マネーフォワードクラウド確定申告で選ぶなら「パーソナル」一択でしょう。

一番高額な、パーソナルプラス(年額39,336円)は、料金が一気に高くなりますが、
機能的な面ではパーソナル(年額16,896円)と変わず、電話サポートが増えるくらい。
正直、私には選ぶ意味が分かりません。

やよいの青色申告オンライン

弥生株式会社が運営の「やよいの青色申告オンライン」。
会計ソフトといえば弥生。会計ソフトのシェアNo.1。
私も起業したばかりの頃は、パッケージ版「やよいの青色申告」を使っていました。

2014年10月に「やよいの青色申告オンライン」を提供開始。
クラウドではないデスクトップ版「やよいの青色申告」と、ほぼ同じ料金となっています。

やよいの青色申告オンライン

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セルフプランベーシックプラントータルプラン
月額
年額税込9,680円
税抜8,800円
初年度は無料
税込15,180円
税抜13,800円
初年度は無料
税込26,400円
税抜24,000円
初年度は13,200円
操作
サポート
×メール
チャット
電話
メール
チャット
電話
画面共有
サポート
×
業務相談××
無料期間1年間無し
※初年度半額
無し
※初年度半額
メンバー追加3人まで無料
4人目以降
月額770円/1人
3人まで無料
4人目以降
月額1,210円/1人
3人まで無料
4人目以降
月額2,200円/1人
消費税申告
スマート証憑管理
※電子帳簿保存
制限無し制限無し制限無し
請求書別料金
※Misoca
(月間10枚無料)
別料金
※Misoca
(月間10枚無料)
別料金
※Misoca
(月間10枚無料)
給与計算別料金
※やよいの給与明細Next
別料金
※やよいの給与明細Next
別料金
※やよいの給与明細Next

他クラウド会計とは違い、やよいの青色申告 オンラインは、
給与計算(やよいの給与明細 Next)や請求書(Misoca)は、別料金となので、
会計ソフトだけ必要なら、料金は圧倒的に安く済む

そして、会計ソフト単体の料金システムも、
freeeやマネーフォワードに比べてシンプルで分かりやすい。
年間契約プランのみで、料金プランでの違いはサポート対応のみ
使える機能は同じなので、全てのプランで消費税申告も可能となります。

サポート要らないならセルフプラン(年額9,680円)は、クラウド会計で最安であり、
消費税の課税事業者でも、年額9,680円プランで申告できる
初年度無償キャンペーンも実施中、最初の1年間は無料で使えるのも良い。

無料で使える「やよいの青色申告 オンライン」

ただ、パッケージ版の「やよいの青色申告」とは操作方法が全く異なり、
「やよいの青色申告オンライン」では、出納帳入力や伝票入力ができません
良くも悪くもfreeeと同じ、簡単入力システムを採用しています
簿記分からなくても入力できるけど、複雑な仕訳には対応していないのです。

従来の複式簿記スタイルで入力したいなら、デスクトップ版という選択肢。
公式でも多機能を求める人には、
クラウド版ではなく、従来のデスクトップ版をおすすめしていますからね。
同じ「やよい」でも、オンライン版の中身は全くの別物ってことです。

デスクトップ版「やよいの青色申告」って、よくできた会計ソフトであり、
圧倒的なシェアを誇る青色申告ソフトでもある。
クラウドに抵抗がある人にもおすすめ。Windowsユーザー限定ですけど。

パッケージ版「やよいの青色申告」のあんしん保守サポート料金=更新料なので、
「やよいの青色申告」も「やよいの青色申告オンライン」も、
実は、年間の維持コストは同じであり、
データ連携する「スマート取引取込」「口座自動連携ツール」は、デスクトップ版でも使えるのです。
ただ、デスクトップ版は商品購入が必要なので、初期費用はクラウド版の方が安い

デスクトップ版「やよいの青色申告24+クラウド」とクラウド版「やよいの青色申告オンライン」の違い。 

オンライン版とパッケージ版の違い

スクロールできます

やよいの青色申告
オンライン
(クラウドサービス)
やよいの青色申告24
(デスクトップソフト+クラウド)
※あんしん保守サポート付き
セルフプラン税込9,680円
税抜8,800円
初年度は無料
税込9,680円
税抜8,800円
初年度は無料
※更新料:税込9,680円
(あんしん保守サポート)
ベーシックプラン税込15,180円
税抜13,800円
初年度は無料
税込15,180円
税抜13,800円
初年度は無料
※更新料:税込15,180円
(あんしん保守サポート)
トータルプラン税込26,400円
税抜24,000円
初年度は半額
税込26,400円
税抜24,000円
初年度は半額
更新料:税込26,400円
(あんしん保守サポート)
対応パソコンWindows、MacWindows
対応スマホiOS、Android ×
利用端末数制限なし2台のPCまで
データ保存先クラウドPC
クラウド
※あんしん保守サポート加入
オフライン入力×
消費税申告
不動産所得申告
農業申告××
かんたん取引入力
仕訳帳入力
出納帳入力
伝票入力
×
スマート取引取込
口座自動連携ツール

※あんしん保守サポート加入

また、弥生には、白色申告特化の「やよいの白色申告 オンライン」も有り、
白色申告事業者なら完全無料で使う事ができます。
こちらも有料版との違いはサポートの違い。確定申告書も無料で作成可能。
白色申告事業者なら「やよいの白色申告 オンライン」一択です。

やよいの白色申告オンライン

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フリープランベーシックプラントータルプラン
月額
年額無料税込10,120円
税抜9,200円
初年度は無料
税込18,480円
税抜16,800円
初年度は半額
操作サポート×メール
チャット
電話
メール
チャット
電話
画面共有サポート×
業務相談××
確定申告書の作成

平成26年以降、白色申告者も記帳が義務化となりましたからね。
ただ、白色申告で記帳しなければならないなら、
青色申告事業者になった方が良いとは思いますけど。

クラウド会計を選ぶポイント

金融機関とのデータ連携精度

クラウド会計として、何よりも重要なのが、
対応する金融機関、クレジットカード数ではなく、
データ連携の精度です。

同じクラウド会計だから、同じ仕組みというわけでは無く、
データ連携精度は、クラウド会計により大きく異なります

この点、優れているのが「freee」と「マネーフォワード」であり、
「やよいの青色申告オンライン」は、
データ連携の仕組みが複雑で、データ連携の精度も劣ります

弥生の「スマート取引取込」「サービス連携」「口座連携」には、
会計とは別の「YAYOI SMART CONNECT」を使い、
会計システムと口座連携システムは、区別されているのです。

独立したそれぞれのシステムを連携する為に、
設定が必要というのは言うまでもなく、
毎回連携する為にログイン、更新、同期の作業も必要です

2018-05-28_06h30_29

また、「YAYOI SMART CONNECT」の精度も低く、
口座連携の同期エラーの頻度が多いので、結局手動で取り込んだり。

2018-05-28_06h35_29

取り込めれば終了というわけでもなく、
明細が取り込まれてから、会計側に反映されるまでのタイムラグも有るし、
データが重複して取り込まれたり、データが抜けたりもするのです。

しっかりと連携されてこそ、クラウド会計ですからね。
連携システムを信用できず、確認手間が増えたら本末転倒。

取り込みシステムが別なだけで、連携するまでの工程も多くなる。
金融機関側のシステム変更でエラーが出るのは仕方ないにせよ、
その対応が他社に比べて遅いというのも困る。
エラー対応から復旧も遅い傾向にあります。

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証憑データ自動取得による電子帳簿保存

2024年1月より、電子帳簿保存法に対応することが必須となったので、
連携できるサービス数は多い方がよく、
これにより電子帳簿保存の手間も大きく変わってきます。

freeeやマネーフォワードクラウドは、
金融機関以外のWEBサービスへの連携サービスも多いのですが、
やよいの青色申告オンラインで使用する「YAYOI SMART CONNECT」は、
freeeやマネーフォワードに比べると、データ連携可能なサービスも少ないです。
ECサービスや、アフィリエイト、クラウドソーシング系サービスも未対応だらけ。
これにより、差が出てくるのが電子帳簿保存法への対応です。

電子帳簿保存対応している会計ソフトとは、
会計ソフト内に電子データを保存して管理できるということ。
仕訳に連動して電子データも照会(検索)できないと意味ないので、
電子データ専用の「クラウドストレージ」が用意されているわけです。

電子データの保存先使用可能容量、ファイル数制限
freeeファイルボックス1か月あたり合計10GBまでファイルのアップロードが可能。
(スタータープランのみ1か月あたり5枚まで)
マネーフォワードマネーフォワード クラウドBox2024年6月以降、パーソナルミニ、スモールビジネスはファイル数1000件まで。
1000件を超える場合、プランのアップグレードが必要。
弥生スマート証憑管理現時点で制限無し
※一定の利用枚数を超える場合には別途課金が発生する等の変更を行う可能性あり。

で、この証憑書類を保存ができることが前提で、
証憑書類をECサイトから自動的に取得した管理してくれるか?
って部分が違うのです。

既に、マネーフォワードやfreeeでは、
領収書の電子データを自動で取り込んで、
電子帳簿保存に対応した形式で自動的に保管してくれる機能が有る

※マネーフォワードでは「証憑自動取得機能」という名称を使ってます。

「証憑自動取得機能」について
「証憑自動取得機能」は、ECサイト等のサービスと『マネーフォワード クラウド会計』を連携することにより、取引明細データに加えて、電子領収書や電子請求書等の証憑データを自動で取り込む機能です。本機能により、『マネーフォワード クラウド会計』上で仕訳登録を行う際に、取引明細データと同時に取得した証憑データが自動添付されます。

自動取得した証憑データは、電帳法対応ストレージサービス『マネーフォワード クラウドBox』上に保存されるため、タイムスタンプ付与等の電帳法(電子取引区分)の保存要件に則って保管されます
なお、本機能について、当社は特許の出願手続きを済ませております。

『マネーフォワード クラウド』、インボイス制度対応の第一弾「証憑自動取得機能」を提供開始|株式会社マネーフォワード

例えば、ECサイトの代表格「Amazon」と連携することにより、
Amazon購入履歴→仕訳入力→電子帳簿に対応の証憑書類の添付まで、
自動で行ってくれるようになっています

領収書のデータを自動的に、電子帳簿保存法に対応した状態で、
会計ソフトに保管してくれるなら、
今までのような領収書を印刷して、別途保管する手間も無くなるので、
むしろ、電子帳簿保存法の方がありがたいって話にもなるわけ。
クラウド会計スゲーって話ですね。

ちなみに、freeeのAmazonビジネス連携が、
日本初インボイス保存の自動化に対応したサービス。

Amazonビジネス連携のメリット
法令対応はfreeeにAmazonビジネスを連携するだけ
2023年10月1日より、明細に加えてAmazonビジネスの支払い明細書(インボイス)が連携可能になりました。
インボイス制度にも、電子帳簿保存法の電子取引の義務化にも、対応したデータ形式で保存されます。
Amazonビジネスから手動で証憑紐付けをする必要はありません。

※ 販売事業者がAmazonビジネスに適格事業者番号を登録していない場合、支払い明細書はインボイスとはなりません。

Amazonビジネス – 購入履歴を取り込む – freee ヘルプセンター

freeeが、2023年10月時点で対応済みに対し、
弥生は、2024年2月末時点でもアナウンスが無いですよね?
インボイス自動保存への対応スピードも違うって感じてます。

データ入力方法

クラウド会計は、いずれも似たような仕組みですが、
実際の使い勝手、データ入力方法(仕訳入力方法)が全然違います。

freeeは、簿記を知らなくても使える会計ソフトという事で、
従来の会計ソフトとは、使い方が全く異なります。
税務知識が無い人でも使えるという事が、簿記を知っている人にとっては仇となっている。
「補助科目」という言葉も有りませんからね。

freeeとマネーフォワードクラウドを徹底比較。両方使って気付いた大きな違い。

やよいの青色申告オンラインも、freeeと同じような入力システムを採用。
インストール版で可能だった、出納帳入力、伝票入力が不可能となっており、
操作方法も全く異なります。

一方、マネーフォワードクラウドは、従来の会計ソフトにクラウド機能を付与
お馴染みの振替伝票入力も可能なわけで、
他会計ソフトを使った経験が有るなら、マネーフォワードが使いやすい。
特に、手入力仕訳も併用する場合は、マネーフォワードが圧倒的に早いです。

シェア率の推移

会計データという重要なデータ、
サービスが廃れたり、サービス内容が変わっても困るわけで、
なるべくなら皆が使っている会計ソフトを使いたい。
で、現時点での個人事業主向けのシェアトップは、弥生がダントツです。

クラウド会計利用状況調査

2019年:弥生(57%)>マネーフォワード(21.5%)>freee(18.2%)
2020年:弥生(56.7%)>freee(21.1%)>マネーフォワード(16.8%)

クラウド会計ソフトの利用状況調査(2020年4月末) ≪ プレスリリース | 株式会社MM総研

クラウド会計ソフトの事業別シェアの推移

2021年:弥生(57%)>freee(20.6%)>マネーフォワード(14.8%)
2022年:弥生(53.9%)>freee(25.4%)>マネーフォワード(15.5%)

個人事業主のクラウド会計利用率は30%に届く勢い、引き続き拡大基調 ≪ プレスリリース | 株式会社MM総研

さすが弥生といいたいところですが、
このデータには、無料で使える「やよいの白色申告 オンライン」も含まれますし、
別のデータ、トラフィックシェアで調べてみると・・・
freeeとMFクラウドに大きく離されている現状です。

2022年6月の時点では、freee(freee.co.jp)が48.35%でトップ、それにマネーフォワードクラウド会計(biz.moneyforward.com)の31.32%、弥生会計(yayoi-kk.co.jp)の12.86%が続き、この上位3サイトで合計92.53%のトラフィックシェアを獲得しています。クラウド会計業界は上位3強とその他という構図であることがわかりますが、中でもfreeeはほぼ50%のシェアを獲得して、他社を大きく引き離しています。

検索キーワードから紐解く業界分析:クラウド会計ソフト編 | リードプラス株式会社


私の体感として弥生がオンラインでシェアと取っているとは考え難く、
クラウド会計シェアでは、freeeとマネーフォワードクラウドの2強なのは間違いない。
そして、この2社で比べれば「freee」の方が、シェアを占めるでしょう。

過去には、マネーフォワードが優勢だった時期もあるのですが、
2019年5月には、マネーフォワードクラウドが料金プランの変更→実質の値上げで、
マネーフォワードのシェアが減少。
この影響を受けて、2020年6月にマネーフォワードクラウドは、
料金プランを改定→実質の値下げをしています。

2022年2月には、freeeのサービスで大改悪。
freeeが楽天銀行との連携ができなくなったので、
freeeからマネーフォワードに流れた人も多いハズ。

2022年10月に、やよいの青色申告オンラインで値上げをしており、
2022年12月に、freeeも月額プランの値上げ(年額プランは変更無し)
2023年12月に、freeeが楽天銀行と連携を再開、
2023年12月に、マネーフォワードクラウドの再値上げ(法人向けプランは変更なし

直近では、「freee」が楽天銀行と連携を再開し、
対する「マネーフォワード」が値上げをしたので、
今後も「freee」が、クラウド会計シェアを伸ばしていくと思っています。

ちなみに、法人のクラウド会計のシェアは「freee」が圧倒的なシェアNo.1。
法人freeeは、個人向け「freee」とは違い、
値段が非常に安く、従来の会計ソフトのような仕訳入力が可能。
クラウド会計対応の税理士も「freee」が圧倒的に多いですからね。
もちろん弊社も、法人向けのfreee会計を利用中です。

小規模法人におすすめクラウド会計ソフト。freee、マネーフォワードクラウド会計、弥生会計オンラインの比較。

クラウド会計の比較まとめ

クラウド会計を使うなら、シェアNo.1の「freee」。
インボイス制度や電子帳簿保存法にも、いち早く対応しており、
シェアを占める事により、freeeの仕訳が一般的となったわけで、
会計ソフトの常識も変わりつつある。

クラウド会計に限らず、普及しなければ改悪するのだということ。
新しいサービスや企業ほど、その傾向にあるわけで、
やはり業界シェアというのは、何よりも重要な指標。
マネーフォワードは、ちょっとサービスの改悪も目立つから不安というのも有る。

ただ、従来の会計ソフトの知識が有るなら「マネーフォワードクラウド」は使いやすい。
他社では別料金の給与計算・労務管理・勤怠管理・人事管理の費用も含まれているので、
会計ソフト以外の部分も使いたいなら、トータルで安上がる。

インボイス事業者(消費税の課税事業者)で比較するなら、
freeeもマネーフォワードも最安プランは使えません。
マネーフォワードクラウドは、年額16,896円(パーソナルプラン)。
freeeは、年額26,136円(スタンダードプラン)。
やよいの青色申告オンラインは、年額9,680円(セルフプラン)。
この3つのプランで比較することになるのです。

個人事業主クラウド会計の比較

スクロールできます
freee
スタンダード
マネーフォワードクラウド
パーソナル
やよいの青色申告
セルフプラン
年額税込26,136円
税抜23,760円
税込16,896円
税抜15,360円
税込9,680円
税抜8,800円
初年度は無料
消費税対応
電子帳簿保存容量月間10GBまで無制限無制限
請求書別料金
※Misoca
(月間10枚無料)
人事労務
給与管理
別料金
※人事労務freee
別料金
※やよいの給与明細Next
サポートメール
チャット
メール
チャット
×
利用人数3人まで無料無制限3人まで無料
メンバー追加4人目以降
月額税込440円/1人
年額税込3,960円/1人
無制限4ユーザー以降
月額税込770円/1人

「やよいの青色申告申告オンライン」は、
クラウド会計としての連携機能が、他社に比べると劣りますが、
会計ソフトとして安さでNo.1。しかも初年度無料です。
多少の使い勝手の悪さも、仕訳が少ない事業者なら許容できるハズ。
結局のところ住めば都。どれで慣れるか?って話だとも思う。

いずれにせよ、クラウド会計は、まだまだ発展途上のサービス。
私が感じた情報が、既に古い可能性もありますし、
誰が何と言おうと、実際に使ってみた方が早い。
使えないなら、無料のウチに辞めれば良いだけ。

そして、クラウド会計を使うつもりなら、
金融機関や決済も電子データを優先しないと意味が無い。

金融機関は、WEBに特化したネット銀行。
連携スピードも速く、オンラインで完結する仕組みもあり、なにより手数料が安い。

個人事業主におすすめのネット銀行。他行宛て振込手数料の比較。

決済は、現金よりも、電子データで記録が残るクレジットカード。
現金決済するよりもお得で、経理の手間も無くなって一石二鳥。
経営者は「ビジネスカードを使うべき理由」もありますからね。

個人事業主、中小企業の経営者におすすめ法人カード(ビジネスカード)

おすすめ法人カード比較

やよいの青色申告を使っているから、やよいのクラウド会計に移行する。
そんな安直な考えは、ブン投げて。とりあえずやってみる。
時代は思ったよりも進化していますし、面倒なのは皆一緒。
自分が適応することで、固定費はだいぶ安くできるのですから。

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この記事を書いた人

KJ新谷のアバター KJ新谷 小さな会社の取締役

平成21年に輸入物販で起業して、既に起業15年目。
法人10期目。小さい会社の代表です。
雰囲気で商売しています。

コメント

コメント一覧 (5件)

  • やはりそうかという感じでした
    大変参考になりました
    大変助かりました
    ありがとうございました

  • 説得力があり、とても参考になりました。
    比較の仕方がいいですね 。scansnapを持っているのでそれを活用できる会計ソフトを探していますがMFで試してみようと思います。

  • すごいわかりやすかったです。

    大変助かりました。
    本当にありがとうございました。

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