2021年、大手携帯キャリアの値下げとともに、
格安なサブブランド「ahamo」「povo2.0」「LINEMO」が登場。
更には、契約縛りも廃止となり、SIMロックも禁止へ。
従来の格安SIM(格安スマホ)と同じ料金で、
高品質キャリアSIMが契約できるようになっちゃったわけで、
敢えて格安SIMを選ぶ理由・・・ほぼ無くなりました。
今年は、各社で料金プランも大幅改定。
契約プランを見直さないとホント損であり、
かくいう私も、2021年はMNPしまくり。
格安SIMから撤退しまくった、その理由について。
格安SIMの定義:MVNOとMNOの違い
格安SIMとは、携帯電話キャリア(MNO)から、
回線を借りている事業者(MVNO)が提供するSIMのこと。
格安SIM(格安スマホ)≒MVNOであり、
自社で回線を持たない故に、回線品質も劣るのです。
安いとはいえ、携帯キャリアのサブブランドとは別物であり、
新たに登場したahamo、povo、LINEMOはMNO。
第4のキャリア「楽天モバイル」も、
独自回線を持っており、既に格安SIMでは無いのです。
4大キャリア回線(MNO)
- docomo回線:ドコモ、ahamo
- au回線:au、povo、UQモバイル
- SoftBank回線:ソフトバンク、LINEMO、ワイモバイル
- Rakuten回線:楽天モバイル
格安SIM(MVNO)事業者
- IIJmio
- mineo
- OCNモバイルONE
- nuroモバイル
- 日本通信(b-mobile)
- HISモバイル
- BIGLOBEモバイル
- イオンモバイル
現在は、格安SIMを提供するMVNOも減少中。
斜陽産業であり、避けた方が良い理由も多い。
具体的な、格安SIMデメリットへ続きます。
格安SIMのデメリット
既に格安では無い
2021年、携帯電話大手3社から、オンライン専用の格安プランが登場した為、
格安SIMが「格安」ではなくなりました。
ahamo、povo、LINEMO・・・格安SIMより激安です。
LINEMOミニプランは、月間3GB使えて月額990円。
povo2.0では、電話番号付きの音声通話SIMが無料。
格安SIMもビックリの月額0円で使える無料SIMなのです。
MNOの月額料金
1GB | 3GB | 20GB | 60GB | 100GB | |
---|---|---|---|---|---|
povo2.0 ※基本料無料 | ¥390 (7日間) | ¥990 (30日間) | ¥2,700 (30日間) | ¥6,490 (90日間) | – |
LINEMO | – | ¥990 | ¥2,728 | – | – |
ahamo | – | – | ¥2,970 | – | ¥4,950 |
楽天モバイル | ¥1,078 ※~3GB | ¥1,078 ※~3GB | ¥2,178 ※~20GB | ¥3,278 ※20GB~ | ¥3,278 ※20GB~ |
ahamo、povo、LINEMOの登場に合わせて、
格安SIMも料金プラン改定されましたが・・・その価格は誤差の範囲。
3GBで1,000円弱というのは変わらず、内容ほど安くもないのが格安SIMなのです。
格安SIMの月額料金
100MB | 500MB | 1GB | 2GB | 3GB | 4GB | 5GB | 6GB | 7GB | 8GB | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本通信SIM 合理的シンプル290 | – | – | ¥290 | ¥510 | ¥730 | ¥950 | ¥1,170 | ¥1,390 | ¥1,610 | ¥1,830 |
HISモバイル 自由自在プラン | ¥290 | – | ¥550 | – | ¥770 | – | – | – | ¥990 | – |
IIJmio ギガプラン | – | – | – | ¥858 | – | ¥1,078 | – | – | – | ¥1,500 |
OCNモバイルONE ※10分無料通話付き | – | ¥550 | ¥770 | – | ¥990 | – | – | ¥1,320 | – | – |
nuroモバイル | – | – | – | – | ¥792 | – | ¥990 | – | – | – |
mineo | – | – | ¥1,298 | – | – | – | ¥1,518 | – | – | – |
BIGLOBEモバイル | – | – | ¥1,078 | – | ¥1,320 | – | – | ¥1,870 | – | – |
イオンモバイル | – | ¥803 | ¥858 | ¥968 | ¥1,078 | ¥1,188 | ¥1,298 | ¥1,408 | ¥1,518 | ¥1,628 |
携帯キャリアに比べて料金が安いSIM→格安SIMなわけで、
既に格安SIMでは無いし、MVNOは借りている回線。
中身も劣るわけで、月間データ容量だけで比較しない方が良いのです。
初期費用が必要
2021年、電気通信事業法の改正により、
2年縛りの違約金という名の解約手数料は無料となり、
他社へ番号移行する際のMNP転出料も無料へ。
転入先の初期費用(新規契約手数料、新規SIM発行料)も無料へ。
ahamo、povo2.0、LINEMO、楽天モバイルでは、
月額料金以外の手数料が発生しないのです。
スマートフォンの端末縛りであるSIMロック解除料も無料となっており、
2021年10月からは、SIMロックも原則禁止へ。
携帯はいつでも解約してOKであり、携帯プランも簡単に変えて良い時代なのです。
MNOの各種手数料
新規契約 手数料 | SIM再発行 手数料 | 解約手数料 契約解除料 | MNP転出 手数料 | |
---|---|---|---|---|
docomo | 3,300円 ※店頭のみ | 3,300円 ※店頭のみ | 無料 | 無料 |
ahamo | 無料 | 2,200円 ※故障時は無料 | 無料 | 無料 |
au | 3,300円 ※店頭のみ | 2,200円 | 無料 | 無料 |
UQ mobile | 3,300円 ※店頭のみ | 2,200円 | 無料 | 無料 |
povo2.0 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
SoftBank | 3,300円 ※店頭のみ | 3,300円 | 無料 | 無料 |
Y!mobile | 3,300円 ※店頭のみ | 3,300円 | 無料 | 無料 |
ahamo | 無料 | 1,100円 ※故障時は無料 | 無料 | 無料 |
LINEMO | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
楽天モバイル | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
一方、格安SIMはというと、未だに初期費用3,300円が必要なのです。
契約時には新規契約事務手数料が発生し、SIMカード発行手数料まで取るところも多い。
IIJmioと日本通信SIMは、eSIMにも対応していますが、eSIM再発行手数料も取られるから気を付けて。
IIJmioのeSIM再発行手数料は220円、日本通信SIMに至っては1,100円も取られます。
ahamo、LINEMO、povo2.0、楽天モバイルでは、eSIM再発行手数料も無料。
eSIMって物理SIMのように差し替えられないので、機種変更する毎にeSIM再発行も必要だからね。
格安SIMの各種手数料
新規契約 手数料 | SIMカード 発行手数料 | SIM再発行 手数料 | 解約手数料 契約解除料 | MNP転出 手数料 | |
---|---|---|---|---|---|
IIJmio | ¥3,300 | ¥433 | ¥2,200 | 無料 | 無料 |
日本通信SIM | ¥3,300 | – | ¥3,300 | 無料 | 無料 |
HISモバイル | ¥3,300 | – | ¥3,300 | 無料 | 無料 |
OCNモバイルONE | ¥3,300 | ¥433 | ¥1,980 +¥433 | 無料 | 無料 |
nuroモバイル | ¥3,300 | ¥440 | ¥3,300 | 無料 | 無料 |
mineo | ¥3,300 | ¥440 | ¥2,200 +¥440 | 無料 | 無料 |
BIGLOBEモバイル | ¥3,300 | ¥433 | ¥3,300 | ¥1,100 ※12ヶ月未満 | 無料 |
イオンモバイル | ¥3,300 | – | ¥3,300 | 無料 | 無料 |
そもそも、キャリア縛りが有ったから、縛りの無い格安SIMを選んでたわけで、
キャリア縛りが無くなった今、逆に手数料が取られるなら使わないよね。
他社へ乗り換えたら、その都度費用が発生するわけで・・・
今では、格安SIMの方が「縛り」が有るのです。
通信速度が遅い
格安SIMは、通信速度が遅く、速度も安定してません。
借りている回線を利用しているので、混雑時に大幅に通信速度も遅くなります。
朝と夜の通勤時間帯、お昼の時間帯は遅くなるのも恒例。
試しに計測してみたけども、昔も今も変わらず。
ahamo、povo、LINEMO、楽天モバイルと高速だけど、
IIJmioは1Mbpsまで低下、昼時は使い物になりません。
同様に日本通信SIMも、昼時は低速になります。
同じドコモ回線のahamoに比べてダンゼン遅いのでした。
格安SIMでは、回線種類もドコモ、au、ソフトバンクと選べたりしますが、
MVNOである以上、通信速度は期待できないわけで、
どこの格安SIMが早い?とか、考えるだけ無駄です。
今早くても、ユーザーが増えれば遅くなる可能性は高い。
格安SIMでどこが早いか?気になるなら辞めるべき。
ahamo、povo、LINEMOが間違いなく早いから。
速度も出なければ、データ容量が多くても意味もないので、
格安SIMでは大容量プランも使うべきでは無いのです。
通話品質が低い
「かけ放題」を使うなら、格安SIMは選ぶべきでは有りません。
格安SIMのかけ放題は「プレフィックス」or 「IP電話」。
通話品質が劣るだけでなく専用アプリで発信する必要が有る。
同じ「かけ放題」だとは思わない方が良いです。
専用アプリ発信は、色々とストレス貯まるし、
その程度の品質で良いなら「楽天モバイル」で良い。
「Rakuten Link」のかけ放題は無料で使えるから。
→【2022年7月改悪】楽天モバイルの評判。Rakuten UN-LIMIT VIIのデメリット。
高品質VoLTEの「かけ放題」を使いたいなら、キャリア回線(MNO)。
ahamo、povo2.0、LINEMO、UQモバイル、ワイモバイルが高品質。
スマホのデフォルト通話アプリで電話を掛けるだけで「かけ放題」適応となり、
かけ放題オプション料金も大差無いのです。
かけ放題の料金
基本料金 | かけ放題 5分 | かけ放題 10分 | かけ放題 15分 | かけ放題 | |
---|---|---|---|---|---|
ahamo | 2,780円 | 無料 | – | – | 1,100円 |
povo2.0 | 無料 ※トッピング制 | 550円 | – | – | 1,650円 |
LINEMO 3GB | 990円 | 550円 | – | – | 1,650円 |
楽天モバイル | 1,078円 ※従量制 | – | – | 1,100円 | – |
UQmobile 3GB | 1,628円 | – | 770円 | – | 1,870円 |
Y!mobile 3GB | 2,178円 | – | 770円 | – | 1,870円 |
かけ放題が安いのは「ahamo」「povo2.0」「LINEMO」ですが、
povo2.0は、月額1,650円の「かけ放題」だけで契約することができるので、
データ通信料金が不要な分、かけ放題の最安運用が可能です。
→povo2.0を0円運用して気づいたメリット・デメリット。注意点と賢い使い方。
iPhoneのデュアルSIMなら、同時に2つのSIMも有効にできますから、
かけ放題用に、povo2.0を契約するのも有り。
→iPhone eSIM(デュアルSIM)を使って気づいたメリット・デメリット
かけ放題しない場合の通話料金は、どこでも30秒22円。
povo2.0の「かけ放題」料金は月額1,650円。
月間40分以上の通話をするなら、かけ放題にした方が安くなる計算です。
通話時間 | 通話料金 |
---|---|
30秒 | ¥22 |
1分 | ¥44 |
10分 | ¥440 |
20分 | ¥880 |
30分 | ¥1,320 |
40分 | ¥1,760 |
50分 | ¥2,200 |
60分 | ¥2,640 |
ちなみに、LINEでの通話(LINE通話)は、
データ通信を使いますので、音声通話の「かけ放題」は必要ありません。
音声通話≒携帯電話番号で発信することなので、勘違いしないように。
LINEの年齢確認が不可能
LINEの年齢認証に対応している格安SIMは、IIJmio、mineo、イオンモバイルのみ。
ほとんどの格安SIMは、LINE年齢確認に未対応であり、LINEでID検索ができません。
楽天モバイル、ahamo、LINEMO、ワイモバイル、UQモバイルと、LINE年齢認証対応ですからね。
MNOで対応していないのは、povo2.0くらいです。
APNプロファイル設定が必要
格安SIMでは、APNの設定を自分でする必要があります。
※APN=Access Point Name(アクセスポイント名)
APN設定は慣れれば、別になんてことない作業ですが、APN設定で困るのがiPhone。
iPhoneでは、APN設定をするために構成プロファイルのインストールが必須となっており、
1台のiPhoneで、APN構成プロファイルは1つしかインストールできません。
よって、iPhoneでは2つ以上の格安SIM(MVNO)を使えない、切替られないということ。
※IIJmioのデータSIMはプロファイル不要で使えます。
また、APNプロファイルをインストールすることにより、
キャリアSIMが繋がらなくなるといった現象にも遭遇しています。
MVNOの構成プロファイルが原因で、もう一方のキャリアSIMが使えなくなる。
キャリアSIM(MNO)同士のデュアルSIMなら、この不都合は起こり得ない。
→iPhoneデュアルSIMで格安SIMを使う際の注意点。APN構成プロファイルをインストールで繋がらなくなる問題。
これSIMカードを交換する場合も、プロファイル削除→インストールの手間が有るし、
海外SIMを使う場合も、プロファイル削除しない使えないことばかり。
帰国して再インストールするのも面倒であり、
プロファイル削除しちゃってるので帰国後はオフライン、再インストールも大変。
オフラインでアプリインストールができるのは、IIJmioとmineoくらいですからね。
ちなみに、ahamo、povo2.0、LINEMO、楽天モバイルでは、
iPhoneでプロファイル設定不要(自動インストール)です。
デュアルSIMの切替も機種変更もラクなのです。
それでも格安SIMを選ぶ理由
キャリアのサブブランドが激安になった今、
それでも私が格安SIMを使ってる理由。
月額440円で月間2GBのIIJmio「ギガプラン」と、
月額290円で月間1GBの日本通信SIM「合理的シンプル290プラン」が有るから。
いずれもeSIM対応しているので、デュアルSIM運用も可能。
格安SIMで使うなら、この2つだけだとも思ってます。
携帯電話料金は、月間データ容量で決まっているので、
データ通信の部分を、格安SIMで補うことでより安くできるのです。
例えば、IIJmioのeSIMは、月間2GBで月額440円と激安。
しかも、追加料金不要で容量シェア、余ったデータ容量の翌月繰越も可能。
2回線以上使うならIIJmioで圧倒的に安くなる。
容量追加も、1GBあたり220円と最安。
IIJmioのデータSIMは、プロファイルインストールが不要。
格安SIMでありながら、LINEの年齢確認にも対応していますからね。
→IIJmio(アイアイジェイミオ)ギガプランのメリット・デメリット
一方、日本通信SIMは、シンプルに安いです。
格安SIMらしい、月間1GBで月額290円という料金。
1GBを超過した場合も、1GBあたり220円という激安料金です。
→日本通信SIM「合理的シンプル290プラン」のメリット・デメリット
同じ月額290円では、HISモバイルも有りますが100MB未満という条件が有るので気を付けて。
月間3GBで済むなら日本通信SIMが良い。HISモバイルは7GBプラン一択。
でも毎月コンスタントに7GB使うって難しいよ。
→月額290円 HISモバイル「自由自在290プラン」のメリット・デメリット。日本通信SIM「合理的シンプル290プラン」との違い。
ただ、上述したように格安SIMのデメリットが有るので、
格安SIMのメリットだけ使うためには、デュアルSIM対応のスマホが必要。
iPhoneならデュアルSIM運用することで、更に安くもできるのです。
→iPhoneをデュアルSIMで最安運用。楽天モバイル、povo2.0、LINEMO、IIJmioのeSIM活用方法。
ちなみに、SMS付きのデータSIMは、今となっては割高。
音声SIMが格安に手に入るので、敢えてSMS付きを選ぶ理由は無いのです。
データSIMはMNP転出ができないので、SMS番号そのまま他社に乗り換えることができません。
2段階認証に使うリスクも有るので、ホント使わない方が良い。
格安SIMのデメリットまとめ
格安SIMを選ぶ理由、本当無くなりましたね。
低容量なら、LINEMOが有るし、
大容量が欲しいなら、ahamoも有る。
電話番号が欲しいなら、povo2.0なら無料で貰えます。
いずれにせよ、格安SIMと大差ない価格。
微妙な価格差しか無いし、価格差以上に回線品質の差が有るのです。
データ容量と月額料金だけじゃない部分。非常に大きいと感じました。
「LINEMOミニプラン」は、マジで格安SIM潰しのプラン。
月額990円で3GB使えて、ソフトバンクの高速回線でLINEまで使い放題。
子供とか親とか、低容量で済むならLINEMOが間違いない。
小難しく考えなくても良いってのも良いところ。
→LINEMOを契約して気づいたメリット・デメリット。3GBスマホプランと20GBミニプランの違い。
LINEMOで容量が足りないなら「ahamo」です。
20GBの1プランですが、データ容量だけでは比較できない良さもある。
多少の料金差で悩むならahamoにしとけば間違いない。圧倒的なスペック。
→ahamoを契約して気づいたメリット・デメリット。ahamo大盛り100GBの違い。
海外で使うならahamoに敵うSIMも有りません。
日本と同じように、そのまま海外で使えるって便利さも有るのです。
→海外でahamo(アハモ)を使う方法。ハワイで使って気づいた注意点。
ahamo、povo2.0、LINEMO・・・正直どれでも良い。
どれも格安SIM以上に安くなっちゃってるから。とりあえずどれでも良いから使うべき。
ワイモバイル、UQモバイル、楽天モバイルは、既に割高。
→ahamo、povo2.0、LINEMO、楽天モバイル、ワイモバイル、UQモバイル、格安SIMの比較と分岐点。
モバイル業界が激変したので、格安SIMに限らず、見直さないとホント損ですね。
新プランが安いとはいえ、プラン変更手続きは、各社勝手にやってくれません。
ただ、2年縛りは無くなり、SIMロックも撤廃され、番号移行も簡単になってます。
ドコモだから、ソフトバンクだから・・・っていう固定概念はぶん投げて。
バシバシと乗り換えたら良いし、嫌なら辞めちゃってください。
ホントそれができる時代ですから。
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