SIMフリーのモバイルルーターで、好きなSIMが使えるというのなら、
キャリアで高額なホームルーター契約する必要も無い。
モバイルルーターよりも、ホームルーターの方が高性能。
モバイルルーター同様に、中古のホームルーターも手に入るし、
家でしか使わないなら、ホームルーターの方が良いんじゃないのん?
同じSIMでも通信速度向上するんじゃないか?
という淡い期待とともに試してみたので、ここにその記録を残しておきます。
電波バリバリエリア在住の人なら、試す価値は有りますね。
ドコモのホームルーターを使う理由
SIMフリーのホームルーターは、NEC、ピクセラ、IODATAと販売されていますが、
その実売価格は、1.5万円~2万円前後。
例えば、楽天モバイルでも使えると話題のピクセラのSIMフリーホームルーター、
5G回線には未対応であり、
4G対応バンドは、B1、B3、B8、B18、B19・・・と、思ったより普通のスペック。
一方、キャリア契約で販売されているホームルーターは、
本体価格が高額なこともあり、スペックも無駄に高いものが多い。
解約後の使いみちが無いことから、中古デバイスは格安に取引されている。
ドコモのホームルーターhome 5Gは、定価4万~7万円のホームルーターであり、
4G対応バンドも豊富で、5Gバンドにも対応。
更には、5Gのキャリアアグリゲーションにも対応→下り最大4.2Gbpsも可能。
なのに旧モデル「HR01」の価格は、中古で7,000円~8,000前後と激安でした。
最新モデル「HR02」は、アンテナとWiFi機能が強化され、メッシュWiFiに対応してますが・・・
正直、ホームルーターとして使うには過剰スペック。旧型「HR01」で十分高性能です。
一応、スペックも調べたので比較表置いておきます。
home 5G HR01とHR02の比較
home 5G HR01 | home 5G HR02 | |
---|---|---|
発売日 | 2021年8月27日 | 2023年3月7日 |
本体価格 | 39,600円 | 71,280円 |
メーカー | SHARP | SHARP |
サイズ | 高さ170mm 縦95mm 横95mm | 高さ170mm 縦95mm 横95mm |
重量 | 720g | 847g |
5G通信速度 | 下り最大4.2Gbps 上り最大218Mbps | 下り最大4.2Gbps 上り最大218Mbps |
4G通信速度 | 下り最大1.7Gbps 上り最大131.3Mbps | 下り最大1.7Gbps 上り最大131.3Mbps |
5G対応バンド | n78、n79 | n1、n28、n78、n79 |
4G対応バンド | 1、3、19、21、28、42 | 1、3、19、21、42 |
WiFi速度 | 最大1.2Gbps | 最大4.8Gbps |
有線LAN | 最大1Gbps x 1 | 最大1Gbps x 1 最大2.5Gbps x 1 |
アンテナ | 前面1つ、背面2つ | 4方向に4つ |
Wi-Fi EasyMesh | × | 〇 |
消費電力 | 最大22W | 最大25W |
同時接続台数 | 65台(Wi-Fi:64台 / 有線LAN:1台) | 66台(Wi-Fi:64台 / 有線LAN:2台) |
対応UIM(SIM) | nanoUIM(nanoSIM) | nanoUIM(nanoSIM) |
ホームルーターといえど使うのはスマホと同じモバイル回線、
携帯キャリアが使うバンドは、モバイルルーターもホームルーターも一緒。
ドコモのホームルーターは、基本的に各社主要バンドに対応済みであり、
キャリアのバンドにも一通り対応しているから、理論上は全てのキャリア回線で使えるハズ。
携帯キャリアの周波数帯
契約SIM | 4G対応バンド | 5G対応バンド |
---|---|---|
docomo ahamo | Band 1 Band 3 Band 19/26(プラチナバンド) Band 21 Band 28(プラチナバンド) Band 42 | n78(Sub6) n79(Sub6) n257(ミリ波) |
au UQmobile povo2.0 | Band 1 Band 3 Band 11 Band 18(プラチナバンド) Band 26(プラチナバンド) Band 41 Band 42 | n3(転用5G) n28(転用5G) n77(Sub6) n78(Sub6) n257(ミリ波) |
SoftBank Y!mobile LINEMO | Band 1 Band 3 Band 8(プラチナバンド) Band 11 Band 28(プラチナバンド) Band 41 Band 42 | n3(転用5G) n28(転用5G) n77(Sub6) n78(Sub6) n257(ミリ波) |
楽天モバイル | Band 3 Band 18 ※パートナー回線(au) Band 26 ※パートナー回線(au) | n77(Sub6) n257(ミリ波) |
ただ、キャリアのホームルーターは、SIMフリーではない可能性も有るので注意。
SIMフリーじゃない→他社SIMでは使えないわけで、
私がドコモのホームルーター「home 5G」を選んだのも、
確実に「SIMフリー」だと判断できたから。
ドコモ以外が販売する、キャリア販売のホームルーターは、
携帯電話契約では無い→SIMロック解除義務化の対象外という現状。
解約すると全く利用価値が無くなるという酷い商売でもあり、
他社SIMは使えないし、SIMロックだけでなく契約縛りもある。
モバイル回線は同じで月額料金アップ、そして高額なルーターを2年縛りで購入させる、
情弱向けサービスといっても過言では無いですね。
実際のところ、SoftBank AirにはSIMロック有り、SIMロック解除も対象外。
Rakuten Turbo 5Gは、APN設定が不可能→他社SIMでは使えない実質的なSIMロック。
公式でRakuten Turbo専用SIMでしか使えないと明言しており、楽天モバイルSIMでの利用も危ういです。
Rakuten Turbo 5GはRakuten Turboの専用SIMのみでご利用いただけます。
Rakuten Turbo 5Gについて気になる点を聞いてみた | TechBreeze
なお、技術的な詳細の回答は控えさせていただきます。
UQ WiMAXの「Speed WiFi Home 5G」も、SIMロックフリーだけど、
au回線以外の動作はイマイチ信用ならない。
実際、UQ WiMAXのモバイルルーター「Speed WiFi NEXT W06」では、
au回線以外のBand3利用に制限あり、楽天モバイルでは使えませんでしたからね。
→モバイルルーターでpovo2.0、楽天モバイルの無制限SIMを使う方法。おすすめSIMフリーモバイルWiFiまとめ。
SIMフリーといいつつ、実際は他社SIMで使えないことも有るのです。
ドコモのhome 5G H01なら、他社SIMでも使えるわけで、
具体的な設定方法へと続きます。
ドコモhome 5G HR01のAPN設定方法
ドコモの「home 5G HR01/HR02」を、ドコモ以外のSIMで使うには?
初期設定方法・・・というよりも、APNの設定方法ですね。
スマホ同様に、使うSIMのAPN設定さえしてしまえば、電波を掴んで使えるようになります。
ただ、home 5Gには、ボタンや液晶ディスプレイが付いていないので、
本体単体でAPN設定不可能。
home 5Gデバイスに、スマホやタブレット、パソコン等を接続して設定する必要が有ります。
home 5Gに電源を挿して、他デバイスからhome 5GにWi-Fi接続する。
※home 5Gは、有線LAN接続も可能なので、有線でもOKです。
home 5Gに接続したら、ブラウザアプリ(Safari、Chrome、Edge等)を起動して、
アドレスバーに「192.168.128.1」と入力します。「http://web.setting」でもアクセス可能。
本体下部には、設定画面アクセス用のQRコードも有ります。
設定画面(Web設定ツール)にアクセスするには、「ログインパスワード」が必要です。
本体底面に初回ログインパスワードも記載されており、新規パスワードへの変更手続きも必要です。
※パスワードは「8~32文字」で「大文字、小文字、数字、記号」の全てを含めないとダメです。
設定画面にログインしたら、左側メニューより、
「設定」→「モバイルネットワーク設定」→「APNプロファイル設定」を選択する。
APNプロファイル設定画面が表示されたら、画面中央にある「+新規」から追加できます。
あとは、各社SIMのAPN設定に従って入力するだけ、
Androidのスマートフォンや、モバイルルーターのAPN設定と同じです。
※ドコモAPN設定のみ、最初から登録されています。
以下、私がよく使うSIMのAPNプロファイル情報です。
公式サイトで指示が無い部分は、基本的に入力不要。
「IPタイプ(APNプロトコル)」は「IPv4/IPv6」でOK。
特に指定がなければ、「認証方式」も「CHAP」を選んでます。
APNの設定方法
ahamo | LINEMO | povo2.0 | 楽天モバイル | IIJmio | 日本通信SIM | |
---|---|---|---|---|---|---|
プロファイル名 | 任意 | 任意 | 任意 | 任意 | 任意 | 任意 |
APN | spmode.ne.jp | plus.acs.jp.v6 | povo.jp | rakuten.jp | iijmio.jp | dm.jplat.net |
ユーザー名 | 入力不要 | lm | 入力不要 | rm | mio@iij | jci@jci |
パスワード | 入力不要 | lm | 入力不要 | 0000 | iij | jci |
認証方式 | 入力不要 | CHAP | 入力不要 | PAPまたはCHAP | PAPまたはCHAP | PAPまたはCHAP |
APNプロトコル | 入力不要 | 入力不要 | 入力不要 | 入力不要 | 入力不要 | 入力不要 |
APN参考ページ | ahamo | LINEMO | povo2.0 | 楽天モバイル | IIJmio | 日本通信SIM |
APNプロファイル設定は、複数登録可能で、
登録してしまえば、管理画面から簡単に切替られるようになります。
プロファイル選択して、画面下の方にある「適応」をタップ。
「今すぐAPNプロファイル設定を変更しますか?」と表示されるので「OK」をタップという流れ。
プロファイル設定をしたら、SIMを差し替えれば自動的に接続してくれます。
SIMを挿してから、プロファイル設定しても別に問題有りません。
上手く動作しなければ、再起動。それでもダメなら、プロファイル設定が間違っているハズ。
home 5G HR01の通信速度
home 5G HR01の対応バンドは、4G Band 1/3/19/21/28/42。
home 5Gは、n78とn79のSub6に対応。
※超高速n257のミリ波(28GHz帯)は未対応。
各キャリアで重要なBand 1(2.0GHz)、Band 3(1.7GHz)には対応しており、
高速通信で共通となっている高周波数帯のBand 42(3.5GHz)にも対応、
高周波数帯を併用するキャリアアグリゲーション(4G+)にも対応しています。
ソフトバンクとau(KDDI)のプラチナバンドは使えず、
Band 8(900MHz)、Band 18(800MHz)は未対応ですが・・・
通信速度は高周波数帯の方が速いので、ホームルーターにおいて重要度は低いとも思ってる。
低周波数帯のプラチナバンドって通信エリアが広い(建物に強い)だけですからね。
携帯キャリアの周波数帯
契約SIM | 4G対応バンド | 5G対応バンド |
---|---|---|
docomo ahamo | Band 1 Band 3 Band 19/26(プラチナバンド) Band 21 Band 28(プラチナバンド) Band 42 | n78(Sub6) n79(Sub6) n257(ミリ波) |
au UQmobile povo2.0 | Band 1 Band 3 Band 11 Band 18(プラチナバンド) Band 26(プラチナバンド) Band 41 Band 42 | n3(転用5G) n28(転用5G) n77(Sub6) n78(Sub6) n257(ミリ波) |
SoftBank Y!mobile LINEMO | Band 1 Band 3 Band 8(プラチナバンド) Band 11 Band 28(プラチナバンド) Band 41 Band 42 | n3(転用5G) n28(転用5G) n77(Sub6) n78(Sub6) n257(ミリ波) |
楽天モバイル | Band 3 Band 18 ※パートナー回線(au) Band 26 ※パートナー回線(au) | n77(Sub6) n257(ミリ波) |
では、実際のところ、他社のSIMでどれくらいの速度が出るのか?
我が家、神奈川県の湘南エリアで検証してみました。
ドコモ回線のahamoでは、HR01で5G通信が可能であり、
ahamoでは、100Mbps超える速度が出ました。
home 5Gは、5G回線を掴むと本体の「5G/4G」ランプが緑色→青色に変わります。
スマホやモバイルルーターでは、ahamoは遅い傾向にあり、
100Mbps超えの数値は見た事なかったので・・・
ホームルーター「HR01」の本体性能も関係している気がしました。
さすがドコモ純正ホームルーター、ahamoとの相性も良いのでしょう。
続いて、ドコモ回線を使うMVNO「日本通信SIM」。
5G未対応ですが、思ってた以上の速度も出ました。
混雑時間帯を除く利用であれば、激安運用の一つの選択肢としてアリかもしれません。
→日本通信SIM「合理的シンプル290プラン」のメリット・デメリット
キャリアアグリゲーション(4G+)通信は、他社SIMでも使えるようで、
au回線のpovo2.0でもキャリアアグリゲーションを確認。
やはりpovo2.0は、安定して早い。我が家では60~80Mbps前後出ています。
24時間330円だけで、4G+が無制限に使えるのが凄い。
povo2.0は、固定費0円ですからね。使う時だけトッピングすれば良い。
→povo2.0を0円運用して気づいたメリット・デメリット。注意点と賢い使い方。
LINEMOも高速でしたが、5Gは使えず。30Mbps~50Mbpsくらい出てました。
ただ、敢えてホームルーターで使うサービスでは無いですね。
通信エリアと通信速度のバランスは良いけど、ahamoみたいに大容量プランは無いし、
povo2.0、楽天モバイルのように無制限SIMとしても使えないから、スマホでこそ使うべき。
→LINEMOを契約して気づいたメリット・デメリット。3GBスマホプランと20GBミニプランの違い。
楽天モバイルは、Band3のみ対応のハズですが、こちらも高速通信となりました。
30Mbps~50Mbpsで速度も安定しているので、ホームルーター用のSIMとして使うのは有り。
楽天モバイルは、無制限SIMとして使うべき。
Rakuten Turboと変わらない速度で、楽天回線のホームルーターが作れます。
ちなみに、楽天モバイルでも5G回線を掴むことがありました。
楽天モバイルはn77に対応。HR01はn78/n79に対応。
本来は使えないハズだけど・・・ちょっと謎。
5Gだからといって早いわけでもなく、速度はahamoほど出てないです。
ホームルーターを使って気づいたこと
ホームルーターを使うことで、多少速度の向上は見られましたが、
モバイルルーターとの違いは・・・正直あまり感じられません。
考えてみれば、使うモバイル回線は同じなわけで、
モバイルルーターで速度が遅いなら、
ホームルーターで通信速度が改善する可能性は低い。
モバイルルーター、ホームルーターというデバイススペックではなく、
回線スペックが最重要なわけで、日本のモバイル回線が追い付いて無いのよ。
本体スペックを上げたところで、猫に小判なのでした。
よって、SIMを切り替えて、より高速な回線を使うということが重要。
その点、モバイルルーターは、APN切替も簡単で、デュアルSIM対応してたりもする。
どこでも使えて、本体価格も安い。
どちらかを選べというなら、私はモバイルルーターを選ぶのでした。
→モバイルルーターでpovo2.0、楽天モバイルの無制限SIMを使う方法。おすすめSIMフリーモバイルWiFiまとめ。
ホームルーターは、固定回線の代用のように販売されていますが・・・
モバイル回線のアップロード速度なんて顕著に遅いですからね。
家で常用する人には、ちょっと無理あるのも否めません。
この速度ならモバイルルーターで良いのよ。
モバイル回線は、同エリアの利用者も大きく関わってくるわけで、
速度も安定しないのも困る。
速度検証も、あくまで私のエリアの話であり、一時の速度に過ぎないってこと。
いつまでも同じ速度が出る保証は全くないし、
以前は通信速度が速かったSIMで、遅くなったSIMも数知れず、
最近は、最大手ドコモが異様に遅いんですよね・・・
まさかドコモがっていう時代。
一つのSIMを使い続けることは、ホントリスクだとも思いました。
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