法人成りで、社会保険への加入は必須。
個人事業主の国民健康保険と国民年金保険とオサラバし、
社会保険の厚生年金保険と健康保険に加入する事になる。
新規加入との事で、年金事務局で手続きが必要です。
労働保険に括られる、雇用保険と労災保険ですが、
従業員が居ない法人は、加入する必要は有りません。
役員のみの会社なら、雇用保険と労災保険の加入手続きは不要です。
また、同じ社会保険でも手続きする場所は異なるので注意。
- 厚生年金保険・健康保険→年金事務所
- 労災保険→労働基準監督署
- 雇用保険→ハローワーク
というわけで、
今回は、健康保険と厚生年金保険の加入に必要な、
書類の書き方と申込手続きの流れ。
目次
厚生年金保険と健康保険の新規加入に必要な書類
年金事務局に電話したら、必要書類一式送ってくれましたが、
どうやらネットでダウンロードもできるみたい。
→健康保険・厚生年金保険適用関係届書・申請書一覧|日本年金機構
新規加入手続きに必要だった書類
- 新規適応届
- 被保険者資格取得届
- 健康保険被扶養者届(該当者がいる場合)
- 保険料口座振替依頼書
- 法人事業所の場合は、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
履歴事項全部証明書は社会保険でも必要。法人口座開設時の余りを使うべし。
書類の書き方・・・覚悟はしていたけど、やっぱり分からないよね。汗
頑張って埋めていきます。
健康保険・厚生年金保険 新規適用届の記入例
健康保険・厚生年金保険 新規適用届書ってコレ。
私が記入して戸惑った項目。
<イ>事業の種類:事業所業態分類票を参照に記入。私の場合は無店舗小売業。
<11>現物給与の種類:特に予定無いんで空欄にした。
<12>昇給月、<13>賞与月:特に予定無いんで空欄にした。
続いて裏面。
<キ>給与形態:月給制
<ク>諸手当の種類:特に予定無いんで空欄。
<ケ>給与計算日の締切日、<ク>給与支払日:末日締めの翌月10日払いにした。
給与支払日と給与締日の決め方
給与支払日は悩んだ。定番の締日と支払日はこんな感じ。
- 15日締めの当月25日払い
- 20日締めの当月25日払い
- 25日締めの翌月5日払い
- 末日締めの翌月10日払い
経理上分かり易くするなら、当月25日払い。
資金繰りに余裕を持たせるなら、翌月10日払い。
締日と支払日の期間には、10日間くらいの余裕があった方が良いって事で。
社会保険の初月支払いにも影響してきます。※後述します。
<サ>該当項目に人数等記入して下さい。(役員を含む。)
- 従業員数:役員を含む人数。
- 社会保険に加入する従業員数:役員を含む人数。
- 社会保険に加入しない従業員について:非常勤役員(親族等)や、パートが居れば。
- 事業所の所定労働時間:1月21日、1週40時間、1日8時間。普通の感じ。
身内を非常勤役員として社会保険の加入免除とする際は注意です。※後述します
<シ>事業所の所在地略図:Googleマップ見ながらササッと書いたけど、印刷の貼り付けでOK。
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届の記入例
<1>事業所整理記号:新規の場合は空欄。
<2>事業所番号:新規の場合は空欄。
<8>基礎年金番号:年金手帳の基礎年金番号を記載。
<15>資格取得年月日:提出月の1日にした。ある程度なら遡って記載しても問題無いみたい。
<ア>報酬月額:社会保険料を算出するに、月額報酬額も決めておかないとイケない。
<オ>被扶養者の有無:妻を夫の被扶養者とするなら「有」に丸。
健康保険被扶養者(異動)届 及び 国民年金第3号被保険者に係る届の記入例
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届にて、被扶養者を「有」にしたのならば、
健康保険被扶養者(異動)届 及び 国民年金第3号被保険者に係る届書の提出。
家族を健康保険の被扶養者にするのに必要です。
被保険者欄
<エ>資格取得年月日:提出月の1日にした。他の書類と一緒。
<オ>標準期間月額:給料をいくらにするか?決めておこう。
配偶者である被扶養者欄
<セ>職業:奥様が役員の場合は非常勤役員とか。常勤役員の場合は被扶養者になれないので。
<ソ>収入:推定年収を記載。被扶養者の時点で、恐らく130万未満に設定しているかと。
<10>被扶養者になった日:資格取得年月日と一緒。
その他の被扶養者欄
<9>続柄:子ではダメらしい。長男とか次女とか。
<セ>職業:保育園通ってるんで、園児?
<ハ>理由:新規。
左下の欄
<エ>収入に関する証明の添付が省略されている者は、所得税法上の控除対象配偶者・扶養親族であることを確認しました。
所得税なんで103万の壁です。
→103万、106万、130万、150万、201万円の壁。配偶者の被扶養者資格と納税者の扶養控除の違い。
扶養者の所得が103万円以下なら、確認に○をする事で収入証明書の添付が不要になります。
年間所得が103万越え130万円未満の場合は、何らかの書類が必要になるらしいです。
私は、個人事業主時代に青色専従者給与も払っていたので、
それも含めて103万なのか聞いたところ、あくまで法人からの推定年収で問題無いとの事。
※課税対象となるか?被扶養から外れるか?は年間所得で決まります。
まぁ、あくまで私の場合であり、人により異なり、注意すべき点だと思うので、
詳しくは、お近くの年金事務所にお問い合わせ、ご相談下さいませ。
国民年金第3号被保険者に係る届出書
この書類3枚つづりとなっており、
3枚目は、国民年金第3号被保険者に係る届出書となっております。
全て複写でOKだと思ってたので、1枚目だけ記入して持って行ったのですが、
右下の部分の欄に、届出人(国民年金第3号被保険者)の記入が必要でした。
※自署の場合は印鑑不要。
中央辺りに「事業主等受付年月日」っていう項目もあったけど、
押し印する必要も、記入する必要も無かった。
国民年金第3号被保険者の届け出人って誰?って思ったけど、
健康保険の被扶養者である配偶者の事でした。
健康保険の場合は被扶養者で、厚生年金の場合は国民年金第3号被保険者っていう名称。
毎度ややこしいね。
社会保険と非常勤役員の関係。健康保険の被保険者と被扶養者。
配偶者が年間報酬130万円未満なら、
夫の健康保険の被扶養者にできるって思ってましたが、そういうわけでは無かった。
非常勤役員であれば社会保険の加入は必要有りませんが、
常勤役員であれば社会保険の加入は必須となります。
年間130万円は、あくまで夫の被扶養者になれる金額であり、
社会保険に加入対象(被保険者)となるかどうかは、また別の話。
よって、非常勤役員の勤務実態が重要という事。
実際、書類提出の際には、
どの程度業務に関わっているのか?
役員会議に出席するのかどうか?
ってのを聞かれました。
具体的な非常勤役員についての定義は無く、
社会保険の被保険者となるかの判断は、年金事務所に委ねられる。
後日調査も有るって記載されてたので、無理やり被扶養者にしない方が無難です。
加入後6カ月後以内に、社会保険の届け出が適正に行われているか確認のため統合調査を行います。後日調査日を連絡しますので、必ず来所されますようお願いします。
遡って請求とか・・・嫌ですよねん。
社会保険の調査・確認について。
実際の社会保険の調査は、加入の約一年後に有りました。
「厚生年金保険および全国健康保険協会管轄健康保険者の資格及び報酬等の調査・確認の実施について」
っていう書類が郵送にて到着。
日付と時間指定され、年金事務所へ赴きました。
役員のみの弊社の場合、
給与支払明細書、源泉所得税の領収書、労働者名簿くらいの持参で数分で終わりました。
予定時刻に行ったのに、20分くらい待たされましたけどね・・・
恐らく役員のみ法人の場合、それほど突っ込まれる事も無いかと。
アルバイトやパートを雇用してる場合は、出勤簿やタイムカードで、
社会保険の加入漏れを指摘されるんじゃないかな?
健康保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書の記入例
保険料を口座振替で支払いたい場合は、
健康保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書を提出します。
2枚目を金融機関で提出して、
1枚目に金融機関の確認印もらって年金事務局にも提出。
3枚目は自分用の控えです。
ゆうちょ銀行やネットバンクは、社会保険の振替は非対応なんで、
それ以外の金融機関を用意しておきましょう。
→法人口座の開設方法と必要な期間。維持費と手数料を比較する。
1.事業所記号・指定預金口座等
振替口座番号だけで問題ナス。
2.口座振替を希望する金融機関(納入告知書送付先)
金融機関の住所を調べて記載した。
5.振替開始(希望) 平成 年 月分保険料(平成 年 月 日納入分)から
健康保険、厚生年金保険の適応月からにした。
4月から保険適応で、5月上旬までに提出してくれれば4月分の振替間に合うって話。
4月末までなら確実と言われたけど、ソッコー出しといた。
あとは1枚目に代表者印、2枚目に金融機関の届け出印ってのを忘れずに。
金融機関によっては、そのまま年金事務局に提出してくれるらしいけど、
基本的に年金事務所に持ち込む感じになると思います。
国民年金保険&国民健康保険の資格喪失手続きをする。
新規加入の書類提出後、ジャスト2週間で「健康保険被保険者証」が郵送されてきました。
※提出した書類に不備や足らない書類がある場合、手続きは進みません。
保険証は特定記録郵便で、宅配ボックス配達でした。
「健康保険・厚生年金保険資格取得確認および標準報酬決定通知書」てのも、
普通郵便で同日に届いてた。
新しく保険証が届いたら、
市区町村の健康保険組合で、資格喪失手続きが必要なんで忘れずに。
我が家は小さい子供が居るので、子育て政策課での変更手続きも必要だった。
「小児医療費助成制度」の変更届け。
社会保険加入後に必要な業務。社会保険料の徴収と算定基礎届。
社会保険ってのは、毎月の給与支給にも関わってくる。
給与(役員報酬)支払い時に、被保険者の負担分(約半分)を計算して、
保険料分差し引いて給与支払いをするって作業が必要。
社会保険料の徴収は翌月徴収が原則なので、
当月分の保険料は、翌月支払の給与から差し引く。
社会保険は給与を支払った月で考えるので、給与の締日と支給日にも関係してくる。
事業主は児童手当拠出金も支払う必要もあるので、
口座振替の引き落とし金額と、微妙にズレるのは必然。
また、年一回算定基礎届を提出する必要があります。
健康保険及び厚生年金保険の被保険者の実際の報酬と標準報酬月額との間に大きな差が生じないように、7月1日現在で使用している全ての被保険者に4~6月に支払った賃金を、事業主の方から「算定基礎届」によって届出いただき、厚生労働大臣は、この届出内容に基づき、毎年1回標準報酬月額を決定します。これを定時決定といいます。
「算定基礎届」により決定された標準報酬月額は、原則1年間(9月から翌年8月まで)の各月に適用され、納めていただく保険料の計算や将来受け取る年金額等の計算の基礎となります。
4月から6月に支払った賃金を基に、年間の社会保険料が割り出されるんだね。
標準報酬月額を計算して、毎年7月10日までに提出。
然るべき時が来たら、社会保険事務所から書類が送られて来るって話なんで・・・
届出用紙(算定基礎届等)については、毎年5月下旬から6月までの間に順次、事業所様あてお送りします。この届出用紙には、5月中旬頃までに届出された被保険者の氏名、生年月日、従前の標準報酬月額等を印字しております。
まぁ、忘れる事は無いでしょう。
社会保険料率は毎年変わる。料率が変わる時期と保険料額表。
社会保険と言えども、健康保険と厚生年金保険から構成されており、
健康保険の部分は、協会けんぽが運営となっています。
健康診断を受ける場合は、協会けんぽで手続き。
雇用者は健康診断を受けさせる義務も有りますので、併せて気を付けて。
→協会けんぽ(社会保険)で健康診断。申込み方法と料金について。
また、保険料率が変わる時期も、健康保険と厚生年金で異なります。
役員報酬や、従業員の社会保険料は、給与天引きで預り金。
切り替えのタイミングで給与支給額も間違えないように。
健康保険は、毎年3月(4月納付分)に変わり、
厚生年金は、毎年9月(10月納付分)に保険料額が変わります。
しかも健康保険(協会けんぽ)は、住んでいる地域によって保険料率も異なります。
→都道府県毎の保険料額表 | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
社会保険も所得が上がれば、上がる仕組みですが、一応上限金額が有ります。
健康保険と、厚生年金で上限金額は異なります。
厚生年金は34等級の標準月額報酬62万円がMAX保険料率ですが、
健康保険は47等級の標準月額報酬121万円がMAX保険料率となってます。
平成28年4月より、健康保険は50等級(標準月額報酬139万円)まで拡張されました!
年収1600万円くらいまでは、所得税と同じく保険料も上がりまくります。
保険料は上がっても、得するわけでもなく、むしろ所得制限で損ばかり。
→法人利益に対する適切な役員報酬を考える。個人と法人の実行税率と社会保険料率の関係。
利益ほどほどであれば、役員報酬ほどほどで、法人側にお金を残した方が・・・。
役員報酬の変更する場合は、社会保険料も変わるので、
年金事務所でも手続きが必要となります。
2年目は役員変更する人も多いと思うので。ややこしい手続きも把握しておきましょう。
月額変更届の書類も、手こずりましたから。
→役員報酬変更後に必要な社会保険事務所での手続き。提出すべき書類と注意点。
高い社会保険料。
とりあえず、最初の給与支払いは来月10日。
それまでに支払うお金を用意しなければ・・・
資金繰りに余裕をもたせるなら、法人向けクレジットカードも活用しましょう。
→法人カードの選び方。オススメの法人カードと解約した法人カード。
社会保険料も、クレジットカード払いできたら良いのにね。
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